JPS6313424Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は多気筒エンジンの吸気装置に関し、デ
イーゼルエンジンの大部分の構成部品を利用して
ガスエンジンを製造する場合に、吸気装置をコン
パクトにまとめて、エンジンが吸気装置のために
大形化しないようにすることを目的とする。

近時、病院等に設置する緊急時用の電源装置を
駆動するエンジンとして、都市ガスやLPガスの
ガス等を燃料とするガスエンジンが用いられる傾
向にある。これに鑑み、従来のデイーゼルエンジ
ンの燃料供給装置を、ガス供給器と電気点火装置
に取り替えるだけで簡便にデイーゼルエンジンを
ガスエンジンに転用できるようにしたものが、提
案されはじめている。

ところで、一般に電気点火式エンジンでは気化
器やガス混合器等の混合器から吸気ポートに至る
までの距離に長短が生じると吸気脈動の不揃いに
より混合器で形成される混合気の濃度が不均一に
なつて、エンジンの出力に大きく影響することか
ら、上記のエンジンの場合、第５図に示すように
各脚部４５・４５・４５を略同じ長さに形成した
吸気マニホールド４６をシリンダヘツド４７に取
付け、この吸気マニホールド４５の前端部に混合
器４８及びエアクリーナ４９を取付けるようにし
ている。

こうしたものでは吸気マニホールド４６がエン
ジン４７から大きく突出するうえ、吸気マニホー
ルド４６の前端部に取付けた混合器４８及びエア
クリーナ４９でエンジンが大形化してしまうとい
う問題がある。

そこで本考案は上記問題を解決するために、吸
気マニホールドの胴部をエンジンのシリンダヘツ
ドに沿わせて長く形成し、胴部の内部を大容積に
して吸気マニホールドにサージタンクを形成し、
胴部の一端部に混合気入口を開口させ、この混合
気入口に混合器を取付けるとともに、吸気マニホ
ールドの上部にエアクリーナを取付け、エアクリ
ーナの浄気出口を混合器の浄気入口に連通させた
ことを特徴とするものである。

このように、吸気マニホールドがシリンダヘツ
ドに沿わせて設けられるとともに、吸気マニホー
ルドの一端部に混合器を取付け、吸気マニホール
ドの上部にエアクリーナを設けたので、吸気マニ
ホールド、混合器及びエアクリーナがエンジンの
外方へ大きく突出することがなく、デイーゼルエ
ンジンの構成部材で電気点火式エンジンを製造す
る時に、上記吸気装置のためにエンジンが大形化
することがない。

そのうえ、吸気マニホールド内のサージタンク
が各吸気ポートの吸気脈動を減衰させるので、混
合器に吸気脈動による影響を与えることが少な
く、混合器からは常に安定した均一な濃度の混合
気が各吸気ポートに供給されてエンジンの出力が
向上する。

以下、本考案の実施例を図面に基づき説明す
る。

第１図は副燃焼室式多気筒ガスエンジンの要部
の縦断正面図を示す。

このエンジン１はクランクケース２の上部にシ
リンダブロツク３を一体に形成し、シリンダブロ
ツク３の上端にシリンダヘツド４とヘツドカバー
５を順に載置固定してある。

シリンダブロツク３のシリンダ６内にはクラン
ク軸７にコネクテイングロツド８で連結したピス
トン９が上下摺動自在に収容されており、ピスト
ン９の上方に主燃焼室１０が形成されている。

シリンダヘツド４には副燃焼室１１、吸気弁１
２で主燃焼室１０との連通が断続される吸気ポー
ト１３及び排気弁で連通が断続される排気ポート
（ともに図示略）がそれぞれ設けられている。

これら各部材は副燃焼室式多気筒デイーゼルエ
ンジンのものが用いられており、燃料噴射ポンプ
１８のカム軸１９には電気点火装置の分配器（図
示略）が取付けられるとともに、副燃焼室１１に
は燃料噴射ノズル２０に替えて点火プラグ２１を
取付けてある。吸気ポート１３の先端には吸気マ
ニホールド２２を取付けてあり、この吸気マニホ
ールド２２は、第２図に示すように、エンジン１
の各吸気ポート１３に連結される脚部２３と、各
脚部２３・２３・２３を連通する胴部２４とから
なる。胴部２４はその通気断面積を各吸気ポート
１３の通気面積より大きく形成して、その内部空
間を吸気のサージタンク２５に構成してある。

一方、吸気マニホールド２２の右端部には混合
気入口２６を開口させてあり、その混合気入口２
６にはガス燃料源２７の燃料ガスを吸い出してエ
アクリーナ２８からの浄気と混合する混合器２９
を取付けてある。

そして、エアクリーナ２８は第２図及び第３図
に示すように、吸気マニホールド２２の上面から
一体に突出形成させた取付ボス３０にブラケツト
３１を介して取付けてあり、エアクリーナ２８の
浄気出口３２は吸気導管３３で混合器２９の浄気
入口３４に連通させてある。

エアクリーナ２８の下方で吸気マニホールド２
２の前方には混合器２９のスロツトル弁３５を制
御する電子ガバナ（図示略）のアクチユエータ３
６がエアクリーナ２８を支持するブラケツト３１
に取付けられている。

また、このエンジン１の排気マニホールド３７
には、失化気筒検出装置３８を設けてある。この
失化気筒検出装置３８は、第４図に示すように排
気マニホールド３７の各脚部３９・３９・３９の
それぞれに設けたセンサ４０とこのセンサ４０か
らの信号を判別する制御装置４１及び制御装置４
１で制御されるアマチユア４２とで構成され、各
センサ３７の少なくとも一つが未燃焼気筒を検出
すると、その信号に基いて制御装置４１がバツテ
リ４３の電流をアマチユア４２に供給して作動さ
せ、エンジン１を停止させるようになつている。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第４図は本考案の実施例を示し、第
１図は副燃焼室式多気筒ガスエンジンの縦断正面
図を示し、第２図は要部の側面図、第３図は第２
図矢視図、第４図はエンジンの平面図であり、
第５図は従来例の要部の概略平面図である。 １……多気筒エンジン、４……シリンダヘツ
ド、１３……吸気ポート、２２……吸気マニホー
ルド、２４……胴部、２５……サージタンク、２
６……混合気入口、２８……エアクリーナ、２９
……混合器、３２……浄気出口、３３……吸気導
管、３４……浄気出口。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 吸気マニホールド２２の胴部２４を多気筒エン
   ジン１のシリンダヘツド４に沿わせて長く形成
   し、胴部２４の通気断面積を各吸気ポート１３の
   通気断面積よりも大きく形成して吸気マニホール
   ド２２の胴部２４内をサージタンク２５に形成
   し、胴部２４の一端部に混合気入口２６を設け、
   混合気入口２６に混合器２９を取付けるととも
   に、吸気マニホールド２２の胴部２４の上面にエ
   アクリーナ２８を固定し、エアクリーナ２８の浄
   気出口３２と混合器２９の浄気入口３４とを吸気
   導管３３で連通連結した事を特徴とする多気筒エ
   ンジンの吸気装置。