JPS6253695B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はガスタービンエンジンの燃料制御系に
係り、更に詳細にはエンジンのシーケンス的始動
を行なうために使用し得る燃料分配弁に係る。

周知の如く、ジエツトエンジンに於て点火を行
なうためには、空熱比は点火されているノズルの
近傍に於てはある最小値以上に維持されなければ
ならない。通常点火は一つ或いはそれ以上の位置
に於て開始され、火炎はバーナ内のすべての空間
に急激に伝播する。エンジンによつては、流量の
大きい圧縮機ブリード装置が設けられない限りか
かる急激なエネルギの付与により圧縮機が失速す
ることがある。かかる失速条件は、アイドリング
のためのエンジン加速が圧縮機を失速させること
のない割合にて行なわれ得るよう、バーナ内の正
しい局部的空熱比にある選択的な領域を或る制御
された速度にて順次点火することにより緩和され
る。かかる目的で、本発明は燃料制御装置の燃料
スケジユール制御特性を変更することなく個々の
燃料ノズルへ計量された燃料を供給し且順次点火
することのできる単段型バーナのための燃料分配
弁を提供するものである。本発明による燃料分配
弁はその性質上広い燃料流量域に亘つて吐出ポー
トを経て正確な割合の燃料を供給することができ
るので、燃料分配／計量弁として使用されるのに
適している。

本発明の一つの特徴は、タービン型パワープラ
ントのバーナ内のノズル系へ燃料を分配すべくそ
のアウタケーシングに形成された吐出ポートと燃
料分配弁の内部とを連通接続する環状溝を有する
摺動可能なインナスリーブを有し順次燃料を分配
することができる燃料分配弁である。本発明の他
の一つの特徴は、吐出ポートごとの燃料流量が広
い燃料流量域に亘つて比較的正確に維持されると
いうことである。

以下に添付の図を参照しつつ、本発明をその好
ましい実施例について詳細に説明する。

第１図よりわかる如く、付号１０にて全体的に
示された燃料分配弁はその一端１４に於て閉じら
れその他端に於て開いた円筒形のアウタケース１
２を有している。ケース１２に形成されたボア１
６はスリーブ１８を受ける大きさに形成されてい
る。スリーブ１８のボア２２内に挿入されたピス
トン１９及びばね２０、及び封止キヤツプ／ばね
リテーナ２４が燃料分配弁の残りの部分を構成し
ている。封止キヤツプ２４は、そのキヤツプ及び
スリーブに設けられたフランジに形成された孔に
挿通されアウタケース１２の対向端部に設けられ
た補形的な孔にねじ込まれたボルト２６（そのう
ちの一つが図示されている）により、メインボデ
ー即ち円筒形のアウタケース１２に固定されてい
る。円筒形のアウタケース１２の周縁には複数個
の吐出口取付具３０が形成されており、これらの
取付具は第２図の説明に於て説明するスリーブ１
８に形成された溝３２と共働するようになつてい
る。

第２図はスリーブ１８がアウタケース１２のボ
ア１６内に挿入され且キヤツプ２４に設けられた
フランジによりケース１２の一端に対し所定の位
置に固定された状態にて燃料分配弁の構成要素を
示している。流体作用壁面３６，３８を有するピ
ストン１９は固定されたスリーブ１８に対し相対
的に摺動し得るようになつている。ばね２０及び
右側の室内の圧力が作用面３８に作用してピスト
ンを図にて左方へ付勢しており、他方その他端に
導入された流体が作用面３６に作用してピストン
を図にて右方へ付勢するようになつている。

本発明によれば、ピストン１９の外径部に環状
溝４０が形成されており、この溝に室４４より複
数個の軸線方向に形成された孔４２（そのうちの
２つのみが図示されている）を経て燃料が供給さ
れるようになつている。室４４はポート４６を経
て燃料供給源より燃料を受けるようになつてい
る。

また室４４内の燃料はばね２０により発生され
るばね力及びインレツトポート５０を経て導入さ
れた室４８内の基準圧力に抗してピストン１９を
図にて右方へ付勢するようになつている。

以上の説明より、燃料は室４４より軸線方向孔
４２を経て環状溝４０内へ至り、更に取付具３０
と連通する吐出ポート５２へ至ることは明らかで
あろう。また第２図に解図的に図示されている如
く、燃料接続ライン５６により燃料ノズル５８
（それぞれの接続ラインに二つのノズルが設けら
れている）が取付具３０と接続されておりバーナ
へ燃料が供給されるようになつている。

