JPS627127B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

本発明はガラスの製造法及びこれに用いる装置
に関する。 従来の技術 周知の如く、ガラスの製造は、とりわけアルカ
リ塩及びアルカリ土類塩を含有する天然化合物と
混合した砂の如き「ガラス製造用組成物」と呼ば
れる粉末状鉱物化合物の混合物を炉中で加熱且つ
溶融することから成る。より正確には、ガラス製
造用組成物を、「カーペツト」と呼ばれる不均一
な厚さの層の形で炉に装入する。このカーペツト
は徐々に分離して固塊となり該固塊は先に製造し
た溶融ガラスの浴の表面上の浮遊しておりしかも
溶融ガラスによつて徐々に消化され、得られた溶
融ガラスを炉から連続的に放出する。得られたガ
ラスが良好な品質を有することを確保するために
は、溶融ガラスの浴の温度及び化学組成を良好に
均質としなければならず、即ち一方では前記の浴
を規則正しく加熱しなければならず他方では新た
に形成した固塊を出来るだけ迅速に溶融しなけれ
ばならない。これは現在用いている多数の方法が
炉の側壁に沿つて均一に間隔を置いて配置した空
気−燃料バーナーにより溶融ガラスの浴を加熱し
且つガラス製造用組成物を装填した領域の付近の
地帯を酸素−燃料バーナーにより更に激しく加熱
することからも明らかである。 現在知られているこの種の諸方法のうちで、フ
ランス特許第2010199号明細書に開示した方法が
挙げられる。このフランス特許では、水で冷却さ
れしかも炉のヘツドに配置した酸素−燃料バーナ
ーであつて溶融ガラスの浴の表面に平行な方向に
且つ炉の縦長軸に沿つて出現する酸化炎を生ずる
酸素−燃料バーナーを用いることを教示してい
る。 発明が解決しようとする問題点 この従来法は満足な特性のガラスを生ずるけれ
ども特に用いた酸素−燃料バーナーを冷却する要
領に関して欠点を有し、実際に前記した酸素−燃
料バーナーを液体により即ち水により冷却すると
いう事実は次の諸問題を呈する。 (イ) 酸素−燃料バーナーに面するガラスの浴の表
面の一部に低温点を生じ、その結果一方では熱
効率の損失（５乃至10KW）が生起し、他方で
は前記の領域での変性により生じたガラスの循
環流の撹乱、温度勾配の撹乱及びガラスの粘度
の撹乱が生起する。 (ロ) バーナーを形成する金属が腐蝕される危険が
あり、実際にバーナーの水冷ジヤケツトは100
℃より低い温度にあり、従つてバーナーの表面
上にガラス製造用組成物に存在する化合物の蒸
気が凝縮されるものであり；さてこのガラス製
造用組成物は螢石、無水ホウ酸、ソーダ塩の如
き化合物を含有でき、これらはそれぞれ凝縮に
よりフツ化水素酸、ホウ酸、ソーダを形成しこ
れらの化合物はバーナーのジヤケツトを構成す
る金属を侵食する。 (ハ) 流体を制御する装置が複雑化し、何故ならば
ジヤケツト中に水を常に循環する各瞬間に該装
置を点検しなければならないからである。 更には、ガラス製造はこの製造物質に特有の諸
問題を呈する。実際には、溶融すべき物質が多少
とも粘稠なガラスの浴上に浮遊しているカーペツ
トを構成する粉末により形成されるという事実か
ら、酸素−燃料の火炎はカーペツトに過度に活発
な作用を有してはならず、実際この火炎は製造物
質を構成する粉末状化合物の飛散を生成し易く、
この飛散は固体粒子の形の原料の損失とこれらの
固体粒子が装填された排煙の流れにより炉の上部
構造の機械的摩耗とを生起する。更には、酸素−
燃料の火炎は過度に強くないようにするのが好ま
しく、何故ならば火炎がガラス浴表面に接触する
領域でガラス浴の表面に波動を生ずるからであ
り、また過度に狭い又は細くないようにするのが
好ましく、何故ならばガラス浴の表面の過度に限
られた部分にのみ火炎がその時関与するからであ
る。 本発明の１目的は前記の欠点を克服し且つガラ
スの溶融の特定問題を解決する方法を提供するも
のである。 本発明によると、溶融炉の一端からカーペツト
を形成する粉末状鉱物物質の混合物を導入し、そ
