JPS6226800B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はタンクの水を底板上に放下する放下弁
を用いてアイロンを洗浄する自浄式スチームアイ
ロン、特にアイロンの水タンクの底に簡単に設置
できる前もつて組立てたサブユニツト型の放下弁
アセンブリの構造に関する。

スチームアイロンにおいては、底板の上方に水
タンクを設け、水弁構造により制御された水滴を
蒸気発生器中に送り込む。水滴はここで瞬時に蒸
気となり底板の孔から送り出されて、布地に蒸気
を加える。一般に、使用者に蒸留水を用いるよう
に勧めている。その理由は種々の水通路およびオ
リフイスが細く、水からの鉱物堆積で詰まり易い
からである。しかも水質は地域により変化する。
特に硬水の地域においては、水道水が鉱物を含
み、これがばらばらの薄片や堆積物を生じ、これ
らは熱いアイロン部品に層状に付着し易い。かゝ
る鉱物は一般に溶液もしくはコロイド懸濁液の形
態の石灰、即ち炭酸カルシウムならびに他の化学
物質である。自浄式アイロンは既に米国特許第
3747241号および第3823498号に見出される。これ
らの特許では、放下弁を用いてタンクの水を熱い
底板上にそして蒸気発生器中に放下して、アイロ
ンを清浄化し、ばらばらの堆積片や垢を押し流
す。他の設計例では過剰量の高圧蒸気を底板の孔
を介して噴出させ、孔のみを洗浄する。出願人の
自浄作用に関する新しい考え方によれば、弁構造
自体の通常のかき取り作用により洗浄して堆積物
を除去し、これを前記米国特許第3747241号の自
浄作用によつてアイロンから選び出す。２つの作
用はタンクおよび通路の洗浄と弁構造の洗浄とを
行うので、これにより従来のものより著しく寿命
の長い自浄式アイロンが得られる。弁構造の計量
ロツドおよびオリフイスのかき取りという考えは
米国特許第3496661号に開示されている。この発
明は、この種のスチームアイロンの放下弁を改良
し、スチームアイロンへの挿入前、放下弁の弁デ
イスクが的確に動作するかどうかを予備試験する
ことができ、製造能率を大幅に向上させることが
でき、しかも簡単に組み立てることができる放下
弁構造を提供することを目的としてなされたもの
である。

この発明は、水タンクと、蒸気発生底板と、オ
ン−オフ位置間を移動し、水を前記底板に導き、
蒸気を発生させる案内水弁と、前記タンクの水を
急激に前記底板に放下し、アイロンを洗浄する放
下弁とを有するスチームアイロンにおいて、前記
放下弁は、 上端が前記タンクの底部に連結され、下端が前
記底板に向かつてのびるよう配置および固定され
た平坦で滑らかな連続第１管状部材と、 前記第１管状部材に対し入れ子状に配置され、
これと摩擦係合され、ロツクされている同芯の滑
らかな連続第２管状部材と、 前記第１管状部材の下端に設けられ、前記第１
管状部材の下端に減径下部開口を形成する径方向
内向きの下部フランジと、 前記第２管状部材の上端に設けられ、前記第２
管状部材の上端の減径上部開口を形成する径方向
内向きの上部フランジと、 前記上部フランジの下方で前記上部開口を被覆
し、前記第２管状部材から周方向に間隔を置いて
配置されている垂直移動弁デイスクと、 前記下部フランジおよび前記弁デイスクに向か
つて配置され、前記弁デイスクを閉じるよう付勢
するバネとを有する一体組立体からなり、 この放下弁構造を全体を組み合わせたサブユニ
ツトとして構成し、これを前記タンクの底部にロ
ツクおよび固定し、前記デイスクは前記管状部材
を通る直線流れだけを生じるさせるよう移動し、
前記アイロンの水を急激に放下するようにしたこ
とを特徴とするものである。

