JPS6259023B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はガラス繊維でプラスチツクを強化した
FRP製品の製造において、ガラス繊維を主材と
して形成した針刺綴合物、編成物および織成物等
（以下これらを織物と呼ぶ）を連続的に供給する
自動供給装置に関し、特に該織物をロール状のパ
ツケージとして形成し、その複数を、回転可能に
構成した円盤に、その回転軸と直交する方向に織
物を引き出しできるように支持させ、供給位置で
一個のパツケージから織物を引き出して供給する
と共に、該供給中パツケージの織物がなくなる
頃、特定位置に到達した次供給のパツケージを回
動させてその織物を巻き戻して供給中の織物と重
ねて導入し、供給中パツケージの織物が完全に無
くなつたとき、前記円盤を回動して次供給のパツ
ケージを供給位置に移動するように構成して、織
物を連続的に供給するように構成したものであ
る。

FRP製品の製造に際してはガラス繊維構造物
が利用される。そしてこれらの構造物が連続繊条
若しくは糸条等の長尺物で構成される場合は、該
長尺物のパツケージが容易に形成されるので前記
構造物をパツケージから連続的に供給することが
容易であるが、FRP製品によつてはガラス繊維
構造物が前記したような織物として提供されるこ
とがある。しかるにこのような織物を長尺物とし
て形成するとパツケージが大形になつて取扱いが
不便であり、且つ巻き崩れ等が多くなつて引き出
しを困難にするので比較的小径のパツケージで提
供される。従つて利用者はこれらのパツケージの
配置に対して特別な対策が必要であり、しかも自
動的に連続して供給できるような供給装置の開発
が望まれる。

また近時その性能が認められ、各方面に多く利
用されるに至つたFRPパイプは、その製造過程
において長尺のガラス繊維構造物を芯型に巻き付
けて成形する必要があり、特に該パイプが連続し
て製造されるような連続成形法においては、これ
らのガラス繊維構造物も連続して供給される必要
がある。またFRPパイプ成形におけるガラス繊
維構造物としては、樹脂含浸成形材として不織布
や補強筋条材として繊条が利用されるが、この筋
条にもパイプ周面方向に配置される横筋と、パイ
プ軸方向に配置される縦筋がある。ところでこれ
ら筋条材のうち横筋は容易に巻き付けできるが、
縦筋は連続的に供給することが困難であるから一
般には切断して横筋に添えて巻き付けている。例
えば第１図は前記FRPパイプの連続成形におけ
る補強筋条材の供給巻付の一例を示すもので、芯
型１は矢印Ｂ方向に回転しながら矢印Ｃ方向に移
動する。そして該芯型１には離型テープを介して
樹脂含浸不織布等の樹脂層成形材が巻かれ、更に
前記した補強筋条材として横筋３が樹脂含浸装置
４を通り、樹脂が含浸されてから巻き付けられ
る。そして前記縦筋５は、横筋３に対してほぼ直
交する方向から導かれ、切断装置６を介してほぼ
横筋形成幅に切断され、保持ローラ７の外周に一
時的に保持されて樹脂を含浸した横筋３の面に移
され筋条テープ８となつて巻かれる。しかしなが
らこのようにして巻かれる縦筋５は一見至極簡単
に管軸に対して沿うように巻かれそうであるが、
横筋３上に均一に配置することが困難であつた
り、切断ミスが発生して筋条テープ８の両側に垂
れたり、常時作動状況を監視する必要等があつ
た。これらから前記縦筋５をあらかじめ簾状構造
物として成形し単独に、若しくは横筋と共に樹脂
を含浸させながら巻くことが提案されるに至つ
た。そしてこのような簾状構造物としては第２図
に示すように特別な編機或は織機によつて、ほぼ
一定長さ幅に切断した縦筋１０を並べ、編糸若し
くは綴糸１１でこれらの縦筋１０を個々若しくは
適当本数搦めて前記織物９とし、巻芯１２に巻き
取つている。またこのような広幅では巻付材とし
て利用し難いので該巻取物を輪切りして第３図に
示すような繊維構造物Ａが利用されることもあ
る。よつて本発明はこのようにロール状に形成さ
れた前記簾状および織物を連続的にしかも自動的
に供給するように構成したものであり、その要旨
とするところは長尺のガラス繊維織物に樹脂液を
含浸させた後、芯型上に巻装してFRP製管状成
形品を製造する為のガラス繊維織物供給装置であ
つて、 該供給装置はガラス繊維織物を巻回したロール
状パツケージを少なくとも３個以上貯留する貯留
部と、 該パツケージから繰り出されたガラス繊維織物
を樹脂液含浸部へ供給する第１供給部と、 樹脂液の含浸されたガラス繊維織物を芯型上へ
の巻装位置まで供給する第２供給部から構成さ
れ、 前記貯留部には、水平姿勢に形成した３個以上
のロール状パツケージ支持軸を、該支持軸と同じ
様に水平姿勢に形成した回動軸まわりに等ピツチ
で点対称的に配置すると共に、 該支持軸を少なくともガラス繊維織物繰出開始
位置、ガラス繊維織物繰出完了位置、ガラス繊維
織物パツケージ交換位置の３点で位置決め停止で
きる様な間欠回動機構を前記回動軸に設け、 前記ガラス繊維織物繰出完了位置は前記ガラス
繊維織物繰出開始位置よりも回動方向前方に設け
ると共に前記ガラス繊維織物繰出開始位置は第１
供給部における送り出しローラとガラス繊維織物
繰出完了位置を結ぶガラス繊維織物走行軌跡の上
方に設定し、 前記繰出開始位置には繰出始動用回転装置を設
け、前記繰出完了位置にはロールパツケージ上の
ガラス繊維織物の残量検出装置及びロールパツケ
ージの端末検知装置を設け、該残量検出装置から
の信号によつて前記繰出始動用回転装置を起動せ
しめ、端末検知装置からの信号によつて前記回動
軸を起動せしめる様に構成してなる点に存在す
る。

