JPS6231587Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 技術分野 本考案は、サツシ枠に障子を組み付ける際に用
いられるサツシ組立用治具に関する。

従来技術 サツシを組み立てるに際しては、四角に枠組み
されたサツシ枠に、あらかじめ組み立てられた障
子を組み付ける。通常、この組み付け作業は、水
平な面を有する作業台に乗せて行なつている。す
なわちサツシを水平状態に保つまま組み付け作業
を行なつていた。

周知のように、窓にしろ、ドアにしろ使用状態
は垂直状態である。この垂直状態で使用するサツ
シを、水平状態で組み付け作業を行つていたた
め、使用時に回転軸部分のクリアランス、障子の
重量によるたわみ等により誤差が生じる。

例えば第５図イに示す障子Ａがサツシ枠Ｂに対
して回転する回転窓の場合、障子Ａの重量によつ
て同図、ロ，ハに示すように、障子Ａが下り、下
側のタイト材Ｃが過度に圧着され、上側のタイト
材C′にすき間ができることがある。こうなつた
のでは水密上問題があり、かつ開閉をスムーズに
行えなくなる。垂直状態にして組み付け作業を行
えればよいのであるが、従来の作業台上での作業
では不可能であつた。

本考案の目的 本考案は、窓枠への障子の組み付け作業を水平
状態において行い、必要に応じて窓枠を障子とと
もに垂直状態にして作業することのできる組立用
治具を提供することを目的とするものである。

本考案の要旨 本考案は、左右一対の直立させられる主柱に、
回転及び上下方向に摺動自在にサツシ枠を保持さ
せる回転フレームを取り付けたことを特徴とする
ものである。

主柱の間隔は任意に調節可能であることが望ま
しい。

また、回転フレームは主柱に回転及び摺動自在
に取り付けられた支持金具に取り付けるようにす
ることが望ましい。さらに、支持金具への取付位
置を調節自在とするこがより望ましい。

実施例の構成 主柱１は各々車２，２を取り付けられた台座３
の上に直立させられている。この主柱１は、第１
図に示すように、同一のものが二つ、一定間隔を
保つて連結部材４で連結されている。連結部材４
は台座３に取り付けられるが、少なくとも一方は
連結部材４に対して移動可能とし、主柱相互間の
間隔を調節できるようになつている。主柱間の間
隔を一定に保つものの場合、台座、連結部材を用
いずに、床に直接直立させてもよい。

主柱１は第２図に示すように、２本のミゾ形鋼
１ａ，１ｂを相対して直立させ、この間にブロツ
ク５が上下に摺動自在に取り付けられている。こ
のミゾ形鋼１ａ，１ｂ間には、さらにブロツク５
を摺動させるための油圧シリンダ６も取り付けら
れている。

ブロツク５は、中央の軸受部５ａと、レール７
をまたぐように形成された案内部５ｂとにより構
成されている。すなわち、ブロツク５はレール
７，７に沿つて上下に摺動可能である。軸受部５
ａには、これを貫通する貫通孔８と、この貫通孔
８の周辺に設けられた４つの小径の穴９，９…と
が設けられている。穴９は貫通させる必要はな
い。

この貫通孔８に支持金具１０の軸１１が回転自
在に挿入される（第３図）。支持金具１０は断面
Ｌ字状に形成された受部１２と、前記軸１１と、
軸１１の先端に取り付けられる固定具１３とから
なつている。受部１２は軸１１を取り付けてある
面１２ａにネジ孔１２ｂとピン１２ｃとが一定間
隔を置いて設けられている。前記のように、軸１
１は軸受部５ａの貫通孔８へ差し込まれる。固定
具１３は、軸１１を貫通孔８を通して差し込んだ
後、軸１１の端部に固定的に取り付け、この軸１
１が貫通孔から抜けないようかつ、支持金具１０
の回転の案内となつている。固定具１３には、前
記軸受部５ａに設けた穴９，９…に該当する位置
に孔１４，１４…が設けられている。この穴９の
いずれかと、孔１４のいずれかを一致させ、、ピ
ン１５を孔１４から穴９に差し込むことにより、
ブロツク５に支持金具１０をその受部１２が水平
又は垂直となる位置で固定することができる。ブ
ロツク５はシリンダ６によつて上下に摺動可能で
あるので、結局支持金具１０は主柱１に沿つて上
下に摺動可能であると同時に軸１１を中心に回転
可能である。

