JPS6250533B2 - - Google Patents

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JPS6250533B2
JPS6250533B2 JP20799783A JP20799783A JPS6250533B2 JP S6250533 B2 JPS6250533 B2 JP S6250533B2 JP 20799783 A JP20799783 A JP 20799783A JP 20799783 A JP20799783 A JP 20799783A JP S6250533 B2 JPS6250533 B2 JP S6250533B2
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JP
Japan
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iron ore
carbon
briquettes
briquette
reduction
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JP20799783A
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English (en)
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JPS60100635A (ja
Inventor
Yoshibumi Kameoka
Atsuhiko Nakanishi
Mamoru Onoda
Junichiro Nada
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Jushitsuyu Taisaku Gijutsu Kenkyu Kumiai
Original Assignee
Jushitsuyu Taisaku Gijutsu Kenkyu Kumiai
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Publication date
Application filed by Jushitsuyu Taisaku Gijutsu Kenkyu Kumiai filed Critical Jushitsuyu Taisaku Gijutsu Kenkyu Kumiai
Priority to JP20799783A priority Critical patent/JPS60100635A/ja
Publication of JPS60100635A publication Critical patent/JPS60100635A/ja
Publication of JPS6250533B2 publication Critical patent/JPS6250533B2/ja
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  • Manufacture And Refinement Of Metals (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、加熱流動状態にある鉄鉱石粉末に重
質残油を接触させて熱分解し軽質油と分解ガスと
を製造すると共に、その際に副生する炭素が表面
に付着した鉄鉱石粉末をブリケツト状に成形して
予熱工程を経た後、該ブリケツトの炭素を還元剤
として還元鉄を製造する方法において、予熱工程
特にグレートキルンを使用した予熱工程の改良に
関するものである。 現今、製鉄法として汎用されている高炉―転炉
法は鉄鉱石を還元して鉄を製造するに際して、一
旦、高炉で過剰の炭素を含有する銑鉄を得、次い