以下図面に基づいて本発明装置を詳細に説明す
るが図は本発明装置の具体的な実施の一例を示す
もので本発明はこれらの装置に限定されず、前記
および後述する記載の趣旨に徴して構成部品を変
更したり、或は設計を変更しても同様に実施する
ことができる。第４図は本発明装置の側面図、第
５図は第４図の平面図、第６図は第４図の右側面
を示し、第７図は第５図の作動説明図である、こ
れらの図において、ガラス繊維織物自動供給装置
はパツケージ保持装置（貯留部ともいう）１３
と、樹脂含浸送り装置１４に大別して構成され、
パツケージ保持装置１３は複数の前記繊維構造物
Ａ（以下単にロールＡと呼ぶ）を保持して順次特
定位置で供給し、樹脂含浸送り装置１４は前記保
持装置１３のロール（第１供給部に属する）から
織物を引き出しながら樹脂を含浸させて積極的に
送り出すと共に送給停止切断装置を併設する。な
お該樹脂含浸出り装置１４は、積極的に駆動され
る送りローラ装置（第２供給部に属する）、樹脂
含浸ローラ装置および案内ローラ装置で構成され
且つ適当な制御装置および織物通過検知装置を設
けて成形芯型の回転と同調駆動するものである限
り適当な装置が利用できるので、本発明の要部は
該パツケージ保持装置１３の構成にある。

しかしてパツケージ保持装置１３は、フレーム
１７の頂面に軸受４２を介して遊支された軸３
６′の一端に固設した回転盤１５と、該回転盤１
５を指令に基づいて回動軸を中心にして一定角度
一方向に回動させる駆動装置３２で構成され、該
駆動装置３２としては従来知られた適当な装置を
利用することができるが、図ではモータ３６がク
ラツチ４６を介してインデツクス４７の入力軸と
連結し、インデツクス４７の出力軸に設けた歯車
４４と前記遊支軸３６′端に固設した歯車４３と
係合して構成し、クラツチ４６若しくはインデツ
クス４７に与えられる信号によつて遊支軸３６′
を特定角度だけ一方向に回転させるものを示す。
また遊支軸３６′の他端には前記したように回転
盤１５が固設されるので回転盤１５が信号によつ
て特定角度ずつ一方向に回転する。

一方該回転盤１５には、多数の支持軸１６が回
転可能に軸支して設けられ、その配置は回転盤１
５の支軸３６′とほぼ平行で且つ回転盤１５の外
周部に等ピツチで設ける。そして該支持軸１６は
回転盤１５を貫通して軸支され回転盤１５の表側
（遊支軸３６′取付反対側）をロール支持軸として
形成し、裏側（遊支軸３６′取付側）の端部に摩
擦盤３１を取り付けて構成する。図はこれらの支
持軸１６を４本で構成したものを示したが、適当
に増減して構成することができる。他方ロールＡ
はその巻芯１２が該支持軸１６に嵌挿して保持さ
れるように形成され、例えば支持軸１６の挿入周
面に弾発板等を設置してロールＡと支持軸１６と
が通常の力では不回転で保持されるように構成す
る。なおこれらの不回転保持手段は回転盤１５の
表側にそれぞれロールＡに対応して設けた圧接保
持ローラ２９で構成してもよい。そして回転盤１
５の支持軸１６に挿設されたロールＡは第４図に
示すように、それぞれA₁〜A₄で示す位置で保持
され、底位置A₁が供給部（繰出完了位置に相当
する）、A₂が待機部（繰出開始位置に相当す
る）、A₃，A₄が嵌挿装置部（パツケージ交換位置
ともいう）を示し、特にA₄部が裸巻芯１２を取
り出して新しいロールを嵌挿する交換部を構成す
る。そして供給部A₁のロールから供給される織
物は、フレーム１７に設けた案内ローラ１８およ
び送り出しローラ１９で送り出され、前記樹脂含
浸送り装置１４に供給される。２０は前記送り出
しローラ１９に圧接して織物を確実に送る圧接ロ
ーラである。そして樹脂含浸送り装置１４は前記
したように適当な装置で構成されるが、図はフレ
ーム２１の頂面に天井部材２２を取り付けその下
部に樹脂ローラ２３および樹脂槽２４を配設した
ものを示す。

