JPS6298088A - 油田用管状継手およびその製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔背景技術〕 本発明はプレミアムねじを備えた油田用管状製品のねじ
継手の改良に係り、より詳しくは、チューピングおよび
ケーシングのためのカップリング型のプレミアムねじ継
手に関する。

アメリカ石油協会（ＡＰＩ）はねじ付きの管状油田用製
品のための基準を規定しており、これらの油田用管状製
品は一般にオイル・カントリー・チューブラ−・グツズ
（ＯＣＴＧ）と呼ばれていて、油田用ケーシング、チュ
ーピング、ドリルパイプ、およびラインパイプを含む。

ドリルパイプは油井を掘さくするために使用されるもの
であるから、ＡＰＩ基準は掘さく中に予測される引っ張
り荷重、ねじり荷重、および周期的荷重に耐えるある種
の冶金学的強度的要件を要求している。ラインパイプは
専ら地上でオイルおよびガス製品を輸送するために使用
されるもので、それに要求される基準は一般により低い
ものである。チューピングおよびケーシングは油層の生
産寿命中に油井で使用されるもので、従ってチューピン
グおよびケーシングに関するＡＰＩの仕様書は予測され
るそれらの用途に関連している。前述した様に、本発明
は特に油田用チューピングおよびケーシングの継手に関
するもので、それらの直径即ち公称寸法は１ｚインチか
ら４ｚインチである。

ＡＰＩ仕様書に適合したチューピングおよびケ−シング
は比較的低度な価格で容易に入手できるもので、その理
由の１つは、多くの会社がＡＰＩチューピングおよびケ
ーシングを製造しており、その様な製品は他の会社が制
作した製品と互換性があるからである。ＡＰＩのねじ仕
様書は比較的容易に満足させることができる。何故なら
ば、ねじのプロフィル、テーバ、およびリードは極端に
小さな公差をもっていないからであり、金属間（メタル
・ツー・メタル）肩部またはシールを用いていないから
である。ＡＰＩ仕様書はエクスターナル・アップセット
端部（ＥＵＥ）を認めている。ＡＰＩ仕様書に基づくア
ップセットおよびねじ付けは比較的安価に行なうことが
できるので、この継手は油井およびガス井を完成するた
めに用いるチューピングに広く使用されている。ＡＰＩ
仕様書に従って製造される管状製品についての詳細は刊
行物「世界オイル用１９８５チユーピングおよびケーシ
ング継手表」の３９頁に記載されている。

ＡＰＩ公認のねじプロフィルはラウンド型かハツトレス
型のいずれかである。ねじの互いに係合した特定の表面
に設けられた高圧の金属間支持接触によってシールが構
成され、ねじの空隙内には充填材料が閉じこめられてい
る。しかしＡＰＩねじによって得られるシールは一般的
には高圧力油田環境に適したものではない。ねじのシー
ル能力を増加させるため最近ＡＰＩが採用した弾性シー
ルでさえも、プレミアムねじが有する様な金属間シール
能力を提供するものではない。油井がより深く掘さくさ
れこれに伴いより高い圧力および温度ならびにより侵蝕
性の流体に遭遇するにつれて、ＡＰＩ継手の欠点により
石油回収産業にＡＰＩ継手を使用するのは限られること
となる。

ＡＰＩねじ継手の主な欠点は、引っ張り強度、シール能
力、またはトルク伝達に関してパイプ胴部に匹敵する品
質を一般に備えていないということである。（その様な
品質を備えた管状製品は一般に「フル強度」または「フ
ルパイプ胴部強度」製品と呼ばれている。）　Ｅｘｔｒ
ｅｍｅラインケーシング継手の様な幾つかのＡＰＩ形状
はパイプ胴部に近い物理特性をもっている。しかし、パ
イプをアップセットするのは高価でありかつその後で機
械加工するのは高価であるので、この継手は油田に於て
広く認められまたは使用されていない。ＡＰＩのねじ付
きチューピングおよびケーシングの継手強度および支持
荷重を増加させるための他の試みとして、ねじ表面をテ
ーバ係合させることが使用されている。このやり方では
、高いトルクによって発生した荷重は残念ながら継手に
高いフープ応力を発生させ、継手が破断する可能性が増
大する。硫化水素の様な侵蝕性流体の存在する油井に於
ては特にその傾向が大きい。従って、油田操業に於ては
チェーピングおよびケーシングの継手として長い間ＡＰ
Ｉ継手が使用されてきたが、ＡＰＩねじの強度に欠点が
あることから（主としてその強度がフル強度継手よりも
小さいということ）ＡＰＩ′ｇ１手を使用することは少
なくなっている。

プレミアムねじ継手はＡＰＩねじの欠点を解消するため
に開発されたもので、種々の製造業者が製造した多くの
形式のプレミアムねじは広く受は入れられておりかつ市
場に於て一般的に入手可能である。夫々の形式のプレミ
アムねじは他の形式のねじに較べである程度の利点と欠
点とを存するものであるが、殆んどのプレミアムねじは
ねじ表面とは別に金属間シールを備え、少なくとも１つ
の円形トルク肩部を備え、ＡＰ　１１手に較べ様々な腐
蝕性媒体および条件による破断に対しかなり高い抵抗力
を提供する。一般に、プレミアムねじの金属間シールは
パイプ胴部と同様に内部的または外部的圧力差に対抗す
ることができる。また、引っ張り、曲げ、破裂、および
圧潰に関するプレミアムねじ継手の強度は一般にパイプ
胴部のそれ等に等しい。従ってプレミアムねじを備えた
多くの形式の継手は「フル強度」基準を満たすものであ
る。１ｌｙｄｒｉ１社、へｔｌａｓ−Ｂｒａｄｆｏｒｄ
社、およびＡｒｍｃ。

社は多くのプレミアムねじ製造業者のうちの三社であり
、一段状または二段状ねじ形状、ストレートねじ、テー
バねじまたはフックねじをもった様々の形態のものが入
手可能であり、夫々のねじは異なるハツトレスプロフィ
ルまたは修正バットレスねじプロフィルをもったものと
して入手可能である。プレミアムねじを備えた継手には
、ピンフランク領域または中間肩部のところに金属間シ
ールを設けることができるし、ボックスの端部のところ
に外側シールを設けることができるし、或はそれ等の組
合せを用いることもできる。また、多くのプレミアムね
じ付き継手は継手内の種々の位置に於て１以上のエラス
トマーリングシールを備えている。チューピングおよび
ケーシング用の市場で入手可能なプレミアムねじの更に
他の詳細は「世界オイル用１９８５チユーピングおよび
ケーシング継手表Ｊの第４０頁以降に記載されている。

