JPS6242844B2 - - Google Patents

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JPS6242844B2
JPS6242844B2 JP53138699A JP13869978A JPS6242844B2 JP S6242844 B2 JPS6242844 B2 JP S6242844B2 JP 53138699 A JP53138699 A JP 53138699A JP 13869978 A JP13869978 A JP 13869978A JP S6242844 B2 JPS6242844 B2 JP S6242844B2
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JP
Japan
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phosphazene
oligomer
polymer
linear
reaction
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JP53138699A
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JPS5565228A (en
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Tsukuru Kinoshita
Yuzuru Ogata
Masayoshi Suzue
Tetsuo Hasegawa
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Otsuka Chemical Co Ltd
Original Assignee
Otsuka Chemical Co Ltd
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Publication date
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Priority to JP13869978A priority Critical patent/JPS5565228A/ja
Publication of JPS5565228A publication Critical patent/JPS5565228A/ja
Publication of JPS6242844B2 publication Critical patent/JPS6242844B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、密閉系で触媒として尿素系化合物を
用いかつ溶媒系または非溶媒系でハロゲン化金属
を有する線状ホスフアゼン系オリゴマーが5〜95
%(重量%、以下同様)の範囲で含有されたハロ
ゲン化金属を有する線状ホスフアゼン系オリゴマ
ーと環状ホスフアゼンオリゴマーとの混合物を
150〜350℃に加熱してホスフアゼン重合体に変換
することを特徴とするホスフアゼン重合体の製造
方法に関する。 ホスフアゼン重合体(ポリジクロロホスホニト
リル)はヘキサクロロサイクロトリホスホニトリ
ル(以下、トリマーという)の熱開環重合によつ
て製造されているのが一般的である。 ホスフアゼン重合体は19世紀初頭、すでにトリ
マーを強熱することによりはじめて合成された。
しかしながらこれは有機溶剤に不溶性のゲル化物
としてしかえられず、またきわめて加水分解し易
いためそのままみすごされていた。1960年代中葉
にいたつてエイチ・アール・オールコツク(H.
R.Allcock)らによりトリマーを真空封管中で注
意深く加熱することにより有機溶剤に可溶性のホ
