JPS6310891Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、軽量で且つ弾性を有する物品を、
姿勢を崩すことなく正確に被供給位置へ供給して
位置決め保持する物品供給装置に関するものであ
る。

自動組付機や圧入機においては物品を被組付け
位置や被圧入位置へ正確に供給し、位置決めする
必要があるが、従来、例えばエンジンブロツクに
ピンリングを圧入する装置では物品を第１図に示
すような供給装置にて供給していた。即ち、多数
の物品１をパーツフイーダ２で整列させ乍らゲー
ト部３へ連続送りし、このゲート部３のゲートシ
リンダ４の伸縮動作により物品１を一個宛切出し
てシユート５へ排出させ、このシユート５内を自
重で落下させ、シユート５の下方で且つ物品１の
被圧入位置に対応付けらて配置された物品受け台
６のＶ溝７上に載せて、位置決めしている。そし
て物品受け台６のＶ溝７に保持された物品１を後
方で待機している圧入ラム８にて圧入するように
なしてある。前記物品供給装置では、シユート５
の下端部と物品受け台６との間に第２図に示す様
に圧入ラム８の前進及び物品１の前方への移動が
可能なるように物品１の高さより十分に広い適当
な大きさの開口部９を形成してある。従つて、シ
ユート５内を落下してきた物品１が物品受け台６
のＶ溝７上に落下して、その衝撃により跳ね上が
つた際、両側部はシユート５にて拘束されている
が、前後部は前記開口部９により開放されている
ため、物品１が倒れてしまい、位置決めができず
圧入も行えないといつた問題があつた。

この考案は従来の物品供給装置の上記問題点に
鑑みてなされたもので、軽量で弾性を有する物品
を、姿勢を崩すことなく正確に供給し位置決めす
るようになした物品供給装置を提供せんとするも
のである。

即ち、この考案は内部に物品の送り通路を形成
し、下端の前後に物品の排出が可能な開口部を形
成した送りシユートと、送りシユートの下方に対
向配置され、上面に物品を受けるＶ溝を形成した
物品受け台と、前記物品受け台のＶ溝の中心部を
貫通して上下動し、上昇時に送りシユート内に突
出し、下降時にＶ溝から退避するガイド部材とか
ら成り、物品供給時、ガイド部材が送りシユート
内に突出して、物品を送りシユートで拘束した状
態で一旦受け止め、ガイド部材から物品受け台の
Ｖ溝へ物品を移載するようにしたものである。

