JPS627677Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はフオークリフトにおいて、荷の運搬
途中においてフオークから荷が落下しないように
なした荷の落下防止装置に関する。

フオークリフトでの荷の運搬は通常荷の集積場
所或いは工場内で行なわれるが、新設工場内で未
だ舗装がされていない場合、又道路が傷んでいて
段差が生じている悪路の場合、或いは舗装路にお
いても不安定な荷を運搬する場合には車両の振
動・慣性等によりフオーク上の荷が落下して荷の
損傷を生起する不具合があつた。

しかしながら、従来のフオークリフトではクラ
ンプ装置付のものを除いては標準仕様では荷の落
下防止装置が施されておらず、このため落下しや
すい不安定な荷や、荷の破損を極力防止したい場
合にはワイヤ又はチエーン等をバツクレスト或い
はフオークに巻きつけて荷の落下防止が行なわれ
ていた。ただし、この方法はワイヤ又はチエーン
の巻きつけに時間を要し、作業能率が悪いうえ、
ワイヤ又はチエーンのたるみにより荷の確実な保
持が困難となる欠点があつた。また特別なものと
して実開昭54−90879号が知られているが、この
ものはワイヤの長さが一定であるために荷物の大
きさに容易に対応できない不便がある。

この考案はこのような点に鑑みなされたもので
あつて、操作性の良い荷落下防止装置を提供する
にある。即ちアウタマストにフツクとワイヤのゆ
れ止めを設けて複数本のワイヤを収納できるよう
にし、その中から適当な長さのワイヤを選択して
フオーク先端とアウタマスト下端の係止部に手軽
にワイヤを引掛けることができるようになしたも
のである。

以下この考案の実施態様を図面にもとづき説明
する。フオークリフトの両側のアウタマスト１の
下端外側にワイヤ又はチエーン２の輪状の引掛部
３を係止するためのフツク４がフオークに向つて
突出するように固設されていり、その突出部に係
止用の穴が穿設されている。ワイヤの引掛部３ａ
にはシヤツクル５を通し、シヤツクル端の穴とフ
ツク４の穴にシヤツクルピン６を通して着脱自在
に係止される。一方リフトシリンダ７の作動でチ
エーン８を介してインナマスト９内を昇降するリ
フトブラケツト２３には前方に突出して荷を載置
する２本のフオーク１０が固着されていて、この
フオーク１０の先端中央を長さ方向に切り取つて
２股となし、この切り取り部に横方向にワイヤの
引掛部３ｂを直接又は引掛部３ｂに通したフツク
１１を係止するフツクピン１２が水平に植設され
ている。又アウタマスト１の外側上部にはワイヤ
用フツク１３が複数個設けられ荷１５の大きさに
対応できるよう数種類の長さのワイヤ又はチエー
ン２が係止され、ゆれ止め１４によつて止められ
ている。１６はフオーク昇降操作レバー、１７は
マスト前後傾シリンダ、１８は前後傾操作レバー
である。

次に、このように構成されたこの考案におい
て、第１図に示すようにフオーク１０上に例えば
鋼材の丸棒１５を載置して運搬する場合の作用に
ついて説明する。本例では荷１５が丸棒のため転
がり止めが必要であつてワイヤ用フツク１３に係
止常備されたものから荷の大きさに合つた長さの
ワイヤ２が選択され一端の引掛部３ａにシヤツク
ル５を通しフツク４の穴にシヤツクルピン６によ
つて取付けられる。さらに、ワイヤは荷の上側を
跨いで他端の引掛部３ｂ、又はフツク１１がフオ
ーク端のフツクピン１２に係止される。この場合
引掛部３ｂをフオークの２股の片方に直接係合さ
せてもよい。このようにワイヤ２が掛けられると
フオーク昇降操作レバー１６を操作して徐々にフ
オーク１０をフオークリフトの走行可能状態まで
上昇させてワイヤ２のたるみを無くして棒材を押
えて転りを止めるものである。このワイヤ２のた
るみをなくするときのフオーク操作で、フオーク
１０が上りすぎて傷害を起さない安全のためにワ
イヤ引掛部３ａ、シヤツクル５の間或いはフツク
４とシヤツクルピン６の間等に強いばねを介在さ
せておくことも必要により考慮される。又アウタ
マスト１の係止用フツク４の他の態様としてシヤ
ツクル５を使用しなくてワイヤ引掛部３ａに直接
係止する丸棒のフツク１９（第３図示）若しくは
ボルト（図示せず）を固設したものは最も安価で
ある。

以上詳述したように、この考案はアウタマスト
の側面上端部に複数個のフツクを、同側面の中央
部にゆれ止めを設けたので、複数本の長さの異な
るワイヤが常備可能となつて種々の荷物に対して
ただちに対応できるとともにワイヤを探しに行く
不便がなくなりいちじるしく作業能率が向上しう
る。またワイヤの損傷が少なく、損傷を早く発見
でき行きとどいた管理ができる効果がある。また
アウタマストの下端とフオークの先端との間に掛
け渡したワイヤの引掛部を係止する係止部材を設
けたので荷の落下防止用ワイヤ又はチエーンを手
軽に取付けられ、操作が簡単になつたのでオペレ
ータは落下防止処理を苦にすることなく行なえて
荷落下防止に一段と寄与するものである。又ワイ
ヤ、チエーンの遊びをフオークを走行状態に上昇
させるのみで取除けるので他の油圧機構などの特
別のもの及び操作を必要とせず極めて簡単でコス
ト面へのはね返りはない。又ワイヤの係止が確実
に行なえるのでオペレータは安心して走行でき悪
路でも速度をおとさず通常の走行ができて荷役の
効率化に寄与するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はワイヤを取付けて走行可能状態にある
フオークリフトの斜視図、第２図は各係止部と、
ワイヤの収納状態を示す図、第３図はアウタマス
トのフツクの他の実施態様を示す図である。 １……アウタマスト、２……ワイヤ又はチエー
ン、３ａ，３ｂ……ワイヤの引掛部、４……フツ
ク、１０……フオーク、１１……フツク、１２…
…フツクピン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. フオークリフトのアウタマストの側面上端部に
   ワイヤを係止する複数個のフツクを設け、また前
   記側面中央部に該フツクに係止した複数個のワイ
   ヤのゆれ止めを設け、更に前記アウタマストの下
   端部にワイヤ端の引掛部を係止する係止部材を前
   方に突出するように設け、フオーク先端中央を長
   さ方向に切り欠いた二股には前記ワイヤ他端の引
   掛部を係止する係止部を二股の内で横方向に突出
   して設けたことを特徴とするフオークリフトにお
   ける荷の落下防止装置。