JPS6253567B2 - - Google Patents
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- JPS6253567B2 JPS6253567B2 JP13826278A JP13826278A JPS6253567B2 JP S6253567 B2 JPS6253567 B2 JP S6253567B2 JP 13826278 A JP13826278 A JP 13826278A JP 13826278 A JP13826278 A JP 13826278A JP S6253567 B2 JPS6253567 B2 JP S6253567B2
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Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C21—METALLURGY OF IRON
- C21D—MODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
- C21D1/00—General methods or devices for heat treatment, e.g. annealing, hardening, quenching or tempering
- C21D1/62—Quenching devices
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- Thermal Sciences (AREA)
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- Organic Chemistry (AREA)
- Heat Treatment Of Articles (AREA)
- Heat Treatments In General, Especially Conveying And Cooling (AREA)
Description
〔産業上の利用分野〕
本発明は新規な水焼入れ装置に係り、高硬化深
度をうる水焼入れ装置を提供しようとするもので
ある。 〔従来の技術〕 従来鋼材の焼入れには油を使用する浸漬焼入れ
と、水を冷却剤とする浸漬、噴流、噴霧焼入れと
がある。 水(又は油)による浸漬焼入れは、第1図に示
す如く、水(又は油)1中に被処理物2を浸漬す
るものである。 水による噴流焼入れは、第2図に示す如く、水
1中に被処理物2を浸漬し、更に冷却効率を高め
るため被処理物2に向つてノズル3より水を噴射
するものである。 水による噴霧焼入れは、第3図に示す如く、被
処理物2を回転させながら、被処理物2に向つて
ノズル3から水を霧状にして噴霧するものであ
る。 〔発明が解決しようとする問題点〕 しかしながら、上述した従来の方法は何れも次
の如き問題点を有する。即ち、 (A) 油による浸漬焼入れの場合 高価な油を使用する。;火災の危険性が
ある。;耐焼割れ性は優れているが、冷却速
度が比較的小さく、硬化深度が小さい。;とい
う問題がある。 (B) 水による浸漬、噴流、噴霧焼入れの場合 冷却速度が大きく硬化深度は大きくなるが、
鋼材の中心部と表面部との温度差が大きくなる
ため熱応力が大きく、焼割れ、焼歪が増大する
という問題がある。 これらの問題点を比較すると、コスト及び安全
性の観点からは、水による焼入れの方が、油によ
る焼入れよりも適当であるといえる。そこで、水
による焼入れでは、上述した問題点を改善するた
めの対策をとる必要があり、熱応力及び変態応力
が最大になる低温域にて徐冷を行うために、以下
のような方法が採用されている。 即ち、浸漬焼入れでは、低温域にて徐冷を行う
ために焼入れ途中に鋼材を引上げているが、復熱
によつて冷却速度が低下して焼入深度が低下する
か、あるいは引上げ時期を誤ると焼割れの危険性
が高い。 噴流焼入れでは、冷却効率が高く焼割れの危険
性が極めて高いため、処理対象はもともと低炭素
鋼種で小物物品に制限されている。なお、低温域
にて徐冷を行うためには、噴流を中断している
が、やはり焼入深度の低下あるいは中断時期の誤
りによる焼割れの危険性は避けられない。 噴霧焼入れでは、低温域にて徐冷を行うために
