JPS628461Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、パツキングに係るもので、主とし
て薬品を輸送するケミカルタンカーのハツチカバ
ーに適用されるパツキングの改良に関するもので
ある。

第１図にケミカルタンカーのハツチカバーの構
造を示してある。１はハツチ開口部、２はハツチ
カバー、３はカバー締付け具であり、Ａがハツチ
カバー用パツキングである。

従来、上記ハツチカバー用パツキングには、石
綿繊維を紐状に編組し、シリコンオイル、四弗化
エチレン樹脂デイスパージヨンなどを含浸したも
の、またはゴム弾性体の外面を四弗化エチレン樹
脂フイルムで被覆したものが使用されているが、
これらのパツキングは弾力性に乏しく、パツキン
グ溝および押え面に対する馴みが悪く、ハツチカ
バーの開閉操作による耐久性、シール性に著しく
劣るところがあり、また紐状のパツキングにあつ
ては、その両端の接合は突き合わせ、またはバイ
ヤスカツトによる重ね合わせとなるので、その接
合部分から流体が漏れ易い欠点がある。

この考案は、上記の問題を解消するためになさ
れたものである。

すなわち、この考案によるパツキングは、帯状
パツキングの芯体に厚肉のゴムチユーブが用いら
れ、その周囲がポリプロピレン繊維、ナイロン繊
維などの耐薬品性のある熱可塑性樹脂繊維からな
る中間クツシヨン層で包囲され、その外側が未焼
成の四弗化エチレン樹脂フイルムの被覆で密封状
に被覆され、さらにその外側が四弗化エチレン樹
脂繊維糸などの耐薬品性のある繊維糸で袋状に編
組してなる外層で包囲された構成に特徴を有する
ものである。

以下、この考案を、その実施の一例を示した図
面に基いて具体的に説明する。

第２図および第３図において、１０は厚肉のゴ
ムチユーブからなる芯体であり、その芯体１０の
外表面には未焼成の四弗化エチレン樹脂テープを
螺旋状に巻装してなる被膜１１が形成され、その
外側が中間クツシヨン層１２で包囲されている。
この中間クツシヨン層１２は、ポリプロピレン繊
維糸を複数層にわたつて編組した編組体１２ａ，
１２ｂ，１２ｃ，１２ｄがクツシヨン主体とさ
れ、最外層の編組体１２ｄの４隅部位に組み込ま
れた同種材料の糸束１３によつてクツシヨン層が
ほゞ角形に整形されている。

前記中間クツシヨン層１２の外表面には未焼成
の四弗化エチレン樹脂テープを螺旋状に巻装して
なる被膜１４が形成され、その外側が四弗化エチ
レン樹脂繊維糸を編組してなる外層１５で包囲さ
れ、その編組外層１５には四弗化エチレン樹脂デ
イスパージヨン、シリコンオイルなどのような耐
薬品性を有する液状シール剤が含浸されている。

しかして、前記の如く構成されたパツキングに
は、下記の優れた性能が発揮される。

すなわち、パツキングの芯体１０に厚肉のゴム
チユーブが使用されているので、むくのゴム芯体
に比べて著しく弾力性に富み、繰返し圧縮荷重に
対して優れた復元力があり、パツキングのつぶれ
防止に顕著な効果がある。しかも前記ゴムチユー
ブ芯体１０の外側には繊維材による中間クツシヨ
ン層１２があるので、これがゴムチユーブ芯体の
弾性を伝えると共にその柔軟なクツシヨン性が加
わり、優れた馴み性も得られる。

また前記中間クツシヨン層１２を形成している
繊維材は耐薬品性を有する繊維が使われ、そのク
ツシヨン層の外側が耐薬品性を有する未焼成の四
弗化エチレン樹脂テープの被膜１４で密封状に被
覆され、さらにその外側が耐薬品性のある繊維糸
で袋状に編組してなる外層で包囲されているの
で、パツキングのゴム芯体を薬品から確実に保護
できると共にパツキング全体に優れた耐蝕性を持
たせることができる。

加えて、前記中間クツシヨン層１２を形成して
いる繊維材は耐薬品性を有する熱可塑性繊維材が
使われているのでハツチカバーパツキングとして
使用する場合、その両端を突き合わせ、加熱融着
加工によつて無端状に成形できる故、突き合わせ
端部の流体漏れのないパツキングをつくることが
できる。

また、前記外層１５を形成している編組体に、
前述した四弗化エチレン樹脂デイスバージヨン、
シリコンオイルなどの液状シール剤が含浸された
もの、あるいはゴムチユーブ芯体１０が四弗化エ
チレン樹脂フイルムの被覆１１で被覆されたもの
にあつては、パツキングの耐薬品性を一層高める
ことができる。前記液状剤は外層の編組前にその
繊維糸に含浸させておいてよい。

前記外層１５を形成する編組体の繊維材は四弗
化エチレン樹脂繊維のほかに、カーボン繊維、ガ
ラス繊維、フエノール繊維なども使用することが
できる。

以上に述べたように、この考案によれば、パツ
キングの芯体が厚肉のゴムチユーブとされ、その
外周が耐薬品性のある熱可塑性樹脂繊維からなる
中間クツシヨン層で包囲され、その外側が未焼成
の四弗化エチレン樹脂フイルムの被覆で密封状に
被覆され、さらにその外側が耐薬品性のある繊維
糸で袋状に編組してなる外層で包囲されているも
のであるから繰返し圧縮荷重に対して優れた復元
弾力性を具備し、かつ優れた耐薬品性を兼ねそな
えたハツチカバー用パツキングが得られる。とく
に、この考案によれば、前記中間クツシヨン層が
耐薬品性を有する加熱可塑性繊維の編組体で形成
されているので、その両端を突き合わせ、加熱融
着加工によつて無端状に成形し、突き合わせ端部
の流体漏れのない環状パツキングを構成すること
ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はパツキングが装着されたタンカーハツ
チ要部の一部切断側面図、第２図はこの考案の一
実施例を示すパツキングの斜視図、第３図は一部
切断側面図である。 Ａ……パツキング、１０……芯体、１１……被
膜、１２……中間クツシヨン層、１２ａ〜１２ｄ
……編組体、１３……糸束、１４……被膜、１５
……外層。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) パツキングの芯体が厚肉のゴムチユーブとさ
   れ、その外周が耐薬品性のある熱可塑性樹脂繊
   維からなる中間クツシヨン層で包囲され、その
   外側が未焼成の四弗化エチレン樹脂フイルムの
   被膜で密封状に被覆され、さらにその外側が耐
   薬品性のある繊維糸で袋状に編組してなる外層
   で包囲されていることを特徴とするパツキン
   グ。 (2) 前記中間クツシヨン層はポリプロピレン繊維
   糸を複数層にわたつて編組した編組体で構成さ
   れていることを特徴とする実用新案登録請求の
   範囲第１項記載のパツキング。 (3) 前記複数層の繊維体のうち、最外層の編組体
   の四隅部位に、同種材料の糸束が組み込まれ、
   それによりクツシヨン層がほゞ角形に整形され
   ていることを特徴とする実用新案登録請求の範
   囲第２項記載のパツキング。 (4) 前記外層を形成する編組体の繊維材は、四弗
   化エチレン樹脂繊維、カーボン繊維、ガラス繊
   維、フエノール繊維のいずれかを用いることを
   特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項記載
   のガスケツト。 (5) 前記外層を形成する編組体に、四弗化エチレ
   ン樹脂デイスパージヨンまたはシリコンオイル
   が含浸されていることを特徴とする実用新案登
   録請求の範囲第１項または第４項記載のパツキ
   ング。