以上から理解される様に、プレミアムねじの大きな欠点
は種々の製造業者が制作するプレミアムねじは極めて異
なる特性を有し、この様な種々の製造業者からの同一の
公称寸法をもったねじ付きチューピングおよびケーシン
グは互いに互換性がないということである。また、種々
の製造業者はそれ等のある種の製品は他社のある種の製
品と互換的に設計されていると言うのであるが、夫々の
製造業者は一般にその制作する特定のねじおよびそれに
関する公差および寸法をノウハウおよび秘密事項として
扱っているので、油田作業者は種々の製造業者から来た
同じ様なねじ形状をもった複数の製品を交換する場合に
は本来的に成る程度のリスクが予想されるものと一般に
認識している。

従って、夫々のプレミアムねじは非常に制限された範囲
内でしか利用できないのであり、ＡＰＩねじ継手に較べ
大幅に長いリード時間を必要とする。

プレミアムねじの第２の大きな欠点は、パイプのピン端
部またはボックス端部の一方または双方が高価な熱間鍛
造アップセット方法を用いて形成されるということであ
る。一般的に、ＡＰＩアップセットパイプのアップセッ
ト部の肉厚はパイプ胴部の肉厚よりも約５０％大きいの
であるが、プレミアムねじパイプの場合には典型的には
その夫々の端部の肉厚はパイプ胴部の肉厚の少な（とも
２００％であり一般には２５０％から３００％である。

この様に厚肉のアップセット端部とアップセットの無い
パイプ胴部との間の肉厚の差が大きいので、パイプを一
様に熱処理するのが困難となり、より精密で高価な装置
を必要とする。ねじを刻設する前に大量のアップセット
材料を切除しなければならないのでこの様な厚肉のアッ
プセットパイプに設けるねじは機械加工が非常に高価で
ある。ＡＰＩねじパイプをアップセットし熱処理するこ
との可能な業者のうち一部だけがプレミアムねじパイプ
に必要な肉厚の大きなアップセット部を製造する設備を
備えている。従って、プレミアムねじを備えたアップセ
ットパイプは非常に高価でありＡＰＩアップセットパイ
プの様に容易に入手できない。

チューピングおよびケーシング用のＡＰＩ’ｍ、手の大
半はパイプの各端部のピン部にねじが設けてあり　（雄
継手）、これ等のピン端部はカップリングによって接続
される。この一般原則に対する１つの例外は前述した八
ＰＩ　Ｅｘｔｒｅｍｅｌｉｎｅケーシングである。他方
、大半のプレミアムねじは一体型ジョイント構造として
形成されており、その一端にピン部が設けてあり、その
他端にはボックス即ち雌ねじが設けてある。この様な一
般的な構造の変形としてはＶａｌｌｏｕｒｅｃ社が制作
するＶＡＭねじがあり、この場合にはプレミアムねじは
アップセットのないパイプのピン端部に設けてあり、パ
イプの両端はカップリングによって連結される。ＶＡＭ
ねじは他のプレミアムねじと共通した幾つかの利点を有
するが、アップセットのないパイプを使用しており従っ
て機械加工の費用が低いのでより安価である。しかし、
このＶＡＭねじの大きな欠点は、その強度がパイプ胴部
フル強度より小さいと考えられること及び高いトルクに
対し肉厚の薄い肩部が破断する傾向がある止いうことで
ある。

製造コストが大幅に上昇し利用可能性が乏しいというこ
とに加え、プレミアムねじは一般に次の様な欠点を備え
ている。

（Ａ）継手の底側肩部はエポキシコーティングを設ける
に適していない。生産油井用のチューピングおよびケー
シングの多くのストリングには腐蝕性の条件で使用する
ためその内側に市場で入手可能な１以上のエポキシコー
ティングを設けるのが好ましい。幾つかのプレミアムね
じ継手は被覆された全ての部分が油井流体から保護され
る様なやり方でコーティングを設けるのは不可能である
。

その様な構造の一例としてはＡｔ１ａｓ−Ｂｒａｄｆｏ
ｒｄ社のＩＪ−４Ｓ構造またはＶＡＭ構造があり、それ
らは底側肩部ジヨイントを備えている。ジヨイントの底
側肩部をエポキシでコーティングした場合には、トルク
をかけて継手を接続した時には保合部のコーティングが
欠は落ちまたは破損することがあり、その部分での腐蝕
が促進する。他方、完全にコーティング可能なチューピ
ングの例としてはＡｔ１ａｓ−Ｂｒａｄｆｏｒｄ社のＤ
ＳＳ−ＨＴＣおよびＨｙｄｒｉ１社のＣ３−ＣＢがある
。特定の用途のためにコーティングを設けることが可能
な継手を提供するため（但し、通常はコーティングは設
けられない）、幾つかの業者は必要なコーティングを設
けるべく改造することの可能なプレミアムねじ継手を提
供している。しかし、この様な特別な改造は余計なコス
トを必要とする。

（Ｂ）成る種のプレミアムねじは肩部が脆いという欠点
がある。前述したアップセットのないＶＡＭ継手の場合
ならびに他の幾つかのプレミアムねじに於ては、ねじお
よびテーパおよびシールを形成するためパイプ胴部の肉
厚の殆んどが使用されるので、ストッパとして利用する
ための肉厚が殆んど残らない。また、多くのプレミアム
ねじ継手の場合にはストッパ用肩部やピンまたはボック
スの端部のところに設けてあるので、肩部が比較的薄く
なる。従って継手が非常に脆くなり、ケーシングまたは
チューピングのストリングは中程度のオーバートルクお
よび取扱いミスによって影響を受ける。

（Ｃ）他のプレミアムねじに於ては金属間シールが比較
的脆くなる。パイプ継手の底部まで延長したシールはパ
イプ取り扱い中に継手を誤って突いた時に損傷する慣れ
がある。従ってこの様なパイプはより注意深く取り扱う
必要があり、ストリング中に損傷したシールが組込まれ
ない様にするため特別の注意が必要である。

（Ｄ）プレミアムねじ継手を備えたパイプは特別な用途
を目的としたものである。従ってユーザーまたは供給業
者は非常に多数の在庫を備えるか或は配達時間が長くか
−ることに我慢しなければならない。油井を堀さくする
時には、油井を完成するためにＡＰＩパイプが使用され
るか、高強度のプレミアムパイプが使用されるか、或は
高強度のコーティング可能なプレミアムパイプが使用さ
れるかはわからないことが多い。従って、掘さく会社ま
たはパイプ供給業者は夫々の形式のパイプを在庫に備え
ておく必要があり、耐蝕コーティングを受けつける様に
するためパイプの在庫を変え、または必要と判断された
時にパイプを注文しなければならない。いずれの場合に
於ても、この様な在庫の増加、急いで行なう変更、およ
びまたは油井を完成する際に生じる遅れは掘さく会社の
全体費用を大幅に増加させる。

