JPS6225640Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、保温効果を向上させた太陽熱光線の
透過面の構造に関するものである。

一般に太陽熱光線の透過面は、温室やサンルー
ム等の屋根部、太陽熱利用の温水器等の表面部そ
の他の太陽熱光線を必要とする場所に使用され、
透過した太陽光による該温室内やサンルーム内等
の暖気を保温したり太陽熱利用の温水器内の集熱
板を保護することに役立つている。

しかし、上記太陽熱光線の透過面は、ガラス板
が汎用されているため、外力が加わると容易に破
損すること、該ガラス板一枚の面積の大きさは、
製造、運搬等の都合であまり大きくすることがで
きないこと、このためガラス板を保持するフレー
ム数が多くなるということ、ガラス板の比重が大
きいからこれを支持する構造物、例えば温室の柱
等を強固に設計する必要があること等の問題点を
有していた。

又、上記太陽熱光線の透過面に、一枚のビニー
ルフイルムを覆つて固着したものも多く使用され
ているが保温性がよくない等の欠点があつた。

そこで本考案は、合成樹脂フイルムの比重量が
小さいことに着目して、該合成樹脂フイルム又は
シートを二枚重合し、該重合シートの端縁部をフ
イルム押え材とシート挾持材との間に介装させ挾
着すると共に該シート挾持材が係合部を縦枠（又
は横枠）の係合部に係合させて該縦枠内に嵌着さ
れて、前記重合シートの間に気体を封止して保温
効果を高めた太陽光透面構造を提供するものであ
る。

以下、添付図面に従つて本考案の実施例を詳述
する。第１図は、太陽光透過面構造の実施例を示
す正面図で、これは重合シート１１と、縦枠１２
と、横枠１３と、フイルム押え材１４と、シート
挾持材１５とから構成されている。前記重合シー
ト１１は、機械的特性や耐候性、耐熱性（太陽熱
に対する）等に優れたFEP（４フツ化エチレン
−６フツ化プロピレン共重合樹脂）フイルムを使
用し、第２図に示すように該フイルムを二枚重合
して該長手方向の端縁部１１ａを熱融着したもの
である。前記縦枠１２及び横枠１３は、第３図イ
に示すように略Ｈ型材で、両上端部には係合部１
３ａ，１３ａが形成され、両下端部には屋根支持
材２１（同図ハ参照）に掛止する掛止爪１３ｂが
形成されている。

前記フイルム押え材１４は、断面略円形の棒状
弾性体又は棒状金属材であり、前記シート挾持材
１５は、断面が略Ｕ字形で該Ｕ字形の端部に係合
部１５ａが形成されたものである。

前記端縁部１１ａは、第３図イに示すように前
記フイルム押え材１４と前記シート挾持材１５と
の間に介装されて挾着され、同図ロに示すように
該シート挾持材１５が前記横枠１３に嵌着され、
前記係合部１５ａが係合部１３ａに係止されて抜
け出ないようにされている。前記重合シート１１
の幅方向の端縁部１１ｂは、前記した横枠１３へ
の挾着方法と同様の方法によつて縦枠１２に挾着
されて固定され、端縁部１１ｂの開口部がこの挾
着によつて封止される。この封止を完全にするた
めに、フイルム押え材１４及びシート挾持材１５
は重合シート１１の幅方向よりも多少長めに形成
されている。

