JPS6234731Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は高圧で衝突混合させた複数のプラス
チツク原料を金型内に送り込むとともに、上記原
料同士の化学反応により合成樹脂を生成する反応
射出成形機の特に上記の衝突混合を掌どる混合ヘ
ツドに関するものである。

従来、複数の液状プラスチツク原料（以下原液
と称す）を衝突混合させて合成樹脂を生成する反
応射出成形機として、第１図と第２図に示すもの
が一般に知られている。この反応射出成形機１は
単一のヘツド本体２と、このヘツド本体２に設け
られた射出シリンダ３内を摺動するスプール４
と、このスプール４を移動させる油圧装置等の駆
動機構５とを主体として構成されており、上記ヘ
ツド本体２には、上記射出シリンダ３内に原液を
噴射する噴射ノズル６，６が上記射出シリンダ３
を挾んで相互に対向して取り付けられるととも
に、上記ヘツド本体２の噴射ノズル６の第１図に
おける横方には原液流出口７がが設けられる一
方、上記スプール４には、射出動作停止時に第１
図に示すように噴射ノズル６と原液流出口７とを
連絡する溝８が設けられている。そして、原液を
混合射出するには、第２図に示すように上記スプ
ール４を移動させて噴射ノズル６，６を開放し、
高圧にて原液を噴射ノズル６，６から噴射させて
射出シリンダ３の先端の射出口９から射出すれば
よいのであるが、上記のような従来の反応射出成
形機１にあつては、噴射ノズル６，６から噴射さ
せた原液の混合場所（射出シリンダ３内の噴射ノ
ズル６近傍と吐出口９とが直線的に障害なく、し
かも近接して位置されているため、原液に加えら
れた噴射エネルギーが原液の混合エネルギーに完
全に変換して、原液が完全に混合する前に、混合
不十分な原液が上記吐出口９から、かなりの速度
で吹き出して金型（図示せず）に流れ込むという
現象が生じる。そして、この現象が生じると成形
した成形品に原液の混合不良や成形時のエアー巻
込みによる欠陥が多発することになる。このため
従来は上記現象への対策として、 (イ) 金型内に原液混合を促進させるための特別の
装置（アフターミキサー等）を設ける。

(ロ) 原液の混合場所から吐出口９までの原液通路
を十分に長く設定して噴射した原液が吐出口９
に到達する間に混合を促進する。

等の工夫がなされているが、いずれも複数の原
液を十分に混合して射出するまでには至つていな
いようである。

この考案は上記背景に基づいてなされたもの
で、その目的とするところは、絞りプランジヤと
射出シリンダとスプールとが形成する混合室で原
液を混合するとともに、この混合した原液を上記
絞りプランジヤと射出シリンダとが形成する間隙
を通して吐出口に向けて流出させることによつ
て、原液を充分に混合できる上に、混合した原液
を定常的な流れにして射出口より射出することの
できる反応射出成形機の混合ヘツドの提供にあ
る。

以下この考案を図面を参照して説明する。

第３図ないし第６図はこの考案の混合ヘツドの
一実施例を示すもので、第１図と第２図に示す符
号と同一の符号は同一構成要素を示し、その詳細
な説明は省略する。

図中符号１０で示すものは流路シリンダであ
り、この流路シリンダ１０を挾んで、射出シリン
ダ３と絞りシリンダ１１とがほぼ直線状に相互に
対向して上記流路シリンダ１０に交差状態で連絡
されている。そして、上記絞りシリンダ１１には
先端部１２ａを上記流路シリンダ１０内に突出し
て上記射出シリンダ３との間に間隙Ｓを形成する
絞りプランジヤ１２が摺動自在に設けられるとと
もに、上記絞りシリンダ１１には上記絞りプラン
ジヤ１２を移動させる油圧装置等の駆動機構１３
が設けられる一方、上記絞りプランジヤ１２の後
端部１２ｂは上記駆動機構１３のカバー１３ａを
貫通して延出され、この後端部１２ｂには上記絞
りシリンダ１１の伸長により上記カバー１３ａに
当接して上記間隙Ｓの距離を調整するナツト１４
が螺入されている。

また、上記流路シリンダ１０には、この流路シ
リンダ１０の上記射出シリンダ３との接合部の手
前からこの接合部を超えて、上記流路シリンダ１
０の先端の吐出口１０ａまで伸長する清掃用の流
路プランジヤ１５が摺動自在に設けられるととも
に、上記流路シリンダ１０には上記流路プランジ
ヤ１５を移動させる油圧装置等の駆動機構１６が
設けられている。

しかして第５図に符号Ａで示すものは、上記噴
射ノズル６および原液流出口７の間に先端４ａが
位置したスプール４と、上記射出シリンダ３と、
上記流路シリンダ１０内に突出した絞りプランジ
ヤ１２の先端部１２ａとから形成される原液の混
合室である。なお、第３図ないし第５図には省略
されているが、スプール４と流路プランジヤ１５
のそれぞれの後端部４ｂ，１５ｂは各駆動機構
５，１６のカバー５ａ，１６ａを貫通するように
設けられるとともに、上記カバー５ａ，１３ａ，
１６ａにはそれぞれ上記後端部４ｂ，１２ｂ，１
５ｂの位置を検出する位置検出センサ１７，１
７，１７が第６図に示すように取り付けられてお
り、上記センサ１７に連絡される図示しない制御
装置によつて、上記スプール４と絞りプランジヤ
１１および流路プランジヤ１５の伸縮の制御がで
きるようになつている。