（Ｅ）成る種のプレミアムねじ、特に一体型継手を備え
たものは９通でないサイズのパイプを回すため特別な取
り扱い装置（例えば、トングおよびエレベータ）を必要
とする。これは明らかに掘さく作業のコストを増大させ
、作業の遅れを生じさせる惧れがある。何故ならば標準
的でない部品を修理しまたは友換する必要があるからで
あり、その様な部品は容易に人手できないからである。

前述した様な欠点を全くもたないプレミアム継手は非常
に稀であり、多くの場合にはこれらの欠点は程度の問題
である。成る製造業者は多段テーパ型のＡＰＩパイプね
じを利用しながらプレミアム継手の利点により近づける
ことにより前述の問題点の幾つかを解決しようとしてい
る。この様な試みとしてはテキサス州スプリングのＬａ
ｎｄｅｌｌＭａｎｕｆａｃｔｕｒｉｎｇ、　Ｉｎｃ、に
よって製造されかつ市販されているＭｕｌｔａｐｅｒカ
ップリングがある。他の例として）ｌｙｄｒｉｌ１社は
Ａ−９５チユーピングと云われるチューピングを提供し
ており、これはプレミアムねじを用いているという意味
に於てプレミアムチューピングを継手と説明されている
。ねじはＡＰＩアップセットより大きなアップセット部
に刻設されているが、このアップセットは他の多くのプ
レミアムねじアップセットよりも小さいものである。し
かし、このＡ−９５チユーピングはフル強度のものでは
なく、深い油井に用いることは前提としておらず、一般
的には需要のない比較的短かいチューピングストリング
に適用されるものである。

従来技術のこの様な欠点は本発明により解消されるもの
で、油田操業に一般に用いる管状製品の改良されたねじ
継手およびその製造方法を以下に説明する。

〔発明の概要〕

本発明によれば、プレミアムねじがＡＰＩアップセット
パイプ、即ち、パイプの公称肉厚の１７５％より小さく
、一般的には１４５％から１６０％の範囲のアップセッ
ト部肉厚をもったパイプ、に設けられる。ＡＰＩアップ
セットパイプは世界中を通じて種々の製造業者から容易
に人手可能であり、従来のプレミアムねじ継手用にアッ
プセットしたパイプに較べ悉かに安価である。本発明の
プレミアム継手は他のプレミアムねじ継手よりも温かに
低度な価格で製造可能であるが、この継手はより高価な
プレミアム継手に共通した特徴を備えている。即ち、金
属間シールを備えていること、引っ張り、曲げ、破裂、
および圧潰に関する継手強度はパイプ本体の強度に匹敵
すること、トルク伝達能力が高いこと、ＡＰＩチューピ
ングおよびケーシングに較べ侵蝕性流体または条件によ
る破断に対する抵抗が大きいことである。

本発明は油田用管状製品に適した改良されたねじ継手を
提供するものである。この継手はカップリング型のもの
であり、パイプの両端にはねじが設けてあってピン端部
を形成しており、パイプの端部を接続するためカップリ
ングが用いられる。

パイプのピン端部は標準的なＡＰＩパイプに一般に使用
されるアップセット法を用いて形成され、アップセット
後の肉厚はパイプ胴部の肉厚より一般に約５０％から５
５％大きい。アップセットの後、アップセット部にはプ
レミアムねじが形成され、金属間シール用のシール面が
形成される。この金属間シールはパイプ胴部の耐圧性能
に等しいかまたはそれより大きな圧力に耐えることがで
きる。カップリングと咬み合ったピン端部の最後の係合
するねじはパイプ胴部の肉厚に等しいかそれより大きな
肉厚を保持している。この特徴は、アップセットが比較
的穏やかなものであることとあいまって、引っ張り、曲
げ、破裂および圧潰に関する継手の強度をパイプ胴部の
強度と等しくまたはそれより太き（することを可能にす
る。本発明の継手はコーティングのある継手およびコー
ティングのない継手の両方に使用することができ、パイ
プのピン端部またはカップリングのいずれかを改造する
必要はない。腐蝕を減少させおよびまたはパイプ内の流
れを流線形にするため防蝕バリアーリングを用いること
ができる。

本発明の実施態様に於ては、ＡＰＩアップセットパイプ
の夫々の端部には二段状プレミアムねじが設けられ、こ
れらのパイプはその後でカップリングによって互いに接
合される。一般に入手可能なプレミアムねじに較べこの
継手のコストは大幅に低減するにも拘らず、この継手は
パイプ胴部フル強度を保有している。肉厚の比較的厚い
中間トルク肩部が形成され、弾性バックアップシールは
オプションとして使用される。防蝕バリアーリングが使
用され、パイプにはコーティングを施してもよいしコー
ティングをしないま＼で残してもよい。フープ応力を低
減させるため、逆荷重フランクをもった修正バットレス
ねじを利用することができる。また、フランクシール表
面を設けることができ、このシール表面はパイプの端面
から引っ込んでいて損傷を受けにくい様になっている。

製造コストが大幅に減少するということに加え、本発明
の重要な利点はチューピングおよびケーシングはプレミ
アムねじの利点を備えていることであり、しかも、標準
的なＡＰＩアップセット法を用いてパイプのピン端部を
形成する様にしたので製品の入手可能性が大幅に増大す
ることであり、この様な標準的なＡＰＩアップセット法
を用いるのでプレミアムねじの機械加工が容易となるこ
とである。本発明の更に他の特徴はパイプに通常のＡＰ
Ｉねじを刻設した後に於てもＡＰＩアップセットパイプ
を機械加工してプレミアムねじを得ることができること
である。換言すれば、本発明によれば、既存のパイプに
プレミアムねじを刻設することによりＡＰＩチューピン
グおよびケーシングの既存の在庫をプレミアムねじチュ
ーピングおよびケーシングに変換することができる。従
って、パイプの在庫を大幅に減少させることができるの
で、油田の全体コストが低減され、従って標準的な市場
で入手可能な製品をより高品質の製品に変えることがで
きる。

本発明の特徴は従来のプレミアムねじ継手に較ベコスト
が大幅に低い油田用管状製品のねじ継手を提供すること
である。

本発明の他の特徴は製造業者やパイプ加工業者や油田用
工具設備の製造業者や機械工場に於て容易に製作するこ
とが可能なねじ継手を提供することである。従って、本
発明のチューピングおよびケーシング用継手は、殆んど
のプレミアムねじに使用される強力なアップセット部を
製造するに必要な設備をもたない地域でも容易に入手可
能な、従来型の装置によって製造することができる。

