JPS62545Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、節句用雛段の改良に関するもので、
特に近年の住宅事情に適合する飾り雛段の設置面
積の狭少化並びに室内の装飾的効果を高めるため
のサイドボードとしても併用できる家具調の節句
用雛段の提供を目的とするものである。

従来、節句用雛段は、三段、五段、七段等の種
類があり、木製或は金属製の骨組に各段に応じた
棚受け板を架設し、さらにこの段上に一枚の毛氈
を上段より下段に亘つて敷くことにより構成され
ている。

この構成からすれば、段数が増加するにつれて
高さ並びに設置面積が広くなり、広範囲なスペー
スを要することになる。そして、現在の住宅事情
を考慮して雛段飾りが必要なときは取り出して組
立てて使用し、不用時は折畳んで格納しておく形
式のものが大多数を占めている。そして、その組
立や解体、収納も段数の大きなものになればなる
ほど複雑な手間を必要とした。これらの欠点を勘
案して、最近では団地サイズの皺人形や雛段が提
供されているが、しかし、これらの製品の場合は
皺人形飾りの古来からの伝統や情緒が失われる結
果ともなる。

そこで、本考案は現状の住宅事情をも十分考慮
に入れ、一般家庭のダイニングルームで広く使用
されていて、室内の装飾効果の向上に役立つサイ
ドボードに雛段を組込んで節句時以外の雛段の不
用時には、一般のサイドボードとしての室内の装
飾的効果の向上や器物の展示、収納用家具として
利用でき、節句時において雛段として活用すると
きには、サイドボード本体は、その侭の状態で本
体内に収納した雛段用組立構成部材を取り出して
簡単に組立てて使用できるサイドボード兼用節句
雛段を提供するものである。

以下、本考案に係るサイドボード兼用節句用雛
段の一実施例を図面とともに説明する。

図面において１は下台２にドアー付き戸棚３や
器物展示用の上台４を設けたサイドボード本体、
５はこのサイドボード本体１の両側に付設した一
対の両側板で、その前端縁面５ａには妻板収納口
６が開口させてあり、この妻板収納口６より該両
側板５の後端縁面５ｂに繋げて妻板収納ポケツト
７が設けてある。８は各妻板収納口６より妻板収
納ポケツト７に出納自在に取付けた一対の棚段用
妻板で、図面に示すように、その棚受段部９，９
…は階段形に形成してあり、図示の実施例では４
段形に設けた例を示しているが、必要に応じて段
数や棚上段と次段の階差の数値は適宜設定できる
ようにしてある。１０は最下段を形成する一対の
棚受段部１１の可動妻板で、前記棚段用妻板８の
下段の前端縁面８ａに設けた可動妻板収納口１２
より棚段用妻板８に設けた可動妻板収納ポケツト
１３に出納自在に取付けてある。図の実施例で、
この可動妻板１０は棚段用妻板８の最下段に設け
てあるが、必要に応じて、最下段及び次下段の２
つの段を出納自在に設けることもある。この場合
は棚段用妻板８に設定する棚受段部９が５段以上
に形成するときである。１４は前記サイドボード
本体１の両側板５に設けた妻板収納ポケツト７の
底部７ａに敷設した断面溝形のガイド樋で、この
溝内に棚段用妻板８の底縁部８ｂが緩く嵌合して
妻板収納ポケツト７から棚段用妻板８を出納させ
るとき調子よく滑動できるように設けてある。

１５は妻板収納ポケツト７から引き出されたと
きの棚段用妻板８の底縁部８ｂに嵌着する定位置
用台木で、該棚段用妻板８をセツトしたときの安
置固定を図るものであり、図では引き出された可
動妻板１０と棚段用妻板８の底縁部８ｂの全長に
繋げて嵌着できる長さの部材で形成してあるが、
可動妻板１０の底縁部１０ａにのみ嵌着できる長
さに設けてもよい。１６はサイドボード本体１の
両側板５の前端縁面５ａに螺着せしめた付け飾り
椽で、妻板収納ポケツト７に棚段用妻板８を収納
したとき妻板収納口６を、この付け飾り椽１６で
隠蔽しておくためのものである。