これにより前記重合シート１１は、四辺の端縁
部１１ａ，１１ａ，１１ｂ，１１ｂが封止され、
空気注入口１１ｃより空気を注入して保温効果を
向上させるようにしている。第４図は、この実施
例の太陽光透過面構造１０を温室２０の屋根部に
利用したものを示す斜視図である。即ち、Ｅ部は
詳細を第５図に示すように、この実施例の縦枠１
２を屋根勾配上下方向に延設し、横枠１３を前記
縦枠１２間に横架したものである。又、重合シー
ト１１は、一方の端縁部１１ａを例えば第５図上
左端の縦枠１２に挾着して他方の端縁部１１ａを
図示しない縦枠１２に挾着するが、間に設けられ
た縦枠１２ｎには第６図ロのように挾着される。
又、前記重合シート１１とこれに平行して屋根上
側に布設した重合シート１１とは、第６図イに示
すように端縁部１１ａを重ね合わせて挾着されて
いる。又、縦枠１２及び１２ｎは、屋根支持材２
１〔第６図ロ〕上に載置され、掛止爪１３ｂが該
屋根支持材２１に掛止して固定される。

第７図は、本考案の実施例を屋根一体型の太陽
熱温水器５０の透光板やその支持材に使用したも
ので、底板６３と太陽熱集光６１とこれらの間に
介装された断熱材６２と、前記太陽集熱板６１の
裏面に設けられた水の循環チユーブ６４とから構
成される太陽熱集熱部６０に、重合シート１１
と、この重合シート１１の四端縁部１１ａ，１１
ａ，１１ｂ，１１ｂ，１１ｂを挾着して固定する
横枠１３又は縦枠１２（図示せず）とからなる本
考案の太陽光透過面構造をＩ型部材５１に載置し
たものを囲うように設けたものである。

上記実施例では、重合シート１１の両長手方向
端縁部１１ａ，１１ａのみを熱融着しているが、
更に手を加えて重合シート１１の幅方向端縁部１
１ｂ，１１ｂをも熱融着して四端縁部全てを封止
してもよい。

以上の構成による太陽光透過面構造は、太陽が
出ているときは太陽光線により温室やサンルーム
等の室内を温暖にするが、太陽が沈んでからは該
室内の温度を低下させないように保温の役目を果
すものである。又、重合シートは、太陽光によつ
て熱せられて伸長するが、同時に該シート内に封
止された気体が膨張するので該シートが張つた状
態に保持されるものである。

以上のように本考案の太陽光透過面構造は、重
合シートが合成樹脂フイルムであるから、安価で
軽量であること、重合シートの間に空気を封入し
たから保温性に優れていること、ガラス板を使用
する場合と異なつて屋根の横方向に継目なしで布
設することができるから雨漏れがない。又、シー
ト挾持材の係合部が枠の係合部に係合して該シー
ト挾持材が該枠内に嵌着されるから、シート挾持
材を枠から取り外してシートを交換することがで
き、シートの交換が容易である。さらに、シート
の端縁部が熱融着されているから、コーナーの封
止を確実かつ簡単に行える等の実用上の効果を奏
する。

【図面の簡単な説明】

第１図は太陽光透過面構造の実施例を示す平面
図、第２図は重合シートを示す斜視図、第３図イ
は重合シートが挾着される時の順序図、第３図ロ
は第１図のＡ−Ａ線断面図、第３図ハは第１図の
Ｂ−Ｂ線断面図、第４図は温室を示す斜視図、第
５図は第４図Ｅ部を示す詳細な平面図、第６図
イ，ロは第５図のＣ−Ｃ線断面図、Ｄ−Ｄ線断面
図をそれぞれ示し、第７図は太陽熱利用の温水器
を示す断面図である。 １０……太陽光透過面構造、１１……重合シー
ト、１１ａ，１１ｂ……端縁部、１２……縦枠、
１３……横枠、１２ｎ……間に設けられた縦枠、
１３ａ……係合部、１４……フイルム押え材、１
５……シート挾持材、１５ａ……係合部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 透光性を有する合成樹脂フイルム又はシートが
   重合されると共に端縁部が熱融着された重合シー
   トと、枠の係合部に係合する係合部を有して枠内
   に嵌着されるシートの挾持材と、前記重合シート
   の端縁部をシート挾持材との間で挾着するフイル
   ム押え材とを備えてなり、前記重合シート内に気
   体が封入されていることを特徴とする太陽光透過
   面構造。