で転炉でその炭素を珪素、燐などと共に酸化除去
して鋼を製造する方法を採るため、効率が低く、
また高炉用コークス原料としての強粘結炭は世界
的に供給不足となりつつあるという問題点もあ
る。 これに対し、鉄鉱石を固体状態で還元剤と接触
させ、還元率90%以上に還元して還元鉄を得、こ
れを電気炉により溶融、精練して鋼を製造する方
法が開発されている。この方法は上述の高炉―転
炉法に比し、炭素や随伴する珪素、燐などの過剰
な還元―酸化という原理上の無駄がないこと、強
粘結炭を必要としないことなどの利点がある。 また還元率70〜90%の還元ペレツトを高炉用原
料として使用し、燃料コークスの節約や生産性の
向上に役立たせることも工業的試験が施されてい
る。 しかしながら、これらの方法が世界的に普及し
ない理由は、還元鉄の製造に使用する還元剤及び
その原料、即ち石炭類、天然ガス、その他炭素、
水素ガス及び一酸化炭素ガス源などの賦存地域が
地球上において偏在しており、経済的に有利に実
施し得る地域が限られているためである。従つて
安価に入手可能な還元剤または還元方法の出現
は、効率的な直接製鉄法の開発および製鉄技術の
合理化実現のため大きく期待されているところで
あつた。 一方、石油資源の枯渇化に伴ない、良質の軽質
原油は次第に入手難となり、原油の重質化は今や
時代の趨勢となつている。かかる重質油から需要
の多い軽質油を可及的に多く採取するため、接触
分解、水添分解等による重質油の軽質化が行なわ
れ、更に分解成分を分留するに当たり、軽質油を
多く採取し得る減圧蒸留が施されている。このよ
うに軽質分留をより多く採取しようとする試みは
一方ではその残渣油を益々重質化し、劣悪なもの
とすることとなり、かかる重質残油の有効利用を
図ることが新たな問題として抬頭するに至つた。 前述の製鉄技術の合理化に対する要望と重質残
油の有効利用の要求とを同時に満たすものとして
鉄鉱石粉末の流動層熱分解炉内で重質残油を接触
分解して軽質油および分解ガスを得ると共に、副
生炭素が付着した鉄鉱石粉末から炭材内装造粒物
すなわち炭素含有ブリケツトを製造し、該ブリケ
ツトをロータリーキルン式還元炉で還元する方法
が近時開発され工業化されつつある。ところが、
かかる方法において遭遇する重要な技術的課題の
一つとして、炭材内装造粒物に対する強度付与の
問題がある。即ち、ブリケツトやロータリーキル
ン式還元炉で還元する場合、キルンの転動、摩耗
作用に耐える充分な強度、例えば少なくとも約15
Kgの圧潰強度を予めブリケツトに付与しておき、
キルン内における造粒物の粉化、歩留りの低下、
キルンリングの生成などによる操業安定性の低下
を防止しなければならない。 そのような試みとして、ブリケツテイングマシ
ンで成形された生ブリケツトをグレートキルン等
のプレヒータ中へ導き、600〜900℃に予熱する方
法が既に提案されているが、該方法によれば、生
ブリケツトで4.4Kg/個であつた圧潰強度が予熱
後11.7Kg/個に増大したという結果を得たに過ぎ
ず、前述の如き少なくとも約15Kg/個という値に
は程遠いものであつた。 そこで、本発明の目的とするところは、重質油
熱分解に利用した鉄鉱石粉末よりの炭材内装造粒
物すなわちブリケツトに大きい圧潰強度を付与す
るにある。本発明の他の目的は高度に予備還元さ
れたブリケツトを取得するにある。別の目的は、
気孔率が高く還元工程における被還元性に優れた
ブリケツトを提供するにある。 本発明の終局的目的は還元工程における歩留
り、稼動率を上昇すると共に装置の保守を容易に
し、生産性を向上することにある。 上述の目的は、鉄鉱石粉末を熱媒体として重質
残油を熱分解し軽質油および分解ガスを製造する
際に副生する炭素付着鉄鉱石粉末をブリケツト状
に成形し予熱工程を経た後、該ブリケツトの炭素
を還元材として還元鉄を製造する方法の前記予熱
工程において、予熱室とそれに続く焼成室とより
