JPS6310254Y2

JPS6310254Y2 -

Info

Publication number: JPS6310254Y2
Application number: JP1981171556U
Authority: JP
Priority date: 1981-11-18
Filing date: 1981-11-18
Publication date: 1988-03-28
Also published as: JPS5876724U

Description

【考案の詳細な説明】この考案は複数の液状プラスチツク原料を高圧
で衝突混合させて金型内に送り込むとともに、上
記原料同士の化学反応により合成樹脂を生成する
反応射出成形機の混合装置の、特に高圧を発生す
るための圧力調整部分に関するものである。

従来、複数の液状プラスチツク原料（以下原液
と称す）を衝突混合させて合成樹脂を生成する反
応射出成形機の混合装置として、第１図に示すも
のが一般に知られている。この混合装置１は、単
一のヘツド本体２と、このヘツド本体２に設けら
れた射出シリンダ３内を摺動するスプール４と、
このスプール４を移動させる油圧機構５とを主体
として構成されており、上記ヘツド本体２には、
上記射出シリンダ３を挾んで相互に対向して取り
付けられて上記射出シリンダ３内に原液を噴射す
る噴射ノズル６，６と、これら噴射ノズル６が取
り付けられる原液流入孔７，７と、上記噴射ノズ
ル６の第１図における右方に設けられて上記噴出
シリンダ３内に連通する原液流出孔８，８とが設
けられており、上記スプール４には、原液の射出
停止時に第１図に示す如く噴射ノズル６と原液流
出孔８とを連絡する溝９が設けられている。

そして、原液を混合射出する際には、上記スプ
ール４を油圧機構５により後退（第１図の右方へ
移動）させて上記射出シリンダ３の先端側を空け
て混合室とし、この混合室に高圧にて噴射ノズル
６，６から原液を噴射している。

また、ヘツド本体２や図示しない原液貯蔵タン
ク等の各構成材と反応射出成形機とを連絡する配
管内での原液の目づまり、あるいは原液内に入れ
た充填材等の沈殿や充填材の原液内における不均
一な分布を防止するために行なう原液の循環の際
には、上記スプール４を第１図に示す位置に移動
させて、上記原液流入孔７と原液流出孔８とを溝
９で連絡して循環を行つている。

一方、上記構成の如き従来の混合装置には、原
液噴射の高圧発生のために、ニードルバルブ方
式、固定ノズル方式、スリツト方式等の様々の方
式があり、いずれも高圧で原液を噴射できるよう
になつているが、上記の諸方式の混合装置は高圧
発生の機能のみを有するものであり、以下に記す
如き欠点および問題があつた。

(イ) 原液の循環の際には、原液を噴射ノズルから
高圧で噴射する必要がないが、上記従来の混合
装置は循環の際も射出成形時と同様の高圧でな
ければ原液を循環させることができない。した
がつて動力的に無駄が多い。

(ロ) 原液を噴射する部分が高圧を発生させるため
に絞られていて、原液が通る通路面積が小さい
ため、この部分に原液中のガラス繊維等の充填
材が詰まつて原液通路が閉塞したり、上記絞り
を通過する際に充填材が破壊されて成形品の品
質が低下する。

(ハ) 上記絞りを原液が常に高圧で通過するため、
上記絞り部分が短期間で摩耗してしまう。

この考案は、上記従来の問題点を解決するた
めに、混合室に開口する複数の噴射ノズルが設
けられた反応射出成形機の混合装置において、
上記噴射ノズルの近くに両端部に作動流体の出
入口をそれぞれ有するシリンダが設けられ、該
シリンダ内には、ロツドを備えたピストンが、
噴射ノズルに近付いて噴射ノズルの開口面積を
変化させるロツド先端部を、シリンダの一端に
設けられた軸孔から上記噴射ノズルに臨ませ、
かつロツド後端部をシリンダの他端に設けられ
た軸孔から外部に突出させて噴射ノズルの開口
方向に上記ロツドと一緒に移動自在に装入さ
れ、上記シリンダの他端に設られた軸孔から外
部に突出されたロツド後端部に、該ロツド後端
部の噴射ノズルに対する接近移動を停止させる
ナツトが調節自在に螺着された構成としたもの
で、必要に応じて原液の噴射圧力を変化させる
ことのできる反応射出成形機の混合装置の提供
を目的とする。