本発明の他の特徴は夫々が油田産業に於て認められかつ
承認された複数の設計思想を利用した比較的安価なプレ
ミアムねじ継手を提供することである。

本発明の他の特徴は大抵のプレミアムねじに較べ比較的
短かいリード時間で容易に製造することのできる継手を
提供することである。この様にリード時間を減少できる
理由の１つは、本発明のプレミアムねじは既存のＡＰＩ
アップセットチューピングおよびケーシングに設けるこ
とができるからであり、或は、ＡＰＩ仕様書に従ってア
ップセットされ既にねじの切られたチューピングおよび
ケーシングにもねじが破損した場合には本発明のプレミ
アムねじを設けることができるからである。

本発明の更に他の特徴はＡＰＩ仕様書に従ってアップセ
ットされたチューピングのねじ継手を改良して、ねじ継
手から独立した金属間シールを提供することである。

本発明の更に他の特徴はＡＰＩ仕様書に従ってアップセ
ットされたチューピングおよびケーシングにプレミアム
ねじを設け、チューピングおよびケーシングの胴部の強
度に等しいかそれより大きな強度をもった継手を提供す
ることである。

本発明の更に他の特徴は油田用管状製品の継手を改良し
、容易に入手可能で比較的安価なプレミアムねじ付きの
チューピングおよびケーシングを種々の深さおよび圧力
をもった油井に利用できる様にし、作業ストリング操業
および完成ストリング操業の両方に利用できる様にする
ことである。

本発明の他の目的は従来型のエレベータやスリップやト
ングを備えた従来型の油田設備で使用することの可能な
改良されたプレミアムねじ付きチューピングおよびケー
シングを提供することである。

本発明の他の特徴はＡＰＩアップセットパイプに形成さ
れプレミアムねじを備えたねじ継手であって必要に応じ
防蝕バリアーリングを嵌合し得る様になったねじ継手を
提供することである。

本発明の他の特徴はパイプが比較的穏やかにアップセッ
トされているが高いトルク支持能力を備えオーバートル
クに対する影響の少ない改良されたねじ継手を提供する
ことである。

本発明の他の特徴は油田用管状製品にプレミアムねじを
加工するための方法を提供することであり、この方法に
於ては、管状製品のピン端部はＡＰＩ仕様書に従ってア
ップセットされ、このＡＰＩアップセット端部にはプレ
ミアムねじが刻設され、軸方向に整線したこれ等のピン
端部はカップリングにより互いに接合される。

最後に本発明の特徴は油田用のチューピングおよびケー
シングのねじ継手を形成するため種々の製造業者が一様
にかつ信頼性をもって利用することの可能な方法および
装置を提供することであり、本発明に従い製造されるチ
ューピングおよびケーシングは他の製造業者によって製
作された同じ縁なチューピングおよびケーシングと一様
にかつ互換的に使用することができる。

本発明のこれ等の特徴および利点ならびに他の特徴およ
び利点は以下の説明から明らかとなるであろう。

〔実施例〕

第１図は本発明のねじ継手１０を図解したものである。

油田用のチューピングおよびケージング産業に於てねじ
継手を図解するために慣用されている様に、組立状態の
製品の一部分はセンターライン１２の片側に於ては断面
で示してあり、他方の側に於ては外形が示しである。第
１図に於て、チューピング１８　、２０のピン端部１４
　、１６は同軸的に咬み合ったカップリング２２によっ
て継合わされている。チューピング１８　、２０の２つ
のピン端部は互いに同一であり、夫々のチューピングの
公称肉厚はＴｔであり、アップセット部分の肉厚はＴｕ
である。後述する様に、本発明の継手に於けるアップセ
ット部肉厚ＴｕはＡＰＩ仕様書によるチューピングおよ
びケーシングのアップセット部のアップセット肉厚には
り一致しており、一般的には、ＴｕはＴｔよりも約５０
％から５５％大きい。チューピングの胴部とアップセッ
ト部との間の遷移領域は参照番号２４で示しである。

チューピング１８と２０とはカップリング２２に対して
夫々のピン部を右回転（または左回転）させることによ
り螺合されている。所定の回転数だけ回したならば、ね
じ部２８と３０との間に位置する中間肩部２６が係合す
るのでそれ以上の回転は禁止される。これらのねじ部２
８　、３０は段状になっており、即ち、異なる２種の公
称直径をもって刻設されている。

夫々のチューピングの端部に隣接して、円錐截頭形の金
属間ピンフランクシール３２がカップリング２２と協働
して形成されている。チューピングのピン端部の円錐形
外側表面はカップリング２２の同一または好ましくは僅
かに異なるテーバの円錐形内側表面と合さっており、同
時に、中間トルク肩部２６はピン端部とカップリングと
の間に同様に形成されている。２６と３２のところで２
つの表面が係合しているので、夫々のピン端部はカップ
リング２２に対しておよび弾性リング部材３４に対して
適正に位置決めされる。このリング部材３４はチューピ
ング１８の端部とチューピング２０の端部との間に挾ま
れており、このリング部材３４は市場で入手可能なテフ
ロン化合物の様な適当な複数の可撓性材料から形成する
ことができる。このリング部材３４は防蝕バリアーリン
グとして作用するもので、このリング３４は互いに隣接
するピン端部間のギャップを充填しており、従ってより
滑らかで流線形のボアを流体に提供するものである。ま
た、第５図に示す様に夫々のピン部材の端面には適当な
エポキシ材料を被覆することができ、リング３４は夫々
のピンの端面に設けたこの耐蝕コーティングに対してシ
ールを行って油井流出物からカップリングの内側のコー
ティングのない表面を保護する。このリング部材３４は
、また、チューピングの内側に作用するａ圧力の流体圧
力に対して追加的なシールを提供する。

第１図に示した実施例の重要な利点はストップ肩部１１
の位置に関するもので、この肩部１工はピンのねじ部２
８　、３０とそれ等に対応するカップリングのねじ部と
の間の強度を増大させることを可能にするので、この継
手は、継手の強度が肉厚Ｔｔのチューピングの強度に等
しいかそれより大きいといろ意味に於て、パイプ胴部フ
ル強度を有する。

ねじ継手の強度は、−ａ的には、カップリングの最後に
係合したねじとピン端部の内径との間に残された管状材
料の単位強度として定義することができる。理論的には
、この材料領域は継手を介して伝達される全荷重を支持
しなければならない。