スフアゼン重合体がえられることが見出され、さ
らに該重合体の分子骨格を形成するリン原子と結
合している塩素原子を適当な置換基、たとえばフ
ルオロアルコキシ基、パーフルオロアルコキシ
基、アリルオキシ基、アリールオキシ基、その他
のアルコキシ基などの求核基で置換することによ
り水、酸または塩基などに対してきわめて安定な
重合体がえられるようになつた。 これらのホスフアゼン重合体は、その無機物と
しての性質のために耐熱性、耐炎性、耐油性など
にすぐれ、耐火性発泡ゴム器具、プラスチツク用
難燃剤として好適に使用せられ、また−80〜−90
℃においてもその可撓性を保持するとともに耐油
性や耐作動流体性などのすぐれた性質を有するた
めにO−リング、ガスケツト、炭化水素系燃料ホ
ースなどとして工業分野への利用研究が広く行な
われている。また前記重合体は生体組織との相互
作用がきわめて小さいことが明らかにされ、血管
代用物、人工臓器などとして生体医学分野への利
用研究もさかんに行なわれている。 ホスフアゼン重合体の利用分野が広がるに伴な
つて、該ホスフアゼン重合体の製造方法も種々開
発されてはいるが、その多くは前記のごとくトリ
マーの熱開環重合によるものであり、ほとんどは
エイチ・アール・オールコツクらの製造方法を改
良あるいは変更したものである。たとえばトリマ
ーをオクタクロロサイクロテトラホスホニトリル
(以下、テトラマーという)中で封管を用いて200
〜350℃で熱開環重合する方法、トリマーに五塩
化リンを加えて封管中で熱開環重合する方法、触
媒として酸や金属、第4級アンモニウム塩などを
用いてトリマーを有機溶媒中で熱開環重合する方
法、触媒として水を用いてトリマーを熱開環重合
する方法、触媒としてルイス酸を用いてトリマー
を熱開環重合する方法、部分的に塩素原子がアル
コキシ基で置換されたクロロアルコキシサイクロ
トリホスホニトリルを200〜250℃で熱開環重合す
る方法などが一般に行なわれている。 しかしながら、これらの従来技術ではトリマー
のホスフアゼン重合体への転換率を数10%以上に
あげようとすれば、必ずゲル化がおこるのでその
転換率が数10%に達した時点で反応を停止し、未
反応のトリマーを昇華法または再沈法などにより
回収しなければならず、しかもホスフアゼン重合
体への熱開環重合が行なわれるのはトリマーのみ
であり、テトラマー以上の大環状ホスフアゼンオ
リゴマーはそれ自体が熱開環重合をしないのみな
らず、トリマーの開環重合を抑制する傾向がつよ
く、そのため前記開環重合に用いるトリマーは高
純度のものであることが必然的に要求される。 一方、ホスフアゼン重合体の製造原料であるト
リマーの合成は、通常五塩化リンと塩化アンモニ
ウムとを適当な溶媒系で反応させて行なわれる
が、反応生成物として目的とするトリマーのほか
に、線状ホスフアゼンオリゴマー、デカクロロサ
イクロペンタホスホニトリル(以下、ペンタマー
という)などの大環状ホスフアゼンオリゴマーが
副生成物として生成され、現行技術においては原
料から50%程度の収率でしかトリマーがえられな
いのが実状であり、したがつて製造コストが高く
なるのはいなめない。 なお、ホスフアゼンオリゴマーの合成方法(前
記トリマーの合成方法はこの範ちゆうにある)と
しては、リンと塩化アンモニウムとの反応による
もの、三塩化リンと塩素ガスおよび塩化アンモニ
ウムとの反応によるもの、五塩化リンとアンモニ
アとの反応によるもの、五塩化リンと塩化アンモ
ニウムとの反応によるものまたはこれらの反応を
金属などを触媒に用いて行なうものなど種々の合
成法が提案されているが、その基本となる反応は
あくまでも五塩化リンと塩化アンモニウムとの反
応であり、鉄、コバルト、ニツケル、アルミニウ
ム、亜鉛、スズなどの金属またはそれらの金属塩
を触媒とするのが一般的である。この反応メカニ
