JPS63114902A

JPS63114902A - 焼結用低合金鋼粉末およびその製造方法

Info

Publication number: JPS63114902A
Application number: JP61258583A
Authority: JP
Inventors: Katsuji Kusaka; 草加　勝司; Satoru Nigo; 仁後　悟; Yoshikazu Yamamichi; 山道　吉和
Original assignee: DOWA TEPPUN KOGYO KK; Daido Steel Co Ltd
Current assignee: DOWA TEPPUN KOGYO KK; Daido Steel Co Ltd
Priority date: 1986-10-31
Filing date: 1986-10-31
Publication date: 1988-05-19

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】（産業上の利用分野）本発明は、圧縮成形性に優れ、かつ、合金成分が均一に
分散した焼結用低合金鋼粉末およびその製造方法に関す
る。

（従来の技術）機械部品を始めとする種々の焼結鋼部品の強度を向上さ
せるために、原料粉末として、各種の添加金属元素を配
合してなる低合金鋼粉末が使用されている。

この低合金鋼粉末は、成形時の圧縮性に優れ、しかも、
合金成分が均一に分散していることが、高強度の焼結体
を得るうえで望ましい。

かかる焼結用低合金粉末の製造方法としては、噴霧法を
使用して鉄粉中に添加金属が固溶した合金粉末を製造す
る方法、および、鉄粉に所定割合の合金成分元素粉末を
添加混合して合金母粉末を製造する方法（母合金混合法
）が知られている。

ところが、前者の方法では、鉄粉中に添加金属が固溶す
ることにより、合金粉末が固溶硬化してしまい、圧縮性
が低下して高密度の焼結体が得らず、結果的に焼結体の
強度を損なうという不都合がある。一方、後者の方法で
は、圧縮性は比較的良好であるものの、混合時に添加金
属粉末の偏析が生じるため、得られた焼結体の組織が不
均一となり強度、特に延靭性が低下するという問題があ
る。

そこで、この母合金混合法の改良法として、特公昭４５
−９６４９号、特開昭５９−２１５４０１号、特開昭６
１−１３０４０１号の各公報には、鉄粉にモリブデン（
Ｍｏ）　、ｍ　（Ｃｕ）　、ニッケル（Ｎｉ）などの元
素粉末を拡散付着させることにより焼結用低合金鋼粉末
を製造する方法が開示されている。

（発明が解決しようとする問題点）しかしながら、上記の製造方法には次のような問題があ
る。すなわち、添加元素がＭＯｌＮｔなどの鉄中に拡散
・合金化しに（い元素の場合は、焼結後にやはリミクロ
偏析が残りやすく、強度低下の原因となる。さらにまた
、この方法は、クロム（Ｃｒ）、マンガン（Ｍｎ）など
の元素には適用することが困難である。つまり、ＣｒＳ
Ｍｎなどはその酸化物の標準生成自由エネルギーがＦｅ
より小さく、安定な酸化物を生成しやすいため、これら
の粉末をＦｅ粉末表面に拡散・付着させたとしても、通
常の非酸化性雰囲気での焼結時にはその焼結初期の段階
で酸化物となってしまい、Ｆｅわ）束中に拡散・合金化
することが困難となる。従って、上記方法を適用しうる
のは、ＭＯｌＣｕ。

ＮｉなどＦｅよりも酸化物の標準生成自由エネルギーが
大きく、還元されやすい元素に限られる。

本発明は上記問題点を解決するためになされたもので、
圧縮性が良好であって、合金成分が均一に分散した焼結
用低合金鋼粉末および添加元素の種類にかかわらずかか
る粉末を製造しうる焼結用低合金鋼粉末の製造方法を提
供することを目的とする。

（問題点を解決するための手段および作用）本発明は、
上記の母合金混合法を改良するものであり、まず、鉄鋼
粉末、すなわち、Ｆｅ母粉末に添加する成分元素粉末と
して、Ｆｅと該成分元素との合金、すなわち、鉄合金粉
末（添加合金粉末）を使用すれば、焼結時に成分元素が
拡散・合金化し易く、しかも、成分元素がＣｒ−、Ｍｎ
などの活性金属である場合も非酸化性雰囲気中でも酸化
されにくいという利点を有し、さらに、この添加合金粉
末の平均粒径を所定の値に制限することによって、Ｆｅ
母粉末の圧縮性を損なうことなく添加合金粉末の分散性
を向上させることができるとの認識にもとづいてなされ
たものである。