何故ならば、夫々のねじは咬み合った部材に荷重の一部
分を伝達するので、後続する夫々のねじの下側（または
上側）にある領域はそのすぐ前の領域よりもより少ない
荷重を支持するからである。

第２図にはカップリング３８の最後に係合するねじ３６
が示してあり、ねじ−ａ４０はチューピング４２のＡＰ
Ｉアップセット端部に刻設しである。

図面かられかる様に、チューピングの内側面とねじ４０
の底部との間のピンの肉厚Ｔｐはチューピング４２の肉
厚Ｔｔよりも大きくしてあり、好ましくは１０％から５
０％の範囲で大きくしである。

従って、このチューピングはＡＰＩ仕様書により必要と
される量しかアップセットしてないにもか＼わらず、最
後に係合したねじ３６に隣接するピン端部の領域は、ア
ップセットが形成されたチューピングの対応する領域よ
りも大きい。

ねじ部２８と３０との間に肩部２６を設けたことによっ
て、肉厚Ｔｐに依存する領域は、例えばトルク肩部をカ
ップリング２２の夫々の端部に設けた実施例に較べ、最
大にすることができる。従って、第１図に示した実施例
は外側にトルク肩部がある実施例（例えばＨｙｄｒｉｌ
　Ｐ　Ｈ−６プレミアムねじチューピング継手に使用さ
れているもの）に較べてより大きな強度を有する。

第３図には本発明の好ましいトルク肩部が更に詳細に示
しである。このトルク肩部は、トルク連結によってカッ
プリングからチューピングのピン端部へと半径方向内向
きの力が生じるという意味に於て、「逆アングル」トル
ク肩部と云うことができる。第３図に示した様に、カッ
プリング４１の３０度に角度付けした表面４２はピン端
部４３の対応傾斜の表面４４と金属間係合する様になっ
ている（或はこれに変えて、傾斜表面４４は３０度より
も僅かに小さくしてもよい）。場合によっては、本発明
の円錐截頭形中間トルク肩部はＨｙｄｒｉ１ＭＡＣケー
シング継手またはＨｙｄｒｉｌ　ＳｕｐｒｅｍｅＬ　Ｘ
ケーシング継手に使用されている中間トルク肩部と同様
にすることができる。

好ましくは、カップリングの互いに隣接する外側表面４
６　、４８とピン部の互いに隣接する内側表面５０　、
５２とはパイプの軸線に対して整線させる。従って、こ
れらの表面は圧力をもって係合しないことが予測される
。第１図に示した実施例では、同じ様に整線した表面が
肩部２６まで延長しているので、シールを形成する表面
に作用する高い荷重により表面２６が外圧または内圧に
対する金属間シールとしても作用するにもか＼わらず、
この肩部２６の機能は専らトルク印加作用に対するスト
ッパを構成することである。第３図の実施例に示した様
に、表面４２　、４４に対し継手のピン端部に向かう整
線した表面４６　、５０は肩部に達する前に終っており
、ピン部およびカップリングに設けた僅かにテーパ状の
または円錐形の表面が係合することによりシール肩部５
１が形成される。従って、第１図の肩部２６はトルク肩
部およびシーリング肩部であるが、第３図の肩部は更に
他の金属間シールを提供している。この肩部に隣接して
形成されたこの金属間シール５１は、従って、主金属間
シールに対して二次的なまたはバックアップシールを構
成するか、或は、主金属間シールを構成するものである
。

第１図に示した実施例の更に他の特徴として、第１図に
示すカップリングの外径ＤｃはＡＰＩカップリング直径
と同じにすることができる。これは特別な取扱い装置ま
たはその様な取扱い装置を組立てるための特別なダイス
を用いる必要をなくすためである。また、カップリング
の外径Ｄｃは必要に応じＡＰＩ仕様書よりも小さな直径
に縮小して、隣接するチューピング間のランニングクリ
アランスを増加させることができる。これは一本のケー
シングの中に二本またはそれ以上のチューピングストリ
ングが収容されている様な場合に特に有利である。しか
し、いずれの場合に於ても、前述した好ましい特徴を達
成するために継手の強度または性能を低下させる必要は
ない。

以上かられかる様に、第１図に示した実施例のためには
従来型のプレミアムねじ付き一体型ジョイントに対応す
る外径をもったカップリングを使用することができ、こ
の外径はＡＰＩカップリングの直径よりも小さい。本発
明の特徴である継手強度およびフル強度について先に述
べたことは最後に係合するねじの部位に於けるピンの強
度に関するものである。同様に、継手強度はピン端部と
ピン端部との連結部に最も近いねじの領域に於けるカッ
プリングの強度に関係している。しかし、一般的には、
継手強度を支配するのは、カップリングの強度ではなく
て、カップリング型ねじ継手のピン端部の材料強度であ
る。何故ならば、継手のコストを大幅に増大させること
なく強度を増すためにカップリングの直径を大きくする
ことが可能であるからであり、他方、ピン端部の肉厚を
同様に増加させれば一般にはコストは急激に増大する。

しかし、前述した様に、本発明のカップリングの外径Ｏ
Ｄは好ましくはＡＰＩカップリングと同じであるから、
特別な取扱い装置は必要ではない。

再び第５図を参照するに、前述した様に第１図の継手に
はピンの夫々の端面のところにエポキシコーティング５
４を設けることができる。チューピングを通る流体の流
れを流線形にするため、テフロンリング５６の内面５８
はチューピングの内径とはｙ゛共面状にしである。ピン
のシャンクシール面５９はカップリングの対応する表面
６１と金属間係合する様に構成してあり、シャンクシー
ル６０を形成している。このシール６０はピン部の最先
端の手前で終っており、レリーフ区間６４によって端部
６２から引っ込めである。従ってピンが僅かな損傷を受
けても金属間表面シール６０が破損することがない。本
発明のシャンクシールは、前述したＨｙｄｒｉ１ＭＡＣ
ケーシング継手またはＨｙｄｒｉｌ　ＳｕｐｒｅｍｅＬ
　Ｘケーシング継手に示されたピン対ボックス・シール
と同様にカップリングと金属間シールを形成する。

本発明の更に他の特徴として、カップリングの端部（こ
の端部は一般に油井現場に発送する前にねじ切りプラン
トのところでメーキャップされており、カップリングの
ショップ端部と云われる）はピン端部に一緒にロックす
ることができ、このメーキャンプ操作の前にねじ部には
シーリング用およびロック用のコンパウンドが適用され
る。この方法は追加的なシールを提供するもので、油田
に於ける不本意なブレークアウトまたはオーバトルクに
対する性能を増大させる。しかし、シーリングおよびロ
ック操作に用いた特定のコンパウンドに応じて熱を加え
または非常に高いトルクを作用させることによりこのシ
ョップ端部継手は必要に応じ分解することができる。