以下この考案を図面を参照して説明する。

第２図と第３図はこの考案に係る混合装置の一
実施例を示すもので、第１図に示す符号と同一の
符号は同一構成要素を示し、その詳細な説明は省
略する。

図中、符号１０で示すものは原液流入孔７のヘ
ツド本体２外周側の開口部に取り付けられた駆動
機構であり、この駆動機構１０は両端部に油や空
気等の作動流体の出入口１１ｃ、１１ｄをそれぞ
れ有するシリンダ１１と、油圧又は空圧等によつ
て第２図又は第３図の上下方向、つまり噴射ノズ
ル６の開口方向に移動するピストン１２と、この
ピストン１２を貫通して設けられたロツド１３と
から成り、上記駆動機構１０によつてロツド１３
を噴射ノズル６に接近させてこの噴射ノズル６の
開口面積を調節することができるようになつてい
る。また、上記ロツド１３の先端部１３ａ（ロツ
ド１３の噴射ノズル６側の先端）は円錐状に形成
されるとともに、シリンダ１１の一端に設けられ
た軸孔１１ａから噴射ノズル６に臨ませられ、ま
た、上記ロツド１３の後端部１３ｂはその径がロ
ツド１３の先端側のピストン１２近くよりも小さ
くされるとともに、シリンダ１１の他端に設けら
れた軸孔１１ｂから外部に突出されている。そし
て上記後端部１３ｂには、ナツト１４，１４が螺
入されていて、上記噴射ノズル６にロツド１３の
先端部１３ａを接近させた時に、上記ナツト１４
がシリンダ１１の端面壁に衝突して上記ロツド１
３の移動を停止させてロツド１３を固定するよう
になつており、上記後端部１３ｂとナツト１４に
より固定手段１５が構成されている。また、上記
原液導入孔７の第２図における左側には、一端が
この原液流入孔７を形成する側壁７ａに開口され
た原液導入孔１６が設けられるとともに、この原
液導入孔１６の他端は図示しない配管によつて原
液貯蔵タンクに連絡されている。

しかして、第２図に符号Ａで示すものは、上記
スプール４を第３図の状態より右方に移動させた
時に射出シリンダ３内に形成される混合室であ
る。

次に第２図と第３図に示す実施例の作用につい
て説明する。

第２図は射出成形を行なうために、原液の噴射
を行つている状態を示すもので、スプール４は油
圧機構５によつて後退（図中右方に移動）されて
いて、射出シリンダ３内に混合室Ａが形成されて
いる。そして、上記駆動機構１０はロツド１３を
噴射ノズル６側に押して、ロツド１３の先端部１
３ａにて噴射ノズル６の開口面積を小さくしてい
るため、原液は噴射ノズル６，６から高圧で混合
室Ａ内に噴射混合され、射出される。この際、上
記駆動機構１０はロツド１３を押し続けるが、ロ
ツド１３は、シリンダ１１の２個の軸孔１１ａ、
１１ｂと、シリンダ１１内に装入されているピス
トン１２によつて半径方向の横振れを阻止される
とともに、ナツト１４がシリンダ１１の端面壁に
当接してロツド１３の進行を阻止するため、ロツ
ド１３は噴射ノズル６の開口面積を小さくした位
置で強固に固定される。したがつて、原液圧力の
変動時に、原液圧力の変化によつてロツド１３の
位置が上記位置からずれることがないため、噴射
ノズル６の開口面積を常に一定に保つことができ
る。また、これによつて、従来の混合装置の高圧
発生のための、前記したニードルバルブ方式等の
諸方式に設けられる油圧やバネを利用した原液噴
射口の開口面積の調節機構では防ぐことができな
かつた原液圧力の変動による上記開口面積の変動
問題が、この考案の混合装置では解消されてい
る。

また、原液の噴射動作を停止して、原液の循環
を行うには、第３図に示すように、スプール４を
油圧機構５によつて前進（図中左方に移動）させ
て噴射ノズル６と原液流出孔８を連通する。そし
て、上記駆動機構１０によつてロツド１３を噴射
ノズル６から離す。以上の操作によつて噴射ノズ
ル６の開口面積は増加して、原液の噴射圧力は低
下する。よつて、低圧により原液を原液流出孔８
に流出させて原液の循環を行なうことができるた
め、噴射ノズル６に原液中の充填材が詰まつた
り、噴射ノズル６が短期間で摩耗することがな
い。

