JPS6262147B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は繊維質材料よりなる円棒状体、特にタ
バコフイルター用に供される連続繊維によつて形
成された巻紙のない繊維束棒状体の製法に関する
ものである。 近年、喫煙による健康阻害の問題から、タバコ
の煙中に含まれるタール及びニコチンなどの粒子
状物質を高率除去し得るフイルターの探索が進め
られている。かかる効果を発揮させるためフイル
ターの繊維充填密度を増加させたり、或いは繊維
を異形断面化したり、細繊度化することによつて
フイルター１本当りに含まれる総繊維表面積を増
加させる方法などの検討が進められている。 これらの方法によるシガレツト用フイルターは
タバコの煙中に含まれる粒子状物質の高率除去に
は成功したが必然的にその吸引抵抗が高くなる
為、喫煙感を損うという不都合を伴つてきた。 かかる状況に鑑み、巻取紙に開孔を施して、喫
煙時にタバコの煙と共に外気をも吸引する方法に
より過大な吸引力を減少させ、且つタール及びニ
コチンなどの除去率を高める方法についての検討
が進められている。 一方、シガレツト用フイルター製造工程に於て
は現在迄フイルターを円棒状に賦形するためフイ
ルターを巻取紙で巻くことが不可欠であつた。 更にタバコ刻部との接続にチツプペーパーを使
用する結果、フイルター付タバコのフイルター部
には巻取紙が２重に巻かれることになる。このた
め現在は開孔により所定の空気量を得るため巻取
紙を２重巻きタバコに接続した後機械開孔を施し
たり、或いは高気孔度巻取紙で巻いた後更に開孔
チツプペーパーでタバコに接続しつつ巻くといつ
た煩雑な工程を余儀なくされている現状にある。 そこで本発明者等は上述した如き不都合のない
フイルターを得ることを目的として巻取紙のない
棒状フイルターの製造方法について検討した結果
本発明を完成した。 本発明の要旨とするところは、多数の繊維束と
この繊維束の外周を巻紙にて巻付けた繊維質棒状
体の巻紙を切除することを特徴とする巻紙のない
シガレツト用フイルターの製法にある。 本発明に依るノンラツプフイルターに於ては開
孔チツプペーパーにより該フイルターチツプをタ
バコ刻部に接合すれば、喫煙時に過大な吸引力を
要さず、以つて喫煙感を損わず、かつ、タール、
ニコチン除去率の高いという相剰効果が発揮され
るのである。 かかるシガレツト用フイルターの巻取紙を一枚
にする方法、即ち巻取紙を用いないフイルターは
種々の特徴があることからその製造方法について
以前より２，３の方法が提案されている。 その１つは特公昭45−32240号に開示された方
法であり、この方法は開繊された糸条に可塑剤を
加えて後収束し、加熱流体を糸条と接触せしめる
ことによつて糸条間接着を行う方法であるが、か
かる方法に於て用いる加熱流体としては熱利用効
率の良い水蒸気が一般的であるが、収束した糸条
をその後冷却することが必要であり、この冷却に
よつてフイルター内部に生じた凝縮水を除去せね
ばならないという不都合を生じるのである。更に
加熱蒸気をエンドレステープを通して吹付けるも
のであるから加熱むらが生じ易く、またフイルタ
ー内部に生じた凝縮液体の偏在によるフイルター
直線性、真円性、硬度斑等の欠点を生ずることが
ある。 他の一つの方法は特開昭54−32700号に開示さ
れた方法であり、この方法は通常のフイルターの
製造法によつて一旦巻取紙を用いて巻上げた後、
加熱により熱溶融接着剤を溶融させ巻取紙を分離
除去するのである。かかる方法に於ては加熱によ
り繊維の変質或いは接着剤によるフイルターの汚
染その他、工程トラブルが起り易い。 これに対し、本発明に於ては繊維質材料を一旦
円棒状に成型した後巻取紙分離装置に該円棒状物
を供給し、巻取紙をナイフ等で切除することによ
り巻取紙と繊維質円棒状物を分離しノンラツプフ
イルターを得るものである。かかる方法に依れば
繊維の変質或いは接着剤による汚染等もなく外観
良好なフイルターが製造される。 本発明を使用し得る好適な繊維質材料はセルロ
ースジアセテートトウであるが、ポリオレフイン
たとえばポリエチレン、ポリプロピレン並びにエ
チレン及びプロピレンと他のオレフインとの共重
合体を含む他の繊維質材料も使用することができ
る。 本発明の好適な実施例について説明する。 第１図に於てホツパー１から出たプラグは多孔
性エンドレステープ２上に移りテープと共に前進
する。 次いでガーニチヤー３上に設置されたカツター
部４内裁のナイフで巻紙を切裂した後エンドレス
テープドラム５及びアクセレーター６によつて巻
紙と巻紙の無いプラグに分離し巻紙はエンドレス
テープドラムの下方で９により吹出し除去すると
共に該プラグはガイド７を通つてキヤツチヤーベ
ルト８に配列される。 上記の各部の詳細については、ホツパー部を第
３図に、カツター部を第４図にアクセレレーター
部を第５図に、ガーニチヤー部を第６図に示す。 第３図に示すホツパー部に於てはホツパー１内
に供給されたプラグ１０は左方向に回転している
フルートドラム１１内の溝に入りサクシヨン部１
２を経由して該ドラムの下端で多孔性エンドレス
テープ２上に配列する。プラグは多孔性エンドレ
ステープを通してサクシヨン部１３で吸引固定さ
れる。 第４図に示すカツター部に於てはプラグはモー
ター１４で駆動される円板状ナイフ１５によつて
巻紙のみが切裂かれる。円板状ナイフの位置はモ
ーター取付ヒンジ１６によつて調整する。 第５図に示すアクセレレーター部に於てはアク
セレレーター６はブラケツト１７で固定されベル
ト１８で駆動されるプーリー１９を経由して回転
する。アクセレレーター間の間隙はプラグの直径
―0.1ｍ／ｍに調整されて居り、該部にプラグが
把持されると共に巻紙２０はサクシヨン２１の吸
引により多孔性エンドレステープに付着したまゝ
エンドレステープと共に回転しエンドレステープ
ドラム下方で圧縮空気により吹き出し除去される
のである。 第６図はアクセレレーター直前の状況を示して
居り、ガーニチヤー末端にてサクシヨン２２によ
り巻紙２０がプラグ１０より剥離しエンドレステ
ープ２に付着している。 本方法によつて製造した棒状製品は主としてタ
バコフイルターとして使用されるが、フエルトペ
ンのインキ吸収芯材あるいは空気、液体等のフイ
ルターとしても使用出来る。 次に示す例は本方法の応用を示すものである。 第１図に示された方法を、セルロースジアセテ
ートを主原料とした円周24.7mm、長さ102mmのプ
ラグに応用し、毎分200ｍ／minの速度で実施し
た。得られた結果は次の通りである。 【表】

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明のフイルター製造装置側面概略
図であり、第２図は第１図の装置の平面図を、第
３図はホツパー部の側断面図であり、第４図はカ
ツター部の断面図を、第５図はアクセレレーター
部の平面図を、第６図はアクセレレーター直前の
断面図を示す。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 多数の繊維からなる繊維束と、この繊維束の
   外周を巻紙にて巻付けた繊維質棒状体の巻紙を切
   除することを特徴とするシガレツト用フイルター
   の製法。