本発明は様々なデザインのプレミアムねじに適用するこ
とが可能であり、これらは、テーバなしの即ち「ストレ
ート」プレミアムねじ、係合フランク部（継手の中心軸
に垂直なねじフランク表面）にバットレスをもたないね
じ、バットレスプロフィルまたは修正バットレスプロフ
ィル、夫々のねじの係合フランク部に荷重用逆アングル
をもった修正バットレス付きのねじ、を含む。第１図に
はテーバなしの即ちストレート型のプレミアムねじが示
してあり、ねじの山と底部とはパイプ軸線にはソ平行で
あり、ねじのフランク部はパイプ軸線に垂直である。第
２図には同じ様な０°荷重フランクをもったねじが示し
てあり、荷重の作用しない方のフランク部は一般には角
度６６、典型的には１５°〜４５°で形成されている。

パッドレスねじは第３図に示してあり、荷重フランクは
一般にＯ。

から３°の角度４７で形成しである。第３図に示したも
のと同様のねじ形状としてはＨｙｄｒｉｌ社のＭＡＣケ
ーシング継手がある。係合フランク部に荷重用逆アング
ルをもったバットレスねじは第４図に示しである。前述
した様にバットレスは継手内に大きなフープ応力が生じ
るという欠点を歴史的にもっている。第２図に示した様
にねじの保合フランク部にＯｏの角度をもった継手に於
てはこの欠点は最小限になる。第４図に示した様な荷重
用逆アングルをもった修正ハツトレスねじの利点はフー
プ応力を減少させる様な力が得られることであり、この
力は更にねじの「ジャンプ・アウト」を防止する抵抗力
となる。

以上かられかる様に、本発明によれば簡単に入手できる
新しいまたは使用済みのＡＰＩアップセットバイブを用
いることにより信頼性のあるプレミアムねじジヨイント
を安価に作ることができる。

こ＼で云うプレミアムジヨイントとは、らせん形ではな
く円形の輪郭をもった１以上の金属間シールを備え、夫
々のシールがパイプ軸線に垂直な平面内にある様なねじ
継手を有するものとする。従って、こ＼で云う金属間シ
ールはＡＰＩねじによって形成された低圧用のらせん形
シールとは異なるものである。また、プレミアムジヨイ
ントは金属間シールがいったん適当な関係で配置された
時に更にねじが係合するのを阻止するためのトルク肩部
を含むのであって、このプレミアムジヨイントは前記金
属間シールを得るに必要なトルク以上のあらゆるトルク
を吸収する。このトルク肩部は金属間シールそれ自体と
して作用するものであってもよいしそうでなくてもよい
。一般的には、プレミアムねじは低荷重フランク係合角
、即ちパイプ軸線に対して一２０°から＋１０゛の角度
をもったねじプロフィルを用いており、パイプ胴部フル
強度を発揮することができる。従ってこれらの特徴は本
発明の安価なプレミアムねじ継手に存在している。

第４図はチューピング７６　、７８のピン端部７２　、
７４のところに前述の逆アングルを設けた本発明の他の
実施例を示す。第４図に示したプレミアムねじ８０は「
ランナウト」型（これは肉ＨＴｕをもったパイプのＡＰ
Ｉアップセット端部の外側表面より外側にねじが突き出
していることを意味する）のものである。カップリング
８６の最後に係合するねじ８２　、８４はアップセット
端部に刻設した対応するねじに夫々嵌合しており、ねじ
の底部は前述の肉厚Ｔｐに等しいかまたはそれより大き
な肉厚Ｔｐを形成している。このランナウト型のねじは
ピン部の端部に金属間トルクシールが設けてある様な本
発明の実施例では好ましいものである。前述した実施例
と同様に、ねじ継手の強度はパイプ胴部の強度よりも大
きくすることができる。

第４図に示した実施例では、ピン端部７２　、７４のと
ころの端面７３はカップリング８６の中央部８５の外側
面８７と合さっている。表面７３と８７とが係合するこ
とにより金属間シーリング肩部９１が形成され、この肩
部９１はカップリング８６に対する夫々のピン端部の関
係を適正に定める。バックアップシールを行なうため、
カップリングの夫々の端部には一対の弾性シールリング
９０をオプションとして用いることができる。また、第
４図に示した実施例には第１図に関連して前述した様な
他の任意的な特徴を含めることができる。第１図の実施
例に較べた場合の第４図の実施例の欠点は、端面７３に
設けたコーティングはメーキャップ操作の際に欠は落ち
る可能性があるので第４図の実施例は信転性のよいコー
ティングを施すことができないということである。

第６図を参照するに、本発明に従いＡＰＩアップセット
パイプを用いて継手の外側にトルク肩部９２を設けるこ
とが可能である。場合によってはこの様な外側トル肩部
は望ましいものであるが、ＡＰＩアップセットチューピ
ングの肉厚は限られていることから所望の厚さをもった
強力をストップ用肩部またはトルク肩部を得ることが困
難である。従って、チューピング９４のＡＰＩアップセ
ット端部および継手９６の端部に外側トルク肩部を形成
する様になった第６図の実施例は好ましいものではない
。

継手の外側に所望の強力な肩部を設ける１つの方法が第
７図に示してあり、こ＼では非常に強力なトルク肩部９
８がチューピング１００とカップリング１０２との間に
形成されている。本発明によれば、チューピングのアッ
プセット端部の肉厚ＴｕはＡＰＩ仕様書に対応している
。最後のねじより上方のアップセット部には、積掻的ス
トップ端部１０６をもった平らな表面１０４が加工しで
ある。この表面１０４は鋸歯状にすることができ、リン
グ部材１０８は表面１０４の直径よりも僅かに小さな内
径を有する様に製造される。好ましくはリング部材１０
８の内側表面も鋸歯状にする。次にこのリング部材１０
８を十分に加熱して膨張させ表面１０４にすべり嵌めし
てストップ肩部１０６に当接させる。このリング部材が
冷却したならばそれはチューピング１００のＡＰＩアッ
プセット端部に強固に付着する。更に冷却させた後、リ
ング部材１０８の端部にはカップリング１０２の端部に
合わさる様な表面を加工し、強力な肩部９８を形成する
。

