JPS6231697Y2 - - Google Patents

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JPS6231697Y2
JPS6231697Y2 JP18341579U JP18341579U JPS6231697Y2 JP S6231697 Y2 JPS6231697 Y2 JP S6231697Y2 JP 18341579 U JP18341579 U JP 18341579U JP 18341579 U JP18341579 U JP 18341579U JP S6231697 Y2 JPS6231697 Y2 JP S6231697Y2
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JP
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clutch housing
clutch
hydraulic
housing
brake
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  • Gear-Shifting Mechanisms (AREA)
  • Arrangement Of Transmissions (AREA)
  • Arrangement And Driving Of Transmission Devices (AREA)

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は添付図に例示するように、伝動機構
を収容するハウジング4内の比較的高所で互に同
心的に配置された原動側の伝動軸9と従動側の伝
動軸7とのうち、従動側の伝動軸7上にクラツチ
ハウジング11を固定設置し、原動側の伝動軸9
と上記クラツチハウジング11とに一方及び他方
の摩擦エレメント13,14をそれぞれ擢動自在
且つ相対回転不能に支持させると共に、上記クラ
ツチハウジング11内の一端部に形成した油圧室
17への選択的な油圧の供給により変位せしめら
れて該一方及び他方の摩擦エレメント13,14
を押圧し摩擦係合させるピストン16を上記クラ
ツチハウジング11内に、リターンばね15によ
り摩擦エレメント13,14反対方向に移動附勢
させて設けて、前記両伝動軸9,7間を選択的に
連結及び連結解除するための油圧クラツチ10を
構成し、また前記クラツチハウジング11におい
て前記油圧室17とは反対側の端から前記ピスト
ン16付近にかけてクラツチハウジング11軸線
方向に沿わせ該ハウジング11の内周面と外周面
とに開口させて形成されている摩擦エレメント支
持用溝穴の形成部をクラツチハウジング11軸線
方向において避けた位置におき該クラツチハウジ
ング11の外周面にブレーキシユー19を対設す
ると共に、このブレーキシユー19を上記クラツ
チハウジング11に対し押付けるように変位附勢
して上記ブレーキシユー19によりクラツチハウ
ジング11を回転不能に制動させるスプリング3
1を備えた単動型の油圧作動筒を設け、この油圧
作動筒におけるスプリング附勢力解除用の油室3
2を前記油圧クラツチ10に対する作動油の給排
回路34に接続して、前記油圧クラツチ10の離
脱時に前記した従動側の伝動軸7を制動するため
のブレーキ20を、前記クラツチハウジング11
をブレーキドラムとして構成設置してある農用ト
ラクタ等において、上記したブレーキを備えた慣
性回転防止装置に関するものである。
農用トラクタ等の走行作業車においてクラツチ
の従動側に、該クラツチが離脱せしめられたとき
クラツチ従動側の回転伝動部材の慣性回転を速や
かに停止させるブレーキを設けることは、例えば
上記クラツチを離脱させた上でシフト操作される
変速装置が該クラツチの従動側に設けられていて
変速装置のシフト操作に先立ち同装置の歯車の回
転を迅速に停止させたい場合とか、上記クラツチ
が油圧リフト装置により昇降せしめられる作業機
を駆動するためのPTO軸に対する伝動径路中に
設けられていて油圧リフト装置により作業機を上
昇させるのに先立ちクラツチを離脱させ作業機の
駆動を停止するとき安全のためにPTO軸及び作
業機の駆動を迅速に停止させたい場合とかに、行
なわれて来ており、上記したクラツチが前記した
ような油圧クラツチとされているとき上記ブレー
キは油圧クラツチの離脱状態において、該油圧ク