なるグレートキルンに前記ブリケツトを供給し、
該ブリケツトを予熱室で600〜700℃に加熱した
後、引続き焼成室で空気を送通して1000〜1300℃
の温度に到らしめることを特徴とする重質油熱分
解に利用した鉄鉱石粉末よりの造粒物の改質方法
によつて達成される。 上記本発明方法の特徴並びに態様を詳述するに
先立ち、本発明を適用する重質残油利用還元鉄製
造法について、そのプロセスの概要を第1図のフ
ローシートを参照して概説する。 先ず適宜な粒度に粉砕された鉄鉱石粉末は鉄鉱
石加熱炉1内に供給され、そこで充分加熱された
上、配管2を通つて流動層熱分解炉3へ送給され
流動床を形成する。 一方、予熱された重質残油は流動層熱分解炉3
へ供給され、高温の鉄鉱石粒子と接触して熱分解
すると共に、鉄鉱石粒子を部分還元し、同時に熱
分解によつて副生する炭素が鉄鉱石粒子に付着す
る。炭素付着鉄鉱石粒子は流動層熱分解炉3より
配管4を通つて鉄鉱石加熱炉1に還流し、付着し
た炭素の一部が燃焼することによつて鉄鉱石の加
熱に寄与する。かくして流動層熱分解炉3と鉄鉱
石加熱炉1との間には鉄鉱石循環回路が形成され
る。 重質残油の熱分解生成物である軽質油は流動層
熱分解炉3の炉頂より取り出されて精留分離系
(図示せず)に送られ、又分解生成したC1〜C4
分解ガスは配管5によつて水蒸気および炭酸ガス
と共にガス改質炉6へ送られて、Ni基触媒の作
用により水素と一酸化炭素とよりなる還元性ガス
に変性される。還元性ガスは冷却器7を通過する
間に水分を除かれ、ガスヒータ8で再度加熱され
た上、脱硫塔9で脱硫されてシヤフト炉10など
における還元剤として利用される。 鉄鉱石加熱炉1には下方配管11から過熱水蒸
気が供給されており、鉄鉱石粉末を流動させると
共に適宜な温度に制御する。また、流動層熱分解
炉3においては、上述の通り重質残油の熱分解に
よりC1〜C4のガスおよびC5以上の油分を生成す
るのであるが、例えばC1のメタンガスの場合は
炉内の水蒸気および炭酸ガスと次の反応を起こし
て、一酸化炭素と水素とよりなる還元性ガスが生
成する。 更にこの還元性ガスの作用により鉄鉱石粒子は
次式の通りヘマタイト(Fe2O3)からマグネタイ
ト(Fe3O4)に部分還元され、同時に前記(1)式に
よつて副生する炭素が該鉄鉱石粒子に付着する。 3Fe2O3+CO→2Fe3O4+CO2 ……(4) 3Fe2O3+H2→2Fe3O4+H2O ……(5) 上記副生炭素付着鉄鉱石は既述の通り鉄鉱石加
熱炉1へ送られ、その一部は配管12により取り
出され、造粒工程へ送られる。 本発明方法が適用される重質油熱分解工程の概
要は以上の通りであるが、ここで本発明に適用さ
れる原料重質残油としては、熱分解工程において
炭素の副生を抑制する必要がないから、フルード
コーキング法に用いるような劣質の減圧蒸留残油
も使用可能であり、その他、溶剤脱水機抽出残
油、熱分解残油、接触分解残油、重質ガス油、減
圧ガス油およびFCC法で用いる原料油はすべて
利用でき、更に石炭、オイルサンド、頁岩等から
得られる油状物質も同様に適用可能である。しか
しながら、何れの場合も副生炭素の鉄鉱石への付
着量を10〜20重量%とすることが好ましく、その
ために鉄鉱石粉末の粒度、供給量、流動層熱分解
炉中の滞留時間、熱分解温度等を適宜に調節する
要がある。 副生炭素の付着量が上記より過少であると後述
のブリケツト焼成工程における自燃が充分に行な
われず、過大であると却つて還元鉄の品位が低下
することとなり、何れにしても好ましくない。 次に本発明方法の枢要部分である炭材内装造粒
物の予熱工程を、それと直接関連する造粒工程お
よび還元工程について述べる。 前述の重質樹熱分解工程によつて得られた副生
炭素付着鉄鉱石粒子は混練機に所定量装入され、
バインダーとして重質残油を所定の配合割合即
ち、炭素付着鉄鉱石粒子に対し好ましくは3〜10
