JPS6246658Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は耐摩耗性及び耐衝撃性に優れたコンベ
ヤベルトに関するものである。

コンベヤベルトは各種積載物の輸送目的や、積
載物の種類、使用条件などにより夫々適合する各
種構造に設計された数多くのベルトが使用されて
いるが、このうち鉱石類などの如く重量物を搬送
するコンベヤベルトはトラフ形状で輸送する関係
上、ベルト表面中央部が偏摩耗し易いと共に、ベ
ルト両サイド部がホツパーやシユートの下部に取
付けたスカート部と絶えず接触しているためベル
ト両サイド部も偏摩耗する問題がある。

本考案者は、かかる実情に鑑み、それらベルト
の偏摩耗を防止すべく、かねて鋭意研究を行ない
その結果、先に、耐摩耗材の使用形態に改善の余
地があることを知見し、改良を提案した。その特
徴とするところは、第１図に図示する如くベルト
の表カバーゴム２′の表面に各種材料よりなる方
形状の耐摩耗性板状片群１′をベルト長手方向及
び幅方向にゴム層が埋め込まれた0.5mm以上の隙
間（以下スリツトと称す）を設けて貼着しベルト
表面の偏摩耗を防止し、合わせてベルト走行時に
おける屈曲性、トラフ性を改良するものであつた
が、特殊なケースとして衝撃落差の比較的大きな
ラインで使用する場合、輸送物による衝撃により
耐摩耗性素材１′に剥離、割れ、摩耗等の損傷が
生じ、耐摩耗性素材の効果が充分、発揮できない
という問題が発生した。

そこで、かかる問題について、その原因を探求
し考察したところ抗張体３′上下の表カバーゴム
２′と裏カバーゴム４′の厚みや、カバーゴムの硬
度に関連をもつていることを知見するに至つた。

かくて、本考案は前述の如き現状に対しその問
題点を解消することを目的としカバーゴムのゴム
厚ならびに硬度に着目して輸送物による衝撃を緩
和し、表カバー層表面に貼着された耐摩耗性素材
を保護し、耐摩耗性、耐衝撃性にすぐれたコンベ
ヤベルトを提供するものである。

即ち、本考案の特徴とするところは前記耐摩耗
性コンベヤベルトにおいて、その裏カバーゴムの
厚みを表カバーゴムのそれより厚くなし、かつそ
の硬度をJIS硬度30゜〜55゜と低くなした点にあ
る。

以下、本考案に係る耐摩耗性コンベヤベルトの
具体的な実施態様を更に添付図面により詳細に説
明する。

第２図及び第３図は本考案に係るコンベヤベル
トの横断面図及び平面図で、表カバーゴム２と裏
カバーゴム４との間に抗張体３を埋設してなるコ
ンベヤベルトの前記表カバーゴム２の表面に方形
状の耐摩耗性板素材片１がベルト中央部の長手方
向に、互いにスリツト５を存し、又ベルト巾方向
にも互いにスリツト６を存して多数格子状の埋め
込み配設されている。

このうち前記裏カバーゴム４は特に本考案の要
部をなすものでそのカバーゴム厚が表カバーゴム
２の厚みより最低５mmほど厚く、かつ、そのカバ
ーゴム硬度は通常のカバーゴム硬度がJIS硬度55
゜〜70゜であるのに対し、それよりも低いJIS硬
度30゜〜55゜の範囲の低硬度のゴムとなつてい
る。なお表カバーゴム層は表面に貼着された耐摩
耗性素材片１の厚みよりも最低１mm厚くするよう
にする。

ここで、前記カバーゴム２，４はNR，SBR，
BR，GR，NBR，EP系ゴム等の単一材又はブレ
ンドからなるゴムが使用され、抗張体３は帆布の
外、繊維ロープ、スチールコード等、既知の抗張
体が用いられる。

又、前記耐摩耗性素材片１の材質としてはセラ
ミツク、FeSS−41（軟鋼）、ヘルテン（硬鋼）、
Mn，Cr，Moなどの合金鋼よりなる金属又はキヤ
ストナイロン、UHMW−PE（超高分子ポリエチ
レン）、ポリウレタン等の耐摩耗性を有し、か
つ、耐熱性にすぐれ滑り易いプラスチツク、もし
くはバサルト（玄武岩）、大理石等の岩石類の１
種又は２種以上が混合して使用され、通常、厚さ
1.0〜5.0mmで、10〜20mm四方角の方形状として使
用配置する。

なお、配置に際しては、前記の如く、ベルト長
手方向及びベルト巾方向に夫々スリツト５，６を
設けて格子状に配置するのが最も一般的な態様で
あるが、スリツト５，６の大きさとしては通常、
0.5mm以上とするのが好適である。0.5mm未満の場
合には実際上、格別の効用を得るには至らない。

しかし、ベルト巾方向における前記スリツト６
は、耐摩耗性素材片両側面で10〜30゜の切欠部を
形成することによつて代替させることができる。

しかして、上記配置においてベルト長手方向に
スリツト５を設けることは、ベルト走行時、変角
部やベンドプーリ、スナブプーリ附近でリバース
による過分な圧縮が加わる際の耐屈曲性を良好な
らしめると共に、表カバーゴム２が該スリツト５
部に埋め込まれるため耐摩耗性素材片１の離脱を
防止するのに有効であり、一方、ベルト巾方向に
スリツト又は切欠部６を設けることは走行時のベ
ルトのトラフ性を維持する上に有用である。

そして上記材質よりなる多数又は複数個の方形
状板状片１は表カバーゴム２の中央部長手方向に
沿つて所定幅で格子状に埋めこまれるが通常は自
然加硫タイプの未加硫ゴムを貼着して埋め込み接
着するか又は加硫時に加圧、加熱して表カバーゴ
ム２と同一平面上に埋めこみ貼着する。

以上の如く、本考案による耐摩耗性、耐衝撃性
コンベヤベルトは表カバーゴム層の表面に方形状
の耐摩耗性素材片群を部分的に埋め込み貼着した
コンベヤベルトの裏カバーゴム層の厚みを表カバ
ーゴム層の厚みより厚くし、かつ裏カバーゴム層
の硬度を通常の場合に比し低硬度にすることによ
り、ゴム厚、硬度要件が相俟つて輸送物による衝
撃力が大巾に緩和され、実際に確認したところで
は30〜50％緩和させ得ることが判明し、しかも裏
カバーゴムの厚さより耐摩耗性に保持され、同時
に表カバー層表面に貼着された耐摩耗性素材を保
護し、耐摩耗性と耐衝撃性にすぐれたコンベヤベ
ルトとして実用上、頗る有用性大である。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の耐摩耗性コンベヤベルトの横断
面図、第２図は本考案に係るコンベヤベルトの１
例を示す横断面図、第３図は同第２図の平面図で
ある。 １……耐摩耗性素材、２……表カバーゴム、３
……抗張体、４……裏カバーゴム、５……スリツ
ト、６……スリツト又は切欠部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 抗張体に対し上面に表カバーゴム層、下面に裏
   カバーゴム層を配し、それら表裏カバー層間に上
   記抗張体を埋設すると共に、表カバーゴム層の表
   面に方形状の耐摩耗性素材片群を部分的に埋め込
   み貼着せしめたコンベヤベルトにおいて前記コン
   ベヤベルトの裏カバーゴム層の厚みを表カバーゴ
   ム層の厚みより厚くし、かつ、裏カバーゴム層の
   硬度をJIS硬度30゜〜55゜の範囲内となしたこと
   を特徴とする耐摩耗耐衝撃性コンベヤベルト。