燃料ノズルの数は設計上の問題であり一つ或い
はそれ以上であつて良く、何個の燃料ノズルを設
けるかは本発明の範囲に影響を及ぼすものではな
い。燃料制御装置（図示せず）により計量される
燃料の体積が増大するにつれて、環状溝が細長い
溝３２（その幅はエンジンが加速されるにつれて
より多量の燃料を供給し得るよう徐々に広がつて
いる）上を摺動し得るよう、ピストン１９は図に
て右方へ移動する。また溝３２が大きく開かれて
環状溝４０と連通されると、関連する燃料ノズル
へより多量の燃料が供給されるようになる。

第３図は本発明による燃料分配弁が容易に連続
的に燃料流を供給するよう構成され得ることを示
している。溝３２ａ，３２ｂ，３２ｃはこの順序
にてその長さが徐々に短くなつており、環状溝４
０が接触する第一の点に対し軸線方向に隔置され
ている。従つてピストン１９及び環状溝４０が軸
線方向に右方へ移動すると、環状溝４０はまず溝
３２と連通して第一のノズル或いは第一の組のノ
ズルへ供給するようになり、次いで溝３２ｂと連
通して他のノズルへ燃料を供給するようになり、
更に溝３２ｃと連通して更に他のノズルへ燃料を
供給するようになる。バイパス通路６０が燃料供
給装置により供給されたが燃料分配弁によりバー
ナへ供給されなかつた燃料を戻すようになつてい
る。このバイパス通路６０は燃料制御装置により
常に一定の燃料が供給されるのを可能にしてお
り、従つて全ての溝３２ａ，３２ｂ，３２ｃが連
通している場合にはバイパス通路６０が遮断され
るようになつている。もちろん燃料制御装置それ
自身によりかかる段階的な始動法を達成し、かか
るバイパス通路の必要性を排除することもできる
が、精巧な燃料制御装置の構成要素を変更するよ
りも本発明の如くスリーブポートの形状を所定形
形状に形成する方が簡単である。

以上の如く、本発明は燃料分配装置として使用
される場合には燃料の分割及び分配が溝の流れ断
面積及びばね力及び分配弁内の基準圧力により制
御され、従つてノズルのデルタ圧やその弁からノ
ズルまでのチユーブの長さには比較的敏感でない
空気混合ノズル（ノズルを横切る圧力降下は小さ
い）と共に使用するのに特に有用である。かくし
て本発明による燃料分配弁は、広い燃料流量域に
亘つて正確な比率の燃料を分配し得ることを特徴
としている。

以上に於ては本発明をその特定の実施例につい
て詳細に説明したが、本発明はかかる実施例に限
定されるものではなく、本発明の範囲内にて種々
の修正並びに省略が可能であることは当業者にと
つて明らかであろう。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による燃料分配弁の詳細を示す
解図的分解斜視図である。第２図はバーナのノズ
ルへ接続された燃料分配弁を示す一部破断された
解図的縦断面図である。第３図はバイパス能力を
有するシーケンス作動用に構成されたポートを示
す解図的拡大部分図である。 １０〜流れ分割器、１２〜アウタケース、１４
〜一端、１６〜ボア、１８〜スリーブ、１９〜ピ
ストン、２０〜ばね、２２〜ボア、２４〜封止キ
ヤツプ、２６〜ボルト、３０〜取付具、３２〜
溝、３６，３８〜作用面、４０〜環状溝、４２〜
孔、４４〜室、４６〜ポート、４８〜室、５０，
５２〜ポート、５６〜燃料接続ライン、５８〜燃
料ノズル、６０〜バイパス通路。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ガスタービンエンジンの運転を制御する燃料
   制御装置よりそのガスタービンエンジンのバーナ
   の燃料ノズルへ計量された燃料流を導く燃料分配
   弁に於て、円筒形のケーシングと、該円筒形のケ
   ーシングのボア内に固定され幅の異なつた複数個
   の周縁方向に隔置された細長い溝を有するスリー
   ブであつて、前記細長い溝は前記ケーシングに形
   成され前記ノズルと連通する対応する補形的なア
   ウトレツトポートと連通している如きスリーブ
   と、該スリーブに対し相対的に摺動し得るよう構
   成され環状溝を有するピストンと、前記環状溝へ
   燃料を供給する手段とを含み、前記細長い溝に対
   する前記環状溝の相対的位置により前記ノズルの
   夫々に供給される燃料量が決定されるよう構成さ
   れていることを特徴とする燃料分配弁。