重量%となる割合を以つて添加しつつ混練され
る。重質残油の配合量がそれより過少であると、
次工程で得られる生ブリケツトの圧潰強度が減少
して歩留りが低下するのみならず、気孔率も減少
してブリケツト内部まで充分に還元され難くな
る。また、反対に重質残油の配合量が過大となれ
ば、これまたブリケツトの圧潰強度と歩留りが共
に低下する傾向がある。 上記配合物を混練する場合、重質残油は常温で
は固体状の高粘性物体であるから、充分に混合す
るためには重質残油の軟化点以上の適宜な温度す
なわち軟化点より10〜150℃高い温度に加熱して
溶融状態で添加し、且つ混練機内の配合物も同温
度に加熱保持しつつ混練操作を行なうことがよ
い。 更に、重質残油は溶融状態にあるとは云え、極
めて高粘度であり、表面張力も大であるから、混
練操作は混合物にローラー等で圧縮力を付与しつ
つ、所謂、練〓を少なくとも3〜5分間行ない、
重質残油を各鉄鉱石粒子間に充分に浸透させ、各
粒子表面が重質残油で実質的に被覆された状態と
することが肝要である。 加熱混練された混合物は、加熱状態のまま、第
1図に示すブリケツテイングマシン13に送ら
れ、所定形状の生ブリケツトに成形される。ブリ
ケツテイングマシン13としては公知の加圧成形
機の多くのものが適用可能であるが、就中、モー
ルドポケツトを表面に備えたダブルロール型式で
且つスクリユーフイーダを装備した強制押込式の
ものが好適であり、一般に約100℃以上の温度
と、130〜150Kg/cm2の成形圧とを以つて良好な生
ブリケツトを成形することができる。 ブリケツトの寸法、形状は任意に設計すること
ができる。次の還元工程で充分な還元作用を受け
るには小さい方が好ましい反面、製鋼時にスラグ
層を通して還元鉄を鋼浴中に添加することを考え
ると、ある程度の大きさを有する必要があり、通
常、約20mm×15mm×10mm程度の最大径を有し、且
つ粉化による歩留り低下を避けるために角を落し
てRを付けた形状、即ちアーモンドナツツ形とす
ることが好ましい。 上述の如くして成形された生ブリケツトは、成
形不良品および成形屑を篩別して混練機へ戻し、
適格品のみをピレヒータであるグレートキルン1
4へ送給し、予熱工程に付す。本発明はこの予熱
工程に最大の特徴を有する。 第2図は本発明方法における予熱工程のフロー
チヤートである。予熱工程を実施するためのグレ
ートキルン14は予熱室16とそれに続いて連設
された焼成室17とを具え、それら両室内に無端
帯状のトラベリングレート18が張設貫装されて
いる。トラベリンググレート8は金属、セラミツ
クス等の耐熱性材料よりなる火格子状または網状
帯よりなり、スプロケツトホイール19によつて
予熱室側より焼成室方向へ駆動される。 予熱室16にはトラベリンググレート18の下
方から上方へ向けて必要により熱風炉またはバー
ナ20によつて加熱された気体を噴射する配管2
1が装設され、頂部に設けられた集気ホツパ22
は排風機23を介して排気煙突24にダクト25
で連結される。一方、焼成室17にはトラベリン
ググレート18の上方から下方へ向けて気体を噴
射するための配管26が施され、該配管26には
送風機27により空気が送通される。また、焼成
室17内のトラベリンググレート18の下部には
集気ホツパ28が設けられ、ここに集められた高
温ガスは配管29によつて加熱気体噴射用配管2
1に接続され、再利用される。 上記の如き構成になるグレートキルン14のト
ラベリンググレート18上へブリケツト15を連
続的に供給載置すると、ブリケツト15はトラベ
リンググレート18によつて運ばれる間に先ず予
熱室16内で、配管21より送入される高温ガス
により600〜700℃に加熱される。この加熱温度は
次の焼成温度との関連において重要な意味を有
し、上記範囲を下廻ると充分な焼成温度が得られ
