JPS6242948Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、きのこの人工栽培をする場合、種菌
を育成するために、培養基を入れたびんにキヤツ
プを装着する装置にキヤツプを送り込むキヤツプ
送り込み装置に関するものである。

エノキダケ等のきのこの人工栽培の工程は、ま
ず米ぬかとおがくずを適宜混合し培養基をつくり
これを培養ビン内にビン詰めし、キヤツプをした
後加熱殺菌を行い、殺菌後キヤツプをとり、種菌
を接種して、再びキヤツプをして培養を行い、菌
糸がまんえんしたところでキヤツプを外し、死滅
菌をかき出し、その状態でキノコを育成させると
いうのが通常の工程である。従つて、培養基を入
れた培養ビンにキヤツプを取り付けるという作業
が２回あり、殺菌工程及び菌糸育成工程では被栓
作業は不可欠である。従来、この種の被栓作業は
手で行つてきたが、きのこの大量人工栽培が普及
するにつれて機械的手段による大量の被栓手段の
出現が望まれている。特に、きのこ栽培に従事す
る者は兼業農家が多く、広い工場を有するわけで
はないから、そのような装置は出来るだけコンパ
クトなものが要請されている。

考案者は、すでにかかる装置全体について開発
を行つたが、本考案はかかる装置に、キヤツプの
送り込む装置に関し設置面積が少なく、可及的に
コンパクトで且つスムーズに所望量のキヤツプを
送り込むキヤツプ送り込み手段を提供しようとす
るものである。すなわち、キヤツプ装着装置はキ
ヤツプの向きを一定方向に整える整向手段と、向
きを一定にされたキヤツプをコンベア等にて送ら
れてくる培養びんに冠着する冠着手段とから成る
が、前記整向手段内にキヤツプを送り込む装置と
しては、コンベア方式が容易に考えられるところ
である。しかし、コンベアから多数のキヤツプを
個別に前記整向手段に送り込む場合コンベアの設
置面積が大きくなり、工場敷地の有効利用を阻害
し、また、キヤツプをスムーズに送り込めるとは
限らない。本考案はかかる点に鑑みて為されたも
のであり、以下図面に従つて詳細に説明する。

１は、キヤツプ装着装置であり、２は、キヤツ
プＡの整向装置、３は、整向されたキヤツプＡを
反転させて、整列板４上に落とし、コンベア５に
より送られてくる培養びん６の口縁にキヤツプＡ
を冠着する冠着装置である。整向装置２は、コン
ベアと、縦の位置で送られてくるキヤツプＡの向
きを判別し、ある向きのキヤツプＡはそのまま通
過させ仰向け状態でコンベア上に導びき、他の向
きのキヤツプは、ソレノイドを利用して下方に衝
撃を与えて同じく仰向け状態にコンベア上に放出
するものであるが、、それ以外の手段にて整向す
るものであつてもよい。また、上記冠着手段３に
関しても、上記したもの以外のものでもよいこと
勿論である。

７は、本考案に係るキヤツプ送り込み装置であ
り、このキヤツプ送り込み装置７は、基台８に設
けられたホツパ９を有し、このホツパ９は、下向
きの楔形をしており、上方を開口１０とし、更
に、その後壁１１は後方に傾向している。１２は
後壁１１に連なる側壁であり、この側壁１２に沿
つて後壁１１は、第３図上左半分をホツパ９内に
開口１３している。なお、ホツパ９の前壁９ａは
垂直にしても差し支えなく、また、開口１３は、
下方のみでもよい。

第２，３図に示す実施例に於いては、後壁１１
の後に添板１４が設けられており、後壁１１と添
板１４の間には、下方のモータ１５の原軸１６と
上方に設けられた縦軸１７に架設されたチエン１
８が後壁１１に平行に回転自在に挾設されてい
る。添板１４は後壁１１に平行になつており、チ
エーン１８は両板１４，１１の間にあつてこれら
と平行に回転する。チエン１８には、開口１３内
に平行に臨んで下り勾配のすなわちその先端を下
向きにして上昇する複数のアーム１９が所望の間
隔で枢設されている。また、この上昇側のアーム
１９はその先端を側壁１２に近接すると共に全体
が添板１４に近接して上昇するものとなつてい
る。もつとも、この場合、アーム１９を断面Ｌ字
形にする場合には、添板１４を省略することがで
きる。

