JPS6245758B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、受信したテレビジヨン信号の状態に
応じて中間周波増幅段の周波数特性を自動的に変
化させ、再生画像を常に最良な状態に保つことが
できるようにしたテレビジヨン受像機に関する。

テレビジヨン受像機においては、アンテナ結合
回路に存在するミスマツチングによる信号の多重
反射、チユーナ部分における複数の同調回路間に
存在するミスチユーニングなどにより、その周波
数特性に歪が生じやすく、再生画像の解像度が不
足したり、信号の過大なオーバーシユートにより
再生画像が不自然になつたり、或いは、音声信号
と色信号間に干渉が発生して再生画像面に縞模様
を生じたりし、著しく画質が損なわれることがあ
つた。

勿論、組立時における調整を完全に行ない、据
付、使用時における設置を完壁に行なうことによ
り、上記のようなことは生じない筈であるが、そ
のようなことが実際上、望み得る筈もなく、一般
的にはほとんどのテレビジヨン受像機が不充分な
状態で使用されているのが実状である。

本発明の目的は、事実上望み得る程度の使用状
態のもとでも充分な性能を発揮することができる
テレビジヨン受像機を提供することである。

この目的を達成するため、本発明は、テレビジ
ヨン受像機において受信されたテレビジヨン信号
の状態に応じて中間周波増幅段の周波数特性を変
化させるようにし、その手段として弾性表面波素
子を適用し得るようにした点を特徴とする。

以下、本発明を第１図ないし第６図につき説明
する。

第１図は、本発明による一実施例のブロツク図
で、１はアンテナ、２はアンテナ１で受信したテ
レビジヨン信号を選択同調し、適当に増幅して周
波数変換するチユーナ、３は後で詳細に説明する
が、本発明の特徴であるSAWフイルタ、４は複
合SAWフイルタ３の反射電極対に結合された反
射率制御回路、５は映像中間周波増幅回路、６は
検波回路、７は信号処理回路、８はブラウン管、
９は偏差検出回路である。

アンテナ１で受信され、チユーナ２で中間周波
信号に変換されたテレビジヨン信号は、複合
SAWフイルタ３から中間周波増幅回路５を通つ
て増幅され、検波回路６で検波されてから処理回
路７を経てブラウン管８に加えられ、テレビジヨ
ン画像を再生されるが、アンテナ１から検波回路
６までの間で種々の歪みを受け、正しい画像の再
生が行なわれなくなる。

そこで、偏差検出回路９により検波されたテレ
ビジヨン信号中の色幅搬送波信号のレベルを検出
し、その検出したレベルに応じて反射率制御回路
４を動作させ、SAWフイルタ３の特性を制御
し、テレビジヨン受像機のアンテナ１から検波回
路６までに到る部分での周波数特性を変化させる
ようにする。

これにより、検波回路６から得られるテレビジ
ヨン信号は、正しい振幅−周波数特性を有するも
のとなり、画像に歪みを与えることがなくなる。

すなわち、テレビジヨン受像機のアンテナ１か
ら検波回路６までにおける周波数特性の変化は、
色幅搬送波信号と映像搬送波信号との振幅の差に
なつて現われ、しかも、それによつて再生画像の
解像低下やリンギングを伴なつた画像となるなど
再生画像の歪みを起こすのであるから、色幅搬送
波のレベルを検出し、それが所定のレベルとなる
ように中間周波増幅段で補正することにより、自
動的に歪のない画像の再生を行なわせることがで
きる。

この場合、問題となるのは、中間周波段でその
帯域内における振幅−周波数特性をどのようにし
て制御するかであるが、本実施例ではそのため
に、弾性表面波（SAW）素子により構成された
SAWフイルタ３を使用した点に特徴がある。

第２図は、本発明に係るSAWフイルタ３の具
体例で、適当な材料で作られた基板３０（この材
料としては、結晶体、ガラス、セラミツク、金属
などが使用可能であるが、圧電特性を有するもの
が使用されることが多い）の表面に、入力電極対
３１、出力電極対３２、および反射電極対３３を
設け、入力電極対３１に供給された中間周波数信
号が基板３０の表面を伝ぱんする弾性表面に変換
され、所定の遅延時間τ_０で出力電極対３２に到
達し、そこで再び中間周波数信号に変換されると
共に、その弾性表面波の一部が出力電極対３２を
通過して所定の遅延時間τ/2で反射電極対３２に
達し、反射されて再び出力電極対３２に戻され、
中間周波数信号に変換されるようにする。

これらの電極対３１，３２，３３としては、そ
れぞれの特性に応じて任意の構成のものを採用す
ればよいが、くし歯状の電極を互に入りくんだ形
で組み合わせた（スプリツトコネクタ指形）電極
対を使用するのが簡単である。

従つて、入力端子Ａから加えられた信号は入力
電極３１で弾性表面波となつて基板３０上を伝ぱ
んし、遅延時間τ_０だけ遅れた信号として出力電
極対３２の出力端子Ｂから取出されるが、このと
き、出力電極対３２と反射電極対３３の間を往復
して伝ぱんするのに要する遅延時間τだけ前の信
号が反射波によつて出力電極対３２に取出されて
くるので、結局、出力端子Ｂには遅延時間τだけ
差を有する信号が合成されて取出されてくること
になる。

さらにこのとき、反射波W₂によつて取出され
る遅延時間τだけ直接波W₁による信号よりも遅
れた信号の振幅は、反射率制御回路４によつて定
まるところの反射電極対３３の反射率（RW）に
よつて任意に制御することができる。