ず、一方、高過ぎた場合、却つて内装炭材の徒ら
な焼盡を来たし、何れにしてもブリケツトに対し
充分な圧潰強度と予備還元率とを付与することが
できず不可である。 運転開始時の熱源としては、後次の還元工程で
あるロータリーキルン又はグレートキルンの廃熱
を利用する。次工程の還元方法がシヤフト炉法、
溶融還元炉法の場合は、熱風炉もしくはバーナ2
0を必要とする。 また、安定操業に入つたならば、予熱室の熱源
はすべて配管29から供給される焼成室の廃熱で
まかなう。 予熱室16内で600〜700℃に加熱されたブリケ
ツト15は、次いで焼成室17内へ運び込まれ
る。焼成室17では新鮮な空気が送風機27によ
り配管26を経て下向通風され、空気中の酸素の
扶けを籍りてブリケツト中の炭素を自燃させて
1000〜1300℃の温度に到らしめることにより焼成
を行なう。空気の送通量は焼成条件によつて異な
るが、焼成温度を上記範囲とするにはブリケツト
1m3当り毎分40〜170Nm3の容積速度で充分であ
ることが実験的に確認された。 また、焼成時間を短縮したい場合は空気の送通
量を増加させれば容易に可能である。 上記のブリケツト層の温度上昇は内装炭材すな
わち付着している副生炭素の次式に示す著しい発
熱反応を伴なう自己燃焼によるものである。 C+O2→CO2+97000Kcal/Kmol ……(6) C+1/2O2→CO+29400Kcal/Kmol ……(7) かかる焼成工程によつてブリケツトには、少な
くとも15Kg/個の圧潰強度と、少なくとも25%の
還元率と、少なくとも40%の気孔率とが付与され
る。これらの値は焼成温度の上昇と共に増大する
傾向を示し、後述の実施例においては焼成温度が
1200℃に到達した場合、圧潰強度34Kg/個還元率
61%、気孔率55%という驚くべき値を示した。 ブリケツトの上記の改質は前記(6)式の反応によ
つてブリケツト外周部の炭素が燃焼して生成した
CO2と、ブリケツト内部の炭素とが下記(8)式の如
く反応してCOガスを生成する結果、ブリケツト
内部が高COガス分圧となり下記(9)式の反応によ
つて起こるものと思われる。 C+CO2=2CO ………………(8) Fe2O3+3CO=2Fe+3CO2 ……………(9) すなわち、酸化鉄の鉄への還元は急速に進行し
それに伴なつて生起する還元鉄相互の融着によつ
て圧潰強度は著しく増大する。また、気孔率は、
高温となる程、炭素の消費と、酸化鉄の還元によ
る酸素の除去とが活発になり、これもまた増大す
る結果、後続の還元工程において高い被還元性を
示す。 かくして本発明方法によつて得られた焼成ブリ
ケツトは後次工程である還元工程に付される。 還元工程は第1図に示す通り、シヤフト炉法1
0,ロータリーキルン法30または溶融還元法3
1を状況に応じて随意に適用し得る。それらの各
方法における還元剤は次の通りである。 (イ) シヤフト炉法 第1図を参照して既に述べた通り、流動層熱
分解炉3から発生するC1〜C4の炭化水素ガス
にH2O、CO2を添加し、Ni基触媒を充填したガ
ス改質炉6でH2、COよりなる還元性ガスを製
造し、これを脱水、脱硫酸、還元剤として使用
する。改質炉6中での反応は例えばメタンガス
の場合、既充の(2)式および(3)式の通りである。 (ロ) ロータリーキルン法 予備還元ブリケツト中の残留炭素と外装炭材
とを還元剤とする。但し、残留炭素量が少ない
場合は従来の炭材合併法より、若干、外装炭材
量が多く必要となる。 (ハ) 溶融還元法 オイルコークス、石炭等の固体炭素が適用さ
れる。 上記還元法のうち本発明方法によつて改質され
たブリケツトの特長を最大限に利用し、発揮し得
るロータリーキルン法について以下、若干詳説す
る。 本発明方法の予熱工程によつて圧潰強度および
予備還元率の増大したブリケツトはロータリーキ
ルン30に装入され、ブリケツト重量に対して20
