JPS6239325Y2

JPS6239325Y2 -

Info

Publication number: JPS6239325Y2
Application number: JP1977010123U
Authority: JP
Priority date: 1977-01-29
Filing date: 1977-01-29
Publication date: 1987-10-07
Also published as: JPS53105794U

Description

【考案の詳細な説明】この考案は、ガスクロマトグラフの試料導入装
置、特にいわゆるリーク式試料導入装置に関す
る。

ガスクロマトグラフの試料導入装置において、
試料気化室内に残留する前の分析試料の残痕や試
料注入口ゴム栓からの溶出成分が、クロマトグラ
ムのベースラインを不安定に変動させたり、ゴー
ストピークを現出せしめたりすることがある。こ
れらの、いわゆるゴースト現象を防ぐ各種の提案
がすでに行われているところであるが、その１つ
に試料気化室内気体を分析時、キヤリヤーガスに
よつてバツクパージする方法が本考案者によつて
提案されている。このバツクパージ後端において
キヤリヤーガスを若干外気にリークさせてパージ
効果をよくする方法がとられるため、これをリー
ク式試料導入装置と略称している。この考案はこ
のリーク式試料導入装置をさらに改良したもの
で、前端部に試料注入口をもち、後端部がカラム
に接続される試料気化室の前端部付近と後端部付
近との双方にキヤリヤーガス導入部を開口し、両
導入口を、試料導入時期と分析時期とにおいてコ
ツクによつて切り換えるようにしたものにおい
て、試料注入口からの試料注入開始時から試料が
気化され、すべての試料がカラムへ送り込まれる
に要する時間を予め設定する可調整タイマーと、
この可調整タイマーを試料導入動作と連けいして
始動させるマイクロスイツチの開閉レバーとを有
せしめ、この可調整タイマーによつて前記キヤリ
ヤーガス流路の分析時期における流路への切換信
号を発せしめるようにするとともにこの信号を表
示ランプまたはブザーによつて知報せしめるよう
にしたガスクロマトグラフの試料導入装置にかか
るものである。

つぎにこの考案の実施例について説明する。

図はこの考案の実施例に係るリーク式試料導入
装置の構成説明図である。

図において１は試料気化室で、その前端部にゴ
ム栓２が設けられ、これが試料注入口となる。試
料気化室１の後端はカラム３に接続され、カラム
３の後端には検出器が接続されること、周知のと
おりである。４は試料気化室１を400℃〜450℃に
昇温させて導入液体または固定試料を気化させる
ためのヒーターを示している。この試料気化室１
の前端部付近位置、ならびに後端部付近位置にそ
れぞれキヤリヤーガス導入口５，６が開口され
る。キヤリヤーガスボンベ７からのキヤリヤーガ
スは三方コツク８を経て切換的にこれらキヤリヤ
ーガス導入口５，６に接続されている。

実施例図においては、試料気化室の内部に内筒
９を入れて導入口５から入つたキヤリヤーガスは
いつたん内外筒の間隙を通つて予熱されるように
されているので、前端部導入口５が後端部にある
ようになつているが、ガス流路的には導入口５は
試料導入口付近、すなわち前端部に開口されてい
るのと同様である。

三方コツク８の流路が実線位置にあるとき、キ
ヤリヤーガスは導入口６に接続され、流路が点線
位置にあるときキヤリヤーガスは導入口５に接続
されるようになつており、この三方コツク８の切
換えは操作盤面１０の切換把手８によつて操作で
きるようにされる。図において１１は試料がその
注入口ゴム栓２からマイクロシリンジによつて注
射注入され始めてから、試料気化室１において気
化され、そのすべてがカラム３内へ導入されてし
まうに要する時間を設定する可調整タイマーであ
る。

操作盤面１０上にその時間調節設定器を設ける
ようにする。図において１２′はマイクロスイツ
チの開閉レバーであつて、マイクロシリンジ（図
示せず）によつて試料を試料注入口ゴム栓２から
注入する際にそのシリンジピストンを押す操作に
連動して倒されるように配置されている。

このマイクロスイツチを閉じることによつて前
記可調整タイマー１１が始動を始めるように構成
される。図において１２，１３，１４，１５はそ
れぞれ表示ランプである。順序に、たとえば
SAMPLING READY，SAMPLING，VALVE，
RUNの各表示がされる。

つぎにこの考案の装置の動作について説明す
る。

最初三方コツク８はその把手によつて
SAMPLINGの方、すなわち図中点線位置に置
く。この位置でキヤリヤーガスボンベ７から出た
キヤリヤーガスは図中下方のポートに接続され、
SAMPLINGの流路を通り、導入口５を経て試料
気化室１中へ導入される。図の場合、まず内筒９
と外筒との間隙部を通り、矢印で示すように図中
下降し、この間に予熱されて、試料注入口ゴム栓
２に接触し、反転し、内筒９内を上昇し、カラム
３へ向かつて流れる。この時期、すなわち三方コ
ツク８がSAMPLINGの方へ切り換えられた時点
から、後述のマイクロスイツチの開閉レバー１
２′が閉じられる時点までの間において表示ラン
プは１２のSAMPLING READYと表示したもの
が点灯される。この状態でマイクロシリンジによ
つて試料を試料注入口ゴム栓２を介して注入す
る。マイクロシリンジのピストンを押して試料の
注入を開始すると、その動動作に連けいしてマイ
クロスイツチの開閉レバー１２′が閉じられ、前
記のように可調整タイマー１１をスタートさせ
る。この時点で表示ランプは１３のSAMPLING
と表示したものが点灯され、かつ可調整タイマー
１１の設定時間終了時点までそれが点灯し続け
る。試料は液体の場合、固体の場合、または気体
の場合があるが、気体の場合はそのまま、他の場
合は試料気化室１の400℃〜450℃の温度によつて
気化され、キヤリヤーガスとともにカラム３内へ
導入される。

