JPS6237346A - 高窒素含有オーステナイト系焼結ステンレス鋼およびその製造方法 - Google Patents
高窒素含有オーステナイト系焼結ステンレス鋼およびその製造方法Info
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- JPS6237346A JPS6237346A JP17552485A JP17552485A JPS6237346A JP S6237346 A JPS6237346 A JP S6237346A JP 17552485 A JP17552485 A JP 17552485A JP 17552485 A JP17552485 A JP 17552485A JP S6237346 A JPS6237346 A JP S6237346A
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Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
【発明の詳細な説明】
(産業上の利用分野)
本発明は、高窒素含有オーステナイト系焼結合金および
その製造方法に関する。
その製造方法に関する。
詳述すれば、本発明は粉末冶金法を利用して、N供給源
として窒化物微粉を利用した高窒素含有オーステナイト
系焼結合金およびその製造方法に関する。
として窒化物微粉を利用した高窒素含有オーステナイト
系焼結合金およびその製造方法に関する。
(従来の技術)
NはC,Nj、 Mn、 Coとならんで代表的なオー
ステナイト生成元素であり、耐食性、特に耐孔食性およ
び耐隙間腐食性を改善する元素としてならびに高温にお
ける鋼の引張強度を高める元素として添加されてきた。
ステナイト生成元素であり、耐食性、特に耐孔食性およ
び耐隙間腐食性を改善する元素としてならびに高温にお
ける鋼の引張強度を高める元素として添加されてきた。
しかしながら、従来の溶解材においては溶鋼中への溶解
度、凝固時の気泡発生、バブリングの問題より添加量に
限界があり市販鋼においては特殊な耐熱高強度鋼である
高Mn含有鋼に高々0.45%程度含有されている例を
みる程度である。
度、凝固時の気泡発生、バブリングの問題より添加量に
限界があり市販鋼においては特殊な耐熱高強度鋼である
高Mn含有鋼に高々0.45%程度含有されている例を
みる程度である。
例えば、高N含有鋼に関する公知文献としては以下のよ
うなものが挙げられる。
うなものが挙げられる。
特公昭50−8967号、特開昭56−20151号、
特公昭41−14805号、同51−29966号、同
51−31086、同51−31087号、同51−3
1203号、同50−4172号、同50−5650号
、同5O−44s8sこれらはいずれも溶解法によるも
のであるが、従来にあっても高N化の利点は十分に認識
されており、そのために多くの努力がかされられてきた
ことが分かる。
特公昭41−14805号、同51−29966号、同
51−31086、同51−31087号、同51−3
1203号、同50−4172号、同50−5650号
、同5O−44s8sこれらはいずれも溶解法によるも
のであるが、従来にあっても高N化の利点は十分に認識
されており、そのために多くの努力がかされられてきた
ことが分かる。
その他、高圧力雰囲気下での溶解、鋳造といった方法で
の高N化も考えられるが、小規模実験的にはともかく、
工業的規模での実用化は甚だ困難であり、装置上の制約
も極めて大きい。
の高N化も考えられるが、小規模実験的にはともかく、
工業的規模での実用化は甚だ困難であり、装置上の制約
も極めて大きい。
例えば、1日本金属学会誌J Vol、34、lt2
、1970、pp、 188〜194には高温高圧下で
Nを平衡させる実験結果が述べられており、それによれ
ばFe −Mn (27%Mn)鋼についてほぼ1.4
%のN2が吸収されたことが報告されている。
、1970、pp、 188〜194には高温高圧下で
Nを平衡させる実験結果が述べられており、それによれ
ばFe −Mn (27%Mn)鋼についてほぼ1.4
%のN2が吸収されたことが報告されている。
このように従来より高N化には多くの努力が払われてき
たのであったが、未だそれを工業的規模で実用化するこ
