JPS6244373B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は抵抗値の変化により電流を制限する
永久ヒユーズの構造に関するものである。

従来この種の永久ヒユーズとしては第１図に示
すものがあつた、図において１及び２は一対の電
流端子、３はピストン、４は封入ガス、５はNa
（ナトリウム）やＫ（カリウム）などのアルカリ
金属、６は熱伝導の良い絶緑樹脂、７は特殊セラ
ミツクス、８はステンレス鋼などを用いた外囲器
を示す。

次にこの装置の動作について説明する。この種
の永久ヒユーズは一般には抵抗器を並列に接続し
たものをノーヒユーズブレーカと直列に接続して
交流の主回路に挿入して使用される。

回路（図示せず）に短絡電流が流れると第１図
においてアルカリ金属５は自己のジユール発熱に
よつて高温、高圧で高抵抗のプラズマに変化し電
流端子１，２の間の抵抗が急激に増加して電流を
並列に接続した抵抗（図示せず）の抵抗値による
電流まで制限し直列に接続されたしや断容量の小
さいノーヒユーズブレーカ（図示せず）で電流を
しや断するようになつている。ピストン３、封入
ガス４はアルカリ金属５が短絡電流によつて高圧
化するのを防ぐ目的で設けられるものである。ノ
ーヒユーズブレーカにより電流がしや断されると
アルカリ金属５は熱伝導の良い絶緑樹脂６により
放熱しもとの電気抵抗の低い固体にもどるので何
回でも使用出来るものである。

従来の永久ヒユーズは永久ヒユーズを流れる電
流によるジユール熱を利用したため電流がある程
度以上の大きさを必要とする上、抵抗値を増加さ
せる電流値を任意に調整することが不可能であつ
た。

この発明は上記のように従来の欠点を除去する
ためになされたもので永久ヒユーズに別の加熱装
置を追加することにより永久ヒユーズの抵抗値を
増加させる電流値（動作点）を自由に調整するこ
とが出来るようにしたものである。また永久ヒユ
ーズの接続回路に過電流リレーを設け、過電流検
出により加熱装置を作動させることにより、永久
ヒユーズの動作電流には満たないが、定常電流を
上回る電流によつても、その継続時間によつては
永久ヒユーズを動作させるようにしたものであ
る。

以下この発明の一実施例を図について説明す
る。第２図において１〜８は上記従来装置と同様
であるから説明を省略する。９はアルカリ金属を
加熱するための加熱コイルを示す。

またこの発明の永久ヒユーズを使用した回路例
を第３図に示す。第３図において１０は回路を開
閉する開閉器、１１は回路の電流を検出する過電
流リレー、１２は被保護電動機、１３は開閉器１
０に連動した補助接点、１４は過電流リレー１１
の接点、１５は本発明の永久ヒユーズである。

この実施例について動作を説明する。第２図及
び第３図において加熱コイル９に外部より電流を
加えると加熱コイル９の熱によりアルカリ金属は
電流端子１，２間に流れている電流に関係なく高
温、高圧になり高抵抗のプラズマとなる。直流回
路用の開閉器ではしや断容量が大きいものが少な
いがこの永久ヒユーズを使用すると大きなしや断
容量のものが得られる。この直流電動機の回路に
過電流が流れると過電流リレー１１により過電流
を検出し、その接点１４で永久ヒユーズの加熱コ
イル９を急激に加熱すると永久ヒユーズ１５は高
抵抗となり回路の電流を制限する。また、加熱コ
イル９の加熱量を適当な値にすることにより、回
路に大電流が流れたときには永久ヒユーズ自身の
動作により電流を制限し、大電流にまでは至らな
いが定常電流を上回る電流が流れたときには過電
流リレー１１の動作により加熱コイル９を加熱
し、定常電流を上回る電流が継続するときにはア
ルカリ金属を高温、高圧で高抵抗のプラズマに変
化させ、電流を制限する。この電流が制限されて
いる間開閉器１０で回路をしや断するとしや断容
量の小さな開閉器で直流回路がしや断出来るよう
になる。開閉器１０が開くと、開閉器１０の補助
接点１３により永久ヒユーズの加熱コイルの電流
は切られ永久ヒユーズのアルカリ金属は冷却され
てもとの固体となり電気抵抗の低いものとなる。

上記実施例では永久ヒユーズに封入されたアル
カリ金属を加熱するのに絶緑樹脂の中にうめ込ま
れた加熱コイルにより加熱したが永久ヒユーズの
外部より誘導コイルや電子ビームにより加熱して
も良い。

以上のようにこの発明によれば永久ヒユーズの
動作点を可変にしたので短絡電流だけでなく過負
荷領域でも使用でき、かつ短絡電流と過負荷領域
の両方で動作するようにも使用できるので、動作
電流にまで到らないが、定常電流を上回る電流に
よつても、その継続によつては電流制限でき、直
流電動機等の直流負荷用の開閉器がしや断容量の
小さい安価なものでよいようになる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の永久ヒユーズを示す断面図、第
２図はこの発明の一実施例を示す断面図、第３図
はこの発明の永久ヒユーズを使用した一回路例を
示す配線図である。 １，２……電極、５……アルカリ金属、６……
絶緑樹脂、９……加熱装置。なお各図中、同一符
号は同一もしくは相当部分を示す。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 一対の端子間に密封容器を形成し、この密封
   容器の内部に封入されたアルカリ金属の抵抗値の
   変化により電流を制限する永久ヒユーズにおい
   て、上記密封容器に埋設され接続回路に設けられ
   た過電流リレーによる過電流検出に対応して動作
   する加熱コイルを備えてなることを特徴とする永
   久ヒユーズ。