の際該カーペツトは徐々に分離して既に形成され
た溶融ガラス浴の表面に浮遊している固塊とな
り、前記の混合物を加熱しかくして得られた溶融
ガラスを炉の他端から連続的に放出することかな
成り、前記混合物の加熱は炉に導入した燃料と空
気との少くとも１つの火災と燃料と酸素との少く
とも１つの火炎とにより行なうことから成る、ガ
ラスの製造法において、燃料と酸素との火炎と同
心円状でしかもこの火炎を包囲する補助ガスの流
れを炉中に噴入することを特徴とする、ガラスの
製造法が提供される。 本発明の方法の１つの要旨によると、酸素−燃
料の火炎を包囲するガスは空気であり、圧搾空気
が好ましい。窒素の如き別のガスであつても良
い。 本発明の別の要旨によると、補助ガス流に包囲
された燃料と酸素との火炎を、ガラス浴上に浮遊
している固塊に向ける。 本発明の別の目的はガラスの製造法を実施する
装置を提供するものである。 本発明のガラス製造装置は一端に粉末状鉱物物
質の混合物を装入する手段と、該混合物を加熱す
る手段と、他端に得られた溶融ガラスを放出する
手段とを備えた炉よりなり、前記の加熱手段は少
くとも１つの空気−燃料バーナーと少くとも１つ
の酸素−燃料バーナーとより形成される。 本発明によると酸素−燃料バーナーはその全長
の少なくとも一部分では該バーナーと同心円状の
スリーブで包囲され、該スリーブ中に補助ガスが
循環している。 本発明の特徴及び利点は、添附図面を参照して
例として示した次の記載から明らかであろう。 第１図は本発明によるガラス製造装置の縦長断
面での部分図解図であり；第２図は第１図の装置
の部分図解頂面図であり；第３図は本発明の装置
で用いた酸素−燃料バーナーの具体例の縦長断面
図解図である。 第１図及び第２図を参照するに、ガラス製造装
置は２つの側壁２と前壁３と後壁４と炉床５と丸
屋根６とを有する溶融炉１よりなる。開孔７を後
壁４中に形成して装填体と呼ばれる鉱物装填分配
器８を通行させ得る。前壁３はその下部に溶融ガ
ラス放出用の開孔９を有する。空気−燃料バーナ
ー１０（燃料噴射器１１及び熱風の入口１２を含
めて）は炉１の側壁２を配設し、これらの側壁に
沿つて一列になつて均一に間隔を置いて配置す
る。酸素−燃料バーナー１３は側壁２の各々に配
設する。 溶融炉１の下部は炉に導入されしかも炉中で加
熱した鉱物物質の混合物を溶融して得られる溶融
ガラスの浴１４を収容している。この混合物は先
ず第一にカーペツト１５を形成し、このカーペツ
トは徐々に分離して固塊１６となりこれらの固塊
は或る期間浴１４の表面上に浮遊していてから溶
融する。矢印Ｆの方向に流動する溶融ガラスは開
孔９を通つて連続的に放出する。各々の酸素−燃
料バーナー１３はそれが生ずる火炎が固塊１６に
向けられるように浴１４の表面に対して且つ側壁
２に対して傾斜している。ガラスの浴表面に対す
るバーナー１３の角度は約０゜乃至30゜であり、
10゜乃至20゜であるのが好ましい。 バーナー１０に供給される空気と炉から放出さ
れる煙との間で熱交換を行なう熱交換器１７を側
壁２の各々に配設する。この熱交換器１７は慣用
の逆転型のものである。 第３図を参照するに、酸素−燃料バーナー１３
の各々は端板１９とノーズ２０とを備えた中空の
円筒本体１８を包含する。バーナーの本体１８
は、燃料（例えばメタンの如き気体炭化水素又は
燃料油の如き液体炭化水素）を供給する中央管２
１であつてしかも端板１９を通過し開孔２２を通
過し且つ開孔２３によりバーナーのノーズ２０を
通過する中央管２１を通じて伸びている。バーナ
ーのノーズ２０は燃料を進行させる中央開孔２３
を中央開孔２３の回りに均一に間隔を置いて配置
した開孔２４とを備えた円形板によつて形成され
る。導管２５を通つてバーナーの本体１８に酸素
を供給し、この酸素は開孔２４を通つて流出す
る。 スリーブ２６はバーナー１８の本体と同心状で
あり、該スリーブはバーナーの長さの一部上でバ
ーナーを包囲する。このスリーブ２６に導管２７
を通して圧搾空気を供給する。該スリーブ２６は
