JPS6312537Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は数本の接地棒を上下方向に数段に連結
して電気機器と地面との間に電路を作つて感電を
避けたり感度をよくしたりするのに使用される連
結式接地棒に関するものである。

この連結式タイプの接地棒は複数本の導電性材
料からなる打込棒の各端部間に嵌合パイプを嵌め
込んで各打込棒を連結せしめることによつて一本
の接地棒を形成することが行われる。

ところで、従来の連結式接地棒は、各打込棒と
嵌合パイプとの嵌合が十分でないために、各打込
棒同志間の連結が不十分で、上段の打込棒が下段
の打込棒から抜けしまつたり、上段の打込棒が下
段の打込棒に対して回つたりして接地棒自体が極
めて不安定な状態にあり、電気的接触が不良であ
る等の現象が生じ、接地棒としての機能を十分に
発揮しえない欠点があつた。

本考案は、かかる欠陥を解消すべく打込棒とこ
の打込棒に嵌合される嵌合パイプとからなり、嵌
合パイプの内周面と打込棒外周面との間に当該嵌
合パイプの打込棒へのかしめを可能ならしめる空
洞部が形成されるように当該嵌合パイプの内周面
に凹部を設けて、打込棒同志が抜けたり、回つた
りする事態を未然に防止し、接地棒としての充分
な機能を果たしうる接地棒を提供せんとすること
を目的とする。

以下、本考案の一実施例を図面に基づいて具体
的に説明する。

１は導電性材料からなる打込棒で、たとえば鋼
心１１に銅管１２を被着してなり、この打込棒１
の複数本（本実施例では１ａ，１ｂの２本）を第
１図に示すように上下方向の一直線上に互いに挿
入可能に連設せしめる。

すなわち、打込棒１は下端部に尖頭２を有する
とともに上端部に尖頭２の形状と一致した形状の
挿入穴３を有しており、下段の打込棒１ａの上端
部に設けられる挿入穴３に上段の打込棒１ｂの尖
頭２を挿入し、互いに打込棒１ａ，１ｂを上下方
向の一直線上に連設せしめる。なお、１０は打込
棒１の中復部に刻設されるローレツトを示す。

前記各打込棒１１，１２の上端部にはあらかじ
め適当長さの嵌合パイプ５が嵌合されており、該
嵌合パイプ５の内周面５ａには上半分を除き第３
図および第４図に示すごとく、一様に適当間隔を
存して波形状の凹溝６が凹設されている。そし
て、この凹溝６によつて、互いに嵌合し合う嵌合
パイプ５の内周面５ａと打込棒１の外周面１３と
の間に当該嵌合パイプ５の打込棒１へのかしめを
可能ならしめる空洞部４を形成せしめている。

しかして、第２図に示すごとく嵌合パイプ５が
各打込棒１ａ，１ｂの上端部から適当長さをもつ
て上方に突出するごとく嵌合させ、換言すれば、
上段の打込棒１ｂと下段の打込棒１ａとを連結せ
しめるに十分な程度に嵌合させ、これら各打込棒
１ａ，１ｂと嵌合パイプ５を嵌合させた状態に
て、嵌合パイプ５の外周面５ｂを一様に強くかし
めることによつて、嵌合パイプ５の内周面にある
凹溝６が圧潰して嵌合パイプ５の内周面と打込棒
１の外周面とが密着し、嵌合パイプ５は打込棒１
への確実に固着する。

そして、前述したごとく上下方向に打込棒１を
数段に連設した状態にある接地棒１４の地面７へ
の打込みに際しては、打込むべき地面７上に接地
棒１４を直立させ、最上段にある打込棒１（本実
施例では打込棒１ｂに相当する）の挿入穴３に第
６図に示すごとき該挿入穴３に嵌挿しうる尖頭部
８ａをもつた鉄クサビ８を挿入し、該鉄クサビ８
の真上からハンマー９等で鉄クサビ８の頭を真下
に叩くことにことによつて接地棒１４を地面７に
打込むことができる。この場合、前記嵌合パイプ
５は打込棒１に強くかしめられているので、接地
棒１４の地面７への打込みに際しても何ら外れる
ことなく固着状態を維持しており、各打込棒１
ａ，１ｂは嵌合パイプ５によつて確実に連結状態
に保たれる。

９はリード端子で、このリード端子９は硬質銅
棒でなる銅端子９ａに電気用軟銅線からなるリー
ド線９ｂの先端を溶着してなるもので、該リード
端子９の下端部には前記打込棒１と同様の尖頭部
９ｃを有している。そして、このリード端子９の
尖頭部９ｃを地面７に打込んだ打込棒１ａ，１ｂ
のうちの最上段の打込棒１（本実施例では打込棒
１ｂに相当する）の挿入穴３に挿入すべく軽く叩
くことによつて接地棒１４の地面７への打込み作
業が終了する。

なお、前記実施例において嵌合パイプ５の内周
面５ａに設けた凹部６は波形状の凹溝としたが、
本考案はこれに限定されることなくたとえばらせ
ん状のねじ溝、スプライン溝等の他の形状の凹溝
としたり、あるいは凹溝でなくとも本考案のかし
めを可能とする凹部であればその形状の如何は問
わない。

以上のごとく、本考案に係る連接式接地棒は下
端部に尖頭を有するとともに上端部に挿入可能に
連設しうる挿入穴を有する導電性材料の打込棒
と、この打込棒の上端部に該上端部から適当長さ
をもつて上方に突出するごとく嵌合される嵌合パ
イプとからなり、互いに嵌合し合う嵌合パイプの
内周面と打込棒外周面との間に当該嵌合パイプの
打込棒へのかしめを可能ならしめる空洞部が形成
されるように当該嵌合パイプの内周面に凹部が設
けられるから各打込棒同志間の連結が確実で安定
した状態で打込まれることになり互いに連設し合
う各打込棒間の抜けや回転を未然に防止し、打込
棒の連設本数を増すことによつて望み通りの深さ
まで地中に打設することができるから従来より一
層確実に電気機器と地面との間に強固な電路を作
つて感電を避けたり、感度をよくすることが出
来、接地棒の機能を高めうる優れた効果を奏す
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る連結式接地棒の一実施例を
示すもので、第１図は地中に打込まれた接地棒全
体の一部縦断概略正面図、第２図は打込棒に嵌合
パイプをかしめた状態を示す一部縦断正面図、第
３図は第２図の矢印−線に沿う横断平面図、
第４図は嵌合パイプの縦断正面図、第５図、第６
図はそれぞれリード端子および鉄クサビの正面図
である。 １，１ａ，１ｂ……打込棒、２……尖頭、３…
…挿入穴、４……空洞部、５……嵌合パイプ、５
ａ……嵌合パイプの内周面、６……凹部、１３…
…打込棒の外周面、１４……接地棒。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 下端部に尖頭を有するとともに上端部に挿入可
   能に連設しうる挿入穴を有する導電性材料の打込
   棒と、この打込棒の上端部に該上端部から適当長
   さをもつて上方に突出するごとく嵌合される嵌合
   パイプとからなり、互いに嵌合し合う嵌合パイプ
   の内周面と打込棒外周面との間に当該嵌合パイプ
   の打込棒へのかしめを可能ならしめる空洞部が形
   成されるように当該嵌合パイプの内周面に凹部が
   設けられていることを特徴とする連結式接地棒。