なお、これらの説明において、基板上を伝ぱん
する弾性表面波には、その伝ぱんにより減衰を生
じないものとして考えてある。

さて、この反射電極対３３によるRWは、制御
回路４により変化するが、これについて説明する
と、反射電極対３３をスプリツトコネツト指形と
して構成し、制御回路４を実数部がＧ_L、虚数部
がＸ_Lのアドミツタンスからなる可変インピーダ
ンス回路とし、この可変インピーダンス回路が反
射電極対３３の端子Ｃ，C′間に負荷として接続
されているものとする。

これにより反射率RWは、反射電極対３３の放
射抵抗を１／Ｇａ、容量成分のアドミツタンスをBaで あらわしたとき、 RW＝Ｇａ^２／（Ｇａ＋Ｇ_Ｌ）^２＋（Ｂａ＋Ｘ_Ｌ）^２……
…(1) という値をとることが知られている。（例えば、
Kentaro Hanma et.al.“Ａ triple transit
Supression technique”76.IEEE、Ultrasonics
Symposium、など）。

すなわち、制御回路４として、反射電極対３３
の容量成分アドミツタンスBaを打消すのに必要
な充分な値のインダクタンスＬ（そのアドミツタ
ンスは−Ba）と、可変抵抗（その抵抗値は１／Ｇａ） の並列接続からなる可変インピーダンス回路を用
いた場合、インダクタンスＬが反射電極対３３の
容量成分を打消してしまうから、(1)式は次のよう
になる。

そこで、制御回路４を構成する可変インピーダ
ンス回路の可変抵抗を、トランジスタ、FET、
ダイオードなどからなる周知の可変抵抗回路と
し、偏差検出回路９の信号によりその抵抗値１／Ｇ_Ｌ を制御するようにすれば、反射電極対３３の反射
率RWを零から100％の間で制御することができ
る。

さて、SAWフイルタ３において、入力電極対
３１から出力電極対３２に達する直接波W₁は、
それぞれの電極対３１，３２により減衰を受ける
だけであるが、反射電極対３３から戻つてくる反
射波W₂は、直接波W₁と同じく電極対３１，３２
により減衰を受ける上、さらに反射電極対３３に
おける反射率RWにより減衰を受けるから、結
局、直接波W₁と反射波W₂との振幅比はRWとな
つてくる。

そこで、このようにして直接波W₁と反射波W₂
により端子Ｂから出力信号を取り出すようにして
何故、フイルタとして動作するかを説明する。

以下の説明においては、既に述べた如く、基板
３０上における弾性表面波の伝ぱんには損失がな
く、また、各電極対３１，３２，３３における変
換動作は、取扱うテレビジヨン信号の伝送帯域幅
より充分に広い範囲にわたつて平坦な周波数特性
をもつて行なわれるものとする。

さて、SAWフイルタ３の端子Ａに入力信号Ei
として Ei＝ｅ^j〓^t ………(2) を供給すると、出力電極対３２には直接波による
成分E₂として E₂＝１／２ｅ^j〓^(t-〓₀ ⁾ ………(3) が発生する。

また、出力電極対３２を通過し返射電極対３３
で反射され再び出力電極対３２により検出される
反射波による成分E₃は E₃＝１／２RW・ｅ^j〓^(t-〓₀ ^-〓⁾ ………(4) となる。

従つて、出力端子ＢにはE₂とE₃が合成された
成分E₄が出力信号として発生する。すなわち、 E₄＝E₂＋E₅＝１／２ｅ^j〓^(t-〓₀ ⁾

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ テレビジヨン受像機の中間周波段に含まれ、
   それぞれ少なくとも１組の入力電極対、出力電極
   対および反射電極対を有する弾性表面波素子と、
   該弾性表面波素子の反射電極対に接続された反射
   率制御手段と、上記中間周波段に接続された検波
   回路と、該検波回路からの信号中に含まれる色副
   搬送信号の振幅を検出する手段とからなり、該色
   副搬送波信号の振幅を検出する手段からの出力信
   号を上記反射率制御手段に加えるようにしたこと
   を特徴とするテレビジヨン受像機。 ２ 上記弾性表面波素子は、各電極対が同一の表
   面上に配置される圧電基板を有し、各電極対の配
   置間隔は、入力電極対から出力電極対に直接受信
   される信号と反射電極対で反射された後出力電極
   対に受信される信号との遅延時間差τが正の整数
   ｎを用いて映像搬送波付近の角周波数ω_pにおい
   てω_pτ＝（2n＋３／２）πとなり、かつ色副搬送波付 近の角周波数ω_cにおいてω_cτ＝（2n＋１）πと
   なるように定められることを特徴とする特許請求
   の範囲第１項記載のテレビジヨン受像機。 ３ 上記反射率制御手段がインダクダンスと可変
   抵抗素子の並列回路からなることを特徴とする特
   許請求の範囲第１項記載のテレビジヨン受像機。 ４ 上記反射率制御手段が方向性結合器と可変利
   得回路からなり、弾性表面波素子の反射電極対は
   上記方向性結合器の一方の入力から上記可変利得
   回路の入力に結合され、該可変利得回路の出力は
   上記方向性結合器の他の入力から再び上記反射電
   極対に結合され、かつ、上記可変利得回路の利得
   制御入力は色副搬送波信号の振幅を検出する手段
   に結合されていることを特徴とする特許請求の範
   囲第１項記載のテレビジヨン受像機。