〜50重量%の炭素を外装して、還元性ガス雰囲気
下、800〜1300℃、好ましくは1100〜1200℃の温
度に加熱して還元される。還元温度が上記範囲を
越えることは熱エネルギーの徒らな消費による運
転経費の高騰を招くばかりか、ブリケツトの粉
化、キルンリングの形成などを起こす傾向がある
ので避けるべきである。 外装炭材としては、例えば粒径約5〜10mmのコ
ークスがブリケツト重量に対し前述の割合、好ま
しくは30〜40重量%の量で用いられる。外装炭材
量が過少であると還元率が低下し、また外装炭材
が多いほど還元率は増大するが、逆に内装炭材の
還元寄与率が低下するので、必要以上の使用は避
けるべきである。 ロータリーキルン内物質占有率、即ちキルン内
容量をブリケツトと外装炭材とが占める比率は約
15〜20%程度が適している。また加熱は主バーナ
とロータリーキルン外套に装備されたシエルバー
ナとを作動して行なわれ、約1時間を要して予熱
温度から所定の還元温度まで昇温し、その後更に
1時間その温度に保持される。ロータリーキルン
の廃熱は既述の通り予熱工程に利用することがで
きる。 上記還元工程における還元ガスの組成の一例
は、 N2:CO:CO2=75:5:20 すなわち Pco/(Pco+Pco2)=0.2 ……………(10) であるが、(10)式の値を0.6まで増加させると、還
元率は更に向上するが、一方、内装炭材の還元寄
与率は低下し、還元ブリケツト中の炭素残留量は
増大する。 上述の還元工程において、ブリケツトは鉄分の
金属化率および還元率ともに90%以上に還元され
る。 本発明方法によつて予備還元された焼成ブリケ
ツトは、その大きい予備還元率と、大きい気孔率
に由来する高い被還元性との故に、前述の何れの
還元法によつても比較的短時間で容易に高率の還
元を行なうことができる。特にロータリーキルン
法を適用した場合、キルンの転動、摩耗作用によ
るブリケツトの粉化が最少限に抑制され、歩留り
の低下やキルンリングの生成が防止され、操業の
安定化、稼動率並びに生産性の著しい向上が達成
されるという顕著な効果がある。また、本発明方
法における予熱は、その熱源をスタート時には後
続のロータリーキルン廃熱に求め、また安定操業
時には焼成廃熱の利用でまかなうことができるた
め、エネルギーコストの増大を招くことがなく、
少ない運転経費を以つて実施可能であるという利
点もある。 本発明方法の上述の優れた作用、効果を更に以
下の実施例、参考例および比較例について述べ
る。 なお、実施例と比較例における圧潰強度および
気孔率は次のようにして求めた。 (1) 圧潰強度 島津製作所RS2型万能強度試験機を用い、ブ
リケツト1個に規定の加圧強度で圧縮荷重をか
け、ブリケツトが破壊した瞬間の負荷荷重
(Kg)をそのブリケツトの圧潰強度値とし、20
個の造粒物を破壊してそれらの平均値で表示し
た。 (2) 気孔率 ブリケツト試料の真比重および見掛比重から
次式によつて算出した。 P(%)=(S.SA)×100/S P:気孔率 S:真比重 SA:見掛比重 また、ブリケツテイングマシンにより成形され
たブリケツトの寸法、形状はすべて20mm×15mm×
10mm(約1.5cc)でアーモンドナツツ型とした。 比較例 第1図に示した鉄鉱石粉末利用の重質残油熱分
解装置の流動層熱分解炉から抜き出した副生炭素
13.6%付着鉄鉱石粉末95重量部に重質残油5重量
部をバインダとして混合し生ブリケツトを製造し
た。 鉄鉱石はリオドセ(ブラジル)鉄山産のものを
ボールミルで粉砕し、粗大粒子を除去し、150℃
に加熱乾燥後使用した。但し、流動層熱分解炉の
流動床として使用された鉄鉱石粉末の粒度は、−
325mesh60%であり、また使用した重質残油は現
在商業生産に使用されている減圧蒸留装置の塔底
油で、原油は大慶原油である。重質残油の性状は