本考案は、以上のように構成されているので、
ホツパ９内に多数のキヤツプＡを充填したなら
ば、回転手段、すなわち第２，３図に示す実施例
においては、チエン１８を回転させる。チエン１
８に付設されたアーム１９は、後方に傾斜した後
壁１１に設けられた開口１３に沿い且つ下り勾配
で上昇する。後壁１１は傾斜しているので開口１
３の近傍にあるキヤツプＡは開口１３からアーム
１９上に適宜移行すると共に、第２，３図の実施
例では、添板１４に、その天板２７又は口縁２８
のいずれかを接してリフトされる。また、アーム
１９は下向きとなつているので、側壁１２側に位
置するキヤツプＡは、その周縁２９を側壁１２に
接しつつ摺動上昇せしめられる。このようにし
て、上方に案内されたキヤツプＡは、アーム１９
により運搬されるキヤツプＡの周縁が摺接移動す
る側壁１２の上方に設けられた搬入口２３から案
内筒２２内に導かれ下方の搬出口２５から整向装
置２上に赴むく。搬出口２５の上あご２６に設け
られた分銅２４は、キヤツプＡが搬出口２５を通
過する際、キヤツプＡの周縁に当たり、キヤツプ
Ａが連続的にタイムラグなしに吐出するのを防ぐ
ものである。

以上のように、本考案においては、ホツパの後
壁に開口が設けられると共に後壁と添板の間に上
下に軸を設けたチエンが内装され、このチエンに
先端に下り勾配与えられ、またその先端を側壁に
近接し全体が添板に沿つて上昇するアームが取り
付けられているため、ホツパから開口に入るキヤ
ツプは、アーム上で側壁方向にころがり付勢され
ながら、側壁と添板に接しつつ上方へ運ばれるこ
とになる。このように、チエンおよびこれに取り
付けられたアームは、後壁と添板の間にあつてこ
れらに平行に回転するので、ホツパの後方を可及
的に薄く構成することが出来、工場内の敷地を有
効に利用することが出来るものである。また、キ
ヤツプの上方への移送は、アームだけで行うので
はなく、添板及び側壁も利用されるのでアーム自
体をバー状にしておけば足り、添板及び側壁も平
面の板であるにすぎず、複雑な機構を必要としな
い。そして、アームの長さを長くすることにより
移送能力を調整することが出来るので、処理能力
に応じた装置を安価に且つ容易に製造することが
出来るものである。

更に、キヤツプの上方への移送は、先端を下に
向けたアームによつて行なわれるため、アーム上
のキヤツプは、側壁方向へころがり付勢されその
結果側壁上方に設けられた案内筒への搬入口に及
んだ時にはここから勢いを付けて速やかに落下
し、迅速且つ円滑なキヤツプの送り出し作業を確
保するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本装置とキヤツプ装着装置の組み合
わせ状態を示す側面図、第２図は、本装置の側面
図、第３図は、第２図のホツパの一部を切り開い
た状態を示す正面図、第４図は、案内筒の搬出口
部分の一部拡大断面図である。 １……キヤツプ装着装置、２……整向装置、３
……冠着装置、７……キヤツプ送り込み装置、９
……ホツパ、１１……後壁、１２……側壁、１３
……開口、１４……添板、１８……チエン、１９
……アーム、２２……案内筒、２３……搬入口、
２４……分銅、２５……搬出口。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 後壁を後方に傾斜させたホツパと、ホツパの後
   壁の側方に設けられた側板及び後壁の後方にこれ
   と平行に設けられた添板と、後壁と添板の間の上
   下に軸支され添板と平行に回転するチエンと、こ
   のチエンに枢設され上昇側がその先端を下向きに
   しながら側壁に近接し且つ添板に沿つて上昇する
   複数のアームと、後壁に形成されホツパ内に開口
   する開口と、側壁の上方に設けられたキヤツプ通
   過用の搬入口から外部にキヤツプを導く案内とか
   らなることを特徴とするきのこ培養びんのキヤツ
   プ装着装置へのキヤツプ送り込み装置。