JPS6314563Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、トラクタの後方に連結して使用され
る整地用作業機に関する。

トラクタの後方に三点リンクを介して連結され
る整地用作業機は、例えば、デイスクハロー、デ
イスクプラウ等としてよく知られている。また、
左右一対の回転軸を後方広がり状で平面視八の字
状に配置し、この各回転軸に軸方向に所定間隔を
おいて複数個の皿状回転体を装着した所謂多連式
の整地用作業機が、例えば特公昭32−5854号公
報、実公昭33−9511号公報等において既に提案さ
れている。

しかし、これら作業機においては、回転軸のあ
る部分は、それに設けた皿状回転によつて圃場を
整地できるが、左右の回転軸の内端間に対応する
部分が整地不能であるために残り、またその未処
理部分に左右から土塊が寄せられるため、中央部
分が高く盛上がり反転性が悪くなる欠点があつ
た。

また、皿状回転体を回転軸に取付ける構造とし
ては、単に皿状回転体を回転軸に套嵌し、皿状回
転体相互間の間隔をカラーで規制するようにした
ものが、前記実公昭33−9511号公報にて開示され
ている。

しかし、皿状回転体によつて圃場を整地した
後、その土塊を反転させようとした場合、皿状回
転体に大きな抵抗が作用するため、前述のような
取付構造では、皿状回転体が倒れる惧れがあつ
た。

本考案は、このような従来の問題点に鑑み、左
右一対の回転軸の内端間に生じる未処理部分をな
くすると共に、中央部分での土塊の盛上がりをな
くして反転性を良好にし、更には皿状回転体の安
定した取付けを可能にすることを目的として提案
されたものであつて、その特徴とする処は、トラ
クタの後方に三点リンク機構を介して装着される
機枠と、後方広がりの平面視八の字状に配置され
かつ軸方向両端部で機枠に対して回転自在に支持
された左右一対の回転軸とを備え、各回転軸に、
球面状に凹入する反転部が一側に形成された皿状
回転体を、その反転部が内向きとなるように軸方
向に複数個設けて成る整地用作業機において、左
右の回転軸の内端間の前方に、中央文分を耕起す
る耕起リツジヤを設け、各皿状回転体は中心部に
ボス部を有し、この各ボス部を回転軸に串刺し状
に套嵌した点にある。

以下、図示の実施例について本考案を詳述する
と、第１図及び第２図において、１はトラクタ、
２は作業機昇降用の油圧装置で、左右一対のリフ
トアーム３を有する。４は三点リンク機構で、ト
ツプリンク５と左右一対のロアリンク６とから成
り、ロアリンク６はリフトロツド７を介してリフ
トアーム３に連結されている。８は整地用作業機
で、機枠９、回転軸１０、皿状回転体１１及び耕
起具１２等から成る。機枠９は前後部中部の連結
板１３と、この連結板１３から前方に張出す左右
一対の前張出板１４と、連結板１３の左右両端か
ら後方に張出す後張出板１５と、前張出板１４に
設けられた横方向の横架部材１６とから成り、こ
の機枠９は三点リンク機構４に連結されている。
回転軸１０は左右一対あり、その左右一対の回転
軸１０は後方広がりの平面視八の字状に配置され
ている。各回転軸１０の外端は軸受１７及び取付
ブラケツト１８を介して機枠９の各後張出板１５
に、内端は軸受１９及び取付ブラケツト２０を介
して機枠９の連結板１３に夫々回転自在に支持さ
れている。

皿状回転体１１は、第３図及び第４図に示すよ
うに、一側面に球面状に凹入する反転部２１が形
成されると共に、外周縁部に歯状の切込部２２が
形成され、また中心部にはボス部２３が設けられ
ている。なお、皿状回転体１１を円形状とし、そ
の外周をそのまま切込部２２としても良い。

皿状回転体１１はそのボス部２３を回転軸１０
の外周に串刺し状に套嵌して、回転軸１０の軸方
向に複数個設けられており、また、ボス部２３の
外周には巻付防止兼間隔規制用のカラー２４が套
嵌されている。