ラツチにおける原動側の摩擦エレメントの回転に
伴なう潤滑油の引きずり現象により従動側の摩擦
エレメントが回転せしめられてクラツチ従動側の
回転伝動部材が不測に回転する、いわゆるつれ廻
いを併せ防止するものとなる。
そしてこのようにクラツチと関連させたブレー
キを、クラツチが油圧クラツチとされている場合
に前述のようなブレーキに構成するときは、油圧
クラツチのクラツチハウジングがブレーキ用のブ
レーキドラムに兼用されることから、ブレーキド
ラムを別設する構造のブレーキと対比して部品点
数が減らされブレーキ構造が簡単化されるが、こ
の考案はこのようにブレーキ構造を簡単化する構
造を利用して前述ブレーキの潤滑及び冷却を行な
うこととしてある、新規な慣性回転防止装置を提
供するものである。
すなわち最初に述べたように伝動機構を収容す
るハウジング内で油圧クラツチと共に比較的高所
に設けられるブレーキは、上記のようなハウジン
グ内の低部には伝動部材を潤滑するための潤滑油
が収容されているのに対し、そのような潤滑油に
浸漬しないか浸漬したとしても極く一部でしか浸
漬しないから、潤滑油中で制動作動を行なうブレ
ーキと対比してブレーキ作動中に油によるブレー
キシユーのスリツプが起きにくくてブレーキの効
きがよく大きな制動力を発揮する。しかし反面に
おいて、従来はかかるブレーキを潤滑及び冷却す
るための機構を設けていなかつたため、油圧クラ
ツチが入れられブレーキが切られている状態で油
圧クラツチのクラツチハウジングに摺接するブレ
ーキシユーの摩耗及び発熱が著しくなるといつた
不具合があつた。
そこでこの考案は冒頭に記載した構造の農用ト
ラクタ等において、ブレーキの効きが不良となる
ことを極力避けつつ、クラツチハウジングをブレ
ーキドラムとして利用した構造を利用し上記の不
具合を解消してある新規な慣性回転防止装置を、
提供しようとするものである。
図示の実施例について、この考案に係る農用ト
ラクタ等における慣性回転防止装置の構成を説明
すると、第1図に示すように、機体前部にエンジ
ン1を塔載し、このエンジン1の動力を、それぞ
れ機体ハウジングを構成しているクラツチハウジ
ング2、ミツシヨンケース3及びリヤハウジング
4内方向へと伝導し、左右後輪5を駆動すること
で機体の走行を行なわせると共に、機体後部へ延
出させてある作業機駆動用のPTO軸6を回転駆
動するように、構成されている農用トラクタにお
いて、この考案は次のように実施されている。
すなわち第2図に示すようにリヤハウジング4
の後端部内には、前記PTO軸6とその前段の伝
動軸7との間に配してPTO軸6の回転数を変更
制御するためのPTO変速装置8を設けてあり、
上記伝動軸7の前段には該伝動軸7と同心的に配
して前記エンジン1にて常に回転駆動される伝動
軸9を設けてある。そして原動側に位置する伝動
軸9と従動側に位置する伝動軸7との間には、該
両伝動軸9,7間を選択的に連結及び連結解除し
てPTO軸6へ伝達される動力を選択的に入断す
る油圧クラツチ10が、該油圧クラツチ10のク
ラツチハウジング11を従動側の伝動軸7に固定
して設けられている。この油圧クラツチ10は、
上記したクラツチハウジング11と原動側伝動軸
9にスプライン嵌合にて固定して設けた回転支持
金物12とに、複数枚宛の一方及び他方の摩擦エ
レメント13,14を交互に配してクラツチ10
軸線方向に沿い摺動のみ自在に支持させ、油圧作
用で摩擦エレメント13,14間の摩擦係合を得
てクラツチ係合を得る、それ自体は周知の多板式
の油圧クラツチに構成されている。クラツチハウ
ジング11内にはリターンばね15により後退方
向に移動附勢されたピストン16を設けてあり、
このピストン16背後の油圧室17に圧油を供給
することで、ピストン16の前進を得て、摩擦エ
レメント13,14間の圧接を得るようにされて
いる。
クラツチハウジング11に支持させてある摩擦
エレメント13は第2図から明らかなように、ク
ラツチハウジング11に油圧室17反対側の端か
らピストン16付近にかけてクラツチハウジング
軸線方向に沿わせ該ハウジング11の内周面と外
周面とに開口させて形成してある摩擦エレメント
支持用溝穴にエレメント13外周端の爪部分を嵌
入させて、クラツチハウジング11に支持させて
ある。
この考案に係る慣性回転防止装置は、前記した
PTO変速装置8の変速操作を行なうのに先立
ち、変速操作をスムーズとするために上記油圧ク
ラツチ10を離脱させたときとか、第1図に示す