次に本発明を図面につき説明する。

第１図に示す電気スチームアイロンは全体的に
米国特許第3747241号に開示された自浄型のもの
である。アイロン自体は複数個のスチーム孔１２
が設けられた底板１０およびハンドル１６に連結
されるかハンドルの一部を形成する外側シエル１
４を既知の形状で具える。底板１０はアルミニウ
ムから鋳造するのが好都合であり、電熱素子１８
を所定の場所に鋳造により配置し、アイロンを電
源につないで加熱するときに熱分布が均一になる
ようにする。

アイロンの蒸気発生装置を構成するために、水
タンク２０を設ける。タンク２０はブラケツト２
２および他の適当な機構により通常の方法で設置
された単一プラスチツクハウジングの一部とする
ことができる。蒸気を得るため底板１０に設けた
蒸気発生器２４の中に、オン−オフ位置間で切換
えられるボタン２６および案内部材付弁棒２８に
よる制御の下で、タンク２０から前記米国特許第
3496661号に記載の形式の計弁水量２９を経て熱
い底板１０に水を制御しながら滴下する。この結
果生じる蒸気はカバー板３２の下側の分配通路３
０を経て孔１２からアイロン掛け中の布地へ送ら
れる。図示例では、制御ボタン３５により水を別
の前部発生器３４に注入よることにより追加の蒸
気サージが得られる。温度制御器３６により底板
の熱をサーモスタツト制御する。上述した構造は
すべて周知である。

自浄式アイロンの主な特徴の一つは、タンク２
０の水を熱い底板１０に相当大きい開口を経て急
激かつ完全に放下する手段にある。この開口は、
必ずしも必要なわけではないが、通常の水弁２９
から離間して別個にするのが好ましい。この大き
な開口を制御すべく水タンク２０の底部に配置さ
れた放下弁３８はタンクの水を底板上へすばやく
あけるように作動し、この底板上で急激に生成す
る湯と蒸気の混合物が強力に蒸気噴出し、かくし
て内部通路、タンクおよび出口孔から糸屑や内部
堆積物を追出し洗浄する。この構造自体は周知で
あり、例えば米国特許第3747241号に示されてい
る。

従来の形式の放下弁においては、多数の精密部
品を用い、これらの部品をアイロンに注意深く組
込み、その後試験を行つているので、うまく作動
しないときには全部を分解し交換する必要があつ
た。

本発明は、使用部品数が少なく、組込み以前に
完全な予備試験を行うことができ、自由流通型で
自己洗浄を行い、アイロン内部の弁作動構造への
取付けが簡単な一体の前もつて組立てた放下弁構
造を提供することを目的とする。この目的のため
に、弁は一体組立体、即ちサブユニツトであり、
第１管状部材４０を具える。第１管状部材４０は
好ましくは円筒形で、簡単に薄い金属材料から形
成するかまたはプラスチツクで成形することがで
きる。管状部材４０はタンクの底壁４２内に固定
配置され、第１，２図に示すようにその上端がタ
ンクの底とほゞ同一平面内にあり、そこから下方
に延びて下端が底板１０と向かい合うような構造
とする。任意適当な構造により管状部材４０をタ
ンクの底に接続することができ、例えばフランジ
４４を外向きに形成してタンク壁４２の底面に対
する上向きストツパーとして作用させ、これとは
軸線方向に離間したフランジ手段、即ち第２〜４
図ではタブ４６を壁４２の頂面にかぶさる様に折
曲げ、かくしてフランジがタンク底壁をその頂面
および底面間ではさみ、管状部材４０を底壁に固
定ロツクする。管状部材４０をその開口部の所で
しつかりと固定するため、タンク底壁４２の上表
面に形成されたカム面４８のような適当な手段を
設け、さらに頂部フランジを第３図に示すように
適当な数の離間した周縁タブ４６の形状に形成
し、一方これらタブと共働する適当な離間したス
ロツト５０を壁４２の開口部に設ける。かくして
管状部材４０をタンク壁の底面から開口部内へ滑
り込ませ、次いで回転して、フランジタブ４６と
カム面４８とを共働させることにより管状部材４
０を底壁４２の中にはめ込む。従つて外向きフラ
ンジ４４はタンク底壁に対してぴつたり押付けら
れて垂直のスロツト５０を部分的に密封し、この
結果管状部材４０は所定の位置にぴつたりかつ恆
久的にロツクされる。弁を完成するために、管状
部材４０と関連して第２の同心管状部材５４を設
ける。