以上かられかる様に、本発明は従来技術に対して大きな
利点を提供するものである。即ち、油田操業に関連する
様々な会社は比較的安価なプレミアムねじを制作するこ
とができる。何故ならば、本発明のプレミアムねじはＡ
ＰＩアップセットパイプに刻設されるからであって、た
いていのプレミアムねじの場合の様にパイプの肉厚を２
倍から３倍にアップセットするために必要な高級な装置
を必要としないからである。従って、プレミアムアップ
セット操作を実施するための既存の設備をもたない地方
の業者でさえも標準的なＡＰＩパイプからねじを作るこ
とによりプレミアムねじを得ることができる。特に本発
明のねじはＡＰＩ仕様書に従って既にねじが設けてある
パイプにまたは破損したねじをもったパイプに刻設する
ことができるので、本発明の製品を得るに必要なコスト
および時間は減少し、これに対応して必要な在庫を減少
させることができる。

本発明の第２の重要な特徴はねじ継手の形状およびこの
形状によって得られる多様性に関連するものである。前
述した様に、本発明によればユーザーがコーティングの
あるピン端部を望んでいるかコーティングのないピン端
部を望んでいるかにか＼わらず同じ製品を利用すること
ができる。即ち、継手を何ら改造することなく製造業者
はピン端部にコーティングを設けることができる。強力
なトルク肩部を形成することができ、パイプにねじを付
けるために何ら特種な工具を必要としない。

しかし、高品質の金属間シールが得られるので、本発明
のねじ継手はＡＰＩねじ継手に較べかなり大きな強度を
有し、本発明に従い節単に制作することができる。従っ
て継手はチューピングまたはケーシングそれ自体と同等
のまたはそれ以上の強度を有する。部分的には、この継
手の強度ならびニソの信頬性はピン端部をアップセット
し熱処理するための高度の技術を必要としないというこ
とによるものである。何故ならば、多くの業者はＡＰＩ
仕様書による比較的標準的なアップセットは容易にかつ
信φ■性をもって実施し得るからである。またＡＰＩア
ップセットを設けることができる任意のチューピングお
よびケーシング材料（非常に侵蝕性の流体を伴う油井用
の特殊合金を含む）を用いて本発明の安価なプレミアム
ねじを得ることができる。

カップリングによって互いに接合されたチューピングの
ピン端部とピン端部との間に使用する防蝕リングは本発
明の重要な特徴をなすものである。

この防蝕リングはシールを腐蝕から保護し油井流出物が
カップリングに接触するのを阻止するバリアーとして作
用し、防蝕のためひび割れのない滑らかなボアを提供す
るものである。

以上には特定のねじプロフィルについておよびトルク肩
部またはトルク肩部とシール肩部との組合せを用いるこ
とについて本発明の幾つかの実施例を説明したが、本発
明の範囲内で多数の修正を加えることができる。例えば
、中間トルク肩部を備えた実施例に於ては、トルク肩部
の角度は３０“でなくてもよく、場合によってはトルク
肩部はパイプ軸線に垂直にすることもできる。同様に、
１インチ当りのねじの数およびねじ付き端部の長さは特
定の操業の要求に応じて変えることができる。

