JPS6227755Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は一般の作動油、各種のガス体又は化
学薬品等の流体を輸送するための金属可撓管の継
手部に関するものであり、構造の簡素化を図ると
共に金属可撓管と継手金具を簡単確実に結合し、
その安定した気密性を得ることを目的とするもの
である。

第１図は従来の金属可撓管の継手部を示すもの
であり、周壁をらせん状にひだ付け加工したステ
ンレス鋼製の金属可撓管１′とステンレス細線を
編組した外層ブレード２′、インナーリング３′、
アウターリング４′、機器に接続すべきニツプル
５′および袋ナツト６′とで構成されており、その
製作に当つては第２図イないしチに示すように、
先ず金属可撓管１′を延伸機にかけて数個のねじ
山１b′を軸方向に粗延して、中央を切断し、粗延
した各端部１a′を再度、延伸機にかけてロ図のよ
うに金属管１′の内径に等しい直管状に仕上げ、
更にコルゲート圧縮機にかけて２〜３のねじ山１
b′をハ図のように圧着して結合部の強度を保持す
るようになし、次に金属可撓管１′にニ図のよう
に外層ブレード２′を被嵌し、この外層ブレード
２′と金属可撓管１′の直管状端部１a′をホ図のよ
うに挿入すると共に、インナーリング３に位置を
合せるようにして、外層ブレード２′の端末外周
にアウターリング４′を嵌挿し、プレス機によつ
て外方から軸心方向にアウターリング４′を圧縮
減径して、ヘ図のように外層ブレード２′のはみ
出した部分２a′をカツトすると共に金属可撓管
１′の切断端面を軸線に垂直になるように仕上
げ、次いで金属可撓管１′の直管状端部１a′の外
周にト図のように袋いナツト６′を被嵌し、この
袋ナツト６′内のテーパシール面６a′に沿うよう
に直管状端部１a′の端末をチ図のようにフレヤー
機によつて拡開し、しかる後に袋ナツト６′の内
ねじに他管接続用のニツプル５′の一側部をねじ
込み、第１図のように金属可撓管１′の拡開部を
袋ナツト６′のテーパシール面６a′とニツプル
５′後端のテーパシール面５a′との間に密着挾持
させて、金属可撓管１′と継手部材とを一体に結
合するようにしている。

このように従来のものでは、製作に当たつて相
当数の複雑な加工工程と各種の設備を必要として
おり、かつ袋ナツトを用いているために継手部の
外径が大きくなり、金属可撓管の端末と挾持テー
パ面との密着性にバラツキが生じ易く、また、ニ
ツプルのねじ込み状態によつて結合の度合に強弱
が生じ安定した気密保持ができない等の難点があ
る。

そこで、この考案は上記の欠点を解消すべく工
夫されたもので、部品点数が少なく構成がコンパ
クトでしかも結合が確実で気密性が高く、安価に
生産できる金属可撓管の継手部を提供するもので
あり、周壁に多数のねじ山を備え前端に延伸端部
を形成した金属可撓管と、その外側に被嵌された
外層ブレードと、内側に流体通孔を有し中央すば
の一側に他管接続用のねじ部を備え他側には上記
延伸端部の内径より若干小径で前部壁を斜面とな
し後部壁を直量立面とした複数の環状みぞを設け
た挿入筒部を有するニツプルと、内面の一部に、
上記環状みぞに対向し前部壁を直立面となし後部
壁を斜面とした複数の内向き突出部を設けたソケ
ツトとからなり、該ソケツトを外層ブレードの前
端部上に配設すると共に外層ブレードと上記金属
可撓管の延伸端部との間には非鉄金属製のスリー
ブを配設し、また延伸端部内には前記ニツプルの
挿入筒部を嵌挿し、上記ソケツトの内向き突出部
により外層ブレード、スリーブおよび延伸端部の
一部をニツプル弐の環状みぞに圧着係合させたこ
とを特徴としている。

以下、第３図ないし第８図を参照の上この考案
の実施例につき説明する。

第３図はこの考案の構成部品を分解して示すも
のであり、１は従来品と同じく周壁が多数のねじ
山１ｂを備えるように波付けられたステンレス鋼
製の可撓管で、２は内径が金属可撓管１の外径に
ほぼ一致するよにステンレス鋼細線を編組して作
つた外層ブレード、３は機器側の管に対し継手と
なる金属製のニツプルで、中央の多角形つば３ａ
と、その一側の機器側の管に接続される雄ねじ部
３ｂと、一側壁が斜面３をなし他側壁が直立面
３ｇをなした環状みぞ３ｃが間隔をおいて二条形
成されかつ金属可撓管１の後述のような延伸端部
１ａの内径より若干小径の挿入筒部３ｃとからな
り、内側には流体通孔３ｄを備えている。

４は上記ニツプル３の挿入筒部３ｃの外径より
僅かに大きな直径の内面４ａを有する非鉄金属製
の短筒状スリーブである。

５は金属製筒状のソケツトで、その内面は複数
に段付けられており、外層ブレード２の外径より
僅かに大きな内径を有し上記ニツプル３の二つの
環状みぞ３ｅに対向するように間隔をおいて形成
された二条の内向き突出部５ａと、その内径より
若干大きな内径の前端部（図で左端部）５ｂおよ
び突出部５ａの間のみぞ部５ｃと、これらより更
に順次に内径が大きくなるように形成された幅挾
な段部５ｄおよび幅広な後端部５ｅからなつてい
て、各内向き突出部５ａの前端部１ｂおよびみぞ
部５ｃに続く前部壁は直立面５に形成され、ま
た、みぞ部５ｃおよび幅挾段部５ｄに続く後部壁
は斜面５ｇに形成されている。