噴霧を中断するが、やはり焼入深度の低下あるい
は中断時期の誤りによる焼割れの危険性は避けら
れない。しかも、被処理物を回転させているため
その表面温度を正確に測定することが困難であ
り、噴霧の中断時期の決定は他の焼入れ法よりも
むずかしい。このため、処理対象は低炭素鋼種に
限られている。 本発明は上記問題点を解決するためになされた
ものであり、被処理物、特に鋼材の水焼入れにお
いて熱応力、変態応力の発生を軽減し、焼割れ感
受性及び焼入れ歪を軽減し得る水焼入れ装置を提
供することを目的とする。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明の水焼入れ装置は、焼入れされる被処理
物がその中央部に設置される冷却槽と、該冷却槽
底部に設けられた回転円盤上方に支持部材を介し
て取付けられ被処理物の周囲にそれぞれ多数配置
される、水圧によつて水を吹きつける水スプレイ
ノズル及び主として空気圧により霧状の水を吹き
つけるフオグノズルと、前記水スプレイノズルに
接続された第1の水用配管と、前記フオグノズル
に接続された第2の水用配管及び圧縮空気用配管
と、前記第1及び第2の水用配管を開閉する電磁
弁と、被処理物表面に設置される熱電対と、該熱
電対により検出される被処理物の表面温度に応じ
て前記電磁弁の開閉を制御する電磁弁制御器とを
具備したことを特徴とするものである。 〔作用〕 本発明の水焼入れ装置において、水スプレイノ
ズルは、被処理物に向つて水圧によつて水を吹き
つけるものである。この水スプレイノズルは、冷
却能が大きく、被処理物全体(特にその表面)を
急速冷却させる作用を有する。このため、水スプ
レイノズルの使用により、被処理物の熱処理速度
を向上させることができる。 一方、フオグノズルは、被処理物に向つて主と
して空気圧により霧状の水を吹きつけるものであ
る。このフオグノズルは、冷却能が小さく、噴霧
時には表面温度を維持するか、又は若干の復熱が
起る状態に保持し、被処理物の中心部を徐冷する
作用を有する。このため、フオグノズルの使用に
より、被処理物の中心部−表面部間の温度差を低
減することができる。 また、被処理物は回転しないので、その表面温
度は熱電対により正確に測定することができる。
したがつて、被処理物の表面温度に応じて(例え
ば熱応力や変態応力が最大になる低温域で)電磁
弁制御器により電磁弁の開閉を制御し、水スプレ
イノズルとフオグノズルとの切換えを行ない両者
の作用を発揮させることにより、被処理物の中心
部−表面部間の温度差を低減して組織を均一化す
るとともに焼割れや焼歪を防止し、しかも熱処理
速度を向上することができる。 〔実施例〕 以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に
説明する。 第4図に示す如く、冷却槽4の中央部には被処
理物2が上方から吊下されて載置される。この冷
却槽4の底部には回転円盤5が設けられており、
この回転円盤5は可変モータ13により回転され
る。この回転円盤5上には支持体が立設され、こ
の支持体には前記被処理物2の周囲に沿つて配置
されるように多数の水スプレイノズル6及びフオ
グノズル8が支持されている。また、回転円盤5
の周縁部上には第1の水用配管71、第2の水用
配管72及び圧縮空気用配管9が立設され、前記
水スプレイノズル6は第1の水用配管71に接続
され、前記フオグノズル8は第2の水用配管72
及び圧縮空気用配管9に接続されている。前記水
スプレイノズル6は被処理物2に、水圧により水
を吹きつけて被処理物2全体、特にその表面を急
速に冷却する作用を有する。一方、前記フオグノ
ズル8は被処理物に、主として空気圧により霧
(水+空気)を吹きつけて被処理物2の表面温度
を維持、又は若干の復熱が起る状態に保持し、被
処理物2の中心温度を徐冷する作用を有する。そ
して、給水口14から供給される水は電磁弁11
を切換えることにより、第1又は第2の水用配管
71,72のいずれかを流れ、使用後の水は排出
口15から排出される。更に、前記被処理物2表
面には熱電対10が取付けられ、この熱電対10
と前記電磁弁11との間には電磁弁制御器12が
接続されている。この電磁弁制御器12は熱電対