ように機体上面の後端部に設置された油圧リフト
装置18により作業機を待機位置へと上昇させる
のに先立ち、PTO軸6から伝動を受ける該作業
機の駆動を停止させ安全を図るために上記油圧ク
ラツチ10を離脱させたときに、伝動軸7及び
PTO軸6の慣性回転を防止して該軸7,6の迅
速な回転停止を得るためのものとして、次のよう
に設けられている。
すなわち該慣性回転防止装置は第2,4図に示
すように、油圧クラツチ10のクラツチハウジン
グ11をブレーキドラムとし、該クラツチハウジ
ング11の外周面にブレーキシユー19をクラツ
チ10軸線方向でみて、クラツチハウジング11
における前記した摩擦エレメント支持用溝穴の形
成部をクラツチハウジング11軸線方向において
避けた位置において対設して、構成されたブレー
キ20を、備えている。ブレーキシユー19は、
第4,5図に示すように、リヤハウジング4の一
側壁内面後端部の突部21に軸支させた支点ピン
22に、該支点ピン22まわりで回動自在に支持
されている。上記したリヤハウジング4の一側壁
には第4図に示すように、外面側に位置する円形
凹溝23と該凹溝23の中心で上記一側壁を貫通
する穴24とを形成してあり、上記凹溝23にピ
ストン部を嵌合しピストンロツド部を、穴24を
通してリヤハウジング4内にまで延出させてある
ピストン・ピストンロツド25を、設けてあつ
て、該ピストン・ピストンロツド26のピストン
ロツド部を、両端に支点ピン26,27を備えた
リンク28により、ブレーキシユー19の自由端
部へと接続してある。リヤハウジング4側壁外面
上には上記凹溝23部でキヤツプ29を固定具3
0にて装着してあり、このキヤツプ29内面とピ
ストン・ピストンロツド25のピストン部背面と
に両端を当てて、ピストン・ピストンロツド25
をリヤハウジング4内方向に移動附勢する1対の
圧縮スプリング31が設けられていて、該スプリ
ング31によりピストン・ピストンロツド25を
前進させ、リンク28を介してブレーキシユー1
9を、支点ピン22まわりでクラツチハウジング
11外周面へ押付け方向に回動させて、ブレーキ
20の制動作動を得るようになされている。
つまりブレーキシユー19をクラツチハウジン
グ11に対し押付けるように変位附勢してブレー
キシユー19によりクラツチハウジング11を回
転不能に制動させるスプリング31を備えた単動
型の油圧作動筒が設けられているのであり、スプ
リング31の附勢力を解除するための油室32は
ピストン・ピストンロツド25のピストン部前面
側に形成されている。そして該油室32には、次
のようなときに油圧を作用させるべく図られてい
る。
すなわち第6図は前記油圧クラツチ10に対す
る油圧給排制御回路を示しているが、上記した油
室32は同図に示すように、油圧クラツチ10に
対する油圧の給排を切替え制御する切換弁33と
油圧クラツチ10ないしその前記油圧室17との
間を接続する油給排回路34に、接続回路35に
より接続してある。上記の切換弁33は、油タン
ク36から油圧ポンプ37により調圧弁38にて
設定される油圧の作動油を導いて来る給油回路3
9と、作動油を油タンク36へと戻す排油回路4
0とに、一次側の2ポートを接続して設けられて
おり、給油回路39及び油給排回路34を経て油
圧クラツチ10に圧油を供給する作用位置と油
圧クラツチ10から油給排回路34及び排油回路
40を経て油タンク36へと作動油を排出する中
立位置とを備えている。したがつて、切換弁3
3を作用位置において油圧クラツチ10を入れ
ている状態では、油室32に圧油が供給されピス
トン・ピストンロツド25が後退せしめられて、
ブレーキ20が制動作動せず、逆に、切換弁33
を作用位置から中立位置へと移して油圧クラ
ツチ10を離脱させるときは、油室32からの油
ドレーンでピストン・ピストンロツド25が圧縮
スプリング31力で前進せしめられて、ブレーキ
20が制動作動を行なうこととなる。
第2図に示すように、クラツチ10軸線方向で
みて前記したクラツチハウジング11内の摩擦エ
レメント13,14設置部から前記ブレーキシユ
ー19上にわたりクラツチハウジング11の外周
位に環状の油だまり41を形成する薄板製のドラ
ム42が、クラツチハウジング11外周位置に設
けられている。このドラム42は同様に第2図に
示すように、後端部の直径をブレーキシユー19
の厚さに対応させて大としてあると共に、前端と
後端とにクラツチハウジング11外周面に内周端
