JPS62690Y2 - - Google Patents

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JPS62690Y2
JPS62690Y2 JP12351080U JP12351080U JPS62690Y2 JP S62690 Y2 JPS62690 Y2 JP S62690Y2 JP 12351080 U JP12351080 U JP 12351080U JP 12351080 U JP12351080 U JP 12351080U JP S62690 Y2 JPS62690 Y2 JP S62690Y2
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gas
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air
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【考案の詳細な説明】 考案の背景 技術分野 本考案は血中ガス交換装置に関する。更に詳し
くは、、血中炭酸ガスの蓄積によつて生じる種種
の障害を軽減し、あるいはそれを予防するため
の、人工肺を具えた、小型で携帯可能な血中ガス
交換装置に関する。 先行技術 人体は、安静時約250ml/分の炭酸ガスを産出
しており、この炭酸ガス産出量は、人体の代謝が
亢進するに従い増大する。一方、炭酸ガスは、血
中にあつて、呼吸中枢に対する刺激作用と抑制作
用とをもつ。血中の蓄積が軽度である場合は、炭
酸ガスにより呼吸が促進され、これにより血中炭
酸ガス濃度は減少する。しかし、何らかの障害、
例えば肺気腫、慢性気管支炎、気管支喘息等の閉
塞性換気障害;胸部、肺の運動障害等の拘束性換
気障害;重症筋無力症による呼吸筋麻痺や呼吸中
枢抑制剤の使用による場合等の呼吸神経、筋肉系
の障害;重症結核、肺気腫等における有効肺胞ガ
ス交換面積の減少などがあると、これらを誘因と
して、血中炭酸ガスの蓄積が続く。そして、血中
炭酸ガス濃度の増大に従い、炭酸ガスの麻酔作用
により呼吸が抑制され、昏睡、傾眠、錯乱等の神
経障害がひきおこされ、いわゆるCO2ナルコーシ
スの状態に陥いる。この場合、CO2ナルコーシス
の発症は、PaCO2で60mHg、特に70〜80mmHg
以上、又血中PH7.3、特に7.2以下となると顕著に
なる。 このようなCO2ナルコーシスの治療としては、
吸収刺激剤などの薬剤投与やレスピレーターによ
る人工呼吸、気管内挿管、気管切開が行われてい
る。 一方、このような血中炭酸ガスの蓄積に基づく
CO2ナルコーシス等に対しては、低酸素症等の治
療あるいは開心術に際して広く使用されている、
ガス交換器としての人工肺を用いる血液処理シス
テムも有効な治療効果をもつと考えられ、そのよ
うな治療法に関するシステムの発表が一部臨床医
家の間からなされている。しかし、血中酸素量を
必ずしも増大する必要はなく、血中炭酸ガス量を
減少しなければならないCO2ナルコーシスの治療
ないし予防においては、薬剤投与やレスピレータ
ー法にかえ、人工肺を用いる方法が用いられるま
でには至つていない。 本考案者は、このように血中炭酸ガスの体外へ
の排出第一義的に問題とする場合、人工肺が何故
に汎用されないかについて種々の点から考察を行
なつた。 すなわち、低酸素症の治療時あるいは開心術時
等において用いる血液処理システムでは、通常、
静脈から血液を取り出し、これを血液ポンプによ
り動脈に戻す血液循環回路を形成し、この回路中
に人工肺を配置する。一方、人工肺には、通常
100%O2ガスを吹送し、血液と酸素との接触を図
り、ガス交換、すなわち酸素ガス添加と炭酸ガス
の排出とを行う。しかし、このような血液処理シ
ステムを、そのまま、主にCO2の排出を行うため
の補助循環に適用したときには、血液流量とし
て、抽出量の1/2〜1/3程度通常、成人の場合2
/min程度を必要とし、脱血部位としては大静
脈、頚静脈、大腿静脈等を用いなければならず、
手技の点では、薬剤投与に比べ確実な効果を発揮
するレスピレーターによる方法と同程度に非常に
大がかりなものとなる。又、血中炭酸ガス濃度の
急激な変動は悪影響を及ぼすので、炭酸ガスの交
換は比較的おだやかに行わなければならず、長期
間に亘つて補助循環を行わなければならない。こ