横架部材１６には３個の耕起具１２ａ，１２が
取付金具２５を介して上下調節自在に取付けられ
ている。３個の耕起具１２の内、中央の耕起具１
２ａは、左右の回転軸１０の内端間の前方に位置
して中央部分を先行して耕起するように設けられ
ており、また、その両側の耕起具１２は各回転軸
１０の外端部側の前方に位置して設けられてい
る。

なお機枠９の後方には、横枠２６とこれに設け
られた多数の整地爪２７とから成る整地具２８が
上下動自在に枢支連結されている。

次に作用を説明する。圃場の整地作業に際して
は、整地作業機８全体を降した状態でトラクタ１
により牽引走行する。すると、先ず耕起具１２，
１２ａが圃場を先行して耕起して皿状回転体１１
による抵抗の削減を図ると共に、中央の耕起具１
２ａは皿状回転体１１による整地不能な部分を前
もつて耕起し、未処理部分の発生を防止する。ま
た中央の耕起具１２ａは中央部を耕起し、その土
塊を左右に振分けて溝を形成して行く。

皿状回転体１１は牽引走行に伴なつて回転軸１
０と共に一体的に回転し、外周の切込部２２によ
り圃場に切込んで砕土整地する。そして、皿状回
転体１１の切込部２２で砕土された土塊は、反転
部２１の球面に沿つて後部側へと案内された後、
後部側から斜め後向きに内方へと反転して放てき
されて行く。この場合、前述の如く回転軸１０に
おける内端間の中央部が耕起具１２ａによつて既
に耕起された溝状となつているので、中央側の皿
状回転体１１によつて左右両側から中央に寄せら
れる土塊の反転性が良好になり、中央部の盛上が
りもなくなる。

また、回転軸１０が平面視八の字状に傾斜して
配置されているので、皿状回転体１１は整地抵抗
を軸方向に受けることになるが、ボス部２３を介
して回転軸１０に套嵌しているので、皿状回転体
１１の倒れを防止し安定した姿勢に維持でき、耐
久性が向上する。

皿状回転体１１による整地跡には、その作業幅
に略相当する盛上がりができ、その頂面を整地具
２８の整地杆２７で掻いて、砕土、整地を行う。

なお、代掻き作業の場合には、左右両側の耕起
具１２及び後方の整地具２８が非常に有効である
が、それ以外では必ずしも必要ではない。

本考案によれば、左右一対の回転軸１０におけ
る内端間の前方に耕起具１２ａを設けているの
で、皿状回転体１１により処理不能な未処理部分
を耕起具１２ａで耕起でき、中央部分での未処理
部分の発生を防止できる。また、皿状回転体１１
による整地に先立つて、中央部分を耕起具１２ａ
で耕起するので、中央部分に溝ができ、左右の皿
状回転体１１からの土塊の反転性が良好であり、
また中央部分のみの過度な盛上がりも防止でき
る。しかも、皿状回転体１１は軸方向に抵抗を受
けるが、ボス部２３を有し、これを回転軸１０に
套嵌しているので、皿状回転体１１の倒れ等がな
く、安定性が向上し、かつ耐久性も向上する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は全体
の側面図、第２図は同平面図、第３図は皿状回転
体の取付部の断面図、第４図は第３図のＡ−Ａ矢
視図である。 １……トラクタ、４……三点リンク機構、８…
…整地用作業機、９……機枠、１０……回転軸、
１１……皿状回転体、１２，１２ａ……耕起具、
２１……反転部、２３……ボス部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. トラクタ１の後方に三点リンク機構４を介して
   装着される機枠９と、後方広がりの平面視八の字
   状に配置されかつ軸方向両端部で機枠９に対して
   回転自在に支持された左右一対の回転軸１０とを
   備え、各回転軸１０に、球面状に凹入する反転部
   ２１が一側に形成された皿状回転体１１を、その
   反転部２１が内向きとなるように軸方向に複数個
   設けて成る整地用作業機において、左右の回転軸
   １０の軸内端間の前方に、中央部分を耕起する耕
   起具１２ａを設け、各皿状回転体１１は中心部に
   ボス部２３を有し、この各ボス部２３を回転軸１
   ０に串刺し状に套嵌したことを特徴とする整地用
   作業機。