をほぼ接する環状の内向き突縁42a,42bを
設け、さらに第3図に示すように後端の内向き突
縁42bに、第2図に示すようにブレーキシユー
19が嵌合する切欠き溝42cを形成してあるも
のに、構成されている。該ドラム42は第3図に
示すように、リヤハウジング4の両側壁内面に突
設した左右の支板部43に、ドラム42外周面上
に突設した左右の取付板42dを固定具44によ
り固定することで、リヤハウジング4に支持させ
てある。通例のようにクラツチハウジング11に
は、第2図に該ハウジング11の上端部分につい
て図示されているように、前記した摩擦エレメン
ト13をその外周端の爪部分で摺動のみ自在に嵌
合支持する前述の摩擦エレメント支持用溝穴が、
円周方向において間欠的に形成されている。
第2図に示すように前記油圧ポンプ36は内接
歯車式のものに構成されて前記伝動軸9の前端端
で、該伝動軸9とその前段の伝動軸60とを連結
するカツプリング61をポンプ軸に兼用させて設
置されている。そしてこの油圧ポンプ36のリー
ク油を潤滑油として伝動軸7前端部を支承する伝
動軸9後端の中空軸承部9aと油圧クラツチ10
内の摩擦エレメント13,14部とに導くべく、
伝動軸9と伝動軸7とにそれぞれ、潤滑油用の油
通路52,53を穿設してある。クラツチハウジ
ング11内に該油通路52,53を介して潤滑油
が供給されるのに対し、クラツチハウジング11
内から該ハウジング11の回転に伴ない作用する
遠心力作用で前述の摩擦エレメント支持用溝穴を
通して外部へもたらされる潤滑油は、ドラム42
にて画成された環状の油だまり41にたくわえら
れ、該油だまり41から僅かづつリークして行く
こととなる。なおドラム42の内向き突縁42b
に形成した前記切欠き溝42c(第2,3図)は
前記したようにブレーキシユー19を嵌合するた
めのもので、この切欠き溝42cにブレーキシユ
ー19を嵌合することによりドラム42後端の内
向き突縁42の内端をクラツチハウジング11の
外周面に対し極力近接させうることとなつて、ド
ラム42後端位置での油だまり41内からの油リ
ーク量を減少できる。第2図において50,51
はそれぞれ、前記した油圧ポンプ36から切換弁
33を経て油圧クラツチ10の油圧室17に作動
油を導くべく、リヤハウジング4後端のハウジン
グ蓋4aと前記伝動軸7とに穿設された油通路で
あり、第6図に図示の前記油給排回路34の一部
分を構成している。
なお前記したPTO変速装置8は第2図に示す
ように、伝動軸7上に設けた、該軸7と一体の2
個の変速歯車45,46と、PTO軸6に遊嵌さ
れ上記変速歯車45,46にそれぞれ噛合せてあ
る2個の遊転歯車47,48であつてそのボス部
に爪47a,48aを形成してある2個の遊転歯
車47,48と、該両遊転歯車47,48間で
PTO軸6上にスプライン嵌合にて摺動自在に設
けられたシフト金物49であつて上記爪47a,
48aにそれぞれ噛合せ得る爪49a,49bを
形成してあるシフト金物49とを、備えたものに
構成されている。そしてこのPTO変速装置8
は、PTO軸6上でシフト金物49を選択的に摺
動変位させ、爪47a,49a間の噛合いにより
遊転歯車47をPTO軸6に結合することにより
1速の変速比を、また爪48a,49b間の噛合
いにより遊転歯車48をPTO軸6に結合するこ
とにより2速の変速比を、それぞれ選択的に得る
ことができるものとされている。
なお油圧クラツチ10の摩擦エレメント13,
14部に対し供給する潤滑油としては、前述のよ
うに油圧ポンプ37のリーク油を利用する他、通
常行なわれているようにクラツチ作用油圧を設定
する前記のような調圧弁38のリリーフ油を利用
することもでき、第7図はそのように調圧弁リリ
ーフ油を利用する変形例を油圧回路図でもつて示
している。第7図において62は、クラツチ作用
油圧設定用の調圧弁38の二次側に接続されて調
圧弁38のリリーフ油について例えば1.5Kg/cm2
といつた低圧の潤滑油圧を成立させる二次調圧弁
であり、両調圧弁38,62間から油圧クラツチ
10の摩擦エレメント部へ連らねられた潤滑油供
給回路63が導き出されている。
この考案に係る図示の慣性回転防止装置は、前
述のように構成されているから、PTO変速装置
8の変速操作とか油圧リフト装置18による作業
機の上昇動に先立ち、切換弁33を作用位置か
ら中立位置へと移して油圧クラツチ10を離脱
させ伝動軸9,7間の連結を解除したときは、ピ
ストン・ピストンロツド25のピストン部前面側