該スリーブ中で循環する空気を回転させるフイン
２８を備えている。このスリーブ２６はスリーブ
とバーナーのノーズ２０との間の間隔を調節し得
るようにバーナーの本体１８上に滑動自在に配設
する。 スリーブ２６を備えたバーナーの本体１８はこ
れを耐火通風帽（カウル）２９中に一部進入させ
ることにより炉１中に挿入する。 第１図乃至第３図に示した装置は次の要領で作
動する； 粉末状鉱物物質の混合物を装填体８により炉１
中に導入し、且つ同時に空気−燃料バーナー１０
及び酸素−燃料バーナー１３により炉を加熱す
る。溶融ガラスの浴１４を形成し、その上に最近
形成した固塊１６が浮遊している。酸素−燃料バ
ーナー１３を従つて傾斜させることによりこれら
バーナーの各々から生ずる火炎をこれらの固塊上
に向ける。即ち新たに形成した固塊１６はより迅
速に溶融し、加熱が進行するにつれて溶融ガラス
の浴１４は徐々に精製される。かくして得られた
溶融ガラスを開孔９を通して放出する。 火炎が過度に活発とならないようにするため
に、音速よりも明らかに遅い速度で即ち約30ｍ／
秒乃至約150ｍ／秒の速度で好ましくは60ｍ／秒
乃至120ｍ／秒の速度で酸素を各々のバーナー１
３に噴入する。燃料がガスである場合には、ガス
を酸素の速度と実質的に等しい速度で噴入しこう
してガスと酸素とがバーナーから出るや否や２つ
のガスが過度に迅速に混合されないようにし且つ
浴１４の表面を十分に被覆する長くて大きな火炎
が得られるようにする。 10乃至40m³／時の流速でスリーブ２６中を流動
する各々のバーナー１３の補助ガスにより、バー
ナーによつて生じた火炎の形態は炉の寸法に適合
し；即ちより細くした又は狭い火炎が望ましいな
らば補助ガスの流れを燃料及び酸素の火炎と同軸
的に噴入し、補助ガス流の推進力が利用され；他
方より大きな火炎が望ましいならばフイン２８に
より補助ガス流をスリーブ２６中で回転させる。 本発明により各々のバーナー１３の冷却剤とし
て補助ガス流を用いることにより、バーナーの本
体を300℃乃至500℃の温度に維持でき、然るにバ
ーナーのノーズの温度（これは主として酸素流の
機能である）は1400℃の炉温に対して400℃乃至
800℃で変化する。バーナーの本体にこれらの温
度を用いると、蒸気の凝縮は制限され従つて腐蝕
の問題は生じない。この利点の説明として、バー
ナーをカウルに挿入した度合及び冷却用空気の流
速を考慮してノーズが達した温度及び空冷バーナ
ーの本体が達した温度を次の表に示す。

【表】 更には、酸素−燃料火炎の回りに補助ガスの同
心流を用いるという事実により各々のバーナー１
３を配置した耐火性のカウル２９を保護させ得
る。実際上、この補助ガスは酸素−燃料火炎を包
囲する管体状の流れを生じ、該火炎がカウルに接
触しないように防止する。更には、この同心流の
補助ガスを用いることにより各々のバーナー１３
を炉について完全に密閉させることができ、実際
上補助ガス循環スリーブ２６はカウルに接触し得
る。何故ならばスリーブはかなり高温にあるので
スリーブとカウルとの間に過度の温度差は生ぜず
それ故カウルが劣化する危険はないからである。
この様にして火炎の熱効率に悪影響を有する寄生
的な低温空気の入来は回避される。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明のガラス製造装置の断面図解図
であり、第２図は第１図のガラス製造装置の頂面
断面図解図であり、第３図は本発明の装置で用い
た酸素−燃料バーナーの断面図解図である。図中
１は溶融炉、７は開孔、８はガラス原料の分配
器、９は溶融ガラス取出し用の開孔、１０は空気
−燃料バーナー、１３は酸素−燃料バーナー、１
４は溶融ガラスの浴、１５はカーペツト、１６は
固塊、１７は熱交換器、１８は酸素−燃料バーナ
ーの本体、１９は端板、２０はノーズ、２１は燃
料供給管、２５は酸素供給導管、２６はスリー