本発明は１インチから４ＩＡインチまでの公称サイズを
もった油田用チューピングおよびケーシングに適用する
ことができる。４ＩＡインチ以上のサイズになると、油
田用管状製品は一般に一体型ジョイントピンボソクス構
造となるか非アップセット型のものとなる。またドリル
パイプやラインパイプはチューピングおよびケーシング
のものとは異なる要件を備えている。しかしながら、本
発明の原理は他の形式の油田用管状製品にも適用可能で
あり、本発明の原理はＡＰＩアップセット製品および非
アップセット製品の両者またはＡＰＩ仕様書の変化形と
してのアップセット製品に適用することができる。従っ
て、こ＼に開示した特定の実施例は本発明を限定するも
のとして解釈されるべきではなく、本発明の精神および
範囲を逸脱することなく種々の他の修正および特徴を加
えることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明のねじ継手を図解したものでその一部は
断面が示してあり、 第２図は本発明のカップリングの最後に保合するねじの
拡大断面図、 第３図は第１図に概略的に示したものと同様の本発明の
継手のトルク肩部の拡大断面図、第４図は本発明の他の
実施例を図解したものでその一部は断面が示してあり、 第５図は本発明のチューピングのピン端部および防蝕バ
リアーリングの拡大断面図、 第６図は本発明のトルク肩部の他の実施例の断面図、 第７図は第６図に示したトルク肩部シールの他の実施例
の断面図である。 １０・・・ねじ継手、　　　１４　、１６・・・ピン端
部、１８　、２０・・・チューピング、２２・・・カッ
プリング、２６・・・トルク肩部、　　２８　、３０・
・・ねじ部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、ほゞ一様な肉厚をもった複数の油田用金属製管状部
   材を同軸接合するためのねじ継手であって、前記夫々の
   管状部材はその各端部のところにねじ付きピン部材を備
   え、前記ねじ継手は前記ピン部材を互いに接続するため
   のねじ付きカップリングを備え、 夫々のピン部材は前記一様な肉厚の１７５％より小さな
   肉厚をもったアップセット壁を有し、夫々のピン部材は
   前記アップセット壁の外側面に刻設されたプレミアムね
   じを備えているとともに、前記カップリングと協働して
   金属間シールを形成するための前記プレミアムねじとは
   独立したシーリング表面を備えており、 前記カップリングはその内側表面に刻設されピン部材の
   前記プレミアムねじと咬み合うプレミアムねじを備えて
   いるとともに、ピン部材の前記シーリング表面と咬み合
   う金属間シーリング表面を備えており、 夫々のピン部材およびカップリングは前記金属間シール
   が形成された時にピン部材とカップリングとが更に回転
   するのを禁止するため前記プレミアムねじとは独立した
   トルク肩部を更に備え、前記アップセット壁の内径と、
   カップリングにねじ係合した夫々のピン部材の最後のね
   じを形成するねじ溝の底部、との間の肉厚は前記一様な
   肉厚より大きく、もって、継手の強度が管状部材の強度
   に等しいかまたはそれより大きいことを特徴とするねじ
   継手。 ２、前記ピン部材およびカップリングに設けた前記夫々
   のプレミアムねじは２段状のねじであり、第１のねじ部
   は前記第１のねじ部とは実質的に異なる直径を有する第
   ２のねじ部から軸方向に離間されており、 夫々のピン部材およびカップリングは前記第１ねじ部と
   第２ねじ部との間に軸方向に配置され前記トルク肩部を
   形成するためのトルク肩部表面を備えている特許請求の
   範囲第１項記載のねじ継手。 ３、前記カップリングのプレミアムねじは前記アップセ
   ットピン部材の外側壁にランナウトしている特許請求の
   範囲第１項記載のねじ継手。 ４、前記カップリングを油井流出物からシールするため
   ピン部材の互いに隣接する端面と端面との間にエラスト
   マー防蝕リングを設けたことを特徴とする特許請求の範
   囲第１項記載のねじ継手。 ５、前記管状部材の内径は前記アップセット壁の内径に
   対応している特許請求の範囲第１項記載のねじ継手。 ６、前記アップセット壁の肉厚は前記一様な肉厚の約１
   ４０％から１６０％である特許請求の範囲第１項記載の
   ねじ継手。 ７、夫々のピン部材の端面にはエポキシコーティングが
   設けてある特許請求の範囲第４項記載のねじ継手。 ８、前記金属間シールは前記ねじとピン部材の前記端部
   との間に離間された円錐截頭形フランクシールを含んで
   成る特許請求の範囲第１項記載のねじ継手。 ９、夫々のピン部材はその前記端部から軸方向に離間さ
   れたフランクシール表面を備えている特許請求の範囲第
   ８項記載のねじ継手。 １０、油井流体を継手内にシールするためピン部材およ
   びカップリングのねじと係合した熱可塑性シールリング
   を備えて成る特許請求の範囲第１項記載のねじ継手。 １１、夫々のピン部材の前記外側表面には円柱形表面が
   加工してあり、前記円柱形表面はピン部材の前記端部に
   関し前記ねじから軸方向に離間してあり、夫々のピン部
   材は前記円柱形表面に隣接したストッパ表面を備え、 前記ストッパ表面と係合し前記ピン部材と固定的に係合
   した補強されたトルク肩部リングを備え、補強されたト
   ルク肩部を形成するため前記トルク肩部リングはカップ
   リングの咬み合い表面と係合する表面を備えている特許
   請求の範囲第１項記載のねじ継手。 １２、ほゞ一様な肉厚をもった管状部材のピン端部を同
   軸接合するためのねじ継手であって、前記夫々のピン部
   材は前記一様な肉厚の１４０％より大きく１７５％より
   小さな肉厚をもったアップセット壁を備え、 夫々のピン部材はその外側表面にプレミアムねじを有す
   るとともに前記プレミアムねじとは独立した金属間シー
   ル表面を有し、 前記ねじ継手はカップリングを備え、このカップリング
   の内側表面にはピン部材の前記ねじと咬み合うプレミア
   ムねじを設け、前記カップリングはピン部材の前記シー
   リング面と協働してシールを行なうため前記プレミアム
   ねじとは独立した金属間シール表面を備え、 前記アップセット壁の内径と、カップリングにねじ係合
   する夫々のピン部材の最後のねじを構成するねじ溝の底
   部、との間の肉厚は前記一様な肉厚に等しいかまたはそ
   れより大きく、もって、継手の強度が管状部材の強度に
   等しいかまたはそれより大きいことを特徴とするねじ継
   手。 １３、ピン部材およびカップリングの夫々のプレミアム
   ねじは２段状のねじであり、第１のねじ部は第２のねじ
   部から軸方向に離間してあって第２ねじ部は第１ねじ部
   とは実質的に異なる直径を有し、 トルク肩部を形成するため夫々のピン部材およびカップ
   リングは前記第１ねじ部と第２ねじ部との間に軸方向に
   配置されたトルク肩部表面を備え、前記管状部材の内径
   は前記アップセット壁の内径に対応している特許請求の
   範囲第１２項記載のねじ継手。 １４、カップリングの前記プレミアムねじは前記アップ
   セットピン部材の外側壁にランナウトしており、 前記管状部材の内径は前記アップセット壁の内径に対応
   している特許請求の範囲第１２項記載のねじ継手。 １５、前記ピン部材の互いに隣接した端面と端面との間
   に挾まれたエラストマーリングを備え、前記アップセッ
   ト壁の肉厚は前記一様な肉厚の約１６０％より小さいこ
   とを特徴とする特許請求の範囲第１３項記載のねじ継手
   。 １６、夫々のピン部材はその端部から軸方向に離間され
   た円錐截頭形のフランクシール表面を備え、前記フラン
   クシール表面はカップリングの対応表面と協働して前記
   ねじとピン部材の端部との間に前記金属間シールを形成
   することを特徴とする特許請求の範囲第１５項記載のね
   じ継手。 １７、管状製品用のプレミアムねじ付きねじ継手を形成
   する方法であって、 管状製品の夫々のピン端部にアップセットを施して、管
   状製品の一様な肉厚の１７５％より小さな肉厚をもった
   アップセット端部を形成し、 前記アップセット端部の外側表面にプレミアムねじを刻
   設し、 カップリングと協働する金属間シールを形成するため前
   記アップセット端部の外側表面には前記プレミアムねじ
   から分離したシール表面を形成し、カップリングの内側
   表面にはアップセット端部のプレミアムねじと咬み合う
   内側プレミアムねじを該設するとともに、アップセット
   端部の前記シール表面と咬み合う金属間シール表面を設
   け、前記アップセット端部の内径と、カップリングにね
   じ係合したピン部材の最後のねじを形成するねじ溝の底
   部、との間には前記一様な肉厚よりも大きな肉厚を保持
   し、もって継手の強度を前記管状製品の強度に等しいか
   またはそれより大きくする様にしたことを特徴とする方
   法。 １８、前記ピン端部およびカップリングに設ける前記金
   属間シール面は軸方向に関し前記プレミアムねじの第１
   ねじ部と第２ねじ部との間に形成し、前記第２ねじ部は
   第１ねじ部から軸方向に離間するとともに第１ねじ部と
   は実質的に異なる直径を与えることを特徴とする特許請
   求の範囲第１７項記載の方法。 １９、前記カップリングの前記プレミアムねじはアップ
   セットピン部材の前記外側壁にランナウトする様になっ
   ている特許請求の範囲第１７項記載の方法。 ２０、夫々のピン部材の端面にエポキシコーティングを
   被覆し、 管状製品内に於ける流体の流れを流線形にするためピン
   部材の互いに隣接する端面と端面との間にエラストマー
   防蝕リングを配置することを特徴とする特許請求の範囲
   第１７項記載の方法。 ２１、前記カップリングと協働して前記金属間シールを
   形成するため前記ねじとピン部材の端部との間に円錐截
   頭形のフランクシール表面を形成し、前記フランクシー
   ル表面の全体をピン部材の前記端面から軸方向に離間す
   ることを特徴とする特許請求の範囲第１８項記載の方法
   。 ２２、前記アップセット端部の肉厚は前記一様な肉厚の
   約１４０％から１６０％に保持することを特徴とする特
   許請求の範囲第１８項記載の方法。