JPS6310389B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 溶融金属の試料採取に関し、試料採取のカート
リツジ（小容器）を完全に溶融金属中に浸漬させ
ることなく溶融金属を試料形成用の試料空洞内に
引込むために、空気圧式採取器が開発されてき
た。米国特許第3791220号、第3905238号及び第
3996803号は、試料空洞内の圧力が低下され、溶
融金属を脱気させて試料空洞に入れる空気圧式採
取器を開示する。これらの米国特許において示さ
れる型式の空気圧式試料採取器は、特定の利用分
野及び特定の溶鋼類については有効であるが、い
くつかの不利な点も有している。溶鋼は浴から引
込まれる間及びその後において充填管から流れ出
し、且つ試料中に収縮による空孔が生じ得るし、
さらに試料中に欠落部が生じ得る。

米国特許第3481201号、特にその第５図に示さ
れるような側面からはいる充填孔による試料採取
は、良好な試料を提供し且つ試料採取用のカート
リツジが溶鋼に浸漬されないので溶鋼の損失も生
じない。試料をカートリツジの上方から充填すれ
ば、試料中の空孔が除かれる。それに加えて側面
から充填するカートリツジは収縮による試料中の
空孔を最小限にする傾向がある。

本発明は、空気圧式の溶融金属試料採取器であ
つて、側面から入るようにする充填孔を有する利
点を持つものに係る。この試料採取器は、板紙筒
体中に位置する耐火性のカートリツジを含む。米
国特許第3791220号に示されるようなポンプが、
この耐火性カートリツジ中の試料空洞を脱気する
ために用いられ得る。長い充填管が具備され、こ
の充填管は一般に垂直に配置される試料空洞の上
端部付近の側部入口孔に連通される。ポンプ或は
ポンプ管中に入る金属の流れを最少にし或は無く
するために、カートリツジの端部壁集合体は、ポ
ンプを試料空洞と連通させて空洞を脱気させる
が、傾向体円板を有して金属がポンプ中に流入す
るのを防ぐようになつている。伸長する充填管
は、試料採取器を完全に浸漬させることが望まし
くないような場合において試料採取器を使用する
ことを可能にし、且つ側面から充填するようにす
る配置は、試料中の空孔及び試料の収縮を最小限
になし得る。

本発明による試料採取器は、充填管中を通る溶
融金属の真空吸引の流れと、充填管から試料採取
器に至る重力による流れとを提供する。

本発明のその他の目的、利点及び特徴について
は、下記の開示から明らかにされるであろう。

この開示は詳細であつて当業者に本発明を実施
させるのに充分であるが、ここに具現されたその
実施態様は単に本発明に例示するに過ぎず、本発
明は他の特殊な態様においても具現され得る。本
発明の範囲は附記した特許請求の範囲によつて限
定される。

図面中第１図は、本発明による試料採取器８を
示す。試料採取器８は、円筒状の耐火性側壁１２
を有する耐火性のカートリツジ１０を含む。この
耐火性側壁１２は、耐火セメント１５によつて固
定された耐火性円板１４によつて底部を閉じられ
ている試料空洞１３を取り巻いている。この耐火
性のカートリツジ１０は、板紙で作つた絶縁用の
保護筒体１６中に位置している。耐火性壁１２
は、溶融金属をカートリツジ１０へその側面から
充填する側部入口孔１８を具備している。

本発明においては充填管２０が具備され、これ
は透明又は半透明の石英で作ることができ、その
長さはカートリツジより長くされ、且つカートリ
ツジの端部から或る距離だけ突出しており、その
ために、カートリツジを金属中に浸漬する必要が
ない。充填管２０には、管２０と直角をなすよう
にして充填管部分２２が設けられる。この部分２
２は筒体１６中の開口１７と、空洞１３中に溶融
金属を吐出させるようにする側部入口孔１８とを
通つて伸長している。この充填管部分２２は、曲
がりによつて石英管２０と一体的に形成すること
もできるし、又45゜だけ折り曲げられた端部に沿
つて管部分２０に連結される分離された部片とす
ることもできる。この管２０は、耐火セメント３
０のビードによつて板紙筒体の外側表面２８に固
定され、このビードは筒体１６の開口１７に対す
る充填管部分２２の空気的密閉を提供する。

カートリツジの上端部には、カートリツジの試
料空洞１３を脱気させ充填管２０を通つて金属を
引込むようにする金属の流れはポンプ中に入り込
まないようにする手段を具えている。第１図に開
示された構造においては、この手段は開口３８を
有する上方端壁３６を含んでいる。この上方端壁
３６は、耐火セメントによつて側壁１２の上部に
固定させることも側壁１２の中にあるようにする
こともできる。開口３８の上方に間隔を置いて偏
向体円板４０が設けられる。偏向体円板４０は、
円周方向に離隔された耐火セメントのビード４２
の列によつて上方端壁３６に対して固定され、且
つそれから離隔されている。このことは矢印４４
で示されるような空気の流れ、即ち、圧力連通路
を提供する。この偏向体円板４０は、上方端壁３
６の直径より小さい直径を有し、４８において筒
体１６との間に間隙を供与する。第４図は米国特
許第3996803号に開示されたものと同様な空気ポ
ンプすなわち脱気装置を示し、筒体１６の開放端
部５４中にはめ込まれて圧力密封を提供する、テ
ーパの付いたプラグ５２を有するパイプ５０を具
えている。

使用に当つては、本発明による試料採取器は一
般に垂直に配置され、充填管２０の端部６０は、
スラグを貫通するための可溶性キヤツプ６２を具
えることができる。溶鋼中の所望のレベルに端部
６０が置かれると、ポンプの開放が始められピス
トンが引込まれ、試料空洞内における脱気すなわ
ち圧力下が行われ、充填管内に金属が流入しそこ
から重力によつて流れて空洞１３が充填される。

開示された試料採取器は、ジヨミネイ試験
（Jominey test）用の６インチ（約15cm）或はそ
れ以上の長さの細長い試料を作るのに特に適す
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明による試料採取器を示す部分
的断面の立面図である。第２図は、第１図の２―
２線に沿う断面図である。第３図は、一部を破断
した、カートリツジ上部の端面を示す。第４図
は、脱気ポンプ及び第１図の試料採取器の縮少さ
れた図である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 溶融金属試料採取器にして、 分析用試料を形成するための試料空洞１３を限
   定する側壁１２、上方端壁３６及び下方端壁１４
   を含むカートリツジ１０の壁手段であつて、該側
   壁において該上方端壁及び下方端壁の間に該試料
   空洞を充填するための側部入口孔１８が位置決め
   されるもの、 充填管２０であつて、該側部入口孔１８を通り
   該側壁に垂直な方向に延び端部において該試料空
   洞に連通される部分、及び該側壁に平行に延び端
   部が溶融金属中に浸漬される部分を有するもの、 該試料空洞に対する通気手段であつて、該カー
   トリツジの上方端壁３６のほぼ中央における開口
   ３８を含むもの、 該通気手段を介して該試料空洞と連通される圧
   力降下装置であつて、該試料空洞及び該充填管内
   の圧力を低下させ溶融金属を該充填管中に引込み
   そこから重力による流れで該試料空洞を充填させ
   るもの、 該カートリツジ及び該通気手段を取り囲む保護
   筒体１６、及び、 該カートリツジの上方端壁と対向し該上方端壁
   から間隔をおいて位置される偏向体円板４０であ
   つて、該偏向体円板及び該保護筒体の間に環状の
   通風間隙４８が形成され、該通風間隙を介して該
   試料空洞が該圧力降下装置と連通されるもの、 から成る溶融金属試料採取器。