なお、上記した実施例においては、ロツド１３
の先端部１３ａが円錐状に形成されているが、ロ
ツド１３の先端部１３ａの形状は噴射ノズル６の
開口面積を調節し易いものであれば任意でよい。
また、駆動機構１０はロツド１３を噴射ノズル６
へ接近して噴射ノズル６の開口面積を調節するも
のであれば、油圧式、空圧式、いずれでもよい。

以上説明したようにこの考案に係る混合装置
は、混合室に開口する複数の噴射ノズルを設けた
混合室に開口する複数の噴射ノズルが設けられた
反応射出成形機の混合装置において、上記噴射ノ
ズルの近くに両端部に作動流体の出入口をそれぞ
れ有するシリンダが設けられ、該シリンダ内に
は、ロツドを備えたピストンが、噴射ノズルに近
付いて噴射ノズルの開口面積を変化させるロツド
先端部を、シリンダの一端に設けられた軸孔から
上記噴射ノズルに臨ませ、かつロツド後端部をシ
リンダの他端に設けられた軸孔から外部に突出さ
せて噴射ノズルの開口方向に上記ロツドと一緒に
移動自在に装入され、上記シリンダの他端に設け
られた軸孔から外部に突出されたロツド後端部
に、該ロツド後端部の噴射ノズルに対する接近移
動を停止させるナツトが調節自在に螺着された構
成になつているため、射出成形時には高圧で原液
を噴射混合できるとともに、原液の循環時には低
圧で原液を噴射ノズルから流出させることができ
る。したがつて常に高圧にて原液を噴射する従来
の混合装置に比べて動力的に無駄がない。また、
同様な構成によつて、噴射ノズルの開口面積が増
減するため、噴射ノズルに原液内の充填材が詰ま
つて噴射ノズルが閉塞することがない上に、原液
の循環時に噴射ノズルの開口面積を大きくするこ
とができるため、原液の循環時に原液内の充填材
が噴射ノズルで破壊されることがない。また、同
様な構成によつて原液循環時の原液の噴射圧力を
低くできるため、噴射ノズルの摩耗を少なくする
ことができる。さらに、以上のように原液循環時
に原液の噴射圧力を低くできることにより、この
考案の混合装置を取り付けた反応射出成形機の必
要動力量を低くおさえて、反応射出成形機におけ
る省エネルギー化を計ることができる。更にま
た、ロツドは、シリンダの２固の軸孔と、シリン
ダ内に装入されているピストンにより案内されて
移動し、ナツトで規制される位置に半径方向の横
振れを阻止されて強固に固定されるので、混合室
への原液の高圧噴射を精度よく、かつ支障なく行
うことができるとともに、ロツド後端部にナツト
が調節自在に螺着されているので、容易、かつ迅
速に調節することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の反応射出成形機の混合装置を示
す断面略図、第２図はこの考案に係る反応射出成
形機の混合装置の一実施例の射出状態を示す断面
略図、第３図は同例における原液の循環状態を示
す断面略図である。１……混合装置、６……噴射ノズル、１０……
駆動機構、１３……ロツド、１５……固定手段。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

混合室Ａに開口する複数の噴射ノズル６が設け
られた反応射出成形機の混合装置において、上記
噴射ノズル６の近くに両端部に作動流体の出入口
１１ｃ，１１ｄをそれぞれ有するシリンダ１１が
設けられ、該シリンダ１１内には、ロツド１３を
備えたピストン１２が、噴射ノズル６に近付いて
噴射ノズル６の開口面積を変化させるロツド先端
部１３ａを、シリンダ１１の一端に設けられた軸
孔１１ａから上記噴射ノズル６に臨ませ、かつロ
ツド後端部１３ｂをシリンダの他端に設けられた
軸孔１１ｂから外部に突出させて噴射ノズル６の
開口方向に上記ロツド１３と一緒に移動自在に装
入され、上記シリンダ１１の他端に設けられた軸
孔１１ｂから外部に突出されたロツド後端部１３
ｂに、該ロツド後端部１３ｂの噴射ノズル６に対
する接近移動を停止させるナツト１４が調節自在
に螺着されたことを特徴とする反応射出成形機の
混合装置。