JPS628729Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は主として運動靴用に好適な舌片の改良
に関するものである。

従来の運動靴等の舌片は、その運動靴の甲被部
内に挿入された靴着用者の足の甲及びそれから足
首の上方の脚部の一部までよく密着せしめて運動
靴のひも締め部の周辺の開口部から土砂やほこり
等の侵入による足の傷害の発生を未然に防いだり
或いは前記ひも締め部に係合する靴ひもによる引
き締めを充分に活かして運動靴等の甲被部の密着
性をよくしもつて軽快性及び履き心地をよくしよ
うとするものであつた。これらの従来の運動靴の
舌片は、主として舌片の一部に凹みや切り口を設
けたり縫い目をつけたり或いは舌片用の複数個の
構成部品を立体的に縫い合せて等して、舌片にお
ける所望部分が屈曲し易いよう形成し、舌片にお
ける靴着用者の足の甲と対応する部辺ではその足
の甲の横方向の曲線状に屈曲せしめ、同じく足首
より上方の脚部の一部と対応する部辺では足の甲
から脚部までの前方の凹弧状に添うように舌片の
長手方向を曲線状に屈曲せしめようとするに過ぎ
ないものであつた。然しながら靴着用者の足は第
５図Ｉの横断面略図で示されているように、その
土踏まず相当部側（即ち足の第１指：親指）が最
も高く遂にその反対側（即ち足の第１指：小指）
が最も低いので、靴着用者が歩行或いはランニン
グその他の運動をすれば必然的に土踏まず相当部
の反対側に滑り落ちて舌片が正しく足の甲上及び
それから上方の脚部の一部に密着せしめることに
よつてもたらされる作用効果を喪失若しくは充分
奏効しない等の欠陥があつた。

本考案の運動靴の舌片は前述の従来の運動靴用
に提供された舌片の欠陥を克服するために、舌片
における主として外側辺（即ち土踏まず相当部の
反対側）に弾性板を偏つて存在することによつて
ひも締め部に係合する靴ひもによる引き締めを充
分活用せしめて舌片殊にその土踏まず相当部の反
対側の部分を弾性板の厚みだけ強く緊締せしめ、
舌片が足の甲及びその上部の足首の更に上方の脚
部の一部等から滑り落ちることなく常によく密着
せしめ足の傷害の発生を未然に防止しかつ常に軽
快かつ履き心地のよい運動靴の提供に寄与するこ
とができるのみならず、靴着用者の所望に従つて
舌片殊にその延長部の長さを所望どおり切断して
所望長さの舌片として使用でき等の作用効果を奏
することができたものである。

前述の作用効果を達成することができる本考案
の運動靴用の舌片を図面に従つて説明するとつぎ
のとおりである。

本考案の基本型の舌片Ａは先ず第１図及び第
２図等の断面略図で示すように、上被板ｂと下
被板ｃの間に弾性板ａを介装しこれら３つの層の
周辺を縫い合せ７されている。前記上被板ｂと下
被板ｃは単に介装している弾性板ａを被覆するだ
けであるから通常の甲被部材でよいが足の甲に密
着或いは屈曲し易いように薄く若しくは柔軟な織
布、編布、天然若しくは合成皮革でもよい。弾性
板ａは主として下被板ｃが足の甲と密着したとき
の接触感がよくかつ運動靴Ｂのひも締め部１３に
係合する靴ひも１４等による引き締めをよりよく
活かせるに充分な厚みを弾力性を有すればよい。
該弾性板ａは第１図Ｉに示すように舌片の長手方
向の中心線イから外側辺ロ即ち土踏まず相当部の
反対側寄に、より広いスペースの弾性板ａを介在
させ、主として内側辺ハを薄層となし、外側辺ロ
が厚層となるように形成されている。従つて第５
図Ｉの断面略図で示されているように、舌片Ａの
弾性板ａは運動靴Ｂの甲被部１１内に挿入された
靴着用者の足Ｆの甲上における土踏まず相当部の
反対側例えば足の第１指：小指側に位置し、ひも
締め部１３に係合している靴ひも１４による強い
引き締めによつて該弾性板ａが足の甲上に強く押
圧保持されることになり、靴着用者が歩行はもと
よりランニングその他の運動を継続しても所定位
置からいささかも滑り落ちるようなことがない。

