JPS627336Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は鉄塔・電柱・マストその他の高層物を
昇降する作業者の墜落を防止して安全を守る為
に、それら高層物に沿つて取付ける母線ロープを
保持するサポートの改良に関する考案である。

従来この種のものとしては、取付台とロープ保
持部を有する腕体とを一体化したもの、あるいは
取付台と腕体とを水平方向へ回動自在に結合した
ものもあつたが、前者のものは母線ロープの保持
方向が一定であるので昇降移動時に作業者から離
れ過ぎて安全器の円滑な移動ができない欠点があ
り、また後者のものは風圧により母線ロープが揺
れ動いて損傷したり、昇降移動が困難である等々
の欠点があつた。

本案は斯様な欠点を除去し改善して必要時は容
易に母線ロープの取付位置がかえられるサポート
を提供することをその目的とするものである。

本考案の態様を添付図面に示す一実施例につい
て詳記する。

本実施例は図示する如く、基端部に鉄塔等の構
造物１４へ取付ける為の取付手段１としてネジ部
を設け、それにナツト１１を螺合した取付台２と
先端部に螺旋状のロープ保持部３を有する腕体４
とを軸５を介して水平方向に回動自在に結合した
母線ロープ用サポートにおいて、腕体４の基端部
７を平たくし、その一面に六角形の突出駒８を設
けると共にその中心にネジ軸５を固着し、取付台
２の先端部６に前記突出駒８に対応する多数の凹
凸部９を円形に配した凹受台１０を設け、該凹受
台１０の中心にボルト孔１３を設けて、そこへ前
記ネジ軸５を挿入してナツト１２を螺着すること
により、前記突出駒８が前記凹受台１０の凹凸部
９に嵌合して取付台２と腕体４とを結合した構造
を有するものである。

尚、突出駒８を取付台２の先端部６に設け、凹
受台１０を腕体４の基端部７に設けることは容易
であり、以下に述べる作用効果も均等である。

本考案を使用するには、例えば送電線の鉄塔１
４のポストに沿つて取付けてある足場ボルト１５
の一側例の所々を外して、そこへ本考案の取付台
２のネジ部を螺合してナツト１１を締着し固定し
て取付ける。この場合、腕体４に設けているロー
プ保持部３の螺旋状端部を上側に向けて取付け
る。

しかる後、ナツト１２を弛るめて突出駒８と凹
受台１０との嵌合を外し、腕体４のロープ保持部
３を水平の任意方向へ向けた後、突出駒８を凹受
台１０に嵌合しナツト１２を締着固定すると、ロ
ープ保持部３は母線ロープを取付ける位置に保持
できる。

この様にして本考案のサポートを鉄塔１４のポ
ストの一側に沿つて取付ける。そして鉄塔１４の
上部に母線ロープ１６の上端を取付けて該母線ロ
ープ１６の中間部を各々本考案のサポートのロー
プ保持部３に嵌挿して保持させて、母線ロープ１
６を設置する。高所作業者は安全器（図示せず）
を現場へ持参し、昇降しようとする鉄塔に取付け
られた母線ロープ１６に安全器を取付けて、その
鉄塔を昇降するのであるが、作業者の昇降に従つ
て安全器も母線ロープ１６を伝つて昇降する。安
全器が本考案のサポートに到達すれば安全器に附
着している子ロープ（図示せず）をロープ保持部
３の螺旋状の開口部から出し入れして安全器を通
過させる。この昇降途中で作業者が手足を滑らせ
て墜落した場合は、安全器が直に母線ロープ１６
を掴んでその場で停止し、作業者を引き止めて安
全を守るものである。

本考案は叙上の如く構成したもので、取付台２
の先端部６又は腕体４の基端部７のいずれかに突
出駒８又は凹受台１０を設けて、両者をナツト１
２の操作により嵌着脱してロープ保持部３の水平
方向の向きを自在に調節及び固体保持することが
できるから、作業者が鉄塔等１４を昇降する際に
使用する墜落防止用の安全器が円滑に昇降できる
最適の位置に母線ロープ１６を設置することがで
きる。また本考案の突出駒８は多角形を有してお
り、且つそれが嵌合する凹受部１０には多数の凹
凸部９を有しているので必要方向へ小刻みに調節
できる。しかも突出駒８を凹受台１０へ嵌合して
ナツト１２を締着すれば確実に固定されるから、
風圧・振動その他の要因によつて腕体４のロープ
保持部３が揺れ動くこともなく、母線ロープ１６
も鉄塔１４とは所定の間隔をあけて保持している
ので接触による損傷を受けることもない。また本
考案は母線ロープ１６を保持する丈けでなく取付
台２の棒状部は足場ボルト１５の代用として使用
することができる等々の実用的効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のサポートの正面図、第２図は
その底面図、第３図は取付台の先端部の正面図、
第４図は腕体の基端部の正面図、第５図は取付状
態図。 付号１は取付手段、２は取付台、３はロープ保
持部、４は腕体、５は軸、６は先端部、７は基端
部、８は突出駒、９は凹凸部、１０は凹受台、１
１はナツト、１２はナツト、１３はボルト孔、１
４は鉄塔、１５は足場ボルト、１６は母線ロー
プ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 基端部に構造物への取付手段１を設けた取付台
   ２と先端部に螺旋状のロープ保持部３を有する腕
   体４とを軸５を介して水平方向に回動自在に結合
   した母線ロープ用サポートにおいて、取付台２の
   先端部６又は腕体４の基端部７のいずれかの一方
   に多角形を有する突出駒８を設け、他の一方には
   該突出駒８に対応する複数の凹凸部９を円形に配
   した凹受台１０を設け、上記突出駒８を上記凹受
   台１０に嵌合し、ナツト１２で腕体４を螺着固定
   し、ナツト１２を突出駒８の厚み分だけゆるめる
   ことにより分解せずに取付角度を調節保持できる
   構造を特徴とする母線ロープ用サポート。