ズムは金属塩を有する線状ホスフアゼン系オリゴ
マーや線状ホスフアゼンオリゴマーを経由して環
状ホスフアゼンオリゴマーが生成するものといわ
れており、その生成物は、通常金属塩を有する線
状ホスフアゼン系オリゴマーおよび線状ホスフア
ゼンオリゴマーと環状ホスフアゼンオリゴマーと
の混合物であり、それぞれの生成比率はその反応
条件により変化せられる。 反応の概略を(1)式に示す。(1)式において〔A〕
は金属塩を有する線状ホスフアゼン系オリゴマー
および線状ホスフアゼンオリゴマー、〔B〕は環
状ホスフアゼンオリゴマーをそれぞれ示す。
【表】 〔A〕は一般的には2≦n≦20のオリゴマーで
あるが、反応条件によつてはn>20の高分子量の
ホスフアゼンオリゴマーであることもあり、触媒
として金属または金属塩などを用いるばあいには
低分子量のオリゴマーとなるのが普通である。触
媒として金属または金属塩を用いると、そのほと
んどが線状ホスフアゼンオリゴマーに結合して線
状ホスフアゼンオリゴマーの金属塩化物の形で回
収される。えられる金属塩を有する線状ホスフア
ゼン系オリゴマーおよび線状ホスフアゼンオリゴ
マーは、通常、(1)式における〔A〕−(a),〔A〕−
(b),〔A〕−(c)および〔A〕−(d)の混合物として考
えられる。〔B〕はトリマーが主成分であり、一
般的にはテトラマーまでの小さいホスフアゼンオ
リゴマーが結晶としてえられ、他は油状体として
えられる。ただ注意深く結晶化することによりヘ
キサデカクロロサイクロオクタホスホニトリル
(オクタマー)までが結晶化することが知られて
いる。一般的にこの反応を五塩化リンの過剰の系
で行なうときまたは触媒を大量に用いるときは、
〔A〕の生成する割合が多くなりしかも〔A〕の
分子量は小さくなるのが普通である。しかしなが
ら、いかなる条件下においても〔A〕を単独また
は〔B〕を単独に生成せしめることは困難であ
り、むろんトリマーのみをうることはさらに困難
である。 かくのごとくホスフアゼン重合体の製造原料で
あるトリマーが高純度で入手しえないこと、また
そのホスフアゼン重合体への開環重合反応による
収率が小さいことなどから、ホスフアゼン重合体
は目下のところ低コストで製造されえないのが実
状である。 しかるに本発明者らは叙上の欠点を排除し、ホ
スフアゼン重合体を工業的有利に製造するため
に、製造原料について検討した結果、密閉系でハ
ロゲン化金属を有しない線状ホスフアゼンオリゴ
マーが5〜95%の範囲で含有されたハロゲン化金
属を有しない線状ホスフアゼンオリゴマーと環状
ホスフアゼンオリゴマーとの混合物を150〜350℃
に加熱するときは環状ホスフアゼンオリゴマーが
定量的にホスフアゼン重合体に開環重合するが、
一方、該線状ホスフアゼンオリゴマーが5%より
少ない前記ホスフアゼンオリゴマーの混合物を前
記同様に加熱するときは逆に環状ホスフアゼンオ
リゴマーのホスフアゼン重合体への開環重合が抑
制される傾向にあり、しかも該線状ホスフアゼン
オリゴマー自体もホスフアゼン重合体へ重合しえ
ないことを見出した。この知見に基づいてさらに
研究を重ねた結果、密閉系で触媒として尿素系化
合物を用いかつ溶媒系または非溶媒系で、ハロゲ
ン化金属を有する線状ホスフアゼン系オリゴマー
(以下、特定の線状ホスフアゼン系オリゴマーと
いう)が5〜95%の範囲で含有された特定の線状
ホスフアゼン系オリゴマーと環状ホスフアゼンオ
リゴマーとの混合物を150〜350℃に加熱すること
により、環状ホスフアゼンオリゴマーとともに特
定の線状ホスフアゼン系オリゴマーをも線状ホス
フアゼン重合体へきわめて収率よく変換しうるこ
とを見出し、本発明を完成するにいたつた。 すなわち本発明は密閉系で触媒として尿素系化
合物を用いかつ溶媒系または非溶媒系で、特定の
線状ホスフアゼン系オリゴマーが5〜95%の範囲