10によつて検出される被処理物の表面温度の応
じて電磁弁11の開閉を制御する。 このような本発明装置を用いた水焼入れは以下
のようにして行なわれる。即ち、被処理物2の材
質又は大きさに応じて、回転円盤5を4〜15rpm
で回転させ、熱電対10で被処理物2の表面温度
を検出しながら、まず水スプレイノズル6から被
処理物2へ水を吹きつける。そして、水の噴射に
より被処理物2が冷却されてその表面温度がMs
点(マルテンサイトスタートポイント)直上の第
1の設定温度に達したときに、電磁弁制御器12
により電磁弁11を切換えて第1の水用配管71
を閉、第2の水用配管72を開とする。この切換
えによつてフオグノズル8から被処理物2へ霧を
吹きつける。この霧の噴射により被処理物2は徐
冷されるが、被処理物2の中心部からの復熱によ
り、被処理物2の表面温度は徐々に上昇する。そ
して、被処理物2の表面温度が上昇して第2の設
定温度に達したときに、電磁弁制御器12により
電磁弁11を切換えて第1の水用配管71を開、
第2の水用配管72を閉とする。この切換えによ
つて水スプレイノズル6から被処理物2へ水を吹
きつける。このように第1及び第2の設定温度に
応じてon−offの制御を繰返して被処理物2の中
心部−表面部間の温度差を小さくして水焼入れを
行なう。 なお、本発明装置におけるノズルは、第5図に
示す鋼材寸法に応じた冷却時の平均冷却速度と水
量密度との関係により、所定鋼種、所定寸法の鋼
材について所定の冷却速度が得られるような水量
密度を有するものが選定される。 次に、本発明装置を用い、実際に200φ×600mm
のクロムモリブデン鋼鍜造材を焼入れした場合
について説明する。まず、鋼材を880℃に加熱し
た後、本発明装置にセツトした。なお、冷却速度
が水中浸漬焼入れと同等の冷却速度となるよう
に、本発明装置には、鋼材の表面に沿つて、100
mmピツチで片側6個ずつ、計12個ずつの水スプレ
イノズルとフオグノズルとを配置した。また、水
スプレイノズルの水量密度は11.0Nm3/m2Hr、フ
オグノズルの水量密度は0.06Nm3/m2Hrとした。 ここで、JIS規格SMC4種のMs点は約330℃で
あるため、鋼材の表面温度が330℃(第1の設定
温度)に達したときに水スプレイノズルが閉口し
てフオグノズルが開口し、表面温度が350℃(第
2の設定温度)に復熱したときにフオグノズルが
開口して水スプレイノズルが再度開口するように
電磁弁制御器を設定した。そして、880℃の鋼材
に、水スプレイノズルで水を噴射して330℃まで
冷却し、次いでフオグノズルを開口して霧を噴射
し、鋼材が350℃に復熱すると再度水スプレイノ
ズルにより水を噴射するという操作を、鋼材に復
熱がなくなるまで繰返した。この操作を行なつて
いる間の鋼材の表面部及び中心部の温度変化を第
6図に示す。 第6図から、焼入れ初期には冷却速度が大きい
ため表面部と中心部との温度差が大きいが、Ms
点直上の330〜350℃の範囲で表面温度を保持する
ことにより表面部−中心部間の温度差が極めて小
さくなることが明らかである。 以上にようにして本発明装置により得られた焼
入れ鋼材並びに油中及び水中に浸漬して焼入れし
た鋼材を、600℃に焼戻した後の断面硬さ分布を
第7図に示す。第7図から、本発明装置により焼
入れされた鋼材は、油中浸漬焼入れされた鋼材よ
りも硬化深度が大きく、水中浸漬焼入れされた鋼
材と同等の硬化深度を示すことがわかる。 また、前記と同様な200φ×600mmのSCM4種
の鋼材表面に、周方向に沿つて、第8図に示す3
種類の切欠部(ノツチ)をそれぞれ設けた試料を
作成し、上述したのと同様な条件で焼入れを行な
い、割れの発生傾向を調べた。その結果を第1表
に示す。 なお、これと比較するために、上記と同一の試
料についてそれぞれ油中浸漬焼入れ及び水中浸漬
焼入れを行なつた場合についても、同様に割れの
発生を調べた。これらの結果を第1表に併記す
る。
度をうる水焼入れ装置を提供しようとするもので
ある。 〔従来の技術〕 従来鋼材の焼入れには油を使用する浸漬焼入れ
と、水を冷却剤とする浸漬、噴流、噴霧焼入れと
がある。 水(又は油)による浸漬焼入れは、第1図に示
す如く、水(又は油)1中に被処理物2を浸漬す
るものである。 水による噴流焼入れは、第2図に示す如く、水