の油室32から油がドレーンされて、ピストン・
ピストンロツド25が圧縮スプリング31作用で
伸長動作し、ブレーキ20によるクラツチハウジ
ング11及び伝動軸7の制動が、したがつて該伝
動軸7後段のPTO軸6の制動も、得られる。し
たがつて、伝動軸7とPTO軸6の慣性回転が防
止され該軸7,6の迅速な回転停止が得られる。
なお圧縮スプリング31力にて決定されるブレー
キ20の制動力は比較的小さい力に設定されてい
て、PTO変速装置8の変速操作時に伝動軸7と
その上の変速歯車45,46の回転変位が許容さ
れるように図つてある。
そして油圧クラツチ10のクラツチハウジング
11外周位に前記のような環状の油だまり41が
形成されていることから、この油だまり41には
クラツチハウジング11内の摩擦エレメント1
3,14の設置空間から潤滑油が、油圧クラツチ
10が係合状態にあつてクラツチハウジング11
が回転するとき同回転に基づき潤滑油に作用する
遠心力により、前記した摩擦エレメント支持用溝
穴を通し比較的多量に放出される。このように油
だまり41内へと比較的多量の潤滑油が供給され
る油圧クラツチ10の係合状態では、ブレーキ2
0が切られブレーキシユー19が回転するクラツ
チハウジング11に対し摺接する状態にあるが、
同摺接によりブレーキシユー19に摩耗及び発熱
が生じることが油だまり41内に比較的多量に供
給される潤滑油によつて抑制されることとなり、
ブレーキシユー19に異常摩耗が生じるような事
態が防がれる。
また油圧クラツチ10が離脱せしめられブレー
キ20が制動作動する状態ではクラツチハウジン
グ11が回転しないことから、クラツチハウジン
グ11内の摩擦エレメント13,14設置空間内
の潤滑油に対して遠心力がほとんど作用せず(原
動側の摩擦エレメント14の回転に引きずられて
回動する潤滑油の回動に基づく遠心力のみとな
る。)、このため油だまり41内へ供給される潤滑
油の量が著減する。なお摩擦エレメント13,1
4設置空間内に供給される潤滑油量自体も、第2
図に図示のようにポンプ37リーク油を利用する
構造においても第6図に図示の前記給油回路39
に油圧が成立しないことから油圧ポンプ37の油
リーク量が減ぜしめられることからして、減少す
る。そしてリヤハウジング4の内壁面に支持させ
た薄板製ドラム42内に形成された油だまり41
は完全には密閉されず該油だまり41からの油の
逃げが連続して起きることから、結局、油圧クラ
ツチ10が切られブレーキ20が作動している状
態では油だまり41に実質上、油がたまることな
く、このためクラツチハウジング11に押付けら
れているブレーキシユー19が油のためスリツプ
を起す事態が避けられ、ブレーキ20による制動
作用が確実に得られることとなる。
以上の説明から明らかなように、この考案は最
初に述べたような農用トラクタ等において、前記
クラツチハウジング11の軸線方向でみて、前記
した摩擦エレメント支持用溝穴の形成部から前記
ブレーキシユー19の設置部にかけて前記クラツ
チハウジング11の外周位に環状の油だまり41
を、前記ハウジング4の内壁面に支持させた薄板
製のドラム42により該ドラム42の内面側に形
成したことを特徴としており、次の効果を奏す
る。
すなわちこの考案の慣性回転防止装置は、油圧
クラツチ10の離脱時に該クラツチ10従動側の
回転伝動部材の慣性回転を防止するための、ブレ
ーキシユー19を備えたブレーキ20を、油圧ク
ラツチ10のクラツチハウジング11をブレーキ
ドラムとして構成設置した構造を利用し、そのよ
うなクラツチハウジング11に形成された摩擦エ
レメント支持用溝穴の形成部からブレーキシユー
19の設置部にかけてクラツチハウジング11外
周位に、伝動機構を内装するハウジング4の内壁
面に支持させた薄板製ドラム42により環状の油
だまり41、つまりクラツチハウジング11が回
転することとなる油圧クラツチ10の係合状態で
あつてブレーキ20が作動しない状態ではクラツ
チハウジング11内の摩擦エレメント13,14
設置部から潤滑油が遠心力により比較的多量に供
給される油だまり41であつてクラツチハウジン
グ11が停止する油圧クラツチ10の離脱及びブ
レーキ20の作動状態では上記の潤滑供給量が極
減する油だまり41を、区画形成したものである
から、ブレーキ20の作動状態では油によるブレ
ーキシユー19のスリツプが起き難くブレーキ2
0が良く効くこととしながら、ブレーキシユー1
