JPS6231927Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の技術分野］ 本考案は電球形蛍光ランプ装置に係り、特に１
個または複数個の湾曲部を有する湾曲形蛍光ラン
プと安定器などの部品を透光性合成樹脂よりなる
外囲器内に収納する電球形蛍光ランプ装置の点灯
時の外観を向上させた構成の改良に関する。

［考案の技術的背景とその問題点］ 近時省電力形照明用光源として電球形蛍光ラン
プ装置が市販されている。この装置は直管形蛍光
ランプをＵ形や立体状のＷ形、すなわち鞍形に折
曲した湾曲形蛍光ランプを光源とし、安定器やグ
ロースタータ、コンデンサー、などの始動器とと
もに耐熱性絶縁部材からなるシヤーシにとりつけ
て透光性の外囲器内に収納して電球口金を取りつ
けてあるから、従来の一般照明用白熱電球のソケ
ツトに装着することができ、光出力が白熱電球と
同等で消費電力を1/3程度にすることができる利
点がある。

上記外囲器は一般に透光性合成樹脂で構成され
ているが、上記外囲器全面がほぼ均一な輝度を有
していることが望ましい。

しかしながら、上記したように外囲器が透光性
合成樹脂で構成されていると、上記透光性外囲器
内に設けられたシヤーシに一体的にとりつけられ
ている安定器やグロースターター、コンデンサー
からなる、始動器などの非発光体が蛍光ランプか
らの光を遮つて外囲器に影を作り外囲器全面の輝
度の均一性を損なうという問題点があり、白熱電
球と点灯時の外観が相異し外観品位が低下する欠
点があつた。

透光性外囲器が主として湾曲形蛍光ランプを外
囲するグローブと、安定器や始動器およびこれら
をとりつけたシヤーシなどを外囲し電球口金がと
りつけられたカバーとからなつているものでは、
電球口金側のカバーに上記非発光体の複雑な影が
発生しやすく、非発光体は安定器などの集合体の
いびつな形状をしているので影がいびつで外観が
損なわれやすかつた。

一方この種蛍光ランプ装置においては、安定器
が外囲器内に収納されているので、放熱しにく
く、安定器の昇温を招く。例えば電源電圧が定格
電圧の107％以上の値になると安定器は異常発熱
し、極端な場合は焼損する。又、コンデンサーに
ついても、上記条件で使用された場合、耐電圧性
が低下し、点灯時にキツク電圧が印加されるとコ
ンデンサー内部で絶縁破壊し、同時に焼損し、例
えば、セラミツクコンデンサーの場合には発火す
るおそれもあつた。カバー内部に配置された安定
器、コンデンサーが焼損、発火した場合、カバー
本体が変形し、極端な場合には引火したり、装置
が落下したりするという欠点があつた。

［考案の目的］ 本考案は上記の背景技術の問題点に鑑みてなさ
れたもので、電球形蛍光ランプ装置の電球口金側
のカバーに発生していた安定器やシヤーシなどの
複雑でいびつな好ましくない影の発生をきわめて
少なくすることができ、また耐熱性の向上された
改良された電球形蛍光ランプ装置を提供すること
を目的とする。

［考案の概要］ 本考案は湾曲形蛍光ランプと安定器と始動器と
を具備するシヤーシを、グローブとカバーとから
なる透光性合成樹脂よりなる外囲器の内部に収納
し、上記外囲器のカバー側に電球口金を設けてな
るものにおいて、上記安定器は、上記外囲器のカ
バー側に収納され、蛍光ランプは外囲器のグロー
ブ側に収納され、透光性外囲器のカバーは上記グ
ローブより肉厚が厚く構成されていることを特徴
とする電球形蛍光ランプ装置である。

［考案の実施例］ 本考案の詳細を図示の電球形蛍光ランプ装置の
一実施例を参照して説明する。

湾曲形蛍光ランプ１はその湾曲部２をリブ３に
よつて吊持され、その端部４をホルダ５に当接し
てホルダ５に固定されている。リブ３及びホルダ
５と一体成形されたシヤーシ６は安定器７を保持
し、シヤーシ６の他端は電球口金８内に嵌装固定
されている。湾曲形蛍光ランプ１の端部４から導
出されるリード線ならびに安定器７のリード線は
ラジオなどの無線機器への雑音防止用コンデンサ
ーや点灯管などの始動器とともに通常の蛍光ラン
プ点灯回路を構成しているが、図においては省略
してある。