１７は棚段用妻板８の各棚受段部９と幕板受縁
１８の隅部に配設した止め具で、マグネツトや表
面に合成樹脂にて成型された無数の掛止環と鉤環
とが設けられたいわゆる面フアスナーを用いる。
１９は前記妻板収納口６の上部近傍及び各幕板受
縁１８に配設した止め具で、同じくマグネツトや
面フアスナーを用いる。２０は、棚段用妻板８の
後端縁面８ｃの上端に上向きに突出せしめたスト
ツパー片で、引き出された棚段用妻板８の妻板収
納ポケツト７内からの抜脱を防止する。２１は可
動妻板１０の後端縁面の上端に上向きに突出せし
めたストツパーで可動妻板１０の収納ポケツト１
３から引き出された可動妻板１０の抜脱を防止す
る。２２は引き出された棚段用妻板８間の各棚受
段部９に載架固定する棚板、２３は幕板受縁１８
間及び妻板収納口６の上部間に渡架固定する幕板
であり、図示する如く、両部材とも、夫々中央部
から二つ折りして収納できるようにし、且、裏面
適位置に前記各止め具１７及び１９に対応する部
分に固着できるマグネツト、又は、面フアスナー
から成る受け止め具１７′及び１９′を配設すれ
ば、棚板２２は棚受段部９に、また幕板２３は幕
板受縁１８及び妻板収納口６の上部に夫々着脱自
在に固定できる。したがつて、棚板２２は、両側
の棚段用妻板８の各棚受段部９に着脱自在に載架
固定され、幕板２３は、棚段用妻板８の各幕板受
縁１８間及び各妻板収納口６上部間に着脱自在に
渡架固定されるから、その組み立て、解体が極め
て容易となる。２４はサイドボード本体１の正面
下部に設けた収納引き出しで、前記不使用時の棚
板２２や幕板２３を収納しておく。

本考案に係るサイドボード兼用節句用雛段は上
記に説明したような構成からなり、通常はサイド
ボードとしての室内の装飾的効果と器物の展示、
収納家具としての実用的用途に供し得るが、節句
時期において人形飾りの為の雛段が必要なとき
は、サイドボード本体１正面において、両側板５
の前端縁面５ａに設けられた付け飾り椽１６を開
き、両側板５内に収納した一対の棚段用妻板８と
可動妻板１０を引き出し、さらに棚段用妻板８間
の各一対の棚受段部９の間に棚板２２を載架固着
し、各幕板受縁１８間と妻板収納口６の上部間と
に幕板２３を渡架固着して雛段を速やかに組立て
ることができる。

しかも、サイドボード本体１の両側板の前端縁
面５ａに付け飾り椽１６を備えたことから、棚段
用妻板８を妻板収納ポケツト７に収納した際、妻
板収納口６を、この付け飾椽１６で隠蔽しておく
ことができ、サイドボード本体１の外観を損なう
ことなく、サイドボードとして使用できる。

従つて本考案によれば、手狭な部屋において
も、据置所要スペースが小さくても体裁よく雛段
を組立てて使用することができ、部屋の狭さを懸
念することなく人形飾りが楽しめると共に、雛段
の不使用時には、棚段用妻板をサイドボード本体
内に収納して一般のサイドボードとしての機能や
体裁、装飾的効果を十分に発揮し得るもので、従
来の階段形式の組立雛段に比して組立解体手間が
容易なことは勿論、不要時における特別の解体や
保管場所等を全く必要とせず、しかも、サイドボ
ードを移動させることなくそのままの状態で雛段
として使用することができ、現代の住宅事情に合
致した人形飾り用組立式雛段として大きな実用的
効果を期待することができるものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係るサイドボード兼用節句用雛
段の一実施例を示し、第１図は付け飾椽を開いた
状態の正面図、第２図は一部を縦断した状態の側
面図、第３図は分解状態の斜視図、である。 １……サイドボード本体、５……一対の両側
板、６……妻板収納口、７……妻板収納ポケツ
ト、８……棚段用妻板、９……棚受段部、１０…
…可動妻板、１５……定置用台木、１６……付け
飾り椽、２２……棚板、２３……幕板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. サイドボード本体における一対の両側板に、そ
   の前端縁面に、付け飾り椽を備えた妻板収納口を
   有する妻板収納ポケツトを設け、下段部に出納自
   在に取付けた可動妻板を備えた所要数の棚受段部
   と幕板受縁を設けた一対の棚段用妻板を前記妻板
   収納ポケツトに出納自在に取付けると共に、二対
   の棚段用妻板間の各棚受段部に対応する棚板と、
   各幕板受縁間と妻板収納口の上部間に対応する幕
   板とを設けたことを特徴とするサイドボード兼用
   節句用雛段。