1中に被処理物2を浸漬し、更に冷却効率を高め
るため被処理物2に向つてノズル3より水を噴射
するものである。 水による噴霧焼入れは、第3図に示す如く、被
処理物2を回転させながら、被処理物2に向つて
ノズル3から水を霧状にして噴霧するものであ
る。 〔発明が解決しようとする問題点〕 しかしながら、上述した従来の方法は何れも次
の如き問題点を有する。即ち、 (A) 油による浸漬焼入れの場合 高価な油を使用する。;火災の危険性が
ある。;耐焼割れ性は優れているが、冷却速
度が比較的小さく、硬化深度が小さい。;とい
う問題がある。 (B) 水による浸漬、噴流、噴霧焼入れの場合 冷却速度が大きく硬化深度は大きくなるが、
鋼材の中心部と表面部との温度差が大きくなる
ため熱応力が大きく、焼割れ、焼歪が増大する
という問題がある。 これらの問題点を比較すると、コスト及び安全
性の観点からは、水による焼入れの方が、油によ
る焼入れよりも適当であるといえる。そこで、水
による焼入れでは、上述した問題点を改善するた
めの対策をとる必要があり、熱応力及び変態応力
が最大になる低温域にて徐冷を行うために、以下
のような方法が採用されている。 即ち、浸漬焼入れでは、低温域にて徐冷を行う
ために焼入れ途中に鋼材を引上げているが、復熱
によつて冷却速度が低下して焼入深度が低下する
か、あるいは引上げ時期を誤ると焼割れの危険性
が高い。 噴流焼入れでは、冷却効率が高く焼割れの危険
性が極めて高いため、処理対象はもともと低炭素
鋼種で小物物品に制限されている。なお、低温域
にて徐冷を行うためには、噴流を中断している
が、やはり焼入深度の低下あるいは中断時期の誤
りによる焼割れの危険性は避けられない。 噴霧焼入れでは、低温域にて徐冷を行うために
噴霧を中断するが、やはり焼入深度の低下あるい
は中断時期の誤りによる焼割れの危険性は避けら
れない。しかも、被処理物を回転させているため
その表面温度を正確に測定することが困難であ
り、噴霧の中断時期の決定は他の焼入れ法よりも
むずかしい。このため、処理対象は低炭素鋼種に
限られている。 本発明は上記問題点を解決するためになされた
ものであり、被処理物、特に鋼材の水焼入れにお
いて熱応力、変態応力の発生を軽減し、焼割れ感
受性及び焼入れ歪を軽減し得る水焼入れ装置を提
供することを目的とする。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明の水焼入れ装置は、焼入れされる被処理
物がその中央部に設置される冷却槽と、該冷却槽
底部に設けられた回転円盤上方に支持部材を介し
て取付けられ被処理物の周囲にそれぞれ多数配置
される、水圧によつて水を吹きつける水スプレイ
ノズル及び主として空気圧により霧状の水を吹き
つけるフオグノズルと、前記水スプレイノズルに
接続された第1の水用配管と、前記フオグノズル
に接続された第2の水用配管及び圧縮空気用配管
と、前記第1及び第2の水用配管を開閉する電磁
弁と、被処理物表面に設置される熱電対と、該熱
電対により検出される被処理物の表面温度に応じ
て前記電磁弁の開閉を制御する電磁弁制御器とを
具備したことを特徴とするものである。 〔作用〕 本発明の水焼入れ装置において、水スプレイノ
ズルは、被処理物に向つて水圧によつて水を吹き
つけるものである。この水スプレイノズルは、冷
却能が大きく、被処理物全体(特にその表面)を
急速冷却させる作用を有する。このため、水スプ
レイノズルの使用により、被処理物の熱処理速度
を向上させることができる。 一方、フオグノズルは、被処理物に向つて主と
して空気圧により霧状の水を吹きつけるものであ
る。このフオグノズルは、冷却能が小さく、噴霧
時には表面温度を維持するか、又は若干の復熱が
起る状態に保持し、被処理物の中心部を徐冷する
作用を有する。このため、フオグノズルの使用に
より、被処理物の中心部−表面部間の温度差を低
減することができる。 また、被処理物は回転しないので、その表面温
度は熱電対により正確に測定することができる。
したがつて、被処理物の表面温度に応じて(例え
ば熱応力や変態応力が最大になる低温域で)電磁
弁制御器により電磁弁の開閉を制御し、水スプレ
イノズルとフオグノズルとの切換えを行ない両者
の作用を発揮させることにより、被処理物の中心