そして該樹脂ローラ２３を挟んで前後にそれぞ
れ案内ローラ２５および引き出し絞りローラ装置
２６，２７を設け、該引き出し絞りローラ装置
は、定置されて回転する駆動ローラ２６と、該ロ
ーラに離脱可能で圧接できるように構成された圧
接ローラ２７で構成し、案内ローラ２５および圧
接ローラ２７はそれぞれ作動シリンダのピストン
先端に回転自在に支持される。２８は切断装置で
所定量の巻付が終了したとき、或は切り換え等必
要時に作動して供給中の織物を切断するもので図
は回転刃のものを示したが他の適当な切断装置で
置換できる。また回転盤１５に設けた３０は案内
プレートで、待機位置A₂に在るロールの巻戻し
端部を供給ロールA₁と接触しないように案内す
るものである。

本発明装置では特に該待機位置A₂に至つて保
持されているロールA₂が、供給ロールA₁の織物
がなくなる頃、積極的に回転されるようにしてそ
の巻付織物の端部を供給中の織物に添えて連続的
に供給するものである。従つて該待機位置A₂に
は、ここに到来したロールを回転させる繰出開始
用の回転装置が設けられる。しかして該回転装置
は、ロールの周面に当接してその摩擦で巻き戻す
ものでもよいが、織物と接して組織を荒したり、
損傷させることがあるので前記した支持軸１６を
回転させることが推奨される。よつて本発明装置
はこれらの駆動装置（巻戻し装置）３３を回転盤
１５の裏側に設け、しかも待機位置A₂に到つた
前記支持軸１６を回転するように構成する。即ち
巻戻し装置３３は、フレーム１７の頂面に台座を
形成し、該台座に摺動台板４５を摺動可能に設け
る。そして摺動装置としては作動シリンダ、リン
クアーム若しくはカム板等が自由に利用でき、こ
れらの装置は台座内に収納される。そして摺動台
板４５の上にモータ３７、クラツチ３８および軸
受部材を介して突出した軸３７′を設け、その軸
端に接合部材４１を取り付ける。しかして該接合
部材４１はクラツチを構成するもので、円錘形内
面を形成し、支持軸１６の裏側先端に設けた前記
摩擦盤３１と当接して支持軸１６を積極的に回転
する。そして該当接は前記摺動台板４５の移動に
よつて行なわれる。

一方これらの駆動伝動系は第８図の模式図で示
すように構成される。即ち回転盤１５はモータ３
６と駆動軸３６′で、又待機ロールA₂はモータ３
７、クラツチ３８を介した巻戻し装置３３で、更
に樹脂ローラ２３、および送り出しローラ１９、
駆動ローラ２６はモータ３４で夫々駆動され、ロ
ーラ１９および２６はこれらの駆動系からスプロ
ケツトおよびチエーンでそれぞれの駆動軸１
９′，２６′を介して同期的に駆動される。

