JPS6225947Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はメタノール、メチルメタアクリレー
ト、苛性ソーダ、塩酸など化学薬品を液体タンク
コンテナで搬送する液体タンクコンテナ運搬車に
関するものである。

従来これら液体の搬送は車体フレーム上に固設
したタンクフレームに密閉型のタンクを固設した
各液体専用のタンクローリによつているが、これ
がため数多くの運搬車を保有しなければならず運
転者も多数必要としている。またこれら液体の搬
送量は需要のバラツキや季節等によつて変動があ
るため、これら専用タンクローリの稼動率が悪く
輸送コストの高騰を招いている。これを解決する
ため近年トラツクに脱着可能にした液体タンクコ
ンテナに液体を積載して搬送することが行われ始
めている。これにより運搬用トラツク及び運転者
の運用が高められるが、これら液体の搬送費用は
製品価格を占める割合が高いのでさらに合理化す
ることが望まれている。

本考案は上記の点に鑑み考案されたもので、ト
ラツクに備えた液体排出装置と係合して圧縮空気
によつてタンク内の液体を排出するための空気取
入口を上部に備えた密閉型の液体タンクコンテナ
をトラツクの車体フレームに緊締金具で脱着可能
に搭載するとともに、荷台に空の液体タンクコン
テナと乗せ替えて該液体タンクコンテナを緊締す
るための緊締装置を有する空の液体タンクコンテ
ナ搭載用のフルトレーラを該トラツクに連結して
なることを特徴とし、その目的とするところは荷
を積載した液体タンクコンテナと空の液体タンク
コンテナを適宜組合せて搭載して搬送し、液体の
搬送を効率よく行うようにした液体タンクコンテ
ナ運搬車を提供することにある。

以下本考案の一実施例を第１図乃至第６図に基
づいて説明する。第１図は液体タンクコンテナ運
搬車の全体を示す正面図、第２図は液体タンクコ
ンテナをトラツク及びフルトレーラに搭載してな
い状態の平面図、第３図乃至第５図は液体タンク
コンテナの詳細を示す平面図、正面図および側面
図、第６図は液体排出の説明図である。

トラツク１には液体タンクコンテナ１４が搭載
可能に車体フレーム２の前部と後部に横梁２ａ，
２ｂが設けられ、これに液体タンクコンテナ１４
の緊締金具１７を係止するための緊締装置３が備
えられている。そして車体フレーム２の後部には
フルトレーラ１０を牽引するための連結装置４が
設けられている。

また車体フレーム２下部には液体タンクコンテ
ナ１４内の液体を排出するための液体排出装置５
が備えられている。この液体排出装置５はコンプ
レツサ６、フイルタ７、開閉弁８及び液体タンク
コンテナ１４に付設した配管２５と接続するため
のホース９から構成され、コンプレツサ６の動力
は走行用の変速機の動力取出装置（パワーテイク
オフ）から得ている。

トラツク１に牽引されるフルトレーラ１０は前
部にトラツク１の連結装置４に連結されるドロー
バ１１を備え、上部には平らな荷台１２が設けら
れており、これには液体タンクコンテナ１４の緊
締金具１７を係止するトラツク１の緊締装置３と
同寸法位置の緊締装置１３が設けられている。こ
のフルトレーラ１０の積載能力は空の液体タンク
コンテナ１４の重量分であり軽量化された簡単な
ものでよい。

液体タンクコンテナ１４はタンクフレーム１５
上にタンク１６を固設して構成され、タンクフレ
ーム１５下部にはトラツク１の緊締装置３と係合
する緊締金具１７が設けられ、またフオークリフ
トでトラツク１またはフルトレーラ１０に搭載、
積卸しができるように溝１５ａ，１５ｂが設けら
れている。

タンク１６内は３つの部屋１６ａ，１６ｂ，１
６ｃに分割されており、それぞれの上部に液体の
供給口１８と安全弁１９と検量尺２０と液体排出
のための空気取入口２１が設けられており、タン
ク１６下部には液体排出用の開閉底弁２２が各部
屋１６ａ，１６ｂ，１６ｃに設けられている。こ
の開閉底弁２２の操作ハンドル２３がタンク１６
上部にそれぞれ設けられている。

空気取入口２１は開閉弁２４を介して配管２５
によつて連通されタンク１６下部へ導かれており
配管２５端部にはトラツク１の液体排出装置５の
ホース９と接続可能な継手２６が付設されてい
る。