以下この考案の実施例を図面を参照して説明す
る。

第３図及び第４図において、１１はパーツフイ
ーダ（図示せず）にて整列されて連続送りされて
くる物品１を案内する案内筒、１２は架台１３上
に固定されたゲート部で、内部に物品１を流入さ
せる流入通路１４と物品１を排出させる排出通路
１５とを軸心を異ならせて上下方向に形成し、流
入通路１４の下端と排出通路１５の上端とを水平
方向に形成した切出し通路１６にて連通させてあ
り、前記流入通路１４を案内筒１１に対向させて
ある。１７はゲート部１２の側面に設けられたゲ
ートシリンダで、その伸縮動作によりスライドガ
イド１７ａが切出し通路１６内を移動し流入通路
１４内の物品１を一個宛切出して切出し通路１６
から排出通路１５へ排出させる。本実施例では物
品１をその自重に加えてエアー等の流体圧で圧送
する方式をとつているため、ゲート部１２の上部
に排出通路１５と対向させてノズル孔１８が上下
方向に形成され、当該ノズル孔１８には流体、例
えばエアーを発生させるエアー供給源に接続され
たエアーノズル１９が取付けられ、このエアーノ
ズル１６から排出通路１５へエアーを噴出させる
ように構成している。またエアーノズル１９には
噴出するエアーの圧力（流量）変動を感知して動
作信号を発する検知手段（図示せず）が設けられ
ており、例えば、物品圧送時の抵抗が大きいとき
にはOFFで、物品が無くなつて抵抗が小さくな
ると、ON信号を発して前記ゲートシリンダ１７
を一回伸縮動作させるようになしてある。２１は
架台１３の前面で且つゲート部１２の下部に排出
通路１５に対向させて配置した送りシユートで、
物品１が正規の状態で通過し得る断面コ字形の送
り通路２２を有する本体２３と当該本体２３の前
面に装着され、送り通路２２を塞ぐ蓋板２４とよ
り成り、上端をゲート部１２に接続させて排出通
路１５と連通させ、下端を物品１の被供給位置よ
り若干上方位置に臨ませてあり、且つ蓋板２４と
本体２３の後壁２３ａを下端から物品１の高さよ
り長く切欠いて少なくとも一個の物品１が排出で
きるように前後部を開放させてある。この送りシ
ユート２１にはエアーノズル１９からのエアーが
供給されて物品１を圧送する。２５は送りシユー
ト２１の下方で且つ物品１の被圧入位置に対向配
置させた物品受け台で、上面には物品１を保持す
る為のＶ溝２６を形成し、且つＶ溝２６の中心部
に貫通孔２７を穿設してある。２８は物品受け台
２５の貫通孔２７に上下動可能に貫通させたガイ
ド部材で、上端面をＶ字形になしてあり、下端を
支持棒２９を一端に起立固定してある。前記支持
棒２９の他端は送りシユート２１の側面にブラケ
ツト３０を介して取付けられたガイドシリンダ３
１のピストンロツド３１ａに結合させてある。従
つてこのガイドシリンダ３１のピストンロツド３
１ａが短縮すると、ガイド部材２８が上昇して物
品受け台２５から突出して送りシユート２１の送
り通路２２内に侵入し、送り通路２２内を圧送さ
れてくる物品１を周囲４面が囲まれた送り通路２
２内で受け取る。そしてピストンロツド３１ａが
伸長すると、ガイド部材２８が下降して物品受け
台２５内に入り、支持している物品１をＶ溝２６
上に移載する。３２は物品受け台２５のＶ溝２６
にて保持された物品１の後方に対向配置させた圧
入ラムで、物品１内を貫通するガイド軸部３２ａ
と物品１の端面を押圧して圧入する押圧肩部３２
ｂとを有している。

上記構成において、その作用を説明すると、物
品供給装置の起動ボタンを押圧すると、物品１を
多数収容したパーツフイーダが振動を開始して物
品１を整列させ乍ら連続送りして案内筒１１内に
供給し、同時にエアー供給源が動作してエアーノ
ズル１９からゲート部１２の排出通路１５及び送
りシユート２１内へエアーを噴出させ、ガイドシ
リンダ３１のピストンロツド３１ａが短縮してガ
イド部材２８を突出させる。

案内筒１１内に送り込まれた物品１は順次自重
で落下し、ゲート部１２の流入通路１４内に堆積
する。この後ゲートシリンダ１７が一回伸縮動作
して流入通路１４の最下部の物品１を切出して切
出し通路１６から排出通路１５へ排出させる。排
出通路１５へ排出された物品１は自重と上方から
噴出されるエアーとで下方へ圧送され、排出通路
１５から送りシユート２１の送り通路２２内を圧
送され、送り通路２２の下部で待機しているガイ
ド部材２８上に落下し、これに支持される。この
後ガイドシリンダ３１のピストンロツド３１ａが
伸長してガイド部材２８を下降させ、エアーにて
物品１を上方からガイド部材２８上に押圧させた
状態で物品１を降下させ、物品受け台２５のＶ溝
２６上に移載し、これに保持させ、更にガイド部
材２８が下降して物品１から離れる。そして物品
受け台２５のＶ溝２６に物品１が保持され、ガイ
ド部材２８の下降が停止すると、圧入ラム３２が
前進し、圧入ラム３２の小径のガイド軸部３２ａ
が物品１内に侵入し、続いて大径の押圧肩部３２
ｂが物品１を押し出し、Ｖ溝２６に沿つて送りシ
ユート２１の下部開口部から排出させ、被圧入部
へ物品１を圧入する。圧入が完了すると圧入ラム
３２が後退し、送りシユート２１の下部開口部か
ら後方へ退避する。そして送りシユート２１内が
空になりエアー噴出の抵抗が小さくなつて流れが
良好になると、検知手段がこれを検知してON
し、ガイドシリンダ３１のピストンロツド３１ａ
が短縮してガイド部材２８を上昇させ、これを送
りシユート２１内に侵入させて次の動作に備え、
続いてゲートシリンダ１７を一回伸縮させ、ゲー
ト部１２の流入通路１４内の物品１を一個切出さ
せ、これを切出し通路１６から排出通路１５へ排
出させ、以後上記動作を繰り返して物品１を自動
的に圧入させる。