次の通りである。 〔物理的性状〕 比重(15/4℃) 0.9278 粘度(センチストークス)343(at 75℃) 120(at100℃) 軟化点(℃) 40.6 〔元素分析値〕 C:87.0% H:12.3% N:0.39% S:0.22% 〔工業分析値〕 ASH:0.03% WM :92.51% FC :7.46% 前記ブリケツテイング条件および生ブリケツト
の性状は次の通りであつた。 〔ブリケツテイング条件〕 混練時間 : 5.0分 混練温度 : 180℃ 成形圧 : 150Kg/cm2 〔生ブリケツトの物理的性質) 見掛比重 : 275g/c.c. 真比重 : 3.90g/c.c. 気孔率 : 29.49% 圧潰強度 : 4.4Kg/個 〔生ブリケツトの化学組成〕 T・Fe: 55.47% FeO : 19.09% M・Fe: 0.09% C : 13.00% S : 0.077% 上記のブリケツトをポツトグレート炉に装入
し、ロータリーキルンからの廃熱による予熱を想
定して第3図に示すような4種類のヒートパター
ンで従来法に基く予熱試験を行なつた。その予熱
条件および得られたブリケツトの性状を第1表に
示す。
【表】
【表】 第1表に見られる通り、従来法による予熱工程
を経たブリケツトの圧潰強度は1.8〜6.8Kgであ
り、予熱温度の上昇と共に強度は低下し、予熱温
度約850℃の場合(実験No.PH−2)、1.8Kgと非常
に低い値を示している。このものをロータリーキ
ルン中で公知の還元工程に付したところ、キルン
内で何れも造粒物が可成り粉化して歩留りが低下
するとともに第4図に示したような塊状物または
キルンリングが生成し、操業に支障を来たした。 実施例 前記比較例で製造したブリケツト30Kgをポツト
グレート炉中に試料層高さ0.2mとなるように装
入し、グレート下方よりバーナ予熱を行ない、試
料層温度を600℃〜700℃にした後、バーナを消火
し、空気を下向通風することによつて、ブリケツ
ト中の炭素を自燃させ焼成した。 なお、空気の送通量は毎分4286125Nm3/m3
3水準に変化させた。 第5図は予熱および焼成時におけるヒートパタ
ーンを示す線図である。空気を毎分125Nm3/m3
吹込んだ実験においては、試料層下部温度は9分
間で1200℃に到達した。 第2表に予熱・焼成条件および焼成後ブリケツ
トの性状を示した。
【表】
【表】 第6図の線図は、焼成温度と焼成ブリケツトの
還元率、圧潰強度および気孔率との関係を表わし
たものである。 同図から明らかなように還元率は焼成温度の上
昇とともに大きくなつており、焼成温度1200℃の
場合に61%という還元率が得られた。この還元反
応は、ブリケツト外周部の炭素が燃焼することに
よつて生成したCO2とブリケツト内部の炭素とが
前記(8)式の如く反応してCOを生成し、ブリケツ
ト内部を高CO分圧となし、前記(9)式によつて生
起するものであることは、試料ブリケツトの断面
を観察した結果、還元が内部から進行しているこ
とが確認されたことから首肯される。 圧潰強度は、還元率の挙動と同様に焼成温度の
上昇とともに向上し、1200℃で焼成した場合、34
Kgという大きい強度を示している。 気孔率は、高温になるほど炭素の消費と還元に
よる酸素の除去とが活発になつて、増大する。 消費炭素量は、焼成温度1000℃の場合9%、
1100℃の場合10.5%、1200℃の場合、10.7%であ
つた。 以上の実験結果から本発明方法による予熱焼成
は、ブリケツト中の内装炭素量を熱源と還元剤に
利用することによつて強度が著しく向上し、高度
に予備還元できることが立証された。 参考例 本発明方法により製造した焼成ブリケツトの被
還元性を始めとする性能評価を行なうため、ロー
タリーキルン、シユミレータを使用して還元実験
を試みた。 還元条件としては、還元温度1135℃、還元時間
120分、外装炭材40重量%、キルン回転速度10r.
