JPS6232305Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、都市ガスや水道水などを輸送するた
めの管や送電線が挿通された管などの地中埋設物
が延びる方向などの布設状況を表示するための釘
に関する。

地表に打込んで地中埋設物の存在を表示する在
来の釘は、金属から成り、その軸部には螺旋状に
延びる凹部または凸部が形成され、この釘を道路
などの地表に打込んで設定し、その釘の頭部に刻
印された文字およびマークのみで地中埋設物が何
であるかを表示していた。このような先行技術で
は、釘が金属から成るため、比較的高価であり、
また多数本を運搬するに当つては大重量となる。
しかも地表から釘が抜けて道路上にころがつてい
るとき、自動車などが走行して飛散すると、極め
て危険である。しかももつと重要なことは、軸部
が前述のようにねじ状になつているため、釘が打
込まれるときにその軸部の軸線まわりに角変位し
てしまい、そのため方向、図形等の複雑な表示を
することができない。

したがつて本考案の主な目的は、これらの技術
的課題を解決した改良された地中埋設物表示用釘
を提供することである。

第１図は本考案の一実施例の正面図、第２図は
その右側面図、第３図は平面図、第４図は底面
図、第５図は第２図の切断面線−から見た断
面図である。背面図は第１図の正面図と同一であ
り、左側面図は右側面図と同一である。本考案に
従う釘１は、基本的には頭部２とその頭部２に同
一軸線をもつて一体的に形成された軸部３とを有
する。この釘１は耐衝撃性のあるナイロンなどの
硬質合成樹脂材料によつて一体的に成形される。
頭部２は、軸部３に向けて広がる偏平な円錐台の
形状を有する。軸部３は、頭部２と同一軸線上に
あり、大径の接続部４と、遊端に向けて小径とな
る円錐部５と、小径の軸棒６と、この軸棒６の先
端に形成された先細状の円錐部７と、軸棒６にそ
の長手方向に間隔をあけて設けられた係止部８と
から成る。係止部８は、逆円錐体が軸棒６の直径
線に平行な軸棒６の外周面に接する一対の平面に
よつて側面９で示すごとく切除された形状を有す
る。

釘１には第６図示の高透磁率材料などの金属片
１０が設けられる。金属片は、円板状の頭部１１
と、この頭部１１に直角に同心に設けられた軸部
１２とから成り、この頭部１１は釘１の頭部２に
埋められ、軸部１２は釘１の軸部３内に埋められ
る。したがつて金属片１０によつて釘１の強度が
向上され、地中への打込み時において釘１が破壊
されるおそれがなくなる。また釘１がアスフアル
トなどの舗装材によつて隠れても、金属片１０の
ためにその存在を金属探知器によつて知ることが
できる。

第３図に明らかなように、頭部２の平坦部１３
には、矢印などの記号１４または図形などが印刷
または刻設され、これによつて地中埋設物の長手
方向を表わすことができる。法律で規制されてい
るように、都市ガスを輸送する管を表示するため
には、釘１を緑色に着色し、「ガス管」の文字１
５を頭部２の平坦部１３に黒色で表示する。な
お、水道管の場合には釘を青色に着色し、白色で
「水道管」と表示し、また電力管の場合には橙色
に着色した釘に赤色で「電力管」などの文字を表
示する。

この釘１を地中に打込むに当つては、軸棒６の
外径とほぼ同一の内径を有する孔をドリル等によ
つて軸部３の長さｌよりも長く地中に穿設し、こ
こにハンマーによつて頭部２を叩いて打込む。係
止部８は、一旦打込まれた軸部３が地中から抜出
すことを防ぎ、また係止部８の側面９は一旦打込
まれた釘１の軸部３がその軸部３の軸線まわりに
角変位することを阻止する。

第７図は本考案の他の実施例の斜視図、第８図
はその正面図、第９図はその底面図、第１０図は
第９図および第８図の切断面線−から見た断
面図である。この釘２０の背面図および左右の側
面図は、第８図の正面図と同一である。この実施
例では、頭部２１および軸部２２を有し、その頭
部２１には管などの地中埋設物の延びる方向を示
す矢印などの記号２３などが表示され、かつ地中
埋設物の種類を示す文字２４が表示されることは
前述の実施例と同様である。注目すべきは、この
実施例では軸部２２の軸直角断面の形状が八角形
であり、その対角線上の４つの面に先端に向けて
軸線に沿つてすぼまつた形状を有する係止部２５
が形成されている。このような軸部２２の形状
は、単純には、軸直角断面が正方形の角材の稜線
を長手方向に沿つて係止部２５を残して切欠いて
形成したものである。このような釘２０は、硬質
合成樹脂で一体的に形成され、またその内部に金
属片が埋込まれる点は、前述の実施例と同様であ
る。

頭部２，２１には、蛍光顔料によつて矢印など
の記号１４，２３や文字１５，２４を表示しても
よい。また頭部２，２１には、記号１４，２３や
文字１５，２４を表示した表示板を、嵌め込みま
たは接着などによつて、固着してもよい。頭部
２，２１と軸部３，２２とは、別々に形成された
後に両者２，２１；３，２２が固着されて一体化
されてもよいが、一体成形によつて製造されるこ
とが生産性の観点から好ましいであろう。

以上のように本考案によれば、軸部は、引抜き
を阻止するとともに打込み動作によつて回転力が
作用しない形状を有するので、その頭部に矢印な
どの記号を表示して地中埋設物の布設状況を示す
ことが可能である。この釘を、予め方向を定めた
あとで、地中に単純に打込むことによつて、正確
な方向等の表示が可能となる。また内部には金属
片が設けられているので、釘の強度が向上すると
ともに、釘の上にアスフアルトなどがかぶせられ
て釘が地表から見えなくなつた場合でも、金属探
知器によつて釘の存否を知ることが可能である。
釘は硬質合成樹脂から成るので、軽量であり、ま
た安価に提供され、しかも地表から万一抜け出し
て道路などにころがつているとき、自動車などの
走行によつて飛散しても、在来の金属製釘に比べ
て安全である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の正面図、第２図は
その側面図、第３図はその平面図、第４図はその
底面図、第５図は第２図の切断面線−から見
た断面図、第６図は金属片１０の斜視図、第７図
は本考案の他の実施例の斜視図、第８図はその正
面図、第９図はその底面図、第１０図は第８図の
切断面線−から見た断面図である。 １，２０……釘、２，２１……頭部、３，２２
……軸部、８，２５……係止部、１４，２３……
記号、１０……金属片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 地中埋設物の布設状況を表わす矢印などの記号
   などを頭部に表示し、その頭部と一体的な軸部
   は、引抜きを阻止しかつ打込み動作によつて回転
   力が作用しない形状を有し、頭部および／または
   軸部の内部には金属片が設けられ、硬質合成樹脂
   材料から成ることを特徴とする地中埋設物表示用
   釘。