上記物品１の供給動作時、ガイド部材２８上に
落下した物品１はその衝撃により跳ね上るが、物
品１は４面を囲まれた送り通路２２内で跳ね上る
ので、物品１が位置ずれを生じたり、倒れたりす
ることがなく、しかも本実施例ではエアー等にて
常時上方からの押圧力が作用しているので、跳ね
上がりも小さく、確実にガイド部材２８上に載せ
られる。またガイド部材２８上に支持された物品
１はエアーにて上方から押圧された状態で、その
ままガイド部材２８の下降に伴つて徐々に下げら
れて物品受け台２５のＶ溝２６上に載せられるの
で、このＶ溝２６への移載時、物品１は送りシユ
ート２１にて二面しか拘束されておらなくても跳
ね上つて倒れたりすることがなく確実にＶ溝２６
に供給され、以後の圧入動作に支障を来たすこと
がない。

尚、上記実施例ではエアーで物品を圧送してい
るので、その流量を調整することにより物品の供
給速度は任意に調整できるが、エアー等による圧
送は必ずしも必要なものではなく、シユート内の
物品の有無を他の方法で検出したり、単にタイム
シーケンスのみで本装置を制御することももちろ
ん可能である。

以上説明したように、この考案によれば、送り
シユート内で、ガイド部材により物品を一旦受け
止め、この後、ガイド部材を下降させて、ガイド
部材から物品受け台のＶ溝へ物品を移載するの
で、物品がガイド部材に当つたときに跳ねても、
物品は送りシユートにて周りを拘束されているの
で倒れたりすることがない。しかもガイド部材か
ら物品受け台へは両者の相対移動により、ゆつく
りと、物品を移載するので、物品を安定した状態
でガイド部材からＶ溝へ移載することができ、軽
量で、しかも、弾性を有する物品を常に所定の姿
勢で物品受け台のＶ溝へ供給でき、この種装置を
自動組付け機や圧入機に適用して各種組立て工程
の自動化を可能ならしめて、作業性を大幅に向上
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の物品供給装置の概略を示す斜視
図、第２図は従来の問題点を示す要部拡大正面
図、第３図は本考案に係る物品供給装置の正面
図、第４図はその一部断面側面図である。 １……物品、２……ゲート部、１７……ゲート
シリンダ、２１……送りシユート、２２……送り
通路、２５……物品受け台、２６……Ｖ溝、２８
……ガイド部材、３１……ガイドシリンダ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 内部に物品の送り通路を形成し、下端の前後に
   物品の排出が可能な開口部を形成した送りシユー
   トと、送りシユートの下方に対向配置され、上面
   に物品を受けるＶ溝を形成した物品受け台と、前
   記物品受け台のＶ溝の中心部を貫通して上下動
   し、上昇時に送りシユート内に突出し、下降時に
   Ｖ溝から退避するガイド部材とから成り、物品供
   給時、ガイド部材が送りシユート内に突出して、
   物品を送りシユートで拘束した状態で一旦受け止
   め、ガイド部材から物品受け台のＶ溝へ物品を移
   載するようにしたことを特徴とする物品供給装
   置。