透光性外囲器９は主として湾曲形蛍光ランプ１
を外囲するグローブ１０と、安定器７などを外囲
するカバー１１とからなつており、上記透光性外
囲器９の内部にはシヤーシ６にとりつけられた湾
曲形蛍光ランプ１と安定器７および点灯管などの
始動器などが収納されている。即ち、蛍光ランプ
１は、グローブ１０側に、安定器７、点灯管など
の始動器などはカバー側に収納されている。透光
性外囲器９のカバー１１はグローブ１０より肉厚
の厚い合成樹脂によつて構成されており、上記グ
ローブ１０とカバー１１とは嵌合または接着によ
つて固着されている。上記固着状況を明確に示す
ためにＡ円部を拡大してＢ円に示してある。

透光性外囲器を形成する合成樹脂材は、たとえ
ばポリカーボネイトなどを使用し、カバー側の表
面に凹凸を施したり、乳白色にしたりして拡散透
光性で、たとえば1.5mmの肉厚とし、グローブ側
を透明な合成樹脂で1.0mmの肉厚としてもよく、
またカバー、グローブともに拡散透光性にしてカ
バー側の肉厚を厚くしてもよい。

本考案は上記したように構成されているから肉
厚の厚いカバー側に収納されている安定器や点灯
管などの部材の影がカバーに写りにくくなり、特
に拡散透光性樹脂を使用した場合、その効果が大
きい。また、たとえば安定器の点灯中の発熱とか
コンデンサなどの耐電圧の低下などにより安定器
やコンデンサなどの焼損が発生した場合、上記安
定器側のカバーは肉厚が厚いから変形しにくく、
焼え難いため、事故の発生を防止することができ
る。

さらに透光性外囲器のグローブとカバーとはた
とえばインジエクシヨンあるいはインジエクシヨ
ン・ブロー成形によつて作られるが、カバーをグ
ローブより肉厚を厚くして同一の拡散透光性樹脂
によつて形成してもよい。

［考案の効果］ 以上詳述したように本考案は湾曲形蛍光ランプ
と安定器と始動器とを具備するシヤーシを、グロ
ーブとカバーとからなる透光性の合成樹脂よりな
る外囲器の内部に収納し、上記透光性外囲器のカ
バー側に電球口金を設けてなるものにおいて、上
記安定器は外囲器のカバー側に収納され、蛍光ラ
ンプは外囲器のグローブ側に収納され、外囲器の
カバーは上記グローブより肉厚が厚く構成されて
いることを特徴とする電球形蛍光ランプ装置であ
る。しかして、安定器などを具備するシヤーシな
どの非発光体が透光性外囲器に作り出す複雑な形
状の影を少なくし、従来の白熱電球に近似した外
観品位を有し外観を好適にすることが可能な電球
形蛍光ランプ装置を提供できるという効果を有し
ている。

さらに、カバーの肉厚はグローブ側よりも厚く
したから、安定器等の焼損に伴うカバーの変形等
の危険性を低減できる効果を有している。

なお、湾曲形蛍光ランプは前記した実施例のよ
うな３個所の湾曲部を有する蛍光ランプに限らず
１個または複数個の湾曲部を有するものであつて
もよいことはいうまでもない。

【図面の簡単な説明】

図は本考案一実施例の電球形蛍光ランプ装置の
一部切欠正面図である。 １……湾曲形蛍光ランプ、６……シヤーシ、７
……安定器、８……電球口金、９……透光性外囲
器、１０……グローブ、１１……カバー。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 湾曲形蛍光ランプと安定器と始動器とを具備
   するシヤーシを、グローブとカバーとからなる
   透光性合成樹脂よりなる外囲器の内部に収納
   し、上記外囲器のカバー側に電球口金を設けて
   なるものにおいて、上記安定器は上記外囲器の
   カバー側に収納され、蛍光ランプは外囲器のグ
   ローブ側に収納され、外囲器のカバーは上記グ
   ローブより肉厚が厚く構成されていることを特
   徴とする電球形蛍光ランプ装置。 (2) 外囲器のカバーは拡散透光性合成樹脂によつ
   て形成され、グローブは透光性合成樹脂または
   拡散透光性合成樹脂によつて形成されているこ
   とを特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項
   記載の電球形蛍光ランプ装置。