とは勿論、窒素の固溶限を超えて添加することは不可能
と考えられていたのが現状であった。
たのであったが、未だそれを工業的規模で実用化するこ
とは勿論、窒素の固溶限を超えて添加することは不可能
と考えられていたのが現状であった。
なお、粉末冶金法により鉄系粉末と金属窒化物粉末とか
ら焼結晶を製造することは切削工具および軸受などの耐
摩耗用として知られている(例:特開昭56−7736
0号および特公昭57−54539号)。
ら焼結晶を製造することは切削工具および軸受などの耐
摩耗用として知られている(例:特開昭56−7736
0号および特公昭57−54539号)。
しかしながら、これらはいずれも窒化物それ自体の高温
下での安定性、耐熱性をそのまま利用しようとするもの
であり、固溶Niを増大させそれによりオーステナイト
M1織化を図るということは行われていなかった。また
その場合の窒化物は炭化物と均等物と考えられるもので
ある。
下での安定性、耐熱性をそのまま利用しようとするもの
であり、固溶Niを増大させそれによりオーステナイト
M1織化を図るということは行われていなかった。また
その場合の窒化物は炭化物と均等物と考えられるもので
ある。
(発明が解決しようとする問題点)
耐孔食性、耐隙間腐食性の改善、あるいは高強度化とい
った観点からは鋼中のN濃度は高い程望ましいがNはガ
ス成分であるため溶鋼中への固溶度には限界があり、さ
らには凝固時の気泡発生防止の面から添加量は上限が決
まっている。従来においてはステンレス溶鋼中への固溶
量を増大させる目的より高Mn化等の成分調整あるいは
加圧下での溶解、鋳造といった方法が採用されていたが
、Nの添加量は高々0.45%程度であった(例:特公
昭50−.8967号)。
った観点からは鋼中のN濃度は高い程望ましいがNはガ
ス成分であるため溶鋼中への固溶度には限界があり、さ
らには凝固時の気泡発生防止の面から添加量は上限が決
まっている。従来においてはステンレス溶鋼中への固溶
量を増大させる目的より高Mn化等の成分調整あるいは
加圧下での溶解、鋳造といった方法が採用されていたが
、Nの添加量は高々0.45%程度であった(例:特公
昭50−.8967号)。
本発明の目的は従来の溶製法、造塊法、あるいは鋳造法
では製造が困難であった高窒素含有オーステナイト系合
金およびその製造方法を提供することにある。
では製造が困難であった高窒素含有オーステナイト系合
金およびその製造方法を提供することにある。
本発明の別の目的は耐孔食性、耐隙間腐食性に著しく優
れた高窒素含有高耐食オーステナイト系合金およびその
製造方法を提供することにある。
れた高窒素含有高耐食オーステナイト系合金およびその
製造方法を提供することにある。
本発明の他の目的は耐孔食性、耐隙間腐食性が著しく優
れ、かつ高強度の高窒素含有高耐食オーステナイト系合
金およびその製造方法を提供することにある。
れ、かつ高強度の高窒素含有高耐食オーステナイト系合
金およびその製造方法を提供することにある。
また、本発明の他の目的は高温での耐酸化性に著しく優
れた高強度高窒素含有オーステナイト系合金およびその
製造方法を提供することにある。
れた高強度高窒素含有オーステナイト系合金およびその
製造方法を提供することにある。
(問題点を解決するための手段)
ここに、本発明の要旨とするところは、マルテンサイト
系、フェライト系、二相系、またはオーステナイト系合
金粉末に由来するマトリクス相と周囲を取り囲むように
存在するN拡散相を有する、金属窒化物微粉に由来する
分散相とから成り、理論密度の95%以上の密度であっ
て平均N含有量が0.5%以上である、耐食性にすぐれ
た高窒素含有オーステナイト系焼結合金である。
系、フェライト系、二相系、またはオーステナイト系合
金粉末に由来するマトリクス相と周囲を取り囲むように
存在するN拡散相を有する、金属窒化物微粉に由来する
分散相とから成り、理論密度の95%以上の密度であっ
て平均N含有量が0.5%以上である、耐食性にすぐれ
た高窒素含有オーステナイト系焼結合金である。
さらに別の特徴によれば、本発明は、金属窒化物微粉と
合金粉との未焼結混合体を金属容器内に充填し、脱気、
密封した後、高密度化および焼結を行い、続いて得られ
た焼結体を900℃以上、融点以下の温度に保持して金