p.mで実施した。 なお、雰囲気調整用のガスとして、N2:75
%、CO2:15%、CO:10%の混合ガスを15/
min流通させた。 この実験に適用された、従来法で予熱したブリ
ケツトと本発明方法により1200℃で焼成したブリ
ケツトとの性状を第3表に示す。
【表】 第7図は上記両ブリケツトの還元率および粉化
率の経時変化を比較して示した線図である。 電気炉製鋼用原料としての還元率90%以上を得
るに必要な還元時間で両者を比較すると、従来法
の場合の100分に対して本発明方法の場合は60分
に短縮することができ、生産性を著しく向上させ
ることが可能となる。 また、還元中における粉化は、従来法の場合、
還元初期から活発に始まり、還元時間60分で粉化
率55%という最大値を示した後、還元の進行とと
もに見掛上低下している。この見掛上の粉化率の
低下は、一旦粉になつたものが、高温雰囲気に曝
されることにより近傍のブリケツトまたは外装炭
材と溶着し、第4図に示すような塊状化物を生成
するためである。 一方、本発明方法によるブリケツトの粉化率は
著しく減少しており、還元工程を通じて最大の場
合においても10%以内に過ぎない。 以上の結果から本発明方法で予備還元されたブ
リケツトは、従来法で製造したブリケツトに比べ
て被還元性に優れており、かつ還元中における粉
化も頗る少なく、極めて良好なブリケツトである
ことが確認された。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明方法を適用する重質残油利用還
元鉄製造法の概要を示すフローシート、第2図は
本発明方法における予熱工程のフローチヤート、
第3図イ,ロ,ハ,ニは従来法による予熱工程の
4種類のヒートパターンの線図、第4図イ,ロは
ロータリーキルン内でブリケツト粉化により生成
した塊状化物の形態図、第5図は本発明方法によ
る予熱および焼成時のヒートパターンを示す線
図、第6図は本発明方法による焼成時の焼成温度
と、焼成ブリケツトの還元率、圧潰強度および気
孔率との関係を示す線図、また第7図は従来法お
よび本発明方法で得られたブリケツトの還元工程
における還元率および粉化率の経時変化を比較し
て示した線図である。 1……鉄鉱石加熱炉、2……配管、3……流動
層熱分解炉、4……配管、5……配管、6……ガ
ス改質炉、7……冷却器、8…ガスヒータ、9…
…脱硫管、10……シヤフト炉、11……下方配
管、12……配管、13……ブリケツテイングマ
シン、14……グレートキルン、15……ブリケ
ツト、16……予熱室、17……焼成室、18…
…トラベリンググレート、19……スプロケツト
ホイール、20……熱風炉またはバーナ、21…
…配管、22……集気ホツパ、23……排風機、
24……排気煙突、25……ダクト、26……配
管、27……送風機、28……ホツパ、29……
配管、30……ロータリーキルン法、31……溶
融還元法。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 鉄鉱石粉末を熱媒体として重質残油を熱分解
    し軽質油および分解ガスを製造する際に副生する
    炭素付着鉄鉱石粉末をブリケツト状に成形し予熱
    工程を経た後、該ブリケツトの炭素を還元剤とし
    て還元鉄を製造する方法の前記予熱工程におい
    て、予熱室とそれに続く焼成室とよりなるグレー
    トキルンに前記ブリケツトを供給し、該ブリケツ
    トを予熱室で600〜700℃に加熱した後、引続き焼
    成室で空気を送通して1000〜1300℃の温度に到ら
    しめることを特徴とする重質油熱分解に利用した
    鉄鉱石粉末よりの造粒物の改質方法。 2 空気の送通がブリケツト1m3当り毎分40〜
    170Nm3の容積速度を以つて行なわれる特許請求
    の範囲第1項記載の重質油熱分解に利用した鉄鉱
    石粉末よりの造粒物の改質方法。 3 ブリケツトが少なくとも10重量%の炭素を含
    有するものである特許請求の範囲第1項または第
    2項記載の重質油熱分解に利用した鉄鉱石粉末よ
    りの造粒物の改質方法。 4 焼成室より排出される熱風を予熱室の加熱に
    有効利用する前記特許請求の範囲第1〜3項の何
    れかの項に記載の重質油熱分解に利用した鉄鉱石
    粉末よりの造粒物の改質方法。
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