JPS6236125Y2

JPS6236125Y2 -

Info

Publication number: JPS6236125Y2
Application number: JP11387480U
Authority: JP
Priority date: 1980-08-12
Filing date: 1980-08-12
Publication date: 1987-09-14
Also published as: JPS5737441U

Description

【考案の詳細な説明】本考案は、絞り型乾き度計に関するものであ
る。

一般に地熱発電に使用する地熱蒸気は、地上に
おいて高温、高圧のしめり蒸気であるため、気水
分離器を通つてタービンに導かれる。このタービ
ンに導かれる蒸気中に熱水分が混じり込むこと
は、発電効率、タービンの耐久性に悪影響を及ぼ
すため、途中の計装配管を流れる蒸気の乾き度を
知る必要がある。

従来、蒸気の乾き度を測定する装置は、第１図
に示すように、蒸気管１中へ、数個の小穴を穿設
したサンプル管２が差し込まれており、蒸気流を
一定の割合でサンプリングし、サンプリングされ
た蒸気はサンプル管２の他端３で絞られ、乾き度
測定装置４内で断熱膨張して過熱蒸気となつた
後、バルブ５が開かれて大気中に放出されるよう
になつている。そして乾き度測定装置４内の過熱
蒸気のエンタルピーは、温度計Ｔおよび圧力計P₂
を測定して決定でき、蒸気管１内のエンタルピー
を蒸気の圧力、温度より求め、２つのエンタルピ
ーから乾き度が求められる。

しかし、上述の装置では、特に高温、高圧の地
熱蒸気の場合サンプル管２および乾き度測定装置
４からの熱損失が比較的大で、また乾き度測定装
置４内の温度と外気温との温度差から多量のドレ
インが発生し、また測定蒸気の流量調節が十分で
ない等の原因により、高精度の測定が困難であ
る。

本考案は、実用新案登録請求の範囲に記載した
構成とすることにより、高精度の乾き度の測定を
可能ならしめる装置を得ることを目的としてい
る。

第２図は、本考案に係る乾き度測定装置の一例
を示したものであつて、本考案の構成を第２図に
よつて説明すれば、円筒状の外装管６内部に、該
外装管６の軸と同心の円筒状の内装管７が、前記
外装管６の上部平面および下部底面の内壁ならび
に外装管６の内周面と関隙L₁，L₂，L₃を有する
間隙部８を介して内装されている。

前記外装管６は、上部平面はシールされ、他方
下部底面中央部に蒸気排出口９が形成されてお
り、また内装管７の上端面１０は開放されてお
り、他方下側底面１１に、複数のドレン抜き孔１
２が形成されている。

また、前記内装管７の中央部分より僅か下側
に、該内装管７の軸に直角に内装管７の内部へ絞
り管１３が突出形成されており、該絞り管１３の
先端平面部はシールされると共に、該絞り管１３
の外周面であつて前記内装管７の中心軸部分に複
数の絞り孔１４が形成されている。

また、前記絞り管１３の他端の弁部１７にニー
ドルバルブ１５が取付けられており、該ニードル
バルブ１５は、外装管６に軸に平行な軸を有する
蒸気導入管１６に連通されている。なお第２図中
符号Ｈはニードルバルブのハンドル、Ｐは圧力
計、Ｔは温度計である。

本考案は、以上のごとき構成になるものであつ
て、次にその作用効果について説明すれば、蒸気
導入管１６内に蒸気を導通せしめ、ハンドルＨを
調節してニードルバルブ１５を弁部１７から開放
する。前記蒸気導入管１６に導通された蒸気の一
部は、ニードルバルブ１５と弁部１７との間隙を
通つて絞り管１３内へ供給された後、複数の絞り
孔１４から内装管７内部へ断熱膨張しつつ放出さ
れる。

内装管７内に放出された蒸気は、第２図中の矢
印に示すように、該内装管７の上端面１０を経て
該内装管７の外部へ放出され、外装管６と内装管
７との間隙部８を通過した後外装管６の下側底面
に設けられている蒸気排出口９から排出される。

内装管７へ断熱膨張して放出される蒸気は、先
に放出され外装管６と内装管７との間隙部８を通
過する蒸気によつて常に保温されており、従つて
内装管７内の蒸気はほぼ一定の温度に保持でき
る。

従つて、内装管７内へ温度計を挿入することに
よつて断熱膨張時の正確な温度が測定できる。ま
た、内装管７内へ放出された蒸気の圧力は、外装
管６に取付けられた圧力計Ｐによつて検知するこ
とができ、従つて内装管７内へ断熱膨張した蒸気
の温度、圧力を測定してエンタルピーが求めら
れ、他方蒸気導入管１６内へ導通される蒸気の温
度、圧力から断熱膨張前のエンタルピーが求めら
れ、従つてこれより蒸気の乾き度を計算によつて
求めることができる。

すなわち、本考案に係る装置は、断熱膨張時の
蒸気が外装管６と内装管７との間隙部８を通過し
ている蒸気により常に保温された状態を維持する
ことができるから、内装管７内の断熱膨張された
蒸気は外気温の影響をほとんど受けず、従つて従
来のごとき外気温との温度差に基因するドレンの
発生も最小限に止めることができる。なお、必要
によつて寒冷地等の場合には、外装管６の外周面
を適宜保温材で被覆することもできる。

また、内装管７内に僅かに生じたドレンは、内
装管７の下側底面１１に形成された複数のドレン
抜き孔１２を通して徐々に内装管７外部へ排出さ
れ、さらにこのドレンは外装管６の下側底面中央
部に形成された蒸気排出口９から、排出蒸気と共
に排出されるため、ドレンの排出も簡単である。

さらにまた、蒸気導入管１６に導通される蒸気
から乾き度測定用蒸気を上述のようにサンプリン
グする場合、ニードルバルブ１５の調節のみによ
り簡単にサンプリングすることができるから、蒸
気導入管１６に導通される地熱蒸気の圧力の変化
にも即応してニードルバルブ１５を調整すること
により、安定した蒸気を連続的にサンプリングす
ることができる。

以上のごとく本考案は測定用蒸気を断熱膨張さ
れた蒸気で常時保温させているから、断熱膨張時
の温度を正確に測定することができると共に、外
気温の影響をほとんど受けないため、高温、高圧
の地熱蒸気と外気温との温度差に基因する大量の
ドレンの発生もなく、高精度の乾き度を測定する
ことができる。

また、地熱蒸気のごとく異なる圧力の蒸気に対
しニードルバルブを調節することによつて一定の
流量の蒸気を簡単にサンプリングすることができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来装置の断面図、第２図は本考案に
係る装置の一例の断面図である。６……外装管、７……内装管、８……間隙部、
９……蒸気排出口、１０……内装管上端面、１１
……内装管下部底面、１２……ドレン抜き孔、１
３……絞り管、１４……絞り孔、１５……ニード
ルバルブ、１６……蒸気導入管。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

円筒状に形成された上部平面がシールされ、か
つ下部底面に蒸気排出口を有する外装管内に、該
外装管の軸と同心位置で、かつ該外装管の内周
面、上部平面および下部底面の各内壁との間に、
一定の間隙を保持して円筒状の内装管が嵌装され
ており、該内装管の上部平面は開放されており、
他方、下部底面には複数のドレン抜き孔が形成さ
れると共に、該内装管内に複数の絞り孔を有する
絞り管が突出形成されており、該絞り管がニード
ルバルブを介して蒸気導入管と連通していること
を特徴とする蒸気の乾き度測定装置。