属窒化物中のNを合金側へ拡散させる工程を含む高窒素
含有オーステナイト系合金の製造方法である。
合金粉との未焼結混合体を金属容器内に充填し、脱気、
密封した後、高密度化および焼結を行い、続いて得られ
た焼結体を900℃以上、融点以下の温度に保持して金
属窒化物中のNを合金側へ拡散させる工程を含む高窒素
含有オーステナイト系合金の製造方法である。
すなわち、本発明によれば、従来、材料の溶解そして窒
素の固溶という工程を採用していたために起こっていた
前述の如き問題に対し、粉末冶金法の技術を利用するこ
とによりその問題を一挙に解決しようとするものである
。窒素は最初から固体状態、つまり化合物の形態で添加
されるから固溶限、バブリングなどの問題はなく、しか
も拡散処理工程を経ることによって微粉の形態で添加さ
れた窒素化合物は分解してしまいそれに伴って窒素の拡
散も加速されるのである。このため、本発明にあっては
、金属窒化物は微粉形態で添加する。
素の固溶という工程を採用していたために起こっていた
前述の如き問題に対し、粉末冶金法の技術を利用するこ
とによりその問題を一挙に解決しようとするものである
。窒素は最初から固体状態、つまり化合物の形態で添加
されるから固溶限、バブリングなどの問題はなく、しか
も拡散処理工程を経ることによって微粉の形態で添加さ
れた窒素化合物は分解してしまいそれに伴って窒素の拡
散も加速されるのである。このため、本発明にあっては
、金属窒化物は微粉形態で添加する。
好ましくは粒径80μm以下の微粉であり、さらに望ま
しくは10μm以下であるのがよい。このようにして生
成される窒素拡散相の存在は本発明にかかる焼結合金の
冶金学的組織を特徴づけるものである。
しくは10μm以下であるのがよい。このようにして生
成される窒素拡散相の存在は本発明にかかる焼結合金の
冶金学的組織を特徴づけるものである。
(作用)
次に、本発明における製造工程について詳細に説明する
。
。
まず、本発明によれば、ステンレス鋼粉と金属窒化物粉
末とを均一に混合した後、鋼製カプセルに充填し、常温
または加熱しながら真空に引いて内部を脱気し、または
脱気後、鋼製カプセル内にN2ガスを充填し密閉する。
末とを均一に混合した後、鋼製カプセルに充填し、常温
または加熱しながら真空に引いて内部を脱気し、または
脱気後、鋼製カプセル内にN2ガスを充填し密閉する。
ステンレス鋼粉はアトマイズ法、粉砕法、粒界腐食法な
どにより製造されるが、酸素含有量が少ないということ
から、非酸化性噴霧媒、例えばN2ガス、^rガス、l
ieガスによるアトマイズ法により製造されたものが好
ましい。そのようなアトマイズ鋼粉のうち、平均粒径2
00μm以下、好ましくは100 μm以下のアトマイ
ズ鋼粉が望ましく、また、鋼粉中の酸素濃度は低いほど
良い、望ましくは0.03%以下であるのが良い。ステ
ンレス銅粉はマルテンサイト系、フェライト系、オース
テナイト、フェライトの二相系、またはオーステナイト
系いずれでも良い。
どにより製造されるが、酸素含有量が少ないということ
から、非酸化性噴霧媒、例えばN2ガス、^rガス、l
ieガスによるアトマイズ法により製造されたものが好
ましい。そのようなアトマイズ鋼粉のうち、平均粒径2
00μm以下、好ましくは100 μm以下のアトマイ
ズ鋼粉が望ましく、また、鋼粉中の酸素濃度は低いほど
良い、望ましくは0.03%以下であるのが良い。ステ
ンレス銅粉はマルテンサイト系、フェライト系、オース
テナイト、フェライトの二相系、またはオーステナイト
系いずれでも良い。
一方、金属窒化物としてはNWi度が高く、室温では安
定であるが、1000℃以上の温度では分解しやすいも
のが好ましい。本発明に用いられるそのような金属窒化
物としては、CrとNを主たる成分とする主としてCr
2Nおよび/またはCrNよりなるCr系窒化物のほか
、FeとNを主たる成分とする主としてFe2Nおよび
/またはFe4NよりなるFe系窒化物、V系窒化物、
Si系窒化物、AQ系窒化物、Mg系窒化物などがあり
、その複合窒化物でも良い。
定であるが、1000℃以上の温度では分解しやすいも
のが好ましい。本発明に用いられるそのような金属窒化
物としては、CrとNを主たる成分とする主としてCr
2Nおよび/またはCrNよりなるCr系窒化物のほか
