JPS6312869Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の技術分野］ 本考案は振動防止構造を改良した脱水兼用洗濯
機に関する。

［考案の技術的背景］ 従来この種の脱水兼用洗濯機は外箱内に揺動可
能に保持された水受槽が、その内部に設けられた
回転槽の回転に伴つて振動し、そのうち水平方向
の振動は異常時には水受槽を外箱に激しく衝突さ
せることがあつた。そのため一般には水受槽と外
箱との間に緩衝材を介在せしめ、水受槽の振動を
吸収するようにし対処していた。

［背景技術の問題点］ しかしながらこのものでは衝撃が緩衝材から外
箱へ容易に伝達して外箱の平面部が共振してしま
い、またコストダウンのため外箱の材料に板厚の
薄いものを用いようとすると、緩衝材だけでは吸
収しきれない水受槽の衝撃により、外箱が容易に
変形してしまうといつた不具合点があり、高価な
材料を用いねばならなかつた。

［考案の目的］ 本考案は上記の点に鑑みて成されたもので、水
受槽の振動を確実に吸収でき、外箱の共振を防止
することが可能で、かつコストの安価な脱水兼用
洗濯機を提供することを目的としたものである。

［考案の概要］ 本考案は水受槽に対向する部位の外箱平面に、
内方に向つた凸部を形成し、この凸部と水受槽と
の間に緩衝材を固着することにより外箱への振動
伝達を防止し、かつ外箱材料のコストダウンを可
能とした点に特徴を有する。

［考案の実施例］ 以下本考案の一実施例につき図面を参照して説
明する。

先ず第１図において、１は脱水兼用洗濯機の外
箱で、鋼板により断面略矩形状で上下面を開放し
た筒状に形成してあり、その内部には底部に撹拌
翼１６を有する回転槽２を内設した水受槽３を、
外箱１の上端四隅の折返し部から水受槽３の下部
に一体に形成した支持片５に亘つて架け渡した４
本の吊り棒４（２本のみ図示）により吊持してい
る。吊り棒４の下端部には弾性受体６が取着され
ていて、これに水受槽３の支持片５が弾力的に貫
通支持されているとともに、外箱１上端部を支点
として水受槽３全体が水平方向に揺動可能となつ
ている。水受槽３は合成樹脂製で、上面を開放し
た有底円筒状であり、型抜きの関係上、上方ほど
径大なテーパ状の外形を有するものである。そし
てその開放上面には開口７ａを有する遮水板７が
取着されている。また回転槽２も同様に合成樹脂
製で、上方に径大なテーパ状であり、この開放上
面にはバランスリング８が取着されている。９は
外箱の開放上面を閉塞する上面板で、開閉蓋１０
により開閉自在に閉塞される洗濯物投入口１１を
略中央部に形成してあり、かつその後方部には上
方に隆起させてタイムスイツチ１２等の操作部材
を収容した操作箱１３を一体に形成している。ま
た前記外箱１には第２図、第３図に示す如く前記
水受槽３と対向する平面部位の４面それぞれの略
中央部を内方に突出させて凸部１４を形成してい
る。この凸部１４は内方への突出量を下方に向つ
て増大させ、これと対向する水受槽３側面のテー
パ形状と上下方向において略平行となるように定
められている。１５はスポンジ等の弾性部材で、
凸部１４の外箱１内における突出面上に接着剤等
により固着されており、各凸部１４の上下に１個
づつ同一形状のものが設けられている。

次に上記構成につき、その作用を説明する。本
実施例の脱水兼用洗濯機は洗い〜すすぎ〜脱水の
各行程をタイムスイツチ１２により制御されて自
動的に遂行するよう構成されており、水受槽３内
と同時に回転槽２内に貯水された洗濯液に洗濯物
を投入し、回転槽２底部の撹拌翼１６の回転によ
り洗い行程を行なう。そしてその終了とともに自
動排水し、更に操作箱１３内に設けられた電磁給
水弁（図示せず）により自動給水されつつ、周知
のすすぎ行程を数回行ない、自動排水がされる。

さて、それら洗い〜すすぎの各行程が終了後、
回転槽２を高速回転させる遠心脱水行程に移行す
る際、すすぎ行程終了時に回転槽２内で洗濯物が
一方に片寄つていることがある。そのような状態
で回転槽２を高速回転させると回転槽２、ひいて
はこれを内設している水受槽３が大きく振動す
る。このとき洗濯物の片寄り度合が少なければ、
さほど大きな振動とはならず、吊り棒４の弾性受
体６による振動吸収効果、および外箱１と水受槽
３とのすき間によりその影響を受けることなく脱
水行程を行なうことができる。しかしながら片寄
り度合が大きい場合、あるいは片寄り度合が比較
的少なくても回転立ち上がり時のような場合、水
受槽３が外箱１に衝突するほどの振動となること
がある。しかしながら外箱１の凸部１４、即ち水
受槽３と対向する外箱１の内方への突出面上に緩
衝材１５を固着してある本実施例によれば、水受
槽３の衝突を外箱１の平面部分の特に凸部１４に
て補強された部分で受け、同時にそこに設けた緩
衝材により振動伝達を防止しているので、これら
の協働作用により外箱１の共振を効果的に防止で
きる。また衝撃を受ける部分、即ち凸部１４は変
形しにくいため、外箱１の素材の板厚を薄くで
き、材料コストを低減することができる。

更に本実施例によれば凸部１４の外箱１内への
突出面が水受槽３の外側面と略平行に保たれてい
るから、水受槽３が上向きのテーパ状であるがゆ
えに従来の如くその上方部のみがそれに対向する
部分のみの緩衝材に集中的に衝突し、その部分の
緩衝材を早期に破損してしまつたり、これを防止
するために下方には水受槽３のテーパ量に対応し
た大形の緩衝材を取着するといつた必要は全くな
く、上下同一の小型のもので水受槽３の上下に亘
つて均一に衝撃を吸収でき（第１図二点鎖線参
照）、緩衝材の長寿命化およびコストダウンを図
ることができる。

［考案の効果］ 本考案は以上述べたように水受槽に対向する部
位の外箱平面に内方に向う凸部を形成し、この凸
部と水受槽との間に緩衝材を固着介在せしめたの
で、水受槽の振動、衝突に対して外箱の特に衝突
面を十分補強して共振を防止せしめ、外箱そのも
のの板厚をも薄くでき、コストの低減に寄与し
得、また凸部を水受槽の外側面のテーパ形状と略
平行となるように定めたので、水受槽側面の上下
に亘つて均一に衝撃を吸収でき、緩衝材の小形
化、長寿命化に対し、顕効を奏する脱水兼用洗濯
機を提供し得る。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第３図は本考案の一実施例を示し、
第１図は脱水兼用洗濯機の部分断面図、第２図は
要部のみを示すの平面図、第３図は同斜視図であ
る。 図中、１は外箱、２は回転槽、３は水受槽、１
４は凸部、１５は緩衝材を示す。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 回転槽を内設した水受槽を外箱内に揺動自在
   に設けて成り、前記外箱の前記水受槽に対向す
   る平面部位に内方に向つて凸部を形成するとと
   もに、該凸部と前記水受槽間のいずれか一方側
   に緩衝材を固着したことを特徴とする脱水兼用
   洗濯機。 ２ 外箱に形成した凸部は、上下方向が水受槽の
   外形に沿つて凸部と水受槽側面との間隔を略平
   行となるように定めたことを特徴とする実用新
   案登録請求の範囲第１項記載の脱水兼用洗濯
   機。