JPS6245006Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は自動制御装置によりプログラム制御
されるプリント板のメツキ装置に関する。

電子回路プリント板は通常電気メツキ法により
製造される。電気メツキは陰極面の電流密度を最
適の一定値に定つことが望ましく、プリント板の
電気メツキに際してもプリント板の寸法ではなく
基板上のパターンの面積に応じた電流を流す必要
がある。そこでメツキ作業に際してはメツキ作業
用のハンガに１枚〜数枚のプリント板を取付け、
これらのパターン面積を予め算出しておき、メツ
キ槽に浸漬したときその面積に比例した電流を直
流電流から供給している。

また自動化されたプリント板メツキ装置におい
ては、自動制御装置によりプログラム制御された
自動搬送機によつて、一連のメツキ槽の中に一つ
を選択し、この選択されたメツキ槽にプリント板
を取付けたハンガを浸漬して、メツキ処理を施す
様に構成されている。

しかし上記したように所要の通電電流はプリン
ト板のパターンに応じて、即ちハンガ毎に設定す
る必要があるため、従来は一つのメツキ槽に一台
の定電流制御型整流器を接続して、一つのメツキ
槽即ち一つのハンガ毎に電流を自由に調整できる
ようにしておくと共に、ハンガ毎の所望電流値を
前記自動制御装置に記憶させておき、ハンガを一
つの槽に選択浸漬した時その槽に接続された定電
流制御型整流器に指令して、その指令された電流
値で定電流通電を開始する様に構成されている。

しかしプリント板の総パターン面積は板自体の
全面積の一部に過ぎないため、ハンガ当りの総通
電面積は通常の金属製品をメツキする場合に比較
して遥かに狭い。そのためハンガ当りの電流も通
常のメツキの場合に比べて少くなり、ハンガ自体
の導体部断面積は僅少となつている。しかも周知
のようにプリント板自体は極く軽量であるため、
これを支持するハンガの構造も特に頑丈なものを
要しない。その結果ハンガ当りの全重量は他の金
属製品をメツキする場合に比較して極めて軽量に
なるのが普通である。

メツキ槽におけるハンガへの通電は、ハンガが
槽壁上に設置された通電用ハンガ受けに支承さ
れ、該通電用ハンガ受けから直接通電されるもの
で、その接触圧力はもつぱらハンガの重量に頼つ
ている。

したがつてハンガの重量が軽いと接触圧力が不
足し、往々にして接触不良が生ずるという問題が
生ずる。接触不良があれば被メツキプリント板へ
の通電が断たれる結果、メツキ作業が害され、製
品の品質に悪影響を与える結果となる。

本考案は上記した従来のものの欠点を改善する
ためになされたもので、自動制御装置によりプロ
グラム制御される自動搬送機において、ハンガが
一つのメツキ槽に浸漬され同時に自動制御装置に
記憶されていたハンガの所望電流値が前記メツキ
槽に接続された定電流制御型整流器に指令されて
定電流運転を開始した後に、整流器の出力端子電
圧を監視し、異常に高い電圧があらわれている場
合に警報を発することによりハンガとハンガ受け
との接触不良によるメツキ不良を防止せんとする
ものである。

以下図面に基づいて本考案の一実施例を説明す
る。

図中、１は一連に並設されたメツキ槽の一つ、
２は定電流制御型整流器、３は交流電源、４はメ
ツキ槽１の両側に常時浸漬されている陽極、５は
被メツキプリント板である。プリント板５はハン
ガ６に取付けられており、該ハンガ６は更に槽壁
に固定されているハンガ受け７に支承されてい
る。前記陽極４は整流器２の側、ハンガ受け７
は側に接続されている。８は自動制御装置であ
り、搬送機（図示せず）を制御してハンガ７を自
動搬送して一連のメツキ槽に選択浸漬させると同
時に、ハンガ７毎のプリント板５のパターン総面
積に応じて通電すべき電流を記憶し、当該ハンガ
７がメツキ槽１に浸漬した時対応する整流器２に
上記電流値を指令する。

以上のような構成において、本考案においては
整流器２の正負直流出力端子間に電圧継電器９が
介装されている。この継電器９はある入力電圧ま
では作動せず、その電圧を超えると作動するよう
に構成されているもので、例えばメータリレー等
従来より市販されているものである。この電圧継
電器９のａ接点１１は、ゲート１０を介し警報器
１２と電源３との間に介装されている。ゲート１
０は制御装置８が整流器２に電流値を指令してい
る期間閉成するゲートである。

以上のような構成において、ハンガ６がメツキ
槽１に浸漬されてハンガ受け７より通電されてい
る間に、ハンガ６とハンガ受け７との間に接触不
良が生ずると、定電流制御される整流器２の出力
電圧はその最大電圧まで上昇するので、適当な値
に設定された電圧継電器９が作動する。継電器９
が作動すると、ａ接点１１が閉じて警報器１２が
鳴る。

またゲート１０は整流器が通電しているべき期
間のみ閉じているから、ハンガ６が搬送された後
に整流器出力電圧が最大値になつても警報器１２
は作動しない。

なお整流器を定電流制御型とすることは周知の
種々の手段により実現できるので、説明を省略す
る。

また電圧継電器の代りに、ボルテージコンパレ
ータと通常の電磁継電器とを組合せたものを使用
することも可能である。

以上説明したように本考案によればハンガとハ
ンガ受けとの間に接触不良が生じた場合、直ちに
警報器が作動し、作業者がこれを知ることが出来
るからプリント板のメツキ不良等を適確に防止で
きる等の効果がある。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すブロツク図であ
る。 １……メツキ槽、２……定電流制御型整流器、
３……交流電源、４……陽極、５……被メツキプ
リント板、６……ハンガ、７……ハンガ受け、８
……自動制御装置、９……電圧継電器、１０……
ゲート、１１……ａ接点、１２……警報器。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 自動制御装置によりプログラム制御されるプリ
   ント板のメツキ装置において、 このメツキ装置におけるメツキ用電源の電圧が
   所定値以上となつたことを検出する装置と、 この装置からの信号により作動する警報器とを
   そなえたことを特徴とするプリント板のメツキ装
   置。