、FeとNを主たる成分とする主としてFe2Nおよび
/またはFe4NよりなるFe系窒化物、V系窒化物、
Si系窒化物、AQ系窒化物、Mg系窒化物などがあり
、その複合窒化物でも良い。
複合窒化物の系としてF e −Cr系、Fe−V系、
Fe −Mn系、Fe−Cr−V系、Fe−Cr −V
−Mn系等がある。
Fe −Mn系、Fe−Cr−V系、Fe−Cr −V
−Mn系等がある。
金属窒化物の系は目的とする合金系成分、ならびに製造
性、経済性により選択されれば良い。
性、経済性により選択されれば良い。
なお、Cr2Nを用いた場合には、従来の高N鋼で問題
となるCr2N析出に伴う耐食性劣化の問題が少ないこ
とから、金属窒化物微粉としてはCr2Nの微粉が好ま
しい。
となるCr2N析出に伴う耐食性劣化の問題が少ないこ
とから、金属窒化物微粉としてはCr2Nの微粉が好ま
しい。
金属窒化物微粉はすでに良く知られた市販のものであれ
ば充分であり、あるいは金属粉末を圧粉成形時にN2ガ
スとともに加熱することにより処理して窒化物を生成さ
せてもよい。本発明において使用される金属窒化物の平
均粒径は小さい方が望ましく一般には80μm以下が好
ましく、さらに望ましくは平均粒径10μm以下が良い
。金属窒化物はその製造工程において酸化されやすいが
、金属窒化物中の酸素濃度は低ければ低いほど良い。
ば充分であり、あるいは金属粉末を圧粉成形時にN2ガ
スとともに加熱することにより処理して窒化物を生成さ
せてもよい。本発明において使用される金属窒化物の平
均粒径は小さい方が望ましく一般には80μm以下が好
ましく、さらに望ましくは平均粒径10μm以下が良い
。金属窒化物はその製造工程において酸化されやすいが
、金属窒化物中の酸素濃度は低ければ低いほど良い。
望ましくは金属窒化物中の酸素濃度は0.2%以下が良
い。
い。
鋼製カプセルは炭素鋼製、ステンレス鋼製いずれでも良
いが、鋼中の炭素濃度は低いほうがより好ましい。加熱
処理時に容器からの浸炭を防止するためである。C含有
量は炭素鋼の場合、0.03%以下、ステンレス鋼の場
合0.02%以下がもっとも望ましい。真空引きの際の
保持温度は室温でも良いが、内部の水分を除去する目的
より加熱する方がより効果的である。金属窒化物が分解
しない温度範囲内で、より高温において真空引きするこ
とが望ましい。脱気後N2ガスをカプセル内に充填する
と加熱時の熱伝達がより改善される効果がある。
いが、鋼中の炭素濃度は低いほうがより好ましい。加熱
処理時に容器からの浸炭を防止するためである。C含有
量は炭素鋼の場合、0.03%以下、ステンレス鋼の場
合0.02%以下がもっとも望ましい。真空引きの際の
保持温度は室温でも良いが、内部の水分を除去する目的
より加熱する方がより効果的である。金属窒化物が分解
しない温度範囲内で、より高温において真空引きするこ
とが望ましい。脱気後N2ガスをカプセル内に充填する
と加熱時の熱伝達がより改善される効果がある。
次いで、これに高密度化と焼結を行う。高密度化と焼結
は熱間静水圧法(H[P)により高密度化と焼結が同時
に行われても良(、あるいは冷間静水圧法と熱間鍛造、
熱間押出し、熱間抽伸、熱間圧延の組み合せにおいて行
われても良い。900℃以上の温度に保持されることに
より金属窒化物の分解、そしてNのステンレス鋼側への
固溶、拡散が進行し、窒素拡散用が形成される。
は熱間静水圧法(H[P)により高密度化と焼結が同時
に行われても良(、あるいは冷間静水圧法と熱間鍛造、
熱間押出し、熱間抽伸、熱間圧延の組み合せにおいて行
われても良い。900℃以上の温度に保持されることに
より金属窒化物の分解、そしてNのステンレス鋼側への
固溶、拡散が進行し、窒素拡散用が形成される。
ここに、「窒素拡散用」とは金属窒化物周囲に形成され
た窒素濃度勾配を有する領域であり、最終の熱履歴によ
りCr2NまたはCr−Nの金属窒化物が析出する場合
がある。
た窒素濃度勾配を有する領域であり、最終の熱履歴によ
りCr2NまたはCr−Nの金属窒化物が析出する場合
がある。
本発明にかかるオーステナイト系焼結合金の場合、その
C含有量は、合金粉末に由来する量程度は許容され、特
に制限されないが、耐食目的であって炭化物の生成を可
及的に制限して所要の耐食性を確保するためには、0.