で含有された特定の線状ホスフアゼン系オリゴマ
ーと環状ホスフアゼンオリゴマーとの混合物を
150〜350℃に加熱してホスフアゼン重合体に変換
することを特徴とするホスフアゼン重合体の製造
方法に関する。 本発明に用いる特定の線状ホスフアゼン系オリ
ゴマーと環状ホスフアゼンオリゴマーとの混合物
としては、鉄、コバルト、ニツケル、アルミニウ
ム、亜鉛、スズなどの金属粉またはそれらの金属
塩化物などを触媒に用いて、例えば五塩化リンと
塩化アンモニウムとから副生される金属塩化物
(前記触媒として用いた金属の塩化物)を有する
線状ホスフアゼン系オリゴマーとトリマー、テト
ラマーさらにそれ以上の大環状ホスフアゼンオリ
ゴマーとの混合物(クロル体)があげられる。な
お本発明においては前記クロル体のみならず、そ
の他のハロゲン体(ハロゲン化金属を有する線状
ホスフアゼン系オリゴマーと環状ホスフアゼンオ
リゴマーとの混合物)、たとえばブロム体(金属
臭化物を有する線状ホスフアゼン系オリゴマーと
環状ホスフアゼンオリゴマーとの混合物)であつ
てもよく、必要に応じ適宜用いられる。 前記特定の線状ホスフアゼン系オリゴマーに通
常の線状ホスフアゼンオリゴマーが含有されてい
てもよいことは当然である。 なお、本願明細書にいう金属ハロゲン化物を有
する線状ホスフアゼン系オリゴマーとは、前記
[A]−(a)や[A]−(b)や[A]−(c)で表わされる

合物のように、金属ハロゲン化物と通常の線状ホ
スフアゼンオリゴマーとが結合したりなどして一
体になつている状態のものをいい、単にこれらが
混合しているだけのものをいうのではない。 しかし、これらが混合すると通常は[A]−(a)
や[A]−(b)や[A]−(c)で表わされるような化合
物になつて存在し、単なる混合物としてほとんど
存在しないことは一般に知られている。 本発明においては触媒としてウレア、チオウレ
ア、ポリウレア、ポリチオウレアなどの尿素系化
合物が使用される。それらは単独で用いてもよ
く、2種以上併用してもよい。 つぎに本発明の方法を特定の線状ホスフアゼン
系オリゴマーと環状ホスフアゼンオリゴマーとの
混合物としてクロル体を用いたばあいを例にあげ
て説明する。 前記尿素系化合物は、特定の線状ホスフアゼン
系オリゴマーおよびホスフアゼン重合体のホスホ
ニトリル単位のリン原子と結合している塩素原子
とはほとんど反応することなく、しかも触媒作用
が強いので、架橋反応などの副反応を伴なうこと
なく特定の線状ホスフアゼン系の重合体への変換
がスムーズに行なわれる。 なおかかる反応においては、前記尿素系化合物
とともにルイス塩基的に作用する物質、たとえば
水、亜硫酸ガス、アルコール、多価アルコール、
アルコラート、エポキシド、ケトン類、苛性アル
カリ、金属水酸化物、脂肪酸塩、ヒドラジン類、
第4級アンモニウム塩、ヒドロキシド、アミン、
アンモニアなどやエーテル、ベンゼン、トルエ
ン、キシレンまたはオレフインなどを併用しても
よい。 前記触媒の使用量としては、特定の線状ホスフ
アゼン系オリゴマーと環状ホスフアゼン系オリゴ
マー、さらに要すれば使用される通常の線状ホス
フアゼンオリゴマーとの混合物に対して0.01〜10
%、好ましくは0.1〜5%程度が適宜用いられ
る。触媒を0.01%より少ない量で用いるときは反
応速度がきわめて遅いので実用的でなく、また10
%より多い量で用いるときは本反応に対して何ら
の支障もきたすものではないが、えられるホスフ
アゼン重合体のあと処理操作上に支障をきたすの
で好ましくない。 本発明におけるホスフアゼンオリゴマーの重合
体への高分子量化のメカニズムは、必ずしも明確
ではないが、特定の線状ホスフアゼン系オリゴマ
ーまたは環状ホスフアゼンオリゴマーがそれぞれ
単独で重合体への開環重合を行なうばあいに比べ
て、それらが共存するばあいにはその開環重合速