タンク１６の開閉底弁２２は液体排出用の配管
２７に接続され、配管２７端部には他のホースと
接続可能に液体排出口２８が設けられている。な
お２９は開閉弁である。タンク１６内の液体の排
出はホース９を配管２５の継手２６に接続し、開
閉底弁２２、開閉弁２９および開閉弁２４を開放
した後、開閉弁８を開放してタンク１６内に圧縮
空気を送り込むことによつて行われる。３０は梯
子である。

次にこのように構成された液体タンクコンテナ
運搬車でメタノール及びこれの２次製品を搬送す
る場合について第７図により説明する。

Ａはメタノールを産出する石油コンビナート、
Ｂはメタノールからホルマリン原料、メチルメタ
アクリレート、DMTなどを生産する化学薬品工
場、Ｃはメチルメタアクリレートから繊維を製造
する工場である。

先ずメタノール積載用の空の液体タンクコンテ
ナ１４ａをトラツク１に、メチルメタアクリレー
ト積載用の空の液体タンクコンテナ１４ｂをフル
トレーラ１０に夫々搭載した液体タンクコンテナ
運搬車が石油コンビナートＡにあり、ここでメタ
ノールを液体タンクコンテナ１４ａに積載する。
そしてこの状態で化学薬品工場Ｂに搬送しここで
トラツク１の液体排出装置５によつてメタノール
を積卸しする。

次にフオークリフトでトラツク１上のメタノー
ル積載用の空の液体タンクコンテナ１４ａとフル
トレーラ１０上のメチルメタアクリレート積載用
の空の液体タンクコンテナ１４ｂとを乗せ替え
る。そしてメチルメタアクリレートを液体コンテ
ナ１４ｂに積載する。

この状態で繊維工場Ｃへ搬送し、ここでメチル
メタアクリレートを積卸しする。そしてそのまま
の状態で石油コンビナートＡへ搬送する。

石油コンビナートＡではフオークリフトによつ
てトラツク１上のメチルメタアクリレート積載用
の空の液体タンクコンテナ１４ｂとフルトレーラ
１０上のメタノール積載用の空の液体タンクコン
テナ１４ａとを乗せ替える。

上記のサイクルを繰り返すことによりメタノー
ルとメチルメタアクリレートの搬送を一人の運転
者によつて空車搬送を少くして行うことができ
る。特に石油コンビナートＡと化学工場Ｂの搬送
距離が長く、繊維工場Ｃと石油コンビナートＡの
距離が短い場合には効果が大きい。

以上説明したように本考案は異種の液体タンク
コンテナをトラツクとトラツクに連結したフルト
レーラのいずれにも搭載可能とするとともに適宜
これを乗せ替えて搬送し、液体の排出はトラツク
に付設した液体排出装置によつて行うようにした
ので、従来に比べ輸送コストを大巾に軽減するこ
とができまた搬送タイミングに支障を来たした場
合等にはフルトレーラをトラツクから切り離して
専用のタンクローリとして利用でき高価なトラツ
クを有効に利用できるなど実用上の効果多大であ
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る液体タンクコンテナ運搬車
を示すもので、第１図は全体を示す正面図、第２
図は液体タンクコンテナをトラツク及びフルトレ
ーラに搭載してない状態の平面図、第３図乃至第
５図は夫々タンクコンテナの詳細を示す平面図、
正面図および側面図、第６図は液体排出作用の説
明図、第７図は本考案の運搬車の使用方法の説明
図である。 １はトラツク、２は車体フレーム、２ａ，２ｂ
は横梁、３は緊締装置、４は連結装置、５は液体
排出装置、６はコンプレツサ、７はフイルタ、８
は開閉弁、９はホース、１０はフルトレーラ、１
１はドローバ、１２は荷台、１３は緊締装置、１
４は液体タンクコンテナ、１５はタンクフレー
ム、１５ａ，１５ｂは溝、１６はタンク、１６
ａ，１６ｂ，１６ｃは部屋、１７は緊締金具、１
８は供給口、１９は安全弁、２０は検量尺、２１
は空気取入口、２２は開閉底弁、２３は操作ハン
ドル、２４は開閉弁、２５は配管、２６は継手、
２７は配管、２８は液体排出口、２９は開閉弁、
３０は梯子である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 下部に緊締金具を備えたタンクフレーム上に、
   液体排出用の空気取入口を上部に備えた密閉型の
   液体タンクを固設した液体タンクコンテナを脱着
   可能にするための緊締装置とタンク内の液体を排
   出するため前記空気取入口に圧縮空気を供給する
   液体排出装置とを備えたトラツクに、前記液体タ
   ンクコンテナの緊締装置と同寸法位置に緊締装置
   を備えた荷台を有し空の液体タンクコンテナと乗
   替え可能としたフルトレーラを連結してなる液体
   タンクコンテナ運搬車。