すなわち、上記目的を達成するものとして、第１の本発
明によれば、鉄を９８重量％以上含有する鉄鋼粉末に、
鉄を３０ｆｆｉ量％以上含有し、前記鉄鋼粉末の平均粒
径の５分の１以下の平均粒径を有する鉄合金微粉末を前
記鉄鋼粉末に対して５〜２０重量％混合して得た焼結用
低合金鋼粉末が提供される。また、本発明の第２の発明
によれば、鉄を９８重型置以上含有する鉄鋼粉末と、鉄
を３０重量％以上含有し、前記鉄鋼粉末の平均粒径の５
分の１以下の平均粒径を有し、かつ、前記鉄鋼粉末に対
して５〜２０重量％の鉄合金微粉末とからなり、前記鉄
鋼粉末の表面に前記鉄合金微粉末が付着してなる焼結用
低合金鋼粉末が提供される。

さらに、上記第２の本発明の焼結用低合金鋼粉末を製造
するために、第３の本発明によれば、鉄を９８重四％以
上含有する鉄鋼粉末番こ、鉄を３０重量％以上含有し、
前記鉄Ｗ４粉末の平均粒径の５分の１の平均粒径に微粒
化した鉄合金微粉末を前記鉄鋼粉末に対して５〜２０重
量％重量したのち、該混合粉末を焼鈍することにより前
記鉄鋼粉末の表面に前記鉄合金微粉末を付着させること
としたものである。

まず、第１の本発明の焼結用低合金鋼粉末において、母
粉末である鉄鋼粉末としては、鉄を９８％以上含有する
ものを使用する。そして、その平均粒径は、とくに限定
されるものではないが、例えば、５０〜１００μｍに設
定されることが好ましい。

また、添加合金粉末は、Ｆｅを３０％以上含有するＦｅ
合金である。このＦｅ合金におけるＦｅ以外の成分元素
としては、とくに限定されるものではないが、例えば、
通常の焼結鋼部品に使用される拡散硬化元素であること
が好ましく、具体的には、Ｃｒ、Ｍｎ、、ＣｕＳＮｉお
どびＭＯなどをあげることができ、これらを単独で、或
いは２種以上組み合わせて使用することができる。これ
らの元素のうち、Ｍｎ％ＣｒおよびＭＯは、鋼の焼き入
れ性の増大と強靭化に資する成分であり、具体的には、
Ｍｎは鋼の強靭化に、Ｃｒは耐食性および耐酸化性に、
ＭＯは焼き戻し脆性の防止に、それぞれ資する成分であ
る。また、とくにこれらの拡散硬化元素のうち、Ｃｒ、
ＭｎおよびＭｏから選ばれた少なくとも一種を合計で０
．５重量％以上添加すると、得られた焼結体の圧環強度
およびシャルピー衝翳強度を向上させるうえで極めて効
果的である。この添加合金粉末において、Ｆｅの含有量
が３０％未満であると、焼結時に上記各元素の母粉束中
への拡散反応が起きに＜＜、また、とくにＭｎ５Ｃｒの
場合は焼結時に酸化されてしまうという不都合が生じる
。

さらに、この添加鉄合金微粉末の平均粒径は、母わ〕末
の平均粒径の５分の１以下であることが必要である。添
加合金粉末の平均粒径が母粉末の平均粒径の５分の１を
超えると、添加合金粉末が母粉末の粒界中に均一に分散
された形で取り込まれず、母粉末の圧縮性を損なう結果
となる。

また、この添加合金粉末を製造する方法はとくに限定さ
れるものではないが、例えば、水噴霧法が好適なものと
してあげられる。

そして、母粉末と添加合金粉末の配合割合は、母粉末に
対して添加合金粉末が５〜２０重冊％となるように決定
される。添加合金粉末が５重量％未満の場合には焼結時
に合金成分元素の充分な拡散均一化効果が得られず、逆
に２０重重量を超えると母粉末の圧縮性を損なう結果と
なる。

次いで、第２の本発明の焼結用低合金鋼粉末は、上記の
鉄鋼付粉末の表面に上記の添加合金粉末、すなわち、鉄
合金微粉末が付着してなるものである。この第２の本発
明の焼結用低合金鋼粉末において、鉄鋼付粉末および鉄
合金微粉末については、前述したとおりであるので、説
明は省略する。このように鉄鋼付粉末の表面に添加元素
粉末が付着することによって、添加元素粉末の分散性が
極めて良好となるという利点がある。

第３の本発明の焼結用低合金粉末の製造方法は、上記の
第２の本発明の焼結用低合金粉末を製造する方法である
。この方法によれば、鉄鋼付粉末と鉄合金微粉末とを上
記所定の割合で混合したのち、焼鈍することとしたもの
である。この焼鈍工程は非酸化性雰囲気中で行われるこ
とが好ましい、また、この焼鈍温度は、とくに限定され
るものではないが、例えば、７００〜９００℃に設定さ
れることが好ましい、焼鈍温度が合金微粉末の再結晶化
温度である７００℃以下では充分な焼鈍効果が得られず
、逆に焼鈍温度があまり高いと鉄粉同士が焼結してしま
い、また、鉄粉と添加元素との拡散焼結が進み得られた
粉末が固溶硬化してしまう。