度がきわめて大きいこと、および特定の線状ホス
フアゼン系オリゴマーと環状ホスフアゼンオリゴ
マーとの混合割合を変化させたばあいも、生成し
たホスフアゼン重合体のゲルパーミエーシヨンク
ロマトグラフイー分析によるチヤート・パターン
は一つの山を示すのみであり、特定の線状ホスフ
アゼン系オリゴマーと環状ホスフアゼンオリゴマ
ーとの間に何らかの相互作用が存在し、それによ
り重合が共重合的にまたグラフト重合的に進行す
る結果実質的に生成した重合体は単一の共重合体
状の重合体となつているものと考えられる。さら
に言葉を換えるならば、特定の線状ホスフアゼン
系オリゴマーの、たとえば分子末端に存在するハ
ロゲン化金属が尿素系化合物によりはずされる結
果、反応性の高いいわゆる裸のホスフアゼンオリ
ゴマー、すなわち分子末端の一方のチツ素原子が
アニオンであり、また他方のリン原子がカチオン
であるベタイン型のホスフアゼンオリゴマーが生
成し、このベタインが自触媒的に特定の線状ホス
フアゼン系オリゴマーや環状ホスフアゼンオリゴ
マーを攻撃し、より大きな分子量のベタインを形
成したり、さらには該ベタインが頭−尾型の重合
をくり返してより分子量の大きなベタインとな
る。さらにはこのベタインが自触媒的に特定の線
状ホスフアゼン系オリゴマーを攻撃してより大き
なベタインに成長し、さらにこれが重合体へと成
長し、最終的には1本の線状重合体になるものと
考えられる。 本発明においては前記のごとく特定の線状ホス
フアゼン系と環状ホスフアゼンオリゴマーとの混
合物として、前記触媒を用いてホスフアゼン重合
体の製造原料であるトリマーを合成する際に副生
される金属塩化物を有する線状ホスフアゼン系オ
リゴマー((1)式における[A]−(a),[A]−(b),
[A]−(c)など)と環状ホスフアゼンオリゴマー
((1)式における〔B)〕との混合物が用いられるの
であるが、とくに該線状ホスフアゼン系オリゴマ
ーが5〜95%、好ましくは10〜90%の範囲で含有
された特定の線状ホスフアゼン系オリゴマーと環
状ホスフアゼンオリゴマーとの混合物を用いるの
が、反応速度およびゲル化防止の点から好まし
い。また環状ホスフアゼンオリゴマーとしては、
トリマーからエイコサマー(20量体)までの単体
または混合物が適宜用いられ、特定の線状ホスフ
アゼン系オリゴマーとともに重合してホスフアゼ
ン重合体がえられる。 反応温度としては前記のごとく密閉系でかつ溶
媒系または非溶媒系で150〜350℃、好ましくは
200〜300℃が採用される。150℃より低い温度で
反応するときは反応がおこり難く、また350℃よ
り高い温度で反応するときは生成した重合体の解
重合およびゲル化反応がおこりいずれも好ましく
ない。また反応時間は通常0.5〜300時間程度が採
用され、均一なホスフアゼン重合体が高収率でえ
られる。かかる反応において密閉系が有効なの
は、重合中に生成する塩化水素によりえられるホ
スフアゼン重合体のゲル化が抑制されるためと考
えられる。 本発明を溶媒系で実施するばあいは、用いる溶
剤としてベンゼン、トルエン、キシレン、クロル
ベンゼン、ジクロルベンゼン、テトラクロルエタ
ン、ニトロベンゼンなどのホスフアゼン重合体の
良溶剤があげられ、それらの溶媒系で適宜実施さ
れうる。 本発明を実施するにあたつては、前記のごとく
反応系を密閉系としかつ溶媒系または非溶媒系に
おいて実施され、よく乾燥された系であれば真空
中、空気中または不活性ガス中のいずれにおいて
も実施することができる。 つぎに実施例をあげて本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例のみに限定される
ものではない。 実施例 1 五塩化リン208.3g(1モル)、塩化アンモニウ
ム48.2g(0.9モル)、塩化アルミニウム4.2gおよ
