JPS6234987Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は油母頁岩乾留ガスの回収設備に関する
ものである。

オイルシエールからシエールオイルを回収する
方法は、大別するとシヤフト炉、火格子炉、キル
ン炉の各種があるが、このうちシヤフト炉型式
は、密に充填したオイルシエール粒子と、加熱媒
体としてのガスとの接触効率が良好なため、ガス
量を少量に止めることが可能で、このため設備費
や運転費の節減を図ることができるので、既に数
種のプロセスが開発されている。

一方、乾留炉より発生する炉頂ガスが露点以下
である場合、ダクト及び機器内で油分及び水分が
凝結し、さらにガス中のダスト分がこれに加わ
り、固着してダクト及び機器を閉塞させ、設備の
正常運転を阻害する恐れがある。

従来公知の設備ではこのような場合、ダクト内
での凝結を防止するため、ダクトの加熱保温等が
考えられているが、エネルギー的にみると得策と
は云い難い。

本考案は上記の欠点を改善するべく、ガス精製
設備における冷却器を２段（あるいは２段以上）
冷却方式とし、１次冷却器を出るガス温度を100
〜110℃に保持することにより、１次冷却器にお
いて閉塞性物質である重質油を回収するものであ
る。

従つて本考案によるときは１次冷却器以降のガ
スは重質油が除去されるためダクト、機器への閉
塞が緩和される効果がある。

又本考案は２次冷却器にて所定温度までガスを
冷却し、軽質油を回収する。この回収された軽質
油を用いて、閉塞の激しい１次冷却器以前のガス
ダクト及び機器内を間欠又は連続洗浄することに
より、ダクト内へのダクト附着・閉塞が防止でき
る。洗浄に用いる軽質油は同質の油であるため容
易に重質油を溶解する。従つて閉塞物質が容易に
除去できる。この冷却方式を採用することによつ
て洗浄油を系外から持ち込むことなく安定した運
転ができる。

以下本考案を図面について説明する。

乾留炉１より発生する炉頂ガスは、ガスダクト
２によりガス冷却設備内の１次冷却器３へ導かれ
る。１次冷却器３では出口ガス温度を100〜110℃
に保持することにより、ガス中から閉塞性物質で
ある重質油及びスラツジ分が除去され、１次冷却
器以降のダクト・機器の閉塞を緩和する。重質油
及びスラツジ分は輸送配管５により１次分離器６
へ輸送される。１次分離器６では重質油とスラツ
ジ分が分離され、重質油が回収される。重質油は
タール、ピツチを含むアスフアルトリツチのもの
を指称する。これらの重質油の露点に前記出口ガ
ス温度を一致せしめることは極めて実際的であ
る。

一方１次冷却器３を通過したガスは、２次冷却
器４へ導入され、所定温度迄冷却される間に軽質
油及び水が回収され、輸送管７により２次分離器
８に輸送される。

２次分離器８では水が軽質油例えばナフサと分
離され、軽質油はポンプ９により、１次冷却器３
回りのガスダクト（特に閉塞の激しい１次冷却器
以前のダクト）及び機器へ配管１０を介して輸送
され、間欠あるいは連続的にダクト及び機器を洗
浄し、重質油又はダスト附着による閉塞を防止す
ることができる。

以上詳述したように本考案によれば、ガス中の
柄塞性物質である重質油あるいはダストの附着に
よるダクト及び機器の閉塞は、ガスの２次冷却器
にて回収される軽質油の間欠又は連続洗浄により
防止できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の設備フローである。 １……一般炉、２……ガスダクト、３……１次
冷却器、４……２次冷却器、５……重質油及びダ
スト輸送管、６……１次分離器、７……軽質油、
水及びダスト輸送管、８……２次分離器、９……
軽質油ポンプ、１０……軽質油輸送配管。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 油母頁岩乾留炉より回収した乾留ガスを冷却し
   て油分を抽出する設備において、乾留ガス回収管
   路に冷却温度の異なる冷却器を少くとも２段に設
   け、後段冷却器によつて回収された軽質油を前段
   冷却器を含む上流側に一部循環せしめるバイパス
   管を設けたことを特徴とする油母頁岩乾留ガスの
   回収設備。