のため、酸素の吹送量はきわめて多くなり、大容
量の酸素ガスボンベが必要となり、大型の装置の
下に、しかも大がかりな手技を行いつつ、患者を
長期間に亘り拘束することになる。しかるに、こ
のような治療の過程において患者は意識を回復
し、又もともと意識を有していることもあり、長
期間の拘束による患者の精神的苦痛はきわめて大
きいものとなる。そして、このように患者を長期
間に亘り拘束するという点で、患者の受ける苦痛
は、レスピレーターによる方法におけるときと、
同程度に大きいものである。更に、補助循環回路
は閉鎖回路としなければならないので、人工肺
は、いわゆる膜型肺を用いなければならないが、
従来多用されている膜型肺は、大型で、しかも余
り性能もよくない。 そこで、本考案者は、このような考案結果を種
種較量して、従来CO2ナルコーシス等において人
工肺を用いた補助循環システムが多用されていな
いのは、長期間に亘る補助循環が簡易に行えない
こと、そして大がかりの手技を行いつつ大型の装
置の下に、患者を長期間に亘つて拘束することに
起因するものであるとの結論を得るに至つた。 考案の目的 このような考察結果から、血中炭酸ガスの蓄積
に基づくCO2ナルコーシス等の治療ないし予防に
おいて、従来の治療法を種々の点で凌駕し、それ
と置き換わりうる人工肺を用いる血液処理システ
ムを確立するには、先ずもつて、人工肺を具えた
血中ガス交換装置を実現するに当り、それを小型
軽量で、しかも治療に際して携行可能なものとし
なければならないという新たな技術課題が存在す
ることが判明した。 本考案は、このような課題を解決するためにな
されたものである。 本考案者は、このような課題を解決すべく、人
工肺を備えた血中ガス交換装置の具体的構成につ
いて種々検討を重ねた結果、本考案をなすに至つ
た。 すなわち本考案は、携帯用ベルトを備え、携帯
可能でかつ、外気と連通する開放部を備えたケー
スと、当該ケース内に装着されたエアーポンプ
と、上記ケース内に装着され、上記エアーポンプ
を駆動するための電源と、上記ケース内に着脱自
在に装着され、当該エアーポンプと接続される人
工肺とから構成され、人工肺は、ハウジングと、
当該ハウジング内に収納された疎水性のマイクロ
ポーラス中空糸の集合体と、上記ハウジングの内
壁面と当該中空糸の外壁面との間に形成されるガ
ス室と、当該ガス室に連通するガス用入口および
前記ケース外部と連通するよう構成されたガス用
出口と、上記ハウジング内において上記中空糸の
両端部をそれぞれ支持し、各中空糸の両開口端を
上記ガス室から隔離する隔壁と、上記中空糸内の
中空部分に連通する血液用入口および出口とを具
え、上記エアーポンプにより、上記ガス用入口か
ら上記ガス室内に空気が吹送可能に構成され、更
に、上記血液用入口および出口には、それぞれ血
液導管が接続されてなることを特徴とする血中ガ
ス交換装置にある。 考案の具体的構成 以下、第1図〜第3図に示される実施例に従
い、本考案の血中ガス交換装置を詳細に説明す
る。 第1図において、本考案の血中ガス交換装置1
は、ケース2を具える。ケース2は、その内部に
エアーポンプ4と人工肺6とを収蔵し、それらを
固定するとともに、装置全体を携行可能とするも
のである。従つて、このような機能を果たす限り
において、ケース2は種々の形状構造とすること
ができるものであるが、最も好ましい態様の1つ
としては、第1図および第2図に示される場合が
ある。この場合、ケース2は、木材、金属、プラ
スチツクなどのハードタイプのケース枠21を具
え、例えば、その1部において内部が透視できる
ようにしてある。一方このケース枠21内にはエ
アーポンプ4と人工肺6とが固定配置可能とさ
れ、しかもこのようなケース枠21を第2図に示
されるような、皮、布、ビニールレザー等で形成
されるソフトケース20内に収納して、ケース2
を構成している。更に、第2図に示される例で
は、ソフトケース20は、ケース枠21を収納す
るソフトケース本体201をもち、本体201に
は、腰ベルト203、肩ベルト204が具えつけ
られており、ベルトアジヤスター2041等を調
節して、腰部および肩に両ベルト203,204
を装着することにより、装置1全体が患者に装着
され、携行可能となるものである。なお、第2図
に示される例では、ソフトケース本体201には
フアスナー207が具えつけられており、このフ
アスナーの開閉により、ケース枠21のソフトケ