02%以下に制限することが好ましい。
C含有量は、合金粉末に由来する量程度は許容され、特
に制限されないが、耐食目的であって炭化物の生成を可
及的に制限して所要の耐食性を確保するためには、0.
02%以下に制限することが好ましい。
かくして、本発明方法により、任意の鋼中N?74度を
有する高窒素含有オーステナイト系合金鋼を容易に製造
することが可能である。一般には、そのようにして得ら
れるオーステナイト系焼結合金の密度は理論密度の95
%以上、望ましくは98%以上であって、そのN含有量
は平均濃度で0.5%以上である。しかも、本発明にか
かる焼結合金鋼は、N含有量が高く、耐孔食性、耐隙間
腐食性が著しく改善されるとともに、高強度化を図るこ
とができる。また、従来、難加工材の1つと考えられて
いた高窒素含有オーステナイト系ステンレス鋼の製造が
、本発明によれば、銅粉が金属製容器内に充填されてい
ることもあって容易となる。
有する高窒素含有オーステナイト系合金鋼を容易に製造
することが可能である。一般には、そのようにして得ら
れるオーステナイト系焼結合金の密度は理論密度の95
%以上、望ましくは98%以上であって、そのN含有量
は平均濃度で0.5%以上である。しかも、本発明にか
かる焼結合金鋼は、N含有量が高く、耐孔食性、耐隙間
腐食性が著しく改善されるとともに、高強度化を図るこ
とができる。また、従来、難加工材の1つと考えられて
いた高窒素含有オーステナイト系ステンレス鋼の製造が
、本発明によれば、銅粉が金属製容器内に充填されてい
ることもあって容易となる。
次に、本発明を実施例によってさらに詳述する。
実施例
それぞれ第1表および第2表に示した組成、粒径を有す
る各ステンレス銅粉とCr系窒化物微粉末とを混合した
後、鋼中Cr2度が0.018%である炭素鋼製カプセ
ルに充填し加熱しながら真空に引いて内部を脱気し密閉
した。
る各ステンレス銅粉とCr系窒化物微粉末とを混合した
後、鋼中Cr2度が0.018%である炭素鋼製カプセ
ルに充填し加熱しながら真空に引いて内部を脱気し密閉
した。
第1表に示したステンレス鋼粉は第3表中に比較鋼(実
験mll、12.13)を原料としてガスアトマイズ法
により製造したステンレス鋼粉である。
験mll、12.13)を原料としてガスアトマイズ法
により製造したステンレス鋼粉である。
第2表に示したCr系窒化物微粉末は市販の試薬を用い
た。第3表中の一部の発明鋼(実験陽5)では第2表に
示したCr系窒化物微粉末をボールミルで粉砕して平均
粒径2μmとしたものを用いた。
た。第3表中の一部の発明鋼(実験陽5)では第2表に
示したCr系窒化物微粉末をボールミルで粉砕して平均
粒径2μmとしたものを用いた。
真空引きの条件はI X 10−3mm11gであり、
その際の加熱温度は550℃X Ihrである。次いで
、これに第3表に示す工程により高密度化と焼結を行い
試験に供した。
その際の加熱温度は550℃X Ihrである。次いで
、これに第3表に示す工程により高密度化と焼結を行い
試験に供した。
熱間静水圧法(HIP >により高密度化と焼結を同時
に行う場合には、窒素ガス雰囲気で2000気圧の圧力
をかけながら1350℃で1時間の焼結を実施した。加
熱温度は金属窒化物の分解、N拡散を促進する目的より
1000℃以上、融点以下の高温度であることがより望
ましい。1カプセルの重量は8゜5kgである。
に行う場合には、窒素ガス雰囲気で2000気圧の圧力
をかけながら1350℃で1時間の焼結を実施した。加
熱温度は金属窒化物の分解、N拡散を促進する目的より
1000℃以上、融点以下の高温度であることがより望
ましい。1カプセルの重量は8゜5kgである。
熱間鍛造は、焼結体を1250℃に加熱してから1時間
保持後、厚さ30mm X幅80mm x長さLの仕上
げ寸法にまで熱間鍛造した。鍛造後は空冷した。
保持後、厚さ30mm X幅80mm x長さLの仕上
げ寸法にまで熱間鍛造した。鍛造後は空冷した。
熱間圧延は1250℃に加熱してから1時間保持後、厚
さ7mmX幅801×長りにまで熱間圧延した。
さ7mmX幅801×長りにまで熱間圧延した。
熱間押出しは900℃に焼結体を予熱後、高周波炉にて
1250℃に加熱して実施した。
1250℃に加熱して実施した。
焼鈍は1120℃または1230℃に保持後水冷して実
施した。
施した。
第3表中の発明鋼1.2.4、lOでは合金粉末に由来