びテトラクロルエタン130c.c.を4ツ口フラスコに
仕込み、撹拌しながら昇温し還流下(130〜145
℃)で12時間反応を行なつた。この間塩化水素は
系外へ留出した。反応終了後未反応の塩化アンモ
ニウムを去(微量)し、液をロータリーエバ
ポレーターで濃縮した。ついでこれをn−ヘキサ
ンで抽出を行ない、n−ヘキサン可溶物(環状ホ
スフアゼンオリゴマー)39.6gおよびn−ヘキサ
ン不溶物(特定の線状ホスフアゼン系オリゴマー
および線状ホスフアゼンオリゴマー)77.5gをえ
た。前者はGLC分析法によりトリマー(3PNC)
56.8%、ラトラマー(4PNC)26.3%およびペン
タマー(5PNC)以上の環状ホスフアゼンオリゴ
マー16.9%からなるものであつた。また後者は塩
化アルミニウムを5.42%含有しており、塩化アル
ミニウムを有する線状ホスフアゼン系オリゴマー
のみであると仮定すればPCl2N単位が20個からな
るオリゴマー分子量(分子量MW≒2,454)と
考えられる。 ついで前記特定の線状ホスフアゼン系オリゴマ
ーおよび線状ホスフアゼンオリゴマー4.3gと環
状ホスフアゼンオリゴマー5.7gとを約30c.c.のパ
イレツクスガラス製重合管に仕込み、さらに粉末
状尿素200mgを加え、系をチツ素置換したのち真
空処理(10-2トール)して封管した。ついでこの
重合管をオーブン中255℃で15時間放置した。こ
の間反応系は淡かつ色高粘性固状体を呈した。こ
れをオーブンよりとり出し室温で冷却したのち開
封し、乾燥し精製したモノクロルベンゼンにより
内容物をとり出した。モノクロルベンゼン不溶物
を去したのち液を多量のn−ヘキサン中に注
ぎ込んで生成した重合体を析出させ、白色ゴム状
の重合体9gをえた。またn−ヘキサン層を濃縮
してオイル状物0.2gをえた。このオイル状物は
GLC分析の結果、3PNC0.02g(0.6%),
4PNC0.1g(6.7%)および5PNC以上0.08g(8.3
%)であつた。ただし( )内の数値は出発原料
中の環状ホスフアゼンオリゴマーに対する残存率
を示す。またモノクロルベンゼン不溶物中のホス
フアゼン重合体に由来するゲル化物は0.3gであ
つた。 出発原料のモノクロルベンゼンに可溶のホスフ
アゼン重合体への転換率は90%であり、またゲル
化率は3%であつた。 えられた重合体は湿気に対して敏感なため、従
来公知の方法により、2,2,2−トリフルオロ
エトキシ化合物に変換した(注1)のちGPC
(ゲル過クロマトグラフイー)法(注2)によ
り分子量を測定したが、平均分子量は638000
であつた。
【表】 実施例 2 実施例1でえた特定の線状ホスフアゼン系オリ
ゴマーおよび線状ホスフアゼンオリゴマー2.2g
と環状ホスフアゼンオリゴマー2.9gおよびo−
ジクロルベンゼン5g、粉未状尿素100mgを約30
c.c.のパイレツクスガラス製重合管に仕込み、系を
真空処理(10-2トール)して封管した。ついでこ
の重合管をオーブン中255℃で15時間放置した。
この間反応系は高粘度性流体状を呈した。これを
オーブンよりとり出し室温で冷却したのち開封
し、ベンゼンにより内容物をとり出した。ベンゼ
ン不溶物を去したのち液を少量留去して濃縮
し、大量のn−ヘキサン中に注ぎ込んで生成した
重合体を析出させ、白色ゴム状の重合体4.5gを
えた。n−ヘキサン層を濃縮したが用いたo−ジ
クロルベンゼンのほかに環状ホスフアゼンオリゴ
マーは認められなかつた。またベンゼン不溶物中
のホスフアゼン重合体に由来するゲル化物は0.01
gであつた。 実施例1と同様にしてえられたホスフアゼン重
合体の分子量を測定したが、平均分子量は
672000であつた。また出発原料のホスフアゼン重
合体への転換率は96.1%であり、またゲル化率は
0.2%であつた。 なお本実施例は、非溶媒系で実施した実施例1
