JPS6311999Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は変身機能を具えた気体入りビニール玩
具、詳しくは動物、乗物等を模して形成されると
もに気体の吹込みにより膨張可能なビニール玩具
本体の一部に、該ビニール玩具本体に連続し且つ
動物、乗物等の形態的特徴を有するシンボル部を
没入させ、該シンボル部を上記玩具本体の膨張時
に適宜外部に引出すことによつてビニール玩具本
体を引出し前とは異なる別のものに変身させる変
身機能を具えた気体入りビニール玩具に関する。

一般に、風船等のように、内部に気体を吹込ん
で膨張させる玩具には、単なる丸形、細長形等の
ほか、動物形状を模したものなどがあるが、これ
らの玩具の形状は予め定められており、予定され
たもの以外の形状を得ることはできなかつた。

本考案は、上記事情に鑑みて成立したものであ
つて、特に二種以上の形態変身を行なうことので
きる気体入りビニール玩具を提案することを目的
とする。

以下、図面によつて本考案の実施態様について
説明する。

図において、符号Ａは気体入りビニール玩具を
示す。この気体入りビニール玩具Ａは、塩化ビニ
ール等の軟質合成樹脂製玩具本体１に吹込み口２
及びシンボル部３を具え、上記吹込み口２から空
気、水素等の気体を吹込んで膨張させる一方、シ
ンボル部３は上記玩具本体１の一部に没入させて
おくとともに、適宜引出して上記本体１とは異な
るものに形態変身させるものである。

すなわち、気体入りビニール玩具Ａの玩具本体
１は動物玩具で、猫形の頭部１０と胴体１１及び
尻尾部１２を具え、上記尻尾部１２に吹込み口２
が設けられている。また、上記玩具本体１の頭部
１０には耳５，５が設けられているとともに、こ
の部分には没入部１０ａが形成され、該没入部１
０ａにはうさぎの形態的特徴をシンボライズする
長い耳を表わすシンボル部３が一体的に形成され
ている。このようにシンボル部３は袋状部材とし
て構成されている。次に、頭部１０の上記没入部
１０ａ開口周縁には補強部材１４が接着され、且
つ補強部材１４には上記没入部１０ａに連通する
スリツト１５が形成されている。

次に、上記構成の気体入りビニール玩具Ａの使
用態様について説明する。

まず、玩具本体１の吹込み口２から空気、水素
等の気体を吹込み、上記玩具本体１を膨張させ
る。膨張に伴ない、上記玩具本体１は予定された
猫形の形態として現われていく。しかし、単に気
体を吹込んだだけでは、上記玩具本体１内に没入
されたシンボル部３は外部に突出することとがで
きない。なぜなら、上記没入部上には補強部材１
４が接着され、この部分は他の部分よりも肉が厚
く、気体が吹込まれて玩具本体１の内部にシンボ
ル部３を突出させるように内圧が作用しても、肉
が伸長しにくいから、スリツト１５があまり開か
ないからである。したがつて、気体吹込みだけで
は、玩具本体１は、猫形のビニール玩具としてし
か現われない。

次に、上記補強部材１４のスリツト１５から指
を入れて内部に没入したシンボル部３を外部に引
出すと、玩具本体１の内部気体の一部がシンボル
部３の内側に入り込み、シンボル部３を膨出させ
るから、上記猫形形状の玩具本体１の頭部１０
に、突如うさぎのシンボルである耳３が突出す
る。この耳部分を除けば、猫もうさぎも格別顕著
な形態上の相違点をもたないわけであるから、上
記シンボル部３が突出することにより、猫はうさ
ぎに変身する。なお、シンボル部３が突出したと
き、その基部３ａは補強部材１４のスリツト１５
の周縁部１４ａによつて支えられるから、突出時
にシンボル部３は、所定の形状に保持される。

玩具本体１を成す一つの動物としては、通常の
場合、目立つた形態的特徴をもたない普偏的形状
を有するものを選択し、これとは逆に、シンボル
部３としては、特定の動物の形態上きわだつて目
立つ部分を選択すればよい。このようなものであ
れば、上記の例に限定されず、例えば、上記の猫
形の玩具本体１内にたてがみを模したシンボル部
（図示せず）を没入し、これを適宜引出すことに
より、ライオンに変身させるなど、他にもいろい
ろな動物に適用することができる。しかし、変身
態様は、一つの動物を他種の動物に変身させるば
かりでなく、同じ特定の動物における変身をはか
ることもでき、この場合シンボル部として、同じ
動物において、互いに異なるものをシンボライズ
したものを選択すればよい。例えば、第４図ａ，
ｂのように、カンガルーを模した玩具本体１の腹
袋４内に子供を模したシンボル部３を没入してお
けば、シンボル部３を適宜突出させることによ
り、上述と同じような意外性効果を出すことがで
きる。同様に、玩具本体１とシンボル部３との関
係は必ずしも動物に限定されるものではなく、い
ろいろなものに適用することができる。例えば、
第５図ａ，ｂのように、自動車を玩具本体１と
し、その両側及び後部にそれぞれ主翼及び尾翼び
を模したシンボル部３，３を没入する構成とすれ
ば、自動車から飛行機に変身させることが可能と
なる。プロペラ６は適宜手段によつて取付ければ
よい。

なお、シンボル部３の先端付近には、引出し紐
１６のような引出し手段を形成しておけば、引出
しがさらに容易になる。また、玩具本体１のシン
ボル部没入部に設けられる補強部材１４の開口部
は、スリツトにフアスナー、ホツク等を取付けて
もよい。さらに、尻尾部等に設けられる吹込み口
には、蛇腹状ポンプ５のような公知の吹込み手段
を設けておけば、吹込みが楽である。

以上詳しく説明したように、本考案によれば、
一つの動物等の玩具を、シンボル部の引出しとい
う操作のみによつて全く別個の形態をもつものに
変身させることができるので、従来全く経験する
ことができなかつた意外な面白さを楽しむことが
でき、変身要素となるシンボル部の引出し操作は
簡単なので、幼児でも安全に遊ぶことができる。
さらに、上記玩具は合成樹脂から容易に成型でき
るので、安価に製造することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図ａ及びｂはそれぞれ本考案に係る変身機
能を備えた気体入りビニール玩具の変身態様の説
明図、第２図は補強部材取付け部の平面図、第３
図ａ及びｂはそれぞれ上記第１図ａ及びｂに伴な
う上記玩具の要部の断面図、第４図ａ，ｂ及び第
５図ａ，ｂは上記ビニール玩具の他の例の斜視図
であり、６図は尻尾部の説明図である。 符号、１……玩具本体、２……吹込み口、３…
…シンボル部、１０……頭部、１１……胴体、１
２……尻尾、１４……補強部材。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 下記要件から成ることを特徴とする変身機能を
   具えた気体入りビニール玩具。 (イ) 動物、乗物等を模したビニール玩具本体の一
   部に没入部を形成し、該没入部にシンボル部を
   形成するとともに、上記没入部の開口周縁に補
   強部材を接着し、且つ該補強部材に上記没入部
   に連通するスリツトを形成すること。 (ロ) 上記シンボル部は、上記玩具本体と関連し又
   は関連しないものの特別な形態的特徴をシンボ
   ライズする袋状部材であること。