JPS6314206B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、自動車のプロペラ・シヤフトに使
用される中間軸受に関する。

一般に、ホイール・ベースが比較的長い自動車
例えば、大型および中型トラツクにおいて、変速
機の出力軸とリア・アクスルとを連結するプロペ
ラ・シヤフトは、分割型に構成され、その分割型
プロペラ・シヤフトはヨークを介して互いに連結
されている。

そのように連結された分割型プロペラ・シヤフ
トは、その連結部分付近において、中間軸受によ
りそのトラツクのシヤシ・フレームに回転可能に
支持されている。

その中間軸受は、ベアリング・ケース内にその
プロペラ・シヤフトを回転可能に支持するベアリ
ングを配置し、そのベアリングの両側において、
そのプロペラ・シヤフトとそのベアリング・ケー
スとの間を密閉するオイル・シールを備えてい
る。

しかし、従来の中間軸受においては、そのオイ
ル・シールをベアリング・ケースの両端内側にそ
れぞれ圧入し、次いで、その圧入されたベアリン
グ・ケースをベアリングに嵌め込んでいたため、
その中間軸受を構成する部品員数が多く、そのオ
イル・シールの取付け作業が煩雑になり、生産コ
ストが高くなる傾向にあつた。

この発明の目的は、プロペラ・シヤフトを適正
な状態でシヤシ・フレームに回転可能に支持し、
ベアリングの両側において、ベアリング・ケース
とそのプロペラ・シヤフトとの間をオイル・シー
ルにより密閉して、そのベアリングに供給される
潤滑油の流出、および、砂、塵などのそのベアリ
ング側への浸入を防止し、しかも、部品員数を少
なくして、そのオイル・シールをそのベアリン
グ・ケースに容易に取り付け、生産コストを低廉
にするところのプロペラ・シヤフトに使用される
中間軸受の提供にある。

それらを課題として、この発明のプロペラ・シ
ヤフトに使用される中間軸受は、シヤシ・フレー
ムに固定されるベアリング・クツシヨン・ホルダ
と、そのベアリング・クツシヨン・ホルダ内に保
持されたベアリング・クツシヨンと、そのベアリ
ング・クツシヨン内に配置され、かつ、両端にそ
れぞれオイル・シール取付けフランジを一体的に
備える分割型ベアリング・ケースと、そのベアリ
ング・ケース内に配置され、プロペラ・シヤフト
を支持するベアリングと、そのベアリング・ケー
スのオイル・シール取付けフランジに焼付けら
れ、そのベアリング・ケースとそのプロペラ・シ
ヤフトとの間を密閉するオイル・シールとを含ん
で構成している。

以下、この発明に係るプロペラ・シヤフトに使
用される中間軸受の望ましい具体例について、図
面を参照して説明する。

図は、中型トラツクに適用されたこの発明のプ
ロペラ・シヤフトに使用される中間軸受の具体例
１０を示している。

その中間軸受１０は、その中型トラツクのシヤ
シ・フレーム（図示せず）に固定されるベアリン
グ・クツシヨン・ホルダ１１と、そのベアリン
グ・クツシヨン・ホルダ１１内に保持されたベア
リング・クツシヨン１２と、そのベアリング・ク
ツシヨン１２内に配置され、かつ、両端にそれぞ
れリング状のオイル・シール取付けフランジ１
４，１５を一体的に備える分割型ベアリング・ケ
ース１３と、そのベアリング・ケース１３内に配
置され、その中型トラツクのプロペラ・シヤフト
２１の後端の側を回転可能に支持するベアリング
１６と、そのベアリング１６の両側で、そのベア
リング・ケース１３のオイル・シール取付けフラ
ンジ１４，１５にそれぞれ焼付けられ、そのベア
リング・ケース１３とそのプロペラ・シヤフト２
１との間を密閉する一対のオイル・シール１７，
１８と、そのベアリング・クツシヨン１２の両側
を支持するように、そのベアリング・ケース１３
の両側にそれぞれ嵌め込まれた一対のベアリン
グ・プレート１９，２０と、そのベアリング・ケ
ース１３の両側で、そのオイル・シール１７，１
８に接触するように、そのプロペラ・シヤフト２
１に嵌め込まれた一対のリング状デイフレクタ２
７，２８とより構成されている。

ベアリング・クツシヨン・ホルダ１１は、後述
するベアリング・クツシヨン１２の外周を被つて
そのベアリング・クツシヨン１２を支持するよう
に鋼板から形成されている。

勿論、そのベアリング・クツシヨン・ホルダ１
１は、そのベアリング・クツシヨン１２の取付け
を容易にするため、分割型に構成され、その中型
トラツクのシヤシ・フレームにおいて、変速機
（図示せず）とリア・アクスル（図示せず）との
間の所定の位置にボルト締めされる。

ベアリング・クツシヨン１２は、合成ゴム、合
成樹脂などからリング状に形成され、そのベアリ
ング・クツシヨン・ホルダ１１内に配置されてい
る。

ベアリング・ケース１３は、鋼板から筒状をな
し、円筒部分において両側に分割されるように形
成され、両端に内側に伸長されたリング状のオイ
ル・シール取付けフランジ１４，１５を一体的に
備えている。

そのベアリング・ケース１３は、そのベアリン
グ・クツシヨン１２内に配置されている。

ベアリング１６は、そのベアリング・ケース１
３内のほぼ中央の位置に配置され、先端が変速機
の出力軸に連結されたプロペラ・シヤフト２１の
後端を回転可能に支持している。

勿論、そのプロペラ・シヤフト２１の後端側に
は、ベアリング嵌め込み段２２が形成され、その
ベアリング嵌め込み段２２をそのベアリング１６
のインナ・レース内に嵌め込んでいる。

