JPS6228861Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、果実の成育に使用する育果袋に関す
る。

周知の育果袋のなかで、袋体の貼合部に所要長
さの突出部を設け、その突出部に所要長の止金を
内装し、その止金を口部の上方に突出部と共に突
出せしめ、かつ袋体の下部両隅に通気孔を形成し
たものが周知である。（実公昭49−13484号公報参
照） この周知の育果袋によるときは、袋体と一体構
成の突出部に止金が内装されているため、その止
金の自由度が制約され、口締め作業を能率よく行
なうには困難性があると共に、止金を屈曲すると
突出部の根元から袋体が切裂を生じる惧れがあ
り、また、袋体下部両隅の通気孔から害虫が侵入
し、幼果に被害を与える心配がある。

本考案は、この周知の不都合に着目してなした
もので、とくに、袋体に取付けた止金に大きな自
由度をもたせ、口締め作業をやりやすくすると共
に、袋体が切裂ける惧れを解消せしめ得る有益な
育果袋の提供を目的とする。

実施例を図面について説明すれば、長方形に截
断された四角形袋紙１の一側壁１０１の縦側縁に
沿いて狭幅内耳片２を折曲可能に連設形成し、か
つ他側壁１０２の縦側縁に沿いて広幅外耳片３を
折曲可能に形成する。袋紙１は２つ折りし、一側
壁１０１上に狭幅内耳片２を折重ね、貼合わせ
ず、その重なり部の接触面間上側に所要長さの止
金４の一部（図で下半分）を挾着糊付けして取付
け、かつその止金の残部（図で上半分）を袋紙１
の上側縁から上方に突出せしめる。止金４は、図
示の如く薄紙で包んだ構成でも、また防錆処理さ
れたものならば裸金でも構わないが、取付け位置
は、袋紙１の一側壁１０１と、狭幅内耳片２との
貼合されていない重なり部間の上側に一部を挾着
して取付け、残部を袋紙１の上側から上方に突出
せしめ、該重なり部を一側壁１０１以外の他側壁
１０２及び広幅外耳片３の両方にも貼合わせない
構成、即ち、どこにも貼合わせない構成にして、
止金４に大きな自由度を与えるようにする。袋紙
１の他側壁１０２の縦側縁に沿いて形成した広幅
外耳片３は、一側壁１０１と狭幅内耳片２との重
なり部を覆つて一側壁１０１上まで延び、その一
側壁に縦側縁を貼着せしめ、狭幅内耳片２を隠蔽
して障害物から保護するようにする。袋紙１の両
側壁１０１，１０２は、下側縁に沿う下側全部又
は下側中央部が線状に貼合される。

かくして、第２図示、第３図示の如き製品が得
られる。

図中、符号５は、四角形袋紙１の相互に貼着し
た一側壁１０１及び広幅外耳片３において、止金
４に沿いて広幅外耳片３の縦側縁側に切込んだ縦
切込で、口締め作業を一層能率よく行ない得るよ
うにする。符号６は貼合部の下側において繊維方
向に設けた横切込で、幼果の成育状態を観察する
とき、この横切込から切裂いて内部を見るように
する。

本考案は、叙上のようにどこにも貼合わされて
いない一側壁と狭幅内耳片とで止金を挾着せし
め、さらに相互に貼着した一側壁及び広幅外耳片
において、止金に沿う広幅外耳片の縦側縁側に縦
切込を切込んだので、その止金が上方に突出して
いることと相俟つて、大きな自由度が与えられた
止金で口締め作業も能率よく行ない得ると共に、
その自由度及び縦切込によつて、袋体を切裂く惧
れ少なく口締作業を行ない得る。

よつて、有益な育果袋を提供しえて、所期の目
的を達成できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案育果袋の袋紙を展開し、かつ止
金を分離して示す展開図、第２図は一部切欠縦断
正面図、第３図は一部切欠縦断右側面図、第４図
は使用に際して止金を横倒した状態を示す斜視
図、第５図は使用状態の斜視図、第６図は周知の
育果袋の止金を使用に際して横倒した状態の斜視
図である。 図中、１……四角形袋紙、１０１……一側壁、
１０２……他側壁、２……狭幅内耳片、３……広
幅外耳片、４……止金、５……縦切込。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 四角形袋紙の一側壁縦側縁に沿いて狭幅内耳片
   を形成し、かつ他側壁縦側縁に沿いて広幅外耳片
   を形成し、２つ折りした袋紙の一側壁上に狭幅内
   耳片を折重ね、その重なり部の上側に所要長さの
   止金を挾着せしめると共に、その止金を上側縁か
   ら上方に突出せしめ、袋紙の一側壁と狭幅内耳片
   との重なり部を覆つて広幅外耳片を袋紙の一側壁
   上に貼着し、かつそれら相互に貼着した一側壁及
   び広幅外耳片において止金に沿う広幅外耳片の縦
   側縁側に縦切込を切込み、さらに袋紙の両側壁下
   側を相互に貼合せた育果袋。