するマトリックス相中にCr系窒化物の析出が認められ
た。他方発明鋼3.5.6.7.8.9では合金粉末に
由来するマトリックス相中への・Cr系窒化物の析出は
みられなかった。このことは ・焼鈍温度による。
するマトリックス相中にCr系窒化物の析出が認められ
た。他方発明鋼3.5.6.7.8.9では合金粉末に
由来するマトリックス相中への・Cr系窒化物の析出は
みられなかった。このことは ・焼鈍温度による。
このようにして得た各高N含有オーステナイト系ステン
レス鋼の旧P材、および板材から試験片を切り出して常
温および600℃での引張試験、シャルピー衝撃試験、
人工海水中での孔食電位測定、耐酸化試験をそれぞれ実
施した。各試験結果をまとめて第3表に示す。
レス鋼の旧P材、および板材から試験片を切り出して常
温および600℃での引張試験、シャルピー衝撃試験、
人工海水中での孔食電位測定、耐酸化試験をそれぞれ実
施した。各試験結果をまとめて第3表に示す。
引張試験は平行部が直径5ff111、長さ30mmの
丸棒引張試験片で行った。シャルピー衝撃試験は2■V
ノフチ付JIS 4号ハーフサイズ(厚さ5mm >を
用い一20℃で実施した。孔食電位測定はAr脱気した
人工海水80℃中で行い電流密度が100μA /cd
となる電位VCにより評価した。耐酸化試験は大気中1
300℃、6時間加熱空冷の条件で6回加熱を繰り返し
た後、試料表面の酸化物を除去した後の酸化減量にて評
価した。なお、得られた焼結体の密度はいずれの場合も
実質上理論密度のほぼ100%であった。
丸棒引張試験片で行った。シャルピー衝撃試験は2■V
ノフチ付JIS 4号ハーフサイズ(厚さ5mm >を
用い一20℃で実施した。孔食電位測定はAr脱気した
人工海水80℃中で行い電流密度が100μA /cd
となる電位VCにより評価した。耐酸化試験は大気中1
300℃、6時間加熱空冷の条件で6回加熱を繰り返し
た後、試料表面の酸化物を除去した後の酸化減量にて評
価した。なお、得られた焼結体の密度はいずれの場合も
実質上理論密度のほぼ100%であった。
発明鋼の耐力は比較鋼に比べ顕著に高く、さらに孔食電
位は著しく改善されている。このことはいずれも高N化
による。シャルピー衝撃吸収エネルギーも5.3 kg
f−m/co!以上と充分高い値を有している。発明鋼
10は比較鋼13に比べ酸化減量が大きく減少しており
、高温での強度上昇が著しい特徴を有している。
位は著しく改善されている。このことはいずれも高N化
による。シャルピー衝撃吸収エネルギーも5.3 kg
f−m/co!以上と充分高い値を有している。発明鋼
10は比較鋼13に比べ酸化減量が大きく減少しており
、高温での強度上昇が著しい特徴を有している。
(発明の効果)
以上の説明からも明らかなように、本発明により得られ
るオーステナイト系焼結合金は耐食性はもちろん耐酸化
性にもすぐれた高強度のものであって、したがって、耐
食目的ばかりでなく耐酸化性目的さらには高強度目的に
も有利に使用することができる。
るオーステナイト系焼結合金は耐食性はもちろん耐酸化
性にもすぐれた高強度のものであって、したがって、耐
食目的ばかりでなく耐酸化性目的さらには高強度目的に
も有利に使用することができる。
本発明鋼の諸性質は形状によって左右されるものではな
く、たとえば焼結晶、鍛造品、板あるいは管、継目無鋼
管のいかんにかかわらず得られるものである。
く、たとえば焼結晶、鍛造品、板あるいは管、継目無鋼
管のいかんにかかわらず得られるものである。
よって本発明に係る鋼の産業分野における利用範囲は極
めて広い。
めて広い。
Claims (3)
- (1)合金粉末に由来するマトリクス相と周囲を取り囲
むように存在するN拡散相を有する、金属窒化物微粉に
由来する分散相とから成り、理論密度の95%以上の密
度であって平均N含有量が0.5%以上である、耐食性
にすぐれた高窒素含有オーステナイト系焼結合金。 - (2)金属窒化物微粉と合金粉との未焼結混合体を金属
容器内に充填し、脱気、密封した後、高密度化および焼
結を行い、続いて得られた焼結体を900℃以上、融点
以下の温度に保持して金属窒化物中のNを合金側へ拡散
させる工程を含む高窒素含有オーステナイト系焼結合金
の製造方法。 - (3)前記金属窒化物微粉の平均粒径が80μm以下で