また本考案の修正型の舌片Ｂは第２図と及
び第３図と等で示されているように、基本型
の舌片Ａの弾性板ａ、上被板ｂ及び下被板ｃ等の
自由端１，１′，１′から舌片Ａの長手方向に延長
したその延長部２を有する。上被板b′と下被板
c′との間に弾性板a′を介装しその周辺を縫い合せ
７等して結合形成される。この場合の各延長部２
はいずれも足の甲の上部の足首より上方の脚部
（足の土踏まず等が存在しないのみならず一方側
とその反対側との間に形状の相異が比較的少い）
の一部に主として対応するものであるから、その
一方側からその反対側にわたり一様に弾性板a′が
介装されてもよい。

この実施例の舌片Ａは第２図、第３図と
及び第４図，，等で示されているように基
本型の実施例の舌片Ａの自由端１，１′，１′相当
部辺において、その上被板b′、弾性板a′及び下被
板c′の一方側及びその反対側の周辺の一部に切り
込み５を設けたり或いはまた更に上被板ｂのみま
たは上被板b′及び弾性板a′における前記切り込み
５と５の中間相当部辺に透孔４若しくは透孔４，
４′を設けることができる。また第４図で示さ
れているように前記透孔４を設けた上被板b′はそ
の透孔４の部辺の内面側に該上被板b′より更に薄
いか若しくは柔軟でかつ上被板b′とは異色の覆片
６を装着することもできるので、舌片Ａの外観体
裁も極めてよいものである。

また更に本実施例の舌片Ａは第２図と及び
第５図等で示されているように、その各延長部
２において、横方向に至る縫つけ線３を所望の間
隔を隔して複数個形成している。

従つて該舌片Ａはその長さを靴着用者の所望長
さに相当の縫つけ線３と３の間で切断することに
よりその切断後でもほころび破損することなくか
つ所望の長さの舌片Ａを提供することができる。
このため、本考案の舌片Ａは前述の如く、極めて
実用的価値の高いものとして提供される。

【図面の簡単な説明】

第１図及びは本考案の基本型の舌片を示す
略図であつて、はその平面図であり、はその
縦断面図である。第２図及びは同じく修正型
の舌片を示す略図であつて、はその平面図であ
り、はその縦断面図である。第３図乃至は
本考案の舌片の弾性板の略図の例示であつて、
は基本型型のものの平面図であり、及びは修
正型のものの平面図の例示である。第４図乃至
は同じく舌片の上被板及び下被板の略図の例示
であつて、はその基本型の上被板及び下被板の
平面図であり、は修正型の上被板の平面図であ
り、は基本型の上被板及び下被板の横断面図で
あり、及びの上被板の横断面図の例示であ
る。第５図及びは本考案の舌片を装着した運
動靴及びその甲被部内の足との関係を示す略図の
例示であつて、は横断面図であり、は一部欠
截側面図である。 図面の符号、Ａ……舌片、Ｂ……運動靴、Ｆ…
足、ａ，a′……弾性板、ｂ，b′……上被板、ｃ，
c′……下被板、１，１′……自由端、２……延長
部、３……縫つけ線、４，４′……透孔、５……
切れ込み、６……覆片、７，８……縫い合せ、１
１……甲被部、１２……靴底、１３……ひも締め
部、１４……靴ひも、……。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上被板と下被板との間に弾性板を介装結合して
   なる舌片において、該舌片の長手方向の中心線イ
   から外側辺ロ即ち土踏まず相当部の反対側寄に、
   より広いスペースの弾性板ａを介在させ、主とし
   て内側辺ハを薄層となし、外側辺ロが厚層となる
   ように形成したことを特徴とする主として運動靴
   用に好適な舌片。