部−表面部間の温度差を低減して組織を均一化す
るとともに焼割れや焼歪を防止し、しかも熱処理
速度を向上することができる。 〔実施例〕 以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に
説明する。 第4図に示す如く、冷却槽4の中央部には被処
理物2が上方から吊下されて載置される。この冷
却槽4の底部には回転円盤5が設けられており、
この回転円盤5は可変モータ13により回転され
る。この回転円盤5上には支持体が立設され、こ
の支持体には前記被処理物2の周囲に沿つて配置
されるように多数の水スプレイノズル6及びフオ
グノズル8が支持されている。また、回転円盤5
の周縁部上には第1の水用配管71、第2の水用
配管72及び圧縮空気用配管9が立設され、前記
水スプレイノズル6は第1の水用配管71に接続
され、前記フオグノズル8は第2の水用配管72
及び圧縮空気用配管9に接続されている。前記水
スプレイノズル6は被処理物2に、水圧により水
を吹きつけて被処理物2全体、特にその表面を急
速に冷却する作用を有する。一方、前記フオグノ
ズル8は被処理物に、主として空気圧により霧
(水+空気)を吹きつけて被処理物2の表面温度
を維持、又は若干の復熱が起る状態に保持し、被
処理物2の中心温度を徐冷する作用を有する。そ
して、給水口14から供給される水は電磁弁11
を切換えることにより、第1又は第2の水用配管
71,72のいずれかを流れ、使用後の水は排出
口15から排出される。更に、前記被処理物2表
面には熱電対10が取付けられ、この熱電対10
と前記電磁弁11との間には電磁弁制御器12が
接続されている。この電磁弁制御器12は熱電対
10によつて検出される被処理物の表面温度の応
じて電磁弁11の開閉を制御する。 このような本発明装置を用いた水焼入れは以下
のようにして行なわれる。即ち、被処理物2の材
質又は大きさに応じて、回転円盤5を4〜15rpm
で回転させ、熱電対10で被処理物2の表面温度
を検出しながら、まず水スプレイノズル6から被
処理物2へ水を吹きつける。そして、水の噴射に
より被処理物2が冷却されてその表面温度がMs
点(マルテンサイトスタートポイント)直上の第
1の設定温度に達したときに、電磁弁制御器12
により電磁弁11を切換えて第1の水用配管71
を閉、第2の水用配管72を開とする。この切換
えによつてフオグノズル8から被処理物2へ霧を
吹きつける。この霧の噴射により被処理物2は徐
冷されるが、被処理物2の中心部からの復熱によ
り、被処理物2の表面温度は徐々に上昇する。そ
して、被処理物2の表面温度が上昇して第2の設
定温度に達したときに、電磁弁制御器12により
電磁弁11を切換えて第1の水用配管71を開、
第2の水用配管72を閉とする。この切換えによ
つて水スプレイノズル6から被処理物2へ水を吹
きつける。このように第1及び第2の設定温度に
応じてon−offの制御を繰返して被処理物2の中
心部−表面部間の温度差を小さくして水焼入れを
行なう。 なお、本発明装置におけるノズルは、第5図に
示す鋼材寸法に応じた冷却時の平均冷却速度と水
量密度との関係により、所定鋼種、所定寸法の鋼
材について所定の冷却速度が得られるような水量
密度を有するものが選定される。 次に、本発明装置を用い、実際に200φ×600mm
のクロムモリブデン鋼鍜造材を焼入れした場合
について説明する。まず、鋼材を880℃に加熱し
た後、本発明装置にセツトした。なお、冷却速度
が水中浸漬焼入れと同等の冷却速度となるよう
に、本発明装置には、鋼材の表面に沿つて、100
mmピツチで片側6個ずつ、計12個ずつの水スプレ
イノズルとフオグノズルとを配置した。また、水
スプレイノズルの水量密度は11.0Nm3/m2Hr、フ
オグノズルの水量密度は0.06Nm3/m2Hrとした。 ここで、JIS規格SMC4種のMs点は約330℃で
あるため、鋼材の表面温度が330℃(第1の設定
温度)に達したときに水スプレイノズルが閉口し
てフオグノズルが開口し、表面温度が350℃(第
2の設定温度)に復熱したときにフオグノズルが
開口して水スプレイノズルが再度開口するように
電磁弁制御器を設定した。そして、880℃の鋼材
に、水スプレイノズルで水を噴射して330℃まで
