JPS6232522Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、刃の部分が取替え可能な庖丁に関す
る。

従来、庖丁は主に本焼きの鉄製のものが主であ
つたが、この種の庖丁は切れ味が良いが刃こぼれ
が多く、また取扱いを少し誤るとすぐに錆が発生
する難点があり砥石で研ぐことが不可欠の条件と
されている。このため本職用として残るのみで最
近一般家庭用として用いられている庖丁はステン
レス製が主流となつている。このステンレス製の
庖丁は錆にくい利点はあるものの切れ味が悪くな
つた場合に普通の砥石では錆が硬いために仲々う
まく研げず、そのため専用の研ぎ具があるとして
も直ぐに切れ味が落る傾向にあつた。

本考案は、庖丁を分解組立て式として、替え刃
を取替えることにより簡単に切れ味の鋭い庖丁を
常に使用できるようにし、調理の仕易さと料理の
味を楽しむ庖丁を提供するものである。

添付図面により本考案を説明すると、第１図は
本考案の庖丁全体の平面図を示し、第２図は分解
図を示すものであつて、イ，ロは庖丁の腹板を示
し、ハは替刃部分を示す。又第３図は断面図を示
している。図において１，１′は表裏両面の平板
で庖丁の腹板を示す。この腹板の一方（図示しあ
つては１′）には柄１０の挿込む細長い挿込み部
１″が形成されていて背側の一側に凸状の係合部
を形成し、刃側には替刃２の嵌合凸部４が嵌合す
る嵌合溝６および６′を形成して平板の中央にネ
ジ（図示していない）を刻設したボルト孔８が開
口されている。又他の腹板１には前記腹板１′の
背側の係合凸部７に係合する係合溝７′を形成す
ると共に替刃２の嵌合凸部４の嵌合する嵌合溝６
を設けて平板の中央にネジ（図示していない）を
刻設したボルト孔８′が形成されている。一方替
刃２は、切刃３には緩い曲線を形成し腹板１，
１′に取付ける側にはＴ型に突出した嵌合凸部４
および小片５を小さく成形するものである。この
ために両腹板１，１′の嵌合溝６より端の部分は
平板部分よりも薄型に成形しておくことが必要で
ある。

そして組立てに当つては、一方の腹板１′の嵌
合溝６の上に替刃２のＴ型嵌合凸部４を載せてそ
の上に腹板１を組合せて皿ボルト９をボルト孔
８′から８に通るように螺入する。しかるときは
二枚の腹板１，１′は係合凸部７と溝７′、および
刃部のＴ型嵌合凸部４および５と嵌合溝６，６′
によつて嵌合固定し、さらに皿ボルト９によつて
締付けて組立てが完了し、又切れ味が落ちて刃２
を交換する場合には皿ボルト８を緩めて分解する
だけで簡単に取替えられるものである。

この腹板１，１′の厚さはボルト孔８，８′のネ
ジ切りを考えてそれぞれ2.5mm程度が適当であ
り、したがつて二枚組合せた本考案の庖丁の厚さ
は５mmであつて、一般の出刃庖丁の背の厚さの７
mmと比べてさ程厚くなく使用に当つて不便を感じ
ることはない。又前述のようにこの庖丁は係合凸
部７、嵌合溝６、皿ボルト９によつて固定されて
いるため使用中にも形ずれや分解することがな
く、替刃２を数多く作成しておき刃物店、金物店
はもとよりスーパー等に常備しておけば、これを
求めることによつて切れ味の落ちた庖丁は簡単な
操作で刃部２を替え新品同様の切れ味が出て調理
ができるものである。

一般に料理は、味、色彩等によつて味覚をそそ
ることは勿論であるが、庖丁の切れ味によつて調
理品の切口の見事さというものも見た目の美しさ
による味覚に通じるものであつて、特に一般家庭
において本考案の庖丁を使用したときには常に切
れ味のよい庖丁で調理するために料理が楽しくで
きるという実用的な効果は顕著であると信ずる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の庖丁の全体の平面図を示し、
第２図イ，ロ，ハは分解図を示す。第３図は庖丁
の横断面図を示すものである。 １，１′……腹板、２……替え刃、３……刃、
４……Ｔ型嵌合凸部、６……嵌合溝、７，７′…
…係合部、８，８′……ボルト孔、９……皿ボル
ト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 表裏二枚の庖丁の腹板１，１′からなり、該腹
   板１，１′にはネジを刻設したボルト孔８，８′を
   開口すると共に腹板の刃２装着側に嵌合溝６を成
   形する一方、別に作成した刃部２には僅かに形成
   した切刃３とその反対側に小さく突出したＴ型の
   嵌合凸部を成形し、該刃部２を前記二枚の腹板の
   嵌合溝６に嵌合させて一体に合せ、皿ボルト９を
   前記腹板のボルト孔８，８′に螺合して固定し柄
   １０に装着してなることを特徴とした刃物取替え
   庖丁。