第２管状部材５４を圧力ばめにより第１管状部
材４０内に入れ子式に押込んで相互に摩擦係合さ
せ、両者を第２図に示すようにロツクする。管状
部材４０および５４それぞれの一端に内向きフラ
ンジ５６および５８を設ける。これらフランジ５
６および５８は第２図から明らかなように互に反
対側の端部に配置する。フランジ５８が管状部材
の上端で減径開口６０を、フランジ５６が下端で
減径開口６２を画成するようにフランジを設計す
る。さらに第１管状部材４０においては中央円形
ベース６４を適当な支柱６６によりフランジ５６
に連結する。言い換えると、フランジ５６はベー
ス６４を連結および支持する一連の半径方向内向
き支柱６６を有し、支柱間には水通過用の広い開
口があいている。中央ベース６４を垂直方向に段
状としてベースおよび偏圧バネ６８用定置手段と
しての機能を得る。バネ６８は、フランジ５８の
下側で上部開口６０に広がる垂直方向に可動の弁
デイスク７０を押上げ、かくして水を通さない様
に弁を閉じる。適当な弾性部材７２、即ちワツシ
ヤを弁デイスク７０の一部とするか、または別体
にして、例えば突出部７４により弁デイスク７０
の上表面に固着し、開口６０の所でフランジ５８
と共に水密シールを形成する。

第４図に示す通りの全部で５部品の弁構造（弁
デイスクとワツシヤを一体にすれば４部品）は、
第２図に示す形式の一体のサブユニツトに完全か
つ簡単に粗立てることができる。図示のように、
この弁サブユニツトは安価で製造の簡単な成形部
品を使用しており、この完全サブユニツトをタン
ク壁４２への挿入前に完全に組立て、予め試験す
ることができる。サブユニツトを組込むとき、こ
れを単にタンクの底壁４２に挿入すればよい。次
にタンクをカバー板３２に対して押し付ける様に
配置して、ガスケツト７５を圧縮し、フランジ４
４と共に第２図に示す様にしつかりした密封位置
を形成する。この弁全体はアイロンの側面に設け
られた放下ノブ７６おび作動ロツド７７を介して
作動される。即ち、作動ロツド７７が弁デイスク
７０の頂部を押下げて弁をばね力に抗して開き、
タンクの水を熱い底板の蒸気発生器２４中に急激
に放下する。他の連結手段は不要であり、放下ノ
ブ７６を単に挿入して作動ロツド７７と簡単につ
なぐだけである。弁構造の弁デイスク７０に離間
した突起７８を形成して、水が全弁構造を経て支
柱６６を通過し、蒸気発生器２４に入る滑らか迅
速な流れを呈するようにし、この結果弁を経て水
を自由に流し、自浄作用を改善する。上述したよ
うに、本発明の特定の構造はアイロンの外で簡単
に組立てられるサブユニツトであり、安価で、簡
単に予備試験でき、しかも精密な取付および製造
公差なしで簡単に組立て作動でき、これらはすべ
て数少ない安価な部品で自浄作用を達成するもの
である。

