JPS6241216Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、流量計を常に設置して連続的に測
定する必要がない多数の液体流出口があり、かつ
該液体の流量に大きい差があるような箇所の流量
測定を容易に測定可能ならしめた流量計に関する
ものである。

一般に液体の流量計としては、絞り方式のオリ
フイス流量計、ベンチユリー流量計、流体抵抗方
式の面積式流量計、層流流量計、その他せき流量
計、電磁流量計、超音波流量計等があるが、これ
らの流量計のうち、ベンチユリー式、オリフイス
式は、直接配管の途中に固定して使うのが普通で
ある。また、ほとんどの流量計は装置が複雑で大
型であつたり、小型のものであつても市販されて
いる電磁流量計や超音波流量計では高価であるた
め、常に流量計を設置しておく必要のない液体の
流出口で、かつ配管が多数あつて全部に流量計を
設置するには不経済であるような場所における流
量測定に簡単に使用できるものはなかつた。

また、上述したような特殊な場所での簡単な測
定には面積流量計である浮遊式流量計が使用され
ることが多いが、この型の流量計はその大きさに
より測定可能となる流量範囲が限られるために、
上述した如く多数の配管があつて、この配管を流
れる液体の流量に差があるような場所で、つぎつ
ぎに流量を測定していくのは不可能であるか、あ
るいは測定許容範囲の異なる浮遊式流量計を複数
個用いる必要がある。

例えば最大流量が100／minから最少５／
minの測定箇所での測定で、最大測定許容量が
150／minの浮遊式流量計を使用する場合、５
／minの小流量は測定困難のため、最大測定許
容量のもつと小さい流量計をさらにもう一個用意
しなければならないという難点があつた。

この考案は、上述した事情に鑑みてなされたも
ので、常に流量計を設置して流量を連続的に測定
する必要がない多数の液体流出口があり、かつ液
体の流量に大きな差があるような箇所での流量測
定を容易に測定可能ならしめた流量計を提供する
ものである。

以下、この考案による実施例を添付した図面及
び実験例にもとづいて詳細に説明する。図におい
て１は一端が封鎖された円筒管であり、この円筒
管１の開放端１ａからは測定用液体が導入され、
この液体は円筒側壁に設けた流出口呼び出し管２
と流出口呼び出し管２の先端部に取り付けられた
オリフイス３を通過して外に排出されるようにな
つている。

上記円筒管１の内部には円筒管１の封鎖端面と
平行に、かつ開放端面と逆方向に開放端をもつ呼
び出し管４を設置し、この呼び出し管４の他端は
円筒管１の外部に出て、その先端部には圧力計５
が設置されている。

上記円筒管１の流出口呼び出し管２とオリフイ
ス３とはねじ止めになつており、容易に脱着可能
になつており、オリフイス３の絞り径が異なるも
のとの交換ができるものである。

従つて、オリフイス３の絞り径により、流体の
流量に対する圧力計５の指示が変化するので、予
め種々のオリフイスの絞り径に対して圧力と流量
の関係を検量線に表示しておけば、大流量に対し
ては大径のオリフイスを、また逆に小流量に対し
ては小さい径のオリフイスを取り付ければ、広範
囲の流量に対して容易に測定が可能となる。ま
た、呼び出し管４の開放端は流体流入方向と逆方
向に向いているので、圧力計５の指示は比較的安
定した指示となる。

さらに上記円筒管１の液体が流入する開放端１
ａは液体の配管７の内径と同じであることが望ま
しいが、少々径が異なつていても円筒管１の開放
部にゴム管６等を嵌めこんで液体の洩れがないよ
うにすればほとんど問題にならない。

以下、この考案による実験例について詳述す
る。

まず、連続製銅炉において、溶練炉と製銅炉と
にはレンガの溶損を防止するために水冷式銅ブロ
ツクジヤケツトが取り付けられている。このジヤ
ケツト冷却水は、吸熱後に第３図に示す如く42.7
mm外径の配管10₁〜10_oを通り集合排水ピツト１１
に排出されている。その配管の数は全部で約140
本にも達し、その流量も10／min〜120／min
とかなり広範囲である。

そこで炉のレンガの溶損状態を把握するため
に、ジヤケツト冷却水の流量を測定し、吸熱量を
求めている。

また、多数のジヤケツト冷却水の流量測定を容
易に行なうために、外径42.7mmの円筒管に内径35
mmφの流体出口呼び出し口を円筒側面に設け、こ
れに内径10mmφの呼び出し管の先端に5000mmaq
のブルドン管型圧力計を取り付けた流量計を作製
した。

上記流量計には、直径10、20、30mmφの孔を有
する大、中、小３種のオリフイスを取り付けて、
流量既知の標準流量で第４図に示すような各オリ
フイスの検量線図を示した。

従つて上述した流量計および３種のオリフイス
の組合わせにより10／min〜120／minの範囲
にある流量を容易に測定することができた。

以上詳細に説明したように、この考案による流
量計は、一端が封鎖された円筒管の開放端より液
体を導入し、先端にオリフイスが容易に取付け、
取外しできるよう設けた円筒側壁の呼び出し管を
経て、上記呼び出し管の先端に取付けたオリフイ
スから液体を流出させ、かつ円筒管内部の封鎖端
近くに開放端と逆方向に開放された呼び出し管を
設置し、この呼び出し管の他端に、円筒管の外部
に導出された位置に圧力計を設けたことを特徴と
する構造であり、常時流量計を設置して流量を連
続的に測定する必要がない多数の液体流出口があ
り、かつ液体の流量に大きい差があるような箇所
での流量測定を容易に測定することができる。

また、この考案によれば、構造が簡単であり、
しかも取扱い性が良く、安価に製作できる等の効
果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案による流量計を示す斜視図、
第２図はこの考案による流量計を測定する液体の
配管に接続した状態を示す断面図、第３図はこの
考案による実験例を示す要部の断面図、第４図は
この考案による実験例における流量計の検量線図
である。 １…円筒管、１ａ…開放端、２…流出口呼出し
管、３…オリフイス、４…呼出し管、５…圧力
計、６…ゴム管、７…配管。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 連続的に測定する必要がなく多数の液体流出口
   があり、かつ液体の流量に大きな差がある箇所の
   流量測定を行なう流量計において、測定用液体が
   導入される円筒管の一端が封鎖され、上記円筒管
   の封鎖端近くの円筒側壁に呼び出し管を取り付
   け、上記呼び出し管の先端に所定の径を有するオ
   リフイスを着脱自在に取り付け、かつ、上記円筒
   管内部の封鎖端近くに開口した呼び出し管の他端
   に円筒管外部に位置して圧力計を設けてなること
   を特徴とする流量計。