次に第３図ないし第６図に示す実施例の作用に
ついて説明する。

原液の射出を行なわない時には、上記スプール
４の先端４ａは第３図に示すように射出口９近く
に位置し、絞りプランジヤ１２の先端部１２ａは
絞りシリンダ１１内に位置し、流路プランジヤ１
５は吐出口１０ａまで伸長停止している。

そして原液の射出準備に入つた時には、第４図
に示すように流路プランジヤ１５が射出口９より
右方に後退し、続いて絞りプランジヤ１２が伸長
する。すると、ナツト１４が駆動機構１３のカバ
ー１３ａに当接して絞りプランジヤ１２の伸長は
停止する。この状態で上記絞りプランジヤ１２の
先端部１２ａと上記射出口９との間には間隙Ｓが
形成される。なお、以上の動作は上記位置検出セ
ンサ１７に連絡された制御装置が駆動機構５，１
３，１６を操作して順次行なうようになつてい
る。

そして、射出開始段階に入ると上記制御位置は
スプール４を第５図に示す如く噴射ノズル６，６
の下方に後退させる。すると原液が噴射ノズル
６，６から噴出して、混合室Ａ内にて衝突混合す
る。次に混合された原液は上記間隙Ｓを通つて定
常的な流れとなり流路シリンダ１０内に出る。続
いて上記原液は流路シリンダ１０内を通つて吐出
口１０ａから金型内へ流入する。以上の際、対向
する噴射ノズル６，６から噴射した２種類の原液
は、上記噴射ノズル６，６の間で衝突混合した後
に射出口９に向かうが、この射出口９は絞りプラ
ンジヤ１２によつて絞られていて、上記混合した
原液は絞りプランジヤ１２の端面に衝突して、こ
の端面近くでさらに混合されるため、原液の噴射
に伴なう運動エネルギーを混合室Ａ内でほぼ完全
に混合エネルギーに変換することができる。

また、混合された原液が間隙Ｓを通つて流路シ
リンダ１０に流れるのは、原液の有する運動エネ
ルギーの殆ど全てが混合エネルギーに変換された
後であるため、混合した原液は定常的な流れとな
る。したがつて従来の反応射出成形機のような乱
れた流れではないため、成形品にエアーの巻き込
みによる欠陥が発生しない。

そして射出終了時には、上記制御装置が各駆動
機構５，１３，１６を操作して、スプール４を射
出口９まで伸長し、絞りプランジヤ１２を後退し
て絞りシリンダ１１内に収納するとともに、流路
プランジヤ１５を吐出口１０ａまで伸長させる。
この操作によつて流路プランジヤ１５は流路シリ
ンダ１０内に残留した原液を吐出口１０ａから掻
き出して流路シリンダ１０内の清掃を行なう。

なお、この実施例においては流路シリンダ１０
を挾んで射出シリンダ３と絞りシリンダ１１とを
ほぼ直線状に配置しているが、上記射出シリンダ
３と絞りシリンダ１１とは相互に、または流路シ
リンダ１０に対して、傾けて配置しても差し支え
ない。また、上記駆動機構５，１３，１６は油圧
を利用したもの以外に空圧式・ギア式等様々なも
のを用いることができる。なおまた射出シリンダ
３に設けられる噴射ノズル６の数が３個以上のも
のについてもこの考案は実施可能である。

以上説明したように、この考案に係る混合ヘツ
ドは、スプールおよび噴射ノズルを有する射出シ
リンダと、絞りシリンダとを流路シリンダを挾ん
で相互に対向して交差状態で連絡する一方、先端
部が上記流路シリンダ内に突出して上記射出シリ
ンダとの間に間隙を形成する絞りプランジヤを上
記絞りシリンダに設けるとともに、上記流路シリ
ンダには流路プランジヤを設け、上記射出シリン
ダ内の混合室にて混合した原液を上記間隙を通し
て流路シリンダの吐出口から射出するようにした
構成であるため、噴射した原液を上記混合室にて
充分に混合することができる。また、同様な構成
によつて、混合した原液を上記間隙から吐出口に
定常的に流出させることができる。さらに、原液
射出終了後には上記流路プランジヤによつて流路
シリンダ内の清掃を行なうことができる。

そして、以上の効果により、この考案の混合ヘ
ツドによれば、成形品の品質向上および成形品の
不良率の低減化を計ることが可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図と第２図は従来の反応射出成形機におけ
る混合ヘツドを示す断面図、第３図はこの考案に
係る混合ヘツドの一実施例の非射出時の状態を示
す断面略図、第４図は同例の射出準備状態を示す
断面略図、第５図は同例の射出時の状態を示す断
面略図、第６図は同例に取り付けられる位置検出
センサを示す略図である。 １……反応射出成形機、３……射出シリンダ、
４……スプール、６……噴射ノズル、１０……流
路シリンダ、１０ａ……吐出口、１１……絞りシ
リンダ、１２……絞りプランジヤ、１５……流路
プランジヤ、Ａ……混合室、Ｓ……間隙。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 混合室に通じる複数の噴射ノズルを有する射出
   シリンダと、絞りシリンダとが、相互に対向して
   流路シリンダに交差状態で連絡され、上記射出シ
   リンダには、上記噴射ノズルからの原液の噴射を
   制御するスプールが設けられるとともに、上記絞
   りシリンダには、先端部を上記流路シリンダ内に
   突出して上記射出シリンダとの間に間隙を形成す
   る絞りプランジヤが摺動自在に設けられる一方、
   上記流路シリンダには、流路プランジヤが設けら
   れて成ることを特徴とする反応射出成形機の混合
   ヘツド。