以上説明したように、この発明は、第１管状部
材４０の下端に減径開口６２を形成する径方向内
向きの下部フランジ５６を設け、第２管状部材５
４の上端に減径開口６０を形成する径方向内向き
の上部フランジ５８を設け、上部フランジ５８の
下方に弁デイスク７０を配置し、下部フランジ５
６と弁デイスク７０間にバネ６８を配置し、バネ
６８によつて弁デイスク７０を付勢し、弁デイス
ク７０によつて上部開口６０を被覆する。そし
て、この放下弁構造を全体を組み合わせたサブユ
ニツトとして構成し、これをスチームアイロン内
に挿入し、水タンク２０の底部４２にロツクおよ
び固定したから、スチームアイロンへの挿入前、
放下弁３８の弁デイスク７０が的確に動作するか
どうかを予備試験することができる。そして、弁
デイスク７０が的確に動作しないとき、そのまま
放下弁３８を修理または交換することができる。
したがつて、スチームアイロンへの挿入後、放下
弁３８を修理または交換する必要はなく、スチー
ムアイロン全体を分解し、放下弁３８をスチーム
アイロンから取り出す必要はない。したがつて、
製造能率を大幅に向上させることができる。さら
に、この発明は第２管状部材５４を第１管状部材
４０に対し入れ子状に配置し、これと摩擦係合さ
せ、ロツクしたから、放下弁構造を簡単に組み立
てることができる。第２図および第４図から明ら
かなように、放下弁構造を組み立てるには、管状
部材４０，５４内に弁デイスク７０およびバネ６
８を収容する。そして、第２管状部材５４を第１
管状部材４０内に挿入し、これと摩擦係合させ、
ロツクすればよい。これによつて予備試験するこ
とができる弁構造を得ることができ、その作業は
容易である。その後、これをスチームアイロン内
に挿入し、水タンク２０の底部４２にロツクおよ
び固定すればよいものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の放下弁を組込んだアイロンの
通常の構成部品を一部破断して断面にて示す側面
図、第２図は前もつて組立てた放下弁の拡大断面
図、第３図は第２図の底面図、および第４図は第
２図の弁部品の分解斜視図である。 １０……底板、２０……水タンク、２９……水
弁、３８……放下弁、４０……第１管状部材、４
２……タンク底壁、４４……フランジ、４６……
タブ（フランジ）、４８……カム面、５４……第
２管状部材、５６，５８……内向きフランジ、６
０，６２……開口、６４……中央ベース、６６…
…支柱、６８……バネ、７０……弁デイスク、７
２……弾性部材。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 水タンクと、蒸気発生底板と、オン−オフ位
   置間を移動し、水を前記底板に導き、蒸気を発生
   させる案内水弁と、前記タンクの水を急激に前記
   底板に放下し、アイロンを洗浄する放下弁とを有
   するスチームアイロンにおいて、前記放下弁は、 上端が前記タンクの底部に連結され、下端が前
   記底板に向かつてのびるよう配置および固定され
   た平坦で滑らかな連続第１管状部材と、 前記第１管状部材に対し入れ子状に配置され、
   これと摩擦係合され、ロツクされている同芯の滑
   らかな連続第２管状部材と、 前記第１管状部材の下端に設けられ、前記第１
   管状部材の下端に減径下部開口を形成する径方向
   内向きの下部フランジと、 前記第２管状部材の上端に設けられ、前記第２
   管状部材の上端の減径上部開口を形成する径方向
   内向きの上部フランジと、 前記上部フランジの下方で前記上部開口を被覆
   し、前記第２管状部材から周方向に間隔を置いて
   配置されている垂直移動弁デイスクと、 前記下部フランジおよび前記弁デイスクに向か
   つて配置され、前記弁デイスクを閉じるよう付勢
   するバネとを有する一体組立体からなり、 この放下弁構造を全体を組み合わせたサブユニ
   ツトとして構成し、これを前記タンクの底部にロ
   ツクおよび固定し、前記デイスクは前記管状部材
   を通る直線流れだけを生じるさせるよう移動し、
   前記アイロンの水を急激に放下するようにしたこ
   とを特徴とする放下弁。