JPS6253130B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は魚釣用スピニングリールのドラグ機構
の改良に関する。

従来この種ドラグ機構は通常スプールの前側軸
心部に形成された凹部内にドラグ制動部材を収容
しこのドラグ制動部材をスプール軸に螺着したド
ラグ制動摘手で所定の制動力が生じるようにスプ
ールに圧接しているのが現状である。

ところが釣糸はスプールに対してその軸心から
の距離即ち捲着半径が第１図のR₁〜R₂の如く変
化して捲着されるものであるからそのモーメント
によるドラグ制動力は第２図ののように釣糸の
捲着径が小いときは大きく、捲着量が多くなつて
捲着径が大きくなるに従いドラグ制動力は小さく
なり、常時一定に保持されていないために釣糸が
切断する欠陥がある。

本発明はこのような欠陥を改善して釣糸の捲着
位置に左右されず常に略一定のドラグ制動力を保
持して釣糸の切断を防止するようにしたもので、
スプールの前側板を可撓性部材で形成すると共に
前記前側板前部周面部でドラグ制動摘手で作動さ
れる制動部材を支承せしめたことを要旨とするも
のである。

本発明の実施例を図面について説明すると、合
成樹脂で前側板１が可撓性を有するように形成さ
れたスプール２は金属筒３を介してスプール軸４
に回動可能に嵌着すると共に前記スプール２の前
側板１の前部周面部には補強ワツシヤー５を介し
てスプール軸４に係止嵌合する制動板６とスプー
ル軸４に回動可能に嵌合する制動板７と該制動板
７に当接するバネ板８とよりなる制動部材９が装
着され、該制動部材９をスプール軸４先端部に螺
着されたドラグ制動摘手１０で前側板１に圧接自
在に形成してスプール２とスプール軸４とを摩擦
力で連結自在に構成している。

しかして前記実施例はスプール２全体を合成樹
脂等の可撓性部材で形成しているが、前側板１だ
けを可撓性部材で形成し他部分は可撓性のない金
属等の形成することも可能であり、更にバネ板８
に代えコイルスプリングその他の弾性部材を使用
することもできる。

本発明実施例は上記のように構成されているか
らスプール２に釣糸Ａを捲着するとその捲着量の
増大即ち捲着径の増加に伴つて可撓性の前側板１
は捲着された釣糸Ａの軸方向の力によつて前方に
歪みａ制動部材９に押圧力を作用せしめることに
なる。

即ちスプール２に釣糸Ａが捲着されていないと
きのスプールの長さをｂとしスプール２に釣糸Ａ
が最大に捲着されたときの前側板１の歪みａによ
るスプールの長さをb′とすると第３図のように釣
糸の捲着量に応じて前側板１の歪みａは大きくな
つて制動部材９を押圧することになり、釣糸Ａの
捲着量の増大に伴うこの押圧力は釣糸の捲着径の
増大によるドラグ制動力の減少と相殺し合つて釣
糸の捲着位置に関係なく第２図のように略均一
のドラグ制動力を保持することになる。

このように本発明はスプールの前側板を可撓性
部材で形成すると共にその前部周面部で制動部材
を支承し釣糸の捲着量に伴つて増大する前側板の
歪みで制動部材に押圧力を作用せしめこの押圧力
を釣糸の捲着径の増大と共に減少するドラグ制動
力と相殺せしめるようにしたので、スプールに作
用するドラグ制動力は釣糸の捲着径に関係なく常
に一定に保持され、釣糸の繰出しによる釣糸の切
断を確実に防止できる優れた特徴を有するもので
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図はドラグ制動力の説明図、第２図は釣糸
捲着径とドラグ制動力との関係を示す図表、第３
図は本発明の前側板の歪みと釣糸捲着量との関係
を示す図表、第４図は本発明の縦断正面図、第５
図は同側面図、第６図及び第７図は夫々本発明の
作動態様を示す縦断正面図である。 １……前側板、２……スプール、９……制動部
材、１０……ドラグ制動摘手。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ スプールの前側板を可撓性部材で形成すると
   共に前記前側板前部周面部でドラグ制動摘手で作
   動される制動部材を支承せしめたスピニングリー
   ルのドラグ装置。