JPS6310209Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は傾動注湯機の改良に関するものであ
る。

（従来の技術） 従来の傾動注湯機は、注湯容器が本体に固定さ
れていた。

（考案が解決しようとする問題点） 上記したような従来の傾動注湯機は、注湯容器
がその一端を鋳型に向けた姿勢で本体に固定され
ていたために、注湯容器に配湯するためには、注
湯容器が水平となる姿勢、すなわち本体を傾斜さ
せた姿勢で保持しなければならなかつた。このた
め、配湯時には鋳造を待たなければならなかつ
た。また、注湯後の容器内には残渣が生ずるの
で、次の配湯までにはこれを除去しなければなら
ないが、注湯容器が本体と一体であるため、注湯
容器を傾斜させてこれを除去することができず、
やむなく道具を用いた手作業でこれを行なつてい
た。本考案はこの点を改良するものである。

（問題点を解決するための手段） 本考案は上記問題点を解決するために、注湯容
器を、鋳型等を備えた本体とは独立して傾動でき
るように支持したものである。

（作用） このような構成とすれば、配湯と鋳型作業とは
独立して行なえることになるので鋳造サイクルの
短縮を図ることができ、また注湯容器内の残渣も
自動的に回収できることになる。

（実施例） 次に本考案の一実施例を第１図、第２図につい
て説明すると、１は本体である傾動フレームで、
内部に定盤２および鋳型３等を備えたものであ
る。この傾動フレーム１は、後述する注湯容器４
を傾動するために支柱５の上端に取付けられた傾
動機６の軸７を中心にして傾動できるように設け
られている。そしてこの傾動フレーム１の一端下
部には傾動シリンダ８が取付けられている。

傾動機６の軸７からは傾動フレーム１の外側に
延びるアーム９が設けられており、その先端に前
述の注湯容器４が取付けられている。これにより
傾動機６を作動させるとアーム９は軸７を中心に
して回動し、注湯容器４の姿勢を変えることにな
る。注湯容器４の両側には位置決め穴１０が設け
られており、傾動フレーム１に設けられたシリン
ダ１１により進退駆動される軸１２が嵌合するよ
うになつている。第１図に示す状態は軸１２が穴
１０から外れたところである。注湯容器４の下部
には位置決め板１３が設けられており、位置決め
シリンダ１４により進退駆動されるようになつて
いる。１５は注湯容器４を受け止めるクツシヨ
ン、１６は落ちたアルミ残渣を回収するためのト
イである。

第２図ないし第５図を用いて作動を説明する。
まず第２図に示す状態は鋳型３と定盤２が傾動フ
レーム１の内部にセツトされ、注湯容器４は既に
注湯完了しているところである。この状態から傾
動シリンダ８を作動させると傾動フレーム１と注
湯容器４は第３図に示す状態まで傾動する。この
時点においては、位置決めシリンダ１４がすでに
作動しており、位置決め板１３が注湯容器４の底
部を受けることにより、位置決めされている。こ
のときシリンダ１１を作動させて軸１２を注湯容
器４の穴１０に嵌入させる。

再び傾動シリンダ８を作動させ傾動フレーム１
を元の直立姿勢に戻す。すると注湯容器４は第４
図に示すような姿勢になるので、内部の湯は鋳型
３内に注入される。この注湯が完了すると直ちに
傾動機６が作動し、注湯容器４をトイ１６側に傾
動させ、クツシヨン１５に当接させる。注湯容器
４はこのときの衝撃によつて内部の残渣をトイ１
６に排出する（第５図参照）。その後、注湯容器
４は第２図の位置まで戻され、位置決めシリンダ
１４で位置決めされ、配湯を受ける。以下、同じ
動きを繰り返えすことになる。

（考案の効果） 本考案は以上説明したように、注湯容器を本体
（傾動フレーム）とは独立して傾動するように支
持したものであるから、配湯による待ち時間をな
くすことができる。また、注湯容器内の残渣を自
動的に回収することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の斜視図、第２図な
いし第５図は第１図のものの作動を説明するため
の側面図である。 １……傾動フレーム、３……鋳型、４……注湯
容器、６……傾動機、８……傾動シリンダ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 注湯容器を、鋳型等を備えた本体とは独立して
   傾動できるように支持した、傾動注湯機。