なお、本発明の焼結用低合金鋼粉末において、使用され
る拡散硬化元素としては、上記したものに限るものでは
なく、例えばニオブ、バナジウム、ジルコニウムなど通
常の拡散硬化元素についても同様の効果を得ることがで
きる。

（実施例）実施例１母粉末としての鉱石還元鉄粉（−１００メツシユ、平均
粒径７３μｍ、）と、この鉄粉に対し０．５重量％のカ
ーボン粉末および１０重量％の水噴霧法により製造され
たＰｅ−０，２Ｓｉ−１９，７Ｎｉ−４，８Ｍｏ合金粉
末（平均粒径１２μｍ）とを混合した。得られた混合粉
末をＪＳＰＭ標準１−６４に規定された金型を使用して
、３〜７トン／ｃＩ１１でプレス成形することにより圧
粉体を製造した。このときのプレス圧と圧粉体の密度と
の関係を第１図に・印で示した。

なお、比較のために、上記の鉄粉とカーボン粉末のみの
場合およびこの鉄粉とカーボン粉末に対して上記と同一
の合金であって平均粒径が６８μｍのものを添加した場
合のそれぞれについて同様にプレス圧と圧粉体の密度と
の関係を調べ、その結果を第１図に○印およびΔ印で示
した。

第１図からも明らかなように、合金粉末の平均粒径が鉄
粉の平均粒径の５分の１以下の場合は圧粉体の密度は鉄
粉のみの場合とほとんど同じであるが、合金粉末の平均
粒径が鉄粉の平均粒径の５分の１を超えると圧粉体の密
度低下が顕著になる。

実施例２合金粉末として、水噴霧法により製造されたＦｅ−０，
７Ｓｉ−０，ｌＭｎ−１１，４Ｎｉ−１９，２Ｃｒ合金
粉末（平均粒径１２μｍ）を使用し、この合金粉末の配
合割合を上記と同様の鉄粉末およびカーボン粉末に対し
て１０．２０および３５重量％とじて上記実施例１と同
様にしてプレス圧と圧粉体の密度との関係を調べ、夫々
を第２図に・印（１０重量％）、△印（２０重量％）お
よび×印（３５重量％）で示した。なお、図中、○印は
鉄粉のみの場合を表す。

第２図からも明らかなように、合金粉末の配合量が鉄粉
に対して５〜２０重量％の場合は圧縮性は鉄粉のみの場
合とほとんど同じであるが、２０重量％を超えると圧縮
性が著しく田なねれることが確認された。

実施例３実施例１で使用した鉄粉を使用し、第１表に示した組成
（いずれも残部鉄）の合金粉末（いずれも平均粒径１２
μｍ）を約１０重量％およびカーボン粉末０．３重量％
を混合して、試料番号１〜１６の混合わ）末を調製した
。各粉末を６トン／−でプレス成形して外径２２ｍｍの
リングおよび外径１０ｍｍｘ長さ５５ｍｍの棒を製造し
たのち１２３０℃で３０分間焼結して焼結体を得、それ
ぞれについて圧環強度およびシャルピー衝撃試験を実施
し、結果を第１表に示した。また、表中には各粉末の圧
粉密度および焼結密度を併せて示した。

なお、試料番号１〜１６の混合粉末において、＊印は混
合後に水素雰囲気中、７００℃で６０分間焼鈍したもの
、＊＊印は鉄粉に表示の元素を単体の状態で混合したも
の、＊＊＊印は合金粉末として平均粒径が６８μｍのも
のを使用したものをそれぞれ示す。

なお、各焼結体についての判定方法として、圧環強度７
０　ｋ　ｇ／ｍｍ”以上およびシャルピー衝撃値２．０
ｋｇｍ／ａＪ以上を共に満足するものををＯ印で、そう
でないものをＸ印でそれぞれ示した。

（以下余白）第１表からも明らかなように、成分元素上してＭ　ｎ　
ＳＣｒおよびＭｏの少なくとも一種を合計で０．５重量
％以上含有する低合金粉末（試料番号２．３．６．８．
９．１Ｏ１１４および１５）は、圧環強度、シャルピー
強度ともに優れた特性を有する焼結体を与え、それ以外
の粉末を使用した場合は圧環強度およびシャルピー強度
のいずれか、もしくは両方が低下してしまうことが確認
された。