9の摩耗及び発熱が起きうるブレーキ20の非作
動状態で油だまり41に比較的多量に供給される
潤滑油によりブレーキシユー19の潤滑と冷却を
行なつて上記の摩耗及び発熱を抑制しブレーキの
寿命を高めることとする。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの考案の一実施例を装備した農用ト
ラクタの概略側面図、第2図は同トラクタ要部の
縦断側面図、第3図は同トラクタ要部の一部省略
横断平面図、第4図は同トラクタ要部の一部省略
縦断背面図、第5図は同実施例要部の部材のみを
示す斜視図、第6図は同トラクタにおける一油圧
回路の回路図、第7図は一部の変形例を示す油圧
回路図である。 6……PTO軸、7……伝動軸、9……伝動
軸、10……油圧クラツチ、11……クラツチハ
ウジング、12……回転支持金物、13,14…
…摩擦エレメント、15……リターンばね、16
……ピストン、17……油圧室、19……ブレー
キシユー、20……ブレーキ、22……支点ピ
ン、25……ピストン・ピストンロツド、28…
…リンク、29……キヤツプ、31……圧縮スプ
リング、32……油室、33……切換弁、34…
…油給排回路、35……接続回路、41……油だ
まり、42……ドラム、42a,42b……内向
き突縁、42c……切欠き溝、42d……取付
板、43……支板部、44……固定具。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 伝動機構を収容するハウジング4内の比較的高
    所で互に同心的に配置された原動側の伝動軸9と
    従動側の伝動軸7とのうち、従動側の伝動軸7上
    にクラツチハウジング11を固定設置し、原動側
    の伝動軸9と上記クラツチハウジング11とに一
    方及び他方の摩擦エレメント13,14をそれぞ
    れ摺動自在且つ相対回転不能に支持させると共
    に、上記クラツチハウジング11内の一端部に形
    成した油圧室17への選択的な油圧の供給により
    変位せしめられて該一方及び他方の摩擦エレメン
    ト13,14を押圧し摩擦係合させるピストン1
    6を上記クラツチハウジング11内に、リターン
    ばね15により摩擦エレメント13,14反対方
    向に移動附勢させて設けて、前記両伝動軸9,7
    間を選択的に連結及び連結解除するための油圧ク
    ラツチ10を構成し、また前記クラツチハウジン
    グ11において前記油圧室17とは反対側の端か
    ら前記ピストン16付近にかけてクラツチハウジ
    ング11軸線方向に沿わせ該ハウジング11の内
    周面と外周面とに開口もさせて形成されている摩
    擦エレメント支持用溝穴の形成部をクラツチハウ
    ジング11軸線方向において避けた位置におき該
    クラツチハウジング11の外周面にブレーキシユ
    ー19を対設すると共に、このブレーキシユー1
    9を上記クラツチハウジング11に対し押付ける
    ように変位附勢して上記ブレーキシユー19によ
    りクラツチハウジング11を回転不能に制動させ
    るスプリング31を備えた単動型の油圧作動筒を
    設け、この油圧作動筒におけるスプリング附勢力
    解除用の油室32を前記油圧クラツチ10に対す
    る作動油の給排回路34に接続して、前記油圧ク
    ラツチ10の離脱時に前記した従動側の伝動軸7
    を制動するためのブレーキ20を、前記クラツチ
    ハウジング11をブレーキドラムとして構成設置
    してある農用トラクタ等において、前記クラツチ
    ハウジング11の軸線方向でみて前記した摩擦エ
    レメント支持用溝穴の形成部から前記ブレーキシ
    ユー19の設置部にかけて前記クラツチハウジン
    グ11の外周位に環状の油だまり41を、前記ハ
    ウジング4の内壁面に支持させた薄板製のドラム
    42により該ドラム42の内面側に形成したこと
    を特徴としてなる慣性回転防止装置。
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JPS61115722A (ja) * 1984-11-13 1986-06-03 Kubota Ltd トラクタの動力取出装置

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