ところで本発明に利用するロールＡは、巻取織
物が一定長さで巻かれていることが好ましく、供
給ロールA₁の織物残量が僅かに残つている状態
で待機位置にあるロールA₂を巻き戻して、その
織物端部を供給中の織物に添わせて導入し、供給
ロールA₁の織物がなくなつたとき待機位置A₂に
あるロールを供給ロールA₁位置に順次移動する
ものである。従つてこれらの残量検出装置および
供給終了を検知するような検知装置を設ける必要
があり、第８図に示す３９は残量検出装置、４０
は検知装置を示す。そして検出装置３９としては
供給位置A₁に到来する支持軸１６の移動軌跡外
に該支持軸１６の回転数を検出する装置、若しく
は供給ロールA₁の巻取外径の減少によつてその
残量を検出するような検知装置、或はロール成形
に先立つてあらかじめ残量を示すような着色繊維
材若しくは感知繊維材を巻き込んだロールの該繊
維検知装置が利用される。図は前者の回転数検出
装置を示す。また検知装置４０は、供給ロール
A₁と案内ローラ１８との間に設けた光電管型の
検知装置を示したが、該部分における織物の有無
を検知するものである限り各種のものが利用でき
る。例えばフイラースイツチ、感応型スイツチ等
を自由に選択することができる。またこれらの検
出装置および検知装置を一体で形成したり若しく
は兼用することもできる。第８図は供給ロール
A₁が特定残量となつた場合を示し、検出装置３
９がこれを検出して待機位置A₂にあるロールの
巻戻し装置３３を起動させる。即ちモータ３７が
回転し摺動台４５が移動して接合部材４１を支持
軸１６の摩擦盤３１と接合する（第７図）。これ
によつてロールA₂はその巻取織物が巻き戻され
る方向に回動され、第９図に示すようにその先端
が垂れ下がる。そしてその垂れ下げられた始端
は、送り出しローラ１９とロールA₁の間に達
し、供給中の織物上に載せられて該織物と共に送
り出しローラ１９入口部から導入される。また前
記供給ロールA₁の残量長さは樹脂ローラ２３の
前部分に設けた駆動ローラ２６と案内ローラ１８
に至る織物仕掛長さにほぼ合致させておく。従つ
て待機位置にあつて巻き戻しロールA₂の繰出始
端が前記駆動ローラ２６および圧接ローラ２７で
把持された時点で、供給ロールA₁の織物がなく
なり、前記検知装置４０がこれを検知する。そし
て該検知によつて前記回転盤１５の回転駆動装置
３２を起動し、待機位置にあつて巻き戻し中のロ
ールA₂を供給位置A₁に矢印のように移動して供
給ローラとする。そして順次タレツト式にこれら
を繰り返して織物を連続して自動的に供給するこ
とができる。上記した通り供給ロールA₁の終端
側と待機部のロールの始端側は、重複して送給す
ることによつて接続され、芯型１へ連続的に供給
される。

以上述べたように本発明装置は、FRP製品に
おけるガラス繊維構造物を、ほぼ一定長さのロー
ルで構成し、その供給は適時間欠的に回動される
回転盤に設けた複数の支持軸に保持して順次供給
するようにしたから、回転盤のロール差し換えの
みで自動的に供給することができる。また回転盤
に保持されたロールは供給ロールの残量を検出し
て次供給ロールを巻き戻しながらラツプするよう
に構成したから確実に供給することが可能とな
り、FRP製品の製造に貢献することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明を利用するに好適な巻付を例示
した従来の説明図、第２図および第３図は本発明
に利用するパツケージの構造説明見取図、第４図
は本発明装置の側面図、第５図は第４図の平面
図、第６図は第４図の右側面図、第７図は第５図
の一部作動説明図、第８図および第９図は駆動系
を示す模式説明図である。 １３……パツケージ保持装置、１４……樹脂含
浸送り装置、１５……回転盤、１６……支持軸、
１７……フレーム、１９……送り出しローラ、２
０……圧接ローラ、２２……天井部材、２８……
切断装置、２９……保持ローラ、３１……摩擦
盤、３２……回転駆動装置、３３……巻き戻し装
置、３９……検出装置、４０……検知装置、４１
……接合部材、４５……摺動台。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 長尺のガラス繊維織物に樹脂液を含浸させた
   後、芯型上に巻装してFRP製管状成形品を製造
   する為のガラス繊維織物自動供給装置であつて、 該供給装置はガラス繊維織物を巻回したロール
   状パツケージを少なくとも３個以上貯留する貯留
   部と、 該パツケージから繰り出されたガラス繊維織物
   を樹脂液含浸部へ供給する第１供給部と、 樹脂液の含浸されたガラス繊維織物を芯型上へ
   の巻装位置まで供給する第２供給部から構成さ
   れ、 前記貯留部には、水平姿勢に形成した３個以上
   のロール状パツケージ支持軸を、該支持軸と同じ
   様に水平姿勢に形成した回動軸まわりに等ピツチ
   で点対称的に配置すると共に、 該支持軸を少なくともガラス繊維織物繰出開始
   位置、ガラス繊維織物繰出完了位置、ガラス繊維
   織物パツケージ交換位置の３点で位置決め停止で
   きる様な間欠回動機構を前記回動軸に設け、 前記ガラス繊維織物繰出完了位置は前記ガラス
   繊維織物繰出開始位置よりも回動方向前方に設け
   ると共に、前記ガラス繊維織物繰出開始位置は第
   １供給部における送り出しローラとガラス繊維織
   物繰出完了位置を結ぶガラス繊維織物走行軌跡の
   上方に設定し、 前記繰出開始位置には繰出始動用回転装置を設
   け、前記繰出完了位置にはロールパツケージ上の
   ガラス繊維織物の残量検出装置及びロールパツケ
   ージの端末検知装置を設け、該残量検出装置から
   の信号によつて前記繰出始動用回転装置を起動せ
   しめ、端末検知装置からの信号によつて前記回動
   軸を起動せしめる様に構成してなることを特徴と
   するガラス繊維織物自動供給装置。