冷却し、次いでフオグノズルを開口して霧を噴射
し、鋼材が350℃に復熱すると再度水スプレイノ
ズルにより水を噴射するという操作を、鋼材に復
熱がなくなるまで繰返した。この操作を行なつて
いる間の鋼材の表面部及び中心部の温度変化を第
6図に示す。 第6図から、焼入れ初期には冷却速度が大きい
ため表面部と中心部との温度差が大きいが、Ms
点直上の330〜350℃の範囲で表面温度を保持する
ことにより表面部−中心部間の温度差が極めて小
さくなることが明らかである。 以上にようにして本発明装置により得られた焼
入れ鋼材並びに油中及び水中に浸漬して焼入れし
た鋼材を、600℃に焼戻した後の断面硬さ分布を
第7図に示す。第7図から、本発明装置により焼
入れされた鋼材は、油中浸漬焼入れされた鋼材よ
りも硬化深度が大きく、水中浸漬焼入れされた鋼
材と同等の硬化深度を示すことがわかる。 また、前記と同様な200φ×600mmのSCM4種
の鋼材表面に、周方向に沿つて、第8図に示す3
種類の切欠部(ノツチ)をそれぞれ設けた試料を
作成し、上述したのと同様な条件で焼入れを行な
い、割れの発生傾向を調べた。その結果を第1表
に示す。 なお、これと比較するために、上記と同一の試
料についてそれぞれ油中浸漬焼入れ及び水中浸漬
焼入れを行なつた場合についても、同様に割れの
発生を調べた。これらの結果を第1表に併記す
る。
以上詳述した如く本発明の水焼入れ装置によれ
ば、水中浸漬焼入れと同等以上の硬化深度を示
し、かつ焼割れの発生を防止しうる等顕著な効果
を有するものである。
ば、水中浸漬焼入れと同等以上の硬化深度を示
し、かつ焼割れの発生を防止しうる等顕著な効果
を有するものである。
第1図は従来の水中又は油中浸漬焼入れの概略
説明図、第2図は従来の噴流焼入れの概略説明
図、第3図は従来の噴霧焼入れの概略説明図、第
4図は本発明装置の1例を示す概略説明図、第5
図は本発明装置で焼入れする場合の鋼材寸法と水
量密度、平均冷却速度との関係曲線図、第6図は
本発明装置による鋼材の焼入れ時の冷却時間と温
度との関係曲線図、第7図は本発明装置及び従来
の装置により焼入れされた鋼材の断面硬さ分布
図、第8図は焼割れ試験に用いられる鋼材試料に
設けられた切欠部の説明図である。 1……水(又は油)、2……被処理物、3……
ノズル、4……冷却槽、5……回転円盤、6……
水スプレイノズル、71……第1の水用配管、7
2……第2の水用配管、8……フオグノズル、9
……圧縮空気用配管、10……熱電対、11……
電磁弁、12……電磁弁制御器。
説明図、第2図は従来の噴流焼入れの概略説明
図、第3図は従来の噴霧焼入れの概略説明図、第
4図は本発明装置の1例を示す概略説明図、第5
図は本発明装置で焼入れする場合の鋼材寸法と水
量密度、平均冷却速度との関係曲線図、第6図は
本発明装置による鋼材の焼入れ時の冷却時間と温
度との関係曲線図、第7図は本発明装置及び従来
の装置により焼入れされた鋼材の断面硬さ分布
図、第8図は焼割れ試験に用いられる鋼材試料に
設けられた切欠部の説明図である。 1……水(又は油)、2……被処理物、3……
ノズル、4……冷却槽、5……回転円盤、6……
水スプレイノズル、71……第1の水用配管、7
2……第2の水用配管、8……フオグノズル、9
……圧縮空気用配管、10……熱電対、11……
電磁弁、12……電磁弁制御器。
Claims (1)
- 1 焼入れされる被処理物がその中央部に設置さ
れる冷却槽と、該冷却槽底部に設けられた回転円
盤上方に支持部材を介して取付けられ被処理物の
周囲にそれぞれ多数配置される、水圧によつて水
を吹きつける水スプレイノズル及び主として空気
圧により霧状の水を吹きつけるフオグノズルと、
前記水スプレイノズルに接続された第1の水用配
管と、前記フオグノズルに接続された第2の水用
配管及び圧縮空気用配管と、前記第1及び第2の
水用配管を開閉する電磁弁と、被処理物表面に設
置される熱電対と、該熱電対により検出される被
処理物の表面温度に応じて前記電磁弁の開閉を制
御する電磁弁制御器とを具備したことを特徴とす