そこで、各部材の組付けに当たつては、先ず第
４図のように金属可撓管１におけるねじ山１ｂの
先端部の３〜４山を適宜の工具により粗延して延
伸端部１ａとなし、その可撓管１の外側に第５図
のように外層ブレード２を被嵌すると共に外層ブ
レード２の外側にソケツト５を嵌挿する。

その後、外層ブレード２と金属可撓管１の延伸
端部１ａとの間にスリーブ４を挿入する一方、延
伸端部１ａの内側にニツプル３の挿入筒部３ｃを
嵌挿し、次いで、ソケツト５を第６図のように金
属可撓管１の延伸端部１ａ側に移動させ、その前
端部５ｂの端面をニツプル３のつば３ａの後端面
に当接させてソケツト５の二つの内向き突出部５
ａをニツプル３上の二条の環状みぞ３ｅに対向さ
せる。

この状態でプレス機によつてソケツト５をその
外側から軸心方向に向つて圧縮減径させる。

このソケツト５の圧縮減径によつて、外層ブレ
ード２、スリーブ４及び金属可撓管１の延伸端部
１ａを、ニツプル３の挿入筒部３ｃ上に圧着し、
ニツプル３と金属可撓管１とを第７図のように結
合させる。

この場合、ソケツト５の二つの内向き突出部５
ａをニツプル３の挿入筒部３ｃ上の二条の環状み
ぞ３ｅにそれぞれ対向させてあるので、ソケツト
５の圧縮減径にともない、第８図のように外層ブ
レード２、スリーブ４及び金属可撓管１の延伸端
部１ａが重なり合つた状態で内向きに屈曲変形
し、その屈曲変形部がニツプル３の環状みぞ３ｅ
中にくい込み、かつその屈曲変形縁をソケツト５
の各内向き突出部５ａの直立かど部と各環状みぞ
３ｅの斜面３との間および各環状みぞ３ｅの直
立かど部と各内向き突出部５ａにおける斜面５ｇ
との間にかみ込ませることになり、金属可撓管１
とニツプル３とが強固確実に結合され、高い気密
性を保持する。

以上のようにこの考案では、従来のような袋ナ
ツトを必要としないので部品点数が少なく、外形
も大きくならず小型コンパクトになり、また組立
てに当たつて従来のような延伸端部を真直ぐに仕
上げたり、ねじ山を合せたり、端末を広げたり等
の面倒な加工工程を必要とせず、生産コストを低
減することができ、しかも、ソケツトの圧縮減径
により複数の内向き突出部を介して、非鉄金属製
のスリーブと外層ブレードおよび金属可撓管の延
伸端部を一体にニツプルの複数の環状みぞ中にく
い込ませると共にこれらを突出部およびみぞ部の
かど縁によつて係止するようにしたので、金属可
撓管とニツプルとの結合が強固確実となり、安定
した気密性を保持することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の継手部の半断面側面図、第２図
イないしチはその製造工程を示す説明図、第３図
はこの考案の構成部品の半断面側面図、第４図な
いし第７図はその組立歴順序を示す半断面側面
図、第８図は第７図のかこみ線部分の拡大断面
図。 図中、１……金属可撓管、１ｂ……ねじ山、１
ａ……延伸端部、２……外層ブレード、３……ニ
ツプル、３ａ……つば、３ｂ……ねじ部、３ｃ…
…挿入筒部、３ｄ……流体通孔、３ｅ……環状み
ぞ、３……斜面、４……スリーブ、５……ソケ
ツト、５ａ……内向き突出部、５ｃ……みぞ部、
５……直立面、５ｇ……斜面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 周壁に多数のねじ山１ｂを備え前端に延伸端部
   １ａを形成した金属可撓管１と、その外側に被嵌
   された外層ブレード２と、内側に流体通孔３ｄを
   有し中央つば３ａの一側に他管接続用のねじ部３
   ｂを備え他側には上記延伸端部１ａの内径より若
   干小径で前部壁を斜面３となし後部壁を直立面
   ３ｇとした複数の環状みぞ３ｅを設けた挿入筒部
   ３ｃを有するニツプル３と、内面の一部に、上記
   環状みぞ３ｅに対向し前部壁を直立面５となし
   後部壁を斜面５ｇとした複数の内向き突出部５ａ
   を設けたソケツト５とからなり、該ソケツト５を
   外層ブレード２の前端部上に配設すると共に外層
   ブレード２と上記金属可撓管１の延伸端部１ａと
   の間には非鉄金属製のスリーブ４を配設し、また
   延伸端部１ａ内には前記ニツプル３の挿入筒部３
   ｃを嵌挿し、上記ソケツト５の内向き突出部５ａ
   により外層ブレード２、スリーブ４および延伸端
   部１ａの一部をニツプル３の環状みぞ３ｅに圧着
   係合させてなる金属可撓管の継手部。