に比べてホスフアゼン重合体への転換率およびゲ
ル化率の点において好ましい結果がえられた。 実施例 3 実施例1でえた特定の線状ホスフアゼン系オリ
ゴマーおよび線状ホスフアゼンオリゴマー2gと
トリマー8gおよび粉末状尿素200mgを約30c.c.の
パイレツクスガラス製重合管に仕込み、系をチツ
素置換したのち真空処理(10-2トール)して封管
した。ついでこの重合管をオーブン中255℃で10
時間放置した。この間反応系はかつ色高粘性固体
状を呈した。これをオーブンよりとり出し室温で
冷却したのち開封し、乾燥し精製されたベンゼン
により内容物をとり出した。ベンゼン不溶物を
去したのち液を大量のn−ヘキサン中に注ぎ込
んで生成した重合体を析出させ、淡かつ色ゴム状
の重合体9.4gをえた。n−ヘキサン層を濃縮し
てトリマー0.1gを回収した。またベンゼン不溶
物中のホスフアゼン重合体に由来するゲル化物は
0.3gであつた。 実施例1と同様にしてえられたホスフアゼン重
合体の分子量を測定したが、平均分子量は
1010000であつた。また出発原料のホスフアゼン
重合体への転換率は94%であり、またゲル化率は
3%であり、さらにトリマーの残存率は1.3%で
あつた。 実施例 4 実施例1でえた線状ホスフアゼンオリゴマー8
gと5PNC以上の環状ホスフアゼンオリゴマーお
よび粉末状尿素100mgを約30c.c.のパイレツクスガ
ラス製重合管に仕込み、系をチツ素置換したのち
真空処理(10-2トール)して封管した。ついでこ
の重合管をオーブン中255℃で3時間放置した。
この間反応系は淡かつ色高粘性液体状を呈した。
これをオーブンよりとり出し室温で冷却したのち
開封し、ベンゼンにより内容物をとり出した。ベ
ンゼン不溶物を去したのち液を大量のn−ヘ
キサン中に注ぎ込んで、生成した重合体9gをえ
た。n−ヘキサン層を濃縮したがn−ヘキサン可
溶物は回収されなかつた。またベンゼン不溶物中
のホスフアゼン重合体に由来するゲル化物は0.2
gであつた。 実施例1と同様にしてえられたホスフアゼン重
合体の分子量を測定したが、平均分子量は
520000であつた。また出発原料のホスフアゼン重
合体への転換率は90%であり、またゲル化率は2
%であり、さらに環状ホスフアゼンオリゴマーの
ホスフアゼン重合体への転換率は100%であつ
た。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 密閉系で触媒として尿素系化合物を用い、か
    つ溶媒系または非溶媒系で、ハロゲン化金属を有
    する線状ホスフアゼン系オリゴマーが5〜95重量
    %の範囲で含有されたハロゲン化金属を有する線
    状ホスフアゼン系オリゴマーと環状ホスフアゼン
    オリゴマーとの混合物を150〜350℃に加熱してホ
    スフアゼン重合体に変換することを特徴とするホ
    スフアゼン重合体の製造方法。 2 環状ホスフアゼンオリゴマーがトリマーから
    エイコサマーまでの単独または混合物である特許
    請求の範囲第1項記載のホスフアゼン重合体の製
    造方法。 3 尿素系化合物がウレア、チオウレア、ポリウ
    レアまたはポリチオウレアである特許請求の範囲
    第1項記載のホスフアゼン重合体の製造方法。 4 1種または2種以上の尿素系化合物を用いる
    特許請求の範囲第1項記載のホスフアゼン重合体
    の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0330777A (ja) * 1989-06-21 1991-02-08 Boc Group Inc:The 医療用ホースの外れ止め装置

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