る水焼入れ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13826278A JPS5565318A (en) | 1978-11-09 | 1978-11-09 | Water hardening method |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13826278A JPS5565318A (en) | 1978-11-09 | 1978-11-09 | Water hardening method |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS5565318A JPS5565318A (en) | 1980-05-16 |
JPS6253567B2 true JPS6253567B2 (ja) | 1987-11-11 |
Family
ID=15217815
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13826278A Granted JPS5565318A (en) | 1978-11-09 | 1978-11-09 | Water hardening method |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS5565318A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0562955U (ja) * | 1992-01-31 | 1993-08-20 | 日本電産株式会社 | 電池収容体 |
CN105400932A (zh) * | 2010-03-25 | 2016-03-16 | 株式会社Ihi | 热处理方法 |
Families Citing this family (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100935112B1 (ko) | 2008-08-12 | 2010-01-08 | 주식회사 평산 | 중공관 형상의 열처리물 급속 워터냉각장치 |
US9181600B2 (en) | 2009-02-10 | 2015-11-10 | Ihi Corporation | Heat treatment apparatus and heat treatment method |
KR100935113B1 (ko) * | 2009-06-26 | 2010-01-06 | 주식회사 평산 | 중공관 형상의 열처리물 급속 에어냉각장치 |
JP5588661B2 (ja) | 2009-12-11 | 2014-09-10 | 株式会社Ihi | ミスト冷却装置及び熱処理装置 |
JP5641298B2 (ja) * | 2010-06-28 | 2014-12-17 | 大同特殊鋼株式会社 | プラスチック成形金型用鋼の製造方法 |
CN104846169A (zh) * | 2015-06-10 | 2015-08-19 | 唐山市裕龙冶金轧辊有限公司 | 轧辊喷淬设备 |
WO2017163732A1 (ja) * | 2016-03-23 | 2017-09-28 | 株式会社Ihi | 冷却装置及び熱処理装置 |
CN105886722A (zh) * | 2016-06-21 | 2016-08-24 | 中冶南方武汉钢铁设计研究院有限公司 | 一种精确控制冷却速度的淬火装置及方法 |
-
1978
- 1978-11-09 JP JP13826278A patent/JPS5565318A/ja active Granted
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0562955U (ja) * | 1992-01-31 | 1993-08-20 | 日本電産株式会社 | 電池収容体 |
CN105400932A (zh) * | 2010-03-25 | 2016-03-16 | 株式会社Ihi | 热处理方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS5565318A (en) | 1980-05-16 |
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