ある、特許請求の範囲第(2)項記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60175524A JPH0772328B2 (ja) | 1985-08-09 | 1985-08-09 | 高窒素含有オーステナイト系焼結ステンレス鋼およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP60175524A JPH0772328B2 (ja) | 1985-08-09 | 1985-08-09 | 高窒素含有オーステナイト系焼結ステンレス鋼およびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6237346A true JPS6237346A (ja) | 1987-02-18 |
JPH0772328B2 JPH0772328B2 (ja) | 1995-08-02 |
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ID=15997566
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP60175524A Expired - Lifetime JPH0772328B2 (ja) | 1985-08-09 | 1985-08-09 | 高窒素含有オーステナイト系焼結ステンレス鋼およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0772328B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN108660378A (zh) * | 2018-06-15 | 2018-10-16 | 河南科技大学 | 一种高氮合金钢及其制备方法 |
JP2019151924A (ja) * | 2018-02-27 | 2019-09-12 | ロールス・ロイス・ピーエルシーRolls−Royce Public Limited Company | オーステナイト鉄合金を製造する方法 |
JP2020100856A (ja) * | 2018-12-20 | 2020-07-02 | 国立大学法人東北大学 | 耐食性に優れる窒化物含有焼結鋼の製造方法 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS49104807A (ja) * | 1973-02-09 | 1974-10-03 | ||
JPS5247506A (en) * | 1975-10-13 | 1977-04-15 | Kobe Steel Ltd | Nitrogen-containing powder-sintered high speed steel |
-
1985
- 1985-08-09 JP JP60175524A patent/JPH0772328B2/ja not_active Expired - Lifetime
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPS49104807A (ja) * | 1973-02-09 | 1974-10-03 | ||
JPS5247506A (en) * | 1975-10-13 | 1977-04-15 | Kobe Steel Ltd | Nitrogen-containing powder-sintered high speed steel |
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JP2020100856A (ja) * | 2018-12-20 | 2020-07-02 | 国立大学法人東北大学 | 耐食性に優れる窒化物含有焼結鋼の製造方法 |
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Publication number | Publication date |
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JPH0772328B2 (ja) | 1995-08-02 |
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