試料が気化されてすべてカラム３内へ導入され
るに要する時間は、試料の量、加熱条件、キヤリ
ヤーガスの流速、ならびに試料の性質に応じた特
性によつて異なるが、１〜２秒から60秒までぐら
いの間で相違する。この時間は経験上予測でき
る。この考案では、この試料がその注入口から注
入が始められてから、すべてカラム３内へ導入さ
れるまでの予測時間を可調整タイマー１１に設定
し、その可調整タイマー１１で前記三方コツク８
の導入口６への切換え信号を発せしめるようにし
たものである。試料がすべてカラム３へ導入され
ると、可調整タイマー１１の時限作用によつて表
示ランプは１４のVALVEと表示したものが点灯
される。この信号によつて操作者が三方コツク８
をRUNの方へ切り換える。すなわちキヤリヤー
ガスを導入口６に切り換えると、キヤリヤーガス
は導入口６から直接カラム３へ流れることとな
る。この状態でカラムへ導入されている試料をキ
ヤリヤーガスが展開担持してガスクロマトグラフ
分析が行われるのである。そして三方コツク８を
RUNの方へ切り換えた時点で表示ランプは１４
のVALVEと表示したものが消灯し、それに替わ
つて１５のRUNと表示したものが点灯される。

この分析の間、キヤリヤーガスは導入口６から
導入されているが、試料気化室内筒９内にあるガ
スを逆に図中下方へ押し込むこととなり、試料気
化室１内のガスのカラム３への流れをバツクパー
ジ、すなわち逆封止することとなる。この際試料
注入口付近で僅かキヤリヤーガスが漏れるように
しておくと、そのリークによつて逆封止が効果的
となる。リーク式試料導入装置と称せられるのは
このためである。

可調整タイマー１１の設定時間終了信号によつ
てこの実施例では、前記したようにVALVEのラ
ンプがつき、それを見て操作者が三方コツク８を
RUNの方へ切り換える操作をするようにした
が、可調整タイマー１１からの信号によつてブザ
ーを嗚らす方法をとることもできる。

以上一通りの分析操作が終了すると操作者は三
方コツク８をSAMPLINGの方へ切り換え、その
時点で表示ランプは１５のRUNと表示したもの
が消灯し、それに替わつて再び１２の
SAMPLING READYと表示したものが点灯し、
最初の状態に復帰する。

このリーク式試料導入装置では、試料導入時、
分析時以外の位置においてキヤリヤーガスのみを
導入口５から導入し、試料気化室１内の残留反応
ガスを清掃することもできる。

この考案は以上のように構成されているので、
従来あつた分析時のゴースト現象を完全に防止で
きるほか、試料ガスが未だ試料気化室に残存して
いる時にバツクパージしてしまつて試料の利用率
を悪くしたりすることがなく、またゴーストピー
クが出始めてからバツクパージを始める手遅れ性
もなく、個々の分析、試料によつて異なる試料ガ
スのカラムへの導入完了時間をあらかじめ予定
し、これを設定し、その時間完了はランプ、ブザ
ーによつて知報されるので誤操作なく、ゴースト
現象のないきわめて効率性の高い分析を行なうこ
とができる有用な効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

図はこの考案の実施例の構成説明図である。図
中各符号はそれぞれ付記の部分を示す。１……試料気化室、２……試料注入口ゴム栓、
３……カラム、４……ヒーター、５……キヤリヤ
ーガス導入口、６……キヤリヤーガス導入口、７
……キヤリヤーガスボンベ、８……三方コツク、
９……試料気化室内筒、１０……操作盤面、１１
……可調整タイマー、１２……表示ランプ
（SAMPLING READY）、１３……表示ランプ
（SAMPLING）、１４……表示ランプ
（VALVE）、１５……表示ランプ（RUN）、１
２′……マイクロスイツチの開閉レバー。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

前端部に試料注入口をもち後端部がカラムに接
続される試料気化室の前端部付近と後端部付近と
の双方にキヤリヤーガス導入口を開口し、両導入
口を、試料導入時期と、分析時期とにおいてコツ
クによつて切り換えるようにしたガスクロマトグ
ラフの試料導入装置において、試料注入口からの
試料注入開始時から試料が気化されすべて試料が
カラム内へ送り込まれるに要する時間を予め設定
する可調タイマーと、この可調整タイマーを試料
注入動作と連けいして始動させるマイクロスイツ
チの開閉レバーとを有せしめ、この可調整タイマ
ーによつて前記キヤリヤーガス流路の分析時期に
おける流路への切換信号を発せしめるようにする
とともにこの信号を表示ランプまたはブザーによ
つて知報せしめるようにしたガスクロマトグラフ
の試料導入装置。