また、そのプロペラ・シヤフト２１の後端に
は、ジヨイント・フランジ２３がスプライン連結
され、そのジヨイント・フランジ２３は、そのプ
ロペラ・シヤフト２１の後端に締め付けられたナ
ツト２５によつて固定されている。

そのジヨイント・フランジ２３の一方の端面
は、そのベアリング１６のインナ・レースの端面
に接触し、そのベアリング嵌め込み段２２の側面
との間にそのインナ・レースを挟み付けている。

さらに、そのジヨイント・フランジ２３には、
クロス・スパイダー（図示せず）を取り付けるた
めの孔２６を備えるヨーク２４がボルト締めされ
ている。

勿論、そのヨーク２４には、後端をその中型ト
ラツクのリア・アクスルにおけるデイフアレンシ
ヤル・ギア側に連結した他のプロペラ・シヤフト
（図示せず）の先端がそのクロス・スパイダーを
介して連結される。

オイル・シール１７，１８は、耐油性および耐
摩耗性に優れた合成ゴムよりなり、断面を略Ｖ字
状にしてリング状に形成されている。

そのオイル・シール１７，１８は、上述のベア
リング・ケース１３におけるオイル・シール取付
けフランジ１４，１５にそれぞれ焼き付けられて
いる。

すなわち、そのオイル・シール１７，１８は、
そのベアリング１６の両側において、そのベアリ
ング・ケース１３とそのプロペラ・シヤフト２１
との間を密閉している。

ベアリング・プレート１９，２０は、鋼板から
リング状に形成され、そのベアリング・クツシヨ
ン１２の両側を挟み付けるようにして、そのベア
リング・ケース１３の両側に嵌め込まれている。

勿論、そのベアリング・プレート１９，２０
は、そのベアリング・プレート１９，２０、およ
び、そのベアリング・クツシヨン１２を貫通する
複数のボルト（図示せず）により、そのベアリン
グ・クツシヨン１２を挟み付けるように固定され
ている。

デイフレクタ２７，２８は、鋼板からリング状
に形成され、そのベアリング・ケース１３の両側
で、そのオイル・シール１７，１８の端面に接触
するように、そのプロペラ・シヤフト２１に嵌め
込まれている。

上述のこの発明のプロペラ・シヤフトに使用さ
れる中間軸受１０は、オイル・シール１７，１８
が、既存の中間軸受のように、オイル・シール取
付けリングを使用することなく、ベアリング・ケ
ース１３のオイル・シール取付けフランジ１４，
１５に直接的に焼付けられているため、その中間
軸受１０を構成する部品員数が、既存の中間軸受
に比較して少なくなり、そのオイル・シール取付
けリングをそのベアリング・ケース１３に圧入す
る作業が省かれ、そのオイル・シール１７，１８
の取付けが極めて容易になり、生産コストが低廉
になる。

勿論、そのオイル・シール１７，１８は、ベア
リング１６の両側で、そのベアリング・ケース１
３とそのプロペラ・シヤフト２１との間を密閉し
ているため、そのベアリング１６に供給される潤
滑油の流出、および、砂、塵などのそのベアリン
グ１６側への浸入が防止され、そのベアリング１
６の本来の機能が長期間にわたつて維持される。

如上のこの発明によれば、シヤシ・フレームに
固定されるベアリング・クツシヨン・ホルダと、
そのベアリング・クツシヨン・ホルダ内に保持さ
れたベアリング・クツシヨンと、そのベアリン
グ・クツシヨン内に配置され、かつ、両端にそれ
ぞれオイル・シール取付けフランジを一体的に備
える分割型ベアリング・ケースと、そのベアリン
グ・ケース内に配置され、プロペラ・シヤフトを
支持するベアリングと、そのベアリング・ケース
のオイル・シール取付けフランジに焼付けられ、
そのベアリング・ケースとそのプロペラ・シヤフ
トとの間を密閉するオイル・シールとを含んで構
成しているので、そのプロペラ・シヤフトが適正
な状態でシヤシ・フレームに回転可能に支持さ
れ、さらに、そのベアリングの両側において、そ
のベアリング・ケースとそのプロペラ・シヤフト
との間がそのオイル・シールによつて密閉され、
そのベアリングに供給される潤滑油の流出、およ
び、砂、塵などのそのベアリング側への浸入が防
止され、しかも、部品員数が少なくなり、そのオ
イル・シールがそのベアリング・ケースに容易に
取り付けられ、生産コストが低廉になり、極めて
実用的になる。

【図面の簡単な説明】

図は中型トラツクに適用されたこの発明のプロ
ペラ・シヤフトに使用される中間軸受の具体例を
示す縦断面図である。 １０……プロペラ・シヤフトに使用される中間
軸受、１１……ベアリング・クツシヨン・ホル
ダ、１２……ベアリング・クツシヨン、１３……
分割型ベアリング・ケース、１４，１５……オイ
ル・シール取付けフランジ、１６……ベアリン
グ、１７，１８……オイル・シール、１９，２０
……ベアリング・プレート、２１……プロペラ・
シヤフト。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ シヤシ・フレームに固定されるベアリング・
   クツシヨン・ホルダと、 そのベアリング・クツシヨン・ホルダ内に保持
   されたベアリング・クツシヨンと、 そのベアリング・クツシヨン内に配置され、か
   つ、両端にそれぞれオイル・シール取付けフラン
   ジを一体的に備える分割型ベアリング・ケース
   と、 そのベアリング・ケース内に配置され、プロペ
   ラ・シヤフトを支持するベアリングと、 そのベアリング・ケースのオイル・シール取付
   けフランジに焼付けられ、そのベアリング・ケー
   スとそのプロペラ・シヤフトとの間を密閉するオ
   イル・シール とを含むプロペラシヤフトに使用される中間軸
   受。