ース本体201への収納および取りはずしが可能
となるように構成されており、又本体201の上
部にはおさえベルト206が設けられ、これによ
り携行時のケース枠の脱落事故の防止等が図られ
ている。 一方、このようなケース2内には、第1図に示
されるように、エアーポンプ4が固定配置されて
いる。CO2ナルコーシスの治療においては、従来
エアーポンプをガス吹送用に用いた例はない。
CO2ナルコーシスの治療において人工肺を用いる
場合、従来、通常の低酸素症治療等における手技
をそのまま適用しようとしてきたのが実状であつ
たからである。そして、このエアーポンプを用い
ることにより、長期間に亘る血液処理に際して
も、大型の酸素ボンベ等は不要となり、患者に対
する拘束が減少するというすぐれた効果が実現す
るものである。この場合、使用するエアーポンプ
4としては、携行性をより大きくする点で、でき
るかぎり小型のものであることが好ましく、患者
に対する拘束をより小さくするという点で、電源
内蔵型のものであることが好ましい。又、その構
造としては、人工肺6のガス用入口に空気を吹送
できさえすればよいので、公知の種々のタイプの
小型電源内蔵型のものを用いることができる。な
お、その空気吹送量としては、通常、0.1〜3
/分程度とすればよい。更に、このエアーポン
プ4の空気入口および出口には、あえてフイルタ
ー等を設ける必要はないが、必要とあれば、除菌
用等のフイルターを設けることもできる。 一方、ケース2内には、エアーポンプ4ととも
に、人工肺6が収納される。この場合、人工肺6
は通常、患者ごとに、又一回の手技ごとに使い捨
てとするものであり、ケース2内にて、着脱可能
に装着されるものである。しかも、人工肺6は、
いわゆる疎水性マイクロポーラス中空糸の集合体
をガス交換膜として用いるものでなければならな
い。膜型肺を用いなければ、体外循環を閉鎖回路
にできず、種々の不都合が生じるのは当然である
が、膜型のものではあつても、中空糸型のものを
用いない限り、小型で、しかも有効膜面積を大き
くとれ、更にはプライミングボリユームが小さ
く、堅牢で、操作性のよい人工肺を得ることが困
難であり、小型軽量で携帯可能な装置を実現する
ことができない。特に、従来、膜型人工肺として
は、ノンポーラスなシリコン平膜が用いられてき
たが、このような人工肺を用いるときには、小型
で、かつCO2交換能力の高い装置を実現できな
い。又、中空糸型人口肺を用いなければ、血流抵
抗の点から、血液ポンプなしで体外循環をする場
合、生体動静脈圧較差で100〜300ml/min程度の
血液循環量をとることができず、血液ポンプを用
いずに、動−静脈バイパスにて血液循環を行い、
拘束に基づく患者の苦痛を減少するという効果は
実現できない。加えて、中空糸として親水性のも
のを用いるときには、中空糸からの血液の浸出が
生じ、吹送空気の圧力制御がきわめて困難である
のに対し、本考案においてはそのような不都合が
ない。更に、操作性について付言するならば、本
考案において用いる人工肺は、疎水性マイクロポ
ーラス中空糸の集合体をガス交換膜とするので、
プライミング時の気泡除去もきわめて容易に行う
ことができる。 このように、本考案において用いる人口肺6
は、いわゆる疎水性マイクロポーラス中空糸の集
合体をガス交換膜として用いるものであり、その
最も好ましい1例が第3図に示される。同図にお
いて61はハウジングであり、このハウジングは
筒状体611の両端にそれぞれ取付けカバー61
5,617を取りつけ一体化してなる。このハウ
ジング61内には、多数(例えば10000〜60000
本)のガス交換用の中空糸62,…が並列に配置
されている。そして、この中空糸62,…の両端
部は、取付けカバー615,617内において、
それぞれ隔壁635,637によつて支持されて
いる。又、この隔壁635,637は、各中空糸
62,…の外壁面とハウジング61の内壁面との
間に形成されるガス室65を閉塞し、しかも中空
糸62,…の内部にて形成される血液流通用空間
の開口端と、ガス室65とを隔離している。 更に、一方の取付けカバー615には、ガス供
給のためのガス用入口665が設けられ又、他方
の取付けカバー617にはガス排出のための出口
667が設けられ、ガス用入口665からガス室
65を経て出口667に至る空気流路が形成され
る。又、隔壁635,637の外面は、ヘツドカ