ブ、２９はカウルをそれぞれ表わす。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 溶融炉の一端から粉末状鉱物物質の混合物を
   カーペツト状に導入し、この混合物を加熱してカ
   ーペツト状混合物を既に形成された溶融ガラスの
   浴の表面上に徐々に固塊状に分離させ、該加熱は
   燃料及び酸素の少なくとも１つの火炎によつて粉
   末状鉱物物質の混合物の導入域付近の帯域が炉内
   の他の帯域よりも強く加熱されるように行ないそ
   してかく得られる溶融ガラスを炉の他端から連続
   的に取り出すことからなるガラスの製造法におい
   て、前記燃料と酸素との火炎を包囲する補助ガス
   の流れを炉内に噴入しかつ該補助ガス流によつて
   包囲された該火炎を溶融ガラスの溶上に浮遊して
   いる粉末状鉱物物質の固塊に指向させ、しかも該
   補助ガス流を燃料と酸素との火炎の周りに実質的
   に軸方向に噴入することを特徴とするガラスの製
   造法。 ２ 炉の側壁に沿つた燃料と空気との少なくとも
   １つの火炎により前記混合物を更に加熱する特許
   請求の範囲第１項記載の方法。 ３ 補助ガスは空気である特許請求の範囲第１項
   記載の方法。 ４ 補助ガスは圧搾空気である特許請求の範囲第
   ３項記載の方法。 ５ 燃料と酸素との火炎用の酸素は約30ｍ／秒乃
   至150ｍ／秒の速度で噴入する特許請求の範囲第
   １項記載の方法。 ６ 酸素は約60ｍ／秒乃至約120ｍ／秒の速度で
   噴入する特許請求の範囲第５項記載の方法。 ７ 補助ガス流は10乃至40m³／時の流速で噴入す
   る特許請求の範囲第１項記載の方法。 ８ 前記火炎の周りの実質的に同軸方向の補助ガ
   ス流により火炎用バーナーの冷却を行なう特許請
   求の範囲第１項記載の方法。 ９ 補助ガスの流れによつて火炎の形態を選択す
   る特許請求の範囲第１項記載の方法。 １０ 燃料と酸素との火炎の周りに実質的に同軸
   方向に噴入される補助ガス流を前記火炎の周りに
   回転させる特許請求の範囲第１項記載の方法。 １１ 粉末状鉱物物質の混合物をカーペツト状に
   溶融ガラス浴中に導入し、該カーペツトを既に形
   成された溶融ガラス浴の表面上に浮遊する固塊に
   徐々に分離させる方式のガラス製造用装置であつ
   て、溶融炉と、炉の一端から粉末状の鉱物物質を
   装入する装置と、前記の鉱物物質が炉を通過する
   間に該鉱物物質を加熱する装置と、得られた溶融
   ガラスを炉の前記一端と対向する他端から取り出
   す装置と、補助ガスを供給する装置及び酸素−燃
   料バーナーの火炎の周りに補助ガス流を実質的に
   軸方向に噴出させる装置と組合せた同軸スリーブ
   からなり、前記の加熱装置は溶融ガラスの浴上に
   浮遊している固塊の方向に向けられる少なくとも
   １つの酸素−燃料バーナーよりなり、前記のスリ
   ーブは前記の補助ガス流が炉ガスからの汚染物質
   を前記バーナー上に凝縮させることなく該バーナ
   ーの過熱を防止するのに役立つように前記バーナ
   ーの全長の少なくとも一部分を包囲していること
   を特徴とするガラス製造用装置。 １２ 前記の鉱物物質を加熱する少なくとも１つ
   の空気−燃料バーナーを有してなる特許請求の範
   囲第１１項記載の装置。 １３ 酸素−燃料バーナーを炉の側壁に配設する
   特許請求の範囲第１１項記載の装置。 １４ 酸素−燃料バーナーを水平面に対して０゜
   乃至30゜の角度で傾斜させる特許請求の範囲第１
   １項記載の装置。 １５ 酸素−燃料バーナーを水平面に対して８゜
   乃至20゜の角度で傾斜させる特許請求の範囲第１
   ４項記載の装置。 １６ 補助ガス循環用スリーブを酸素−燃料バー
   ナーに沿つて滑動自在に配設する特許請求の範囲
   第１１項記載の装置。 １７ 補助ガス循環用スリーブ上に補助ガスを回
   転させるフインを備えてなる特許請求の範囲第１
   １項記載の装置。