JPS6312206B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は灯油などの液体燃料を強制的に気化し
空気との予混合ガスとして燃焼させる例えば家庭
用の暖房器、給湯器などの熱源として用いる燃焼
装置に関するものである。

従来例の構成とその問題点 従来のこの種燃焼装置は第２図に示すように構
成されている。気化体１内で発生した予混合ガス
は整流体５に入り小孔６を通つて全網筒の燃焼体
７より噴出して燃焼し、キヤツプ８の穴１５より
排気される。

燃焼体７は整流体５の両端で支持され、且つ整
流体５の一端が気化体１と連設している。この種
予混合燃焼方式に於ては点火時気化体１と共に燃
焼体７も十分温度上昇しないと予混合ガスが燃焼
体７を通過する際冷却されスムーズな点火を行う
ことができない。従来例では予熱時気化体１から
整流体５に熱伝導し、この後燃焼体７を予熱して
いく。しかし整流体５は高温耐久性の点からステ
ンレス等の材質を用いる必要があり熱伝導性が悪
い。

従つて気化体１の予熱完了時においても整流体
５、燃焼体７が十分温度上昇せずこれらを通過す
るとき予混合ガスが冷却され赤熱するコイル又は
火花放電による点火器を用いても着火が著しく困
難となる。

また燃焼体７が気化体１との間に整流体５を介
していることによつて燃焼熱および燃焼体７から
直接気化体１への熱伝導が不足しスムーズな熱の
フイードバツクが図れない。なお、図中２は電熱
ヒータ、１０は外筒、１１は穴１２，１３を有す
る空気ガイド、１４は送風筒、１５は排気用の穴
１６は送風機、１７は燃料供給のパイプ、１９は
点火器である。

発明の目的 本発明はこのような従来の欠点を除去するもの
で気化体の予熱完了時の点火を確実に行い、且つ
気化体への燃焼熱のフイードバツクをスムーズに
行うことを目的とするものである。

発明の構成 この目的を達成するために本発明は電熱ヒータ
で予熱される気化体と、この気化体に固定し、気
化ガスを整流する多数の小孔を有する整流体と、
この整流体の外側に位置して前記気化体に直接固
定した燃焼体と、この燃焼体に直接相対向し、か
つ内側に位置する前記気化体の一部に形成した気
化ガス噴出用の複数の小孔と、この小孔に相対向
して前記燃焼体の外側に設けた点火器を備えた燃
焼装置である。

これによつて気化体の予熱時に燃焼体に直接熱
伝導して十分温度上昇し、気化体の小孔を通過す
る予混合ガスが冷却されることが無く点火器によ
る確実な点火が行える。さらに気化体のごく近傍
でも燃焼が行われることと燃焼体から直接熱伝導
し熱のスムーズなフイードバツクが図れることに
なる。

実施例の説明 以下本発明の実施例を、第１図の図面を用いて
説明する。なお、第２図と同一部品については同
一符号を付している。

図において、１は電熱ヒータ２によつて予熱さ
れる筒状の気化体で外周部に溝部３が形成されて
いる。４は気化体１の一部に設けた気化ガス噴出
用の複数の小孔、５は複数個の小孔６を有した筒
状の整流体でこの外側に金網、ラス網等からなる
燃焼体７が位置している。８は整流体５、燃焼体
７、外筒１０の先端を閉じるキヤツプで、段部９
を形成し、これに整流体５、燃焼体７の先端が固
定され、さらにガラス等からなる外筒１０の先端
がキヤツプ８の外周に保持され同心状に固定され
ている。

１１は気化体１の内部に吐出した空気ガイドで
穴１２，１３が形成されている。１４は送風筒で
排気ガスの出口穴１５が形成されると共に送風機
１６に連設されている。１７はポンプ等の燃料供
給手段によつて供給される燃料を気化体１の気化
部に導びくパイプであり、先端は前記空気ガイド
１１の穴１２に臨んでいる。１８は燃焼装置の各
構成要素を一体的にユニツト化し固定するための
ボルトでキヤツプ８、整流体５、気化体１、送風
筒１４の各々が連設されて締め付けられる。１９
は点火器である。

次に本燃焼装置の動作を説明する。まず電熱ヒ
ータ２に通電し気化体１を予熱し、260〜300℃に
達した時点火器１９、送風機１６に通電し燃焼用
空気を空気ガイド１１の穴１２より噴出させる。
次に燃料をパイプ１７の先端より供給すると燃料
は気化体１の内壁に当つて気化し、この気化ガス
と空気の混合ガスは気化体１の小孔４を通つて燃
焼体７より噴出し、点火器１９によつて着火燃焼
する。

一方混合ガスの大半は整流体５内に入り小孔６
を通つて燃焼体７より外方に噴出し燃焼する。排
気ガスは燃焼体７と外筒１０間を通り出口穴１５
より吐出する。

燃焼開始後は排気ガスの一部が気化体１に接触
して吐出されることおよび整流体５、燃焼体７の
伝導熱で加熱されて一定温度を維持するので電熱
ヒータ２および点火器１９への通電を断ち省電力
化を図る。また燃焼体７は700〜850℃に赤熱し外
筒１０を介して輻射熱を放散する。

このように気化体１に燃焼体７を直接取付け
て、この燃焼体７を十分予熱すると共に混合ガス
を気化体１に形成した小孔４を通過させて燃焼体
７より噴出させることによつて、予混合ガスは高
温状態で点火器１９に接触し、確実な点火を行う
ことができる。また整流体５の小孔６を通る予混
合ガスよりも、気化体１の小孔４を通る予混合ガ
スの方が点火器１９により早く到達し、まず点火
器１９の近傍に火炎を形成し、これに遅れて噴出
する予混合ガスが点火され燃焼体７の全面に火移
りすることから非常にスムーズな燃焼開始ができ
る。

また気化体１の溝部３の近傍の燃焼体７でも燃
焼させることと燃焼体７からの熱伝導により気化
体１への熱のフイードバツクが十分図られ燃焼開
始後は電熱ヒータ２への通電を断つても完全に自
熱で燃料の気化が継続でき省電力化が図れる。

発明の効果 以上のように本発明によれば、気化体の小孔を
通過する予混合ガスが冷却されることがなく、点
火器による点火がよく確実に行なえるとともに、
気化体のごく近傍でも燃焼が行なわれることと、
燃焼体から直接熱伝導することにより気化体への
熱のフイードバツクが十分図られ、燃焼が開始さ
れた後は電熱ヒータへの通電を断つても完全に自
熱で燃料の気化ができ、省電力化が図れる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例である燃焼装置を示
す断面図、第２図は従来例を示す断面図である。 １……気化体、２……電熱ヒータ、４……小
孔、５……整流体、７……燃焼体、１９……点火
器。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 電熱ヒータで予熱される気化体と、この気化
   体に固定し、気化ガスを整流する多数の小孔を有
   する整流体と、この整流体の外側に位置して前記
   気化体に直接固定した燃焼体と、この燃焼体に直
   接相対向し、かつ内側に位置する前記気化体の一
   部に形成した気化ガス噴出用の複数の小孔と、こ
   の小孔に相対向して前記燃焼体の外側に設けた点
   火器を備えた燃焼装置。