バー645,647によつてそれぞれ覆われてお
り、このヘツドカバー645,647の内壁面と
上記隔壁635,637との間で、それぞれ血液
の流入室677と流出室675が形成されてい
る。更に、ヘツドカバー647には血液の入口6
87が、又ヘツドカバー645には血液の出口6
85が設けられている。 なお、第3図に示される例においては、ハウジ
ング61の筒状体611の内面にはその軸方向の
中央において、内部に凸出する絞り用凸部69が
設けられている。この絞り用凸部の形成により、
中空糸62は、中央部でその充填率が密に、また
両端部に行くにつれ疏になる構造をとる。このよ
うな構造をとる場合には、CO2交換能力は一層高
いものとなる。 本考案において用いる人口肺6は、以上のよう
な構造を有するものであるが、上記したように、
人口肺のガス交換膜は少なくともその内壁面が疎
水性をもつマイクロポーラスな中空糸2から構成
される。この場合、疎水性のマイクロポーラス中
空糸の材質としては、水に対する接触角が90゜を
超えるものを用いるのが一般的であり、例えばポ
リプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフイ
ン系、フツ素樹脂系、あるいはシリコン樹脂系等
が適しているが、その他、ポリ塩化ビニル、ポリ
アクリルニトリル、ポリメチルメタクリレート樹
脂等の中空糸を用い、その血液に接する面、すな
わち内壁面をシリコンオイル等でコートし、表面
を疎水性にしたものであつても良い。これに対し
このような材質からなる中空糸は、内壁を外壁と
を連通する細孔を多数有するものである。そして
その内径は、概ね100〜1000μ、肉厚は概ね10〜
150μ、空孔率は概ね20〜85%、平均細孔径は概
ね200〜2000Å程度のものである。又、中空糸長
としては、血液ポンプを用いずに動−静脈圧差に
より、100〜250ml/分の血流量で循環を行うため
に、一般にその有効長を5〜30cm、より好ましく
は7〜20cm程度とする。 なお、このような疎水性マイクロポーラス中空
糸の血液に接する面には、ガス透過性にすぐれ、
又抗血栓性をもつポリアルキルスルホン、エチル
セルロースなどをコーテイングしておくこともで
きる。 また、隔壁635〜637は極性の高い高分子
ポツテイング剤、たとえばポリウレタン樹脂、シ
リコーン樹脂、エポキシ樹脂などを、ハウジング
61の両端内壁面に、通常遠心注入法を利用して
形成されるものである。 本考案に用いる人口肺6は以上詳述したとおり
のものであるが、この人口肺6は、ケース2内に
着脱自在に装着されるものである。そして、装着
時には、人口肺6のガス用入口665には、第1
図に示されるようなガス導管5を介し、エアーポ
ンプ4の送風口43が接続され、エアーポンプ4
からガス室65内に空気が吹送可能とされる。又
人工肺6の血液用入口687および出口685に
は第1図に示されるように、それぞれその端部に
外シヤント用のコネクタ751,771をもつ血
液導管75,77が接続されている。 この場合、人工肺6中の中空糸62の内壁およ
び外壁を隔て、血液と空気流とは互いに逆方向に
流れることが好ましく、通常は、第1図および第
3図に示されるように、血液用出口685側に位
置するガス口を入口665とする。 一方、血液循環時には中空糸62の内外の炭酸
ガス分圧の差に応じて中空糸62の細孔を介して
炭酸ガスが血液中から空気中に移行するが、この
際泡和水蒸気量に対応した水分が蒸散していく。
血液循環時の血液温度はほぼ体温程度に保たれ、
36〜7℃の飽和水蒸気量が蒸散するものである
が、空気が吹送されているガス室65内はその露
点以下であり、このため微小水滴が生成する。そ
して、CO2ナルコーシスの治療におけるように血
液循環が長時間に亘ると、水滴は、ガス室内の筒
状体611管壁や中空糸62表面に凝縮しだす。
本考案者の検討結果によれば、特に、中空糸62
外壁面に凝縮した水滴は、その量の増大ととも
に、中空糸膜表面の炭酸ガス交換を不均一にし、
装置使用がきわめて長期に亘ると、炭酸ガス交換
能力が格段と低下してしまうことが判明してい
る。 このため、このような不都合を解消し、本考案
の装置のCO2ナルコーシスの治療ないし予防の効
果をより一層有効にするためには、第1図および
第3図に示されるように、中空糸62の集合体の
軸方向がほぼ垂直となるようにして、人口肺6を