この支持金具１０の受部１２に回転フレーム１
６を固定する。この回転フレーム１６は、全体と
してＬ字状に形成され、支持金具１０に固定され
るとともに、サツシ枠の側部が接する側接部１６
ａと、サツシ枠の底部を垂せるために、側接部１
６ａに対して直角になるように形成された底部１
６ｂとからなつている。側接部１６ａの底面１６
a′には、前記受部１２の面１２ａに設けたネジ孔
１２ｂとピン１２ｃとの間隔と同一間隔を保つて
複数個の孔１７，１７…が設けられている。この
孔１７はピン１２ｃを挿入可能なバカ孔である。
回転フレーム１６を支持金具１０に取り付けるに
は、ピン１２ｃを孔１７のいずれかに入れ、ネジ
孔１２ｂと一致する孔１７から蝶ネジ１８をネジ
孔１２ｂにねじ込んで固定する。孔１７は少なく
とも３個設けられ、この孔の位置を選択すること
によつて、回転フレーム１６を支持金具１０との
相対的に位置を変えサツシ枠の大きさの違いに対
応させることができる。

回転フレーム１６は、その一側面に第４図に示
すようにサツシ枠Ｂを支えるための板体１９が取
り付けられ、かつ、板体１９の反対側からサツシ
枠Ｂを板体１９に押し付けて固定する固定具２０
を有している。固定具２０は矢印方向に揺動する
取手２０ａと、この取手２０ａの揺動に応じて揺
動し、先端２０ｂを窓枠Ｂの表面に押し付けるよ
うに移動する押え部２０ｃとからなつている。先
端２０ｂは窓枠Ｂに傷を付けないように、ゴム等
の弾性材で構成することが望ましい。

以上のように、主柱１にブロツク５を摺動自在
に取り付け、このブロツク５に支持金具１０を回
動自在に取り付け、かつ、支持金具１０に回転フ
レーム１６を取り付けることによつて本実施例が
完成する。本実施例においては、上記のように回
転フレーム１６を支持金具１０へ取り付けるよう
にしてあるが、これは支持金具１０への回転フレ
ーム１６の取付位置を変えることができるように
するためであり、その必要がない場合には回転フ
レーム１６を直接主柱１に摺動、回転自在に取り
付けてもよい。

本実施例における主柱１，１は連結部材４で連
結されるが、その連結にあつては、サツシ枠Ｂの
横巾に一致するように間隔を調節する。次に、こ
の回転フレーム１６，１６にサツシ枠Ｂを乗せ、
固定具２０で固定するわけであるが、障子Ａを取
り付けたサツシ枠Ｂの重心が、回転フレーム１６
の回転中心と一致するように回転フレーム１６自
体の支持金具１０への取付位置を調節する。この
場合、回転フレーム１６を垂直に立てたときに床
又は連結部材４に当らないように、シリンダ６に
よつてブロツク５を上昇させ、回転フレーム１６
を上げておく。調節後、サツシ枠Ｂを回転フレー
ム１６，１６間に乗せ、固定具２０で、板体１９
と固定具２０とによつてサツシ枠Ｂを保持させ
る。このサツシ枠Ｂに障子Ａを組み付けて調節
し、組み付け状態を見ながら最終的に組み立て
る。その際、作業上必要があればピン１５を外せ
ば、軸１１をフリーにさせ、支持金具１０すなわ
ち回転フレーム１６を回転させることができるの
で、必要に応じて、サツシ枠Ｂを水平、又は垂直
にして作業することができる。水平状態で作業す
る場合、シリンダ６によつて取り付けられたサツ
シ枠を作業し易い高さに調節する。

考案の効果 以上のように、本考案によれば、障子を窓枠に
組み付けるに際して、サツシ枠を水平、垂直位置
に所望に応じて設置して作業することができ、正
確に正しく組み付けることができる。

さらに回転フレームを主柱に対して上下に摺動
可能としたので、取り付けられたサツシ枠の高さ
を適宜変更することができ、水平、垂直いずれの
場合でも作業し易い位置にすることができる。

その上、回転フレームを支持金具と別体とし、
これへの取付位置を変えることができるようにす
ると、大きさの異なる多くの種類のサツシに対し
て使用することが可能なる。

この場合サツシ枠を回転させるに際して、その
回転中心をサツシ枠の重心と一致させておくこと
ができるので、サツシ枠を回転させる間に、サツ
シ枠がその重さで勝手に回転したりすることがな
く、安心して簡単にかつ、スムースに回転させる
ことができ、必要に応じて何回でも、水平、垂直
に位置変えを行うことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案実施例の使用状態の正面図、
第２図は主柱のブロツクの周辺のみを示した斜視
図、第３図は回転フレームと支持金具とブロツク
との関係を示す分解斜視図、第４図は第１図の
−断面図、第５図イはサツシ枠に障子を取り付
けた正面図、同図ロは上側のハは下側の枠と障子
の関係を模型的に図示した図。 １：主柱、２：車、３：台座、４：連結部材、
５：ブロツク、６：油圧シリンダ、７：レール、
１０：支持金具、１１：軸、１２：受部、１６：
回転フレーム。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 左右一対に直立させられた主柱と、該主柱に
   回転及び上下方向に摺動自在に取り付けられる
   サツシ枠を保持させるための回転フレームを有
   することを特徴とするサツシ組立用治具。 (2) 主柱間の間隔を調節可能である実用新案登録
   請求の範囲第１項記載のサツシ組立用治具。