（発明の効果）以上説明したように第１の本発明の焼結用低合金粉末に
よれば、鉄を９８重量％以上含有する鉄鋼粉末に、鉄を
３０１ｉ１％以上含有し、前記鉄鋼粉末の平均粒径の５
分の１以下の平均粒径を有する鉄合金微粉末を前記鉄鋼
粉末に対して５〜２０重量％混合して得たこととしたの
で、鉄鋼粉末中に鉄合金粉末が均一に分散しており、し
かも、圧縮性に優れたものとなる。

また、第２の本発明の焼結用低合金鋼粉末によれば、鉄
を９８重量％以上含有する鉄鋼粉末と、鉄を３０重量％
以上含有し、前記鉄鋼粉末の平均粒径の５分の１以下の
平均粒径を有し、かつ、前記鉄鋼粉末に対して５〜２０
重量％の鉄合金微粉末とからなり、前記鉄鋼粉末の表面
に前記鉄合金微粉末が付着してなることとしたので、鉄
鋼粉末中の鉄合金粉末の分散性が更に向上し、しかも、
圧縮性に優れたものであるため、高強度の焼結体を製造
しうる。

さらに、第３の本発明の製造方法によれば、鉄を９８重
量％以上含有する鉄鋼粉末に、鉄を３０重量％以上含有
し、前記鉄鋼粉末の平均粒径の５分の１の平均粒径に微
粒化した鉄合金微粉末を前記鉄鋼粉末に対して５〜２０
重量％混合したのち、該混合粉末を焼鈍することにより
前記鉄綱粉末の表面に前記鉄合金微粉末を付着させるこ
ととしたので、添加成分元素の種類によらず、高強度の
焼結体を与えうる低合金粉末を容易に製造することが可
能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は、混合粉末の成形圧力と圧粉密度
との関係を示した図である。第１図＠２図

Claims

【特許請求の範囲】

（１）鉄を９８重量％以上含有する鉄鋼粉末に、鉄を３
０重量％以上含有し、前記鉄鋼粉末の平均粒径の５分の
１以下の平均粒径を有する鉄合金微粉末を前記鉄鋼粉末
に対して５〜２０重量％混合して得たことを特徴とする
焼結用低合金鋼粉末。
（２）前記鉄合金が、拡散硬化元素を含有することを特
徴とする特許請求の範囲第１項記載の焼結用低合金鋼粉
末。
（３）前記拡散硬化元素が、クロム、マンガン、および
モリブデンから選ばれた少なくとも一種であり、かつ、
前記焼結用低合金鋼粉末に対するその含有量が合計で０
．５重量％以上であることを特徴とする特許請求の範囲
第２項記載の焼結用低合金鋼粉末。
（４）鉄を９８重量％以上含有する鉄鋼粉末と、鉄を３
０重量％以上含有し、前記鉄鋼粉末の平均粒径の５分の
１以下の平均粒径を有し、かつ、前記鉄鋼粉末に対して
５〜２０重量％の鉄合金微粉末とからなり、前記鉄鋼粉
末の表面に前記鉄合金微粉末が付着してなることを特徴
とする焼結用低合金鋼粉末。
（５）前記鉄合金が、拡散硬化元素を含有することを特
徴とする特許請求の範囲第４項記載の焼結用低合金鋼粉
末。
（６）前記拡散硬化元素が、クロム、マンガン、および
モリブデンから選ばれた少なくとも一種であり、かつ、
前記焼結用低合金鋼粉末に対するその含有量が合計で０
．５重量％以上であることを特徴とする特許請求の範囲
第５項記載の焼結用低合金鋼粉末。
（７）鉄を９８重量％以上含有する鉄鋼粉末に、鉄を３
０重量％以上含有し、前記鉄鋼粉末の平均粒径の５分の
１の平均粒径に微粒化した鉄合金微粉末を前記鉄鋼粉末
に対して５〜２０重量％混合したのち、該混合粉末を焼
鈍することにより前記鉄鋼粉末の表面に前記鉄合金微粉
末を付着させることを特徴とする焼結用低合金鋼粉末の
製造方法。
（８）前記鉄合金が、拡散硬化元素を含有することを特
徴とする特許請求の範囲第７項記載の焼結用低合金粉末
の製造方法。
（９）前記拡散硬化元素が、クロム、マンガン、および
モリブデンから選ばれた少なくとも一種であり、かつ、
前記焼結用低合金鋼粉末に対するその含有量が合計で０
．５重量％以上であることを特徴とする特許請求の範囲
第８項記載の焼結用低合金鋼粉末。
（１０）前記焼鈍温度が、７００〜９００℃であること
を特徴とする特許請求の範囲第７項記載の焼結用低合金
鋼粉末の製造方法。