ケース2内にほぼ垂直に装着し、凝縮した水滴が
人工肺下部に落下するようにし、又その際血液用
出口685が上部に、入口687が下部にそれぞ
れ位置し、血流が上向するようになし、血流と対
向して流れる空気が下向するように、ガス用入口
665を出口667より上部に位置せしめ、空気
流により水滴の落下を促進するような構成をとる
ことが好ましい。このように構成することにより
長期に亘る装置の使用に際しても、水滴凝縮量の
増加に伴う炭酸ガス交換能力の低下は少なく、又
血流を上向させることにより血液の偏流も減少
し、偏流に伴う交換能力の低下も防止される。 これに対し、上記のとおり、エアーポンプ4か
ら吹送される空気はガス用入口665を経てガス
室65に入り、血中の炭酸ガス交換を行つたの
ち、血液中から交換排出された炭酸ガスを含む空
気は、ガス用出口667から人工肺6外へ排出さ
れる。この場合、空気吹送量が多く、ガス室65
内のガス圧がきわめて高くなると、血中にマイク
ロバルブが混入してしまうことがある。しかし、
通常の条件下ではガス用出口667がケース内に
おいて開放状態となつていさえすればこのような
下都合は生じず、この開放口から、上記した水滴
も人工肺6外に排出される。ただ、水滴除去の効
果を高め、又、水滴と排出された炭酸ガスとのガ
ス室65内への逆流を防ぐためには、第1図に示
されるように、ガス用出口667にガス導管55
を接続し、このガス導管55を介し、ケース2に
設けた排出口25とガス用出口667を連通させ
ることが好ましい。 本考案の血中ガス交換装置は以上のような構成
をとり、血液導管77,75には、送血用血液ポ
ンプを接続せず、血液ポンプなしの体外循環回路
中で使用されるものである。なお、このような血
液ポンプレスの循環回路中で本考案の装置を使用
する場合、使用が長期におよんでも血液の温度降
下はほとんどないが、必要によつては装置中に小
型の熱交換器を付加することもできる。 このような本考案の血中ガス交換装置は、以下
のようにして使用される。すなわち、患者がCO2
ナルコーシスにて昏睡に陥つたりした際、直ちに
橈骨、上肢、下肢などの動静脈を利用して、AV
外シヤントを作製する。一方、人工肺6を血液導
管75,77と接続し、この血液導管75,77
を介し、人工肺6を生理食塩液等でプライミング
し、次いで所定量のヘパリン含有生理食塩液を充
填する。しかる後、人工肺6をケース2内に装着
し、エアーポンプ4と接続し、血液導管のコネク
タ751,771を介し、AVシヤントと接続す
る。同時にエアーポンプ4を始動すれば、血液ポ
ンプを用いることなく、100〜300ml/分の血流で
体外循環が行われ、炭酸ガスの交換が開始され
る。その後、患者の意識回復を待ち、ケース2を
患者に所定のごとく装着し、装置の携行使用に移
行すればよい。 考案の具体的効果 本考案の血中ガス交換装置は、小型で堅ろうな
疎水性マイクロポーラス中空糸型人工肺と、エア
ーポンプとを、携帯可能なケース内に収納してな
り、装置全体がきわめて小型・軽量であり、使用
に際しその携行が可能となる。又、酸素ボンベ等
を用いないので、長時間に及ぶ治療が必要なCO2
ナルコーシスの場合において、大型ボンベを用い
る必要がなく、あるいはボンベ交換の煩雑さがな
く、この点からも小型・軽量となり、携行性が高
い。更には、血液ポンプを用いないので、小型・
軽量性は一層すぐれたものとなり、同時に、いわ
ゆるA−V外シヤフトを用いるので治療に際する
手技も大がかりとはならない。このため、CO2
ルコーシスの治療ないし予防において、意識が回
復したとき、あるいは意識がもともとあるような
ときには、携行使用が可能となり、患者の拘束お
よびそれに伴う苦痛はなくなるという、すぐれた
効果が実現する。そして、このような効果は、疎
水性マイクロポーラス中空糸型の人工肺を用いて
始めて実現するものである。 本考案者は、本考案の効果を確認するため種々
実験を繰返した。以下にその1例を示す。 実験例 第1図〜第3図に示される装置を作成し、その
効果を臨床的に確認した。人工肺の構造は第3図
に示されるとおりであり、その中空糸62として
は、ポリプロピレン製マイクロポーラス中空糸を
用いた。この場合、中空糸長は17cm、中空糸内径
は200μm、中空糸肉厚は25μm、平均細孔径は
700Åであり、膜面積は1.0m2とした。この人工肺
6を、電源内蔵小型エアーポンプ4とともに、第
1図に示されるようにして、第1図および第2図
に示されるケース2に装着した。装置全体の重量
は約1.3Kgであり、小型軽量なものとすることが
できた。 患者は重症結核に加えて急性肺炎を呈し、CO2
ナルコーシスにて昏睡に陥いつた男性患者であ
り、ソケイ部動脈にて、PaCO2=73.0mmHg,PH
=7.285であつた。この患者から橈骨動静脈を利
用し、AV外シヤントを作製し、上記の装置の人
工肺を所定のごとくプライミングし、ヘパリン生
食液を充填し、コネクタ751,771をAVシ
ヤントと接続した。血流量は200ml/分であつ
た。次いで、エアーポンプ4より、空気を1/
分にて吹送した。吹送開始前、30分後、75分後、
105分後および150分後につき、ソケイ部動脈血な
らびに人工肺血液用入口687および出口685
における血液につき、PCO2およびPHを測定し
た。結果を下記表1に示す。
【表】 表1の結果から、本考案の装置により当初73.0
mmHgあつたソケイ部動脈のPCO2が、使用150分
後39.5mmHgとなり、血中ガスの交換にすぐれた
効果を発揮することがわかる。なお、150分後に
は、患者の意識は回復したが、それ以降も装置の
使用を続行し、必要に応じ、装置を患者に装着し
て、携行使用した。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本考案の一実施例を示す正面図であ
る。第2図は、本考案に用いる携帯可能なケース
の一例を示す斜視図である。第3図は、本考案に
用いる人工肺の一例を示す正面図でありその半分
は断面図として表わされている。 1……血中ガス交換装置、2……ケース、20
……ソフトケース、201……ソフトケース本
体、203……腰ベルト、204……肩ベルト、
2041……ベルトアジヤスター、206……お
さえベルト、207……フアスナー、21……ケ
ース枠、25……排出口、4……エアーポンプ、
43……送風口、5,55……ガス導管、6……
人工肺、61……ハウジング、611……筒状
体、615,617……取付けカバー、62……
疎水性マイクロポーラス中空糸、635,637
……隔壁、645,647……ヘツドカバー、6
5……ガス室、665……ガス用入口、667…
…ガス用出口、675……血液流出室、677…
…血液流入室、685……血液用出口、687…
…血液用入口。

Claims (1)

  1. 【実用新案登録請求の範囲】 1 携帯用ベルトを備え、携帯可能でかつ、外気
    と連通する開放部を備えたケースと、当該ケー
    ス内に装着されたエアーポンプと、上記ケース
    内に装着され、上記エアーポンプを駆動するた
    めの電源と、上記ケース内に着脱自在に装着さ
    れ、当該エアーポンプと接続される人工肺とか
    ら構成され、人工肺は、ハウジングと、当該ハ
    ウジング内に収納された疎水性のマイクロポー
    ラス中空糸の集合体と、上記ハウジングの内壁
    面と当該中空糸の外壁面との間に形成されるガ
    ス室と、当該ガス室に連通するガス用入口およ
    び前記ケース外部と連通するよう構成されたガ
    ス用出口と、上記ハウジング内において上記中
    空糸の両端部をそれぞれ支持し、各中空糸の両
    開口端を上記ガス室から隔離する隔壁と、上記
    中空糸内の中空部分に連通する血液用入口およ
    び出口とを具え、上記エアーポンプにより、上
    記ガス用入口から上記カス室内に空気が吹送可
    能に構成され、更に、上記血液用入口および出
    口には、それぞれ血液導管が接続されてなるこ
    とを特徴とする血中ガス交換装置。 2 ケース内に人工肺が装着されたとき、中空糸
    集合体の軸方向がほぼ垂直となり、しかも当該
    中空糸の血液用入口側の開口端が下方に位置
    し、更に、エアーポンプから吹送される空気
    が、上記中空糸に沿つて下向するように構成し
    た実用新案登録請求の範囲第1項に記載の血中
    ガス交換装置。 3 ケースは、人工肺のガス用出口と連通した排
    出口を有してなる実用新案登録請求の範囲第1
    項または第2項に記載の血中ガス交換装置。
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