JPS6225579Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は電磁式圧力逃し弁のパイロツト弁に
関するもので、特にこのような弁の自圧式可撓性
弁座装置に関するものである。

安全弁の補助弁として使用される電磁式圧力逃
し弁及びその副弁すなわちパイロツト弁は、構造
上の制約から、弁座部の上流から弁座周上に向う
流体の流路が局部的に集中し、流れが不均一であ
る。このように流れが不均一になると、温度分布
が不平衡になつて、弁座の当り面に歪が生ずる。
弁座及びこれに密着するべき弁体の接座部が高硬
度の金属からなる場合、弁座面の歪によつて生じ
た局部的な隙間から漏洩が起こり、更に漏洩気体
の断熱膨張による温度降下のため、その部分の歪
が増々大きくなつて、気体の漏洩も甚だしくな
る。

又パイロツト弁は口径が小さいため、構造上及
び加工上の制約を受けるので、その改善策が採用
され難い状況であつた。

この考案は、叙上の欠点を除去して、弁座の気
密性を向上し、気密性の高い電磁式圧力逃し弁の
パイロツト弁を得ることを目的としてなされたも
のであり、そのために、弁箱体に固定のボンネツ
トに設置の案内に沿つて摺動するパイロツト弁体
の端部に設けられている環状の接座部と、該接座
部が接離して外周側の高圧部の内周側の低圧部と
を連通、遮断すると共に上記ボンネツトに取り付
けられている環状のパイロツト弁座とを備えてお
り、上記接座部はその断面が外周側に向かつて厚
さが薄くなるくさび形断面形状に形成されている
と共に、上記くさび形断面の背部には上記高圧流
体が流通する空間部を形成しており、かつ、上記
接座部の外周には、高圧流体が直接接座部に強く
当たらないように高圧流体の上記空間部への流路
を介して環状の保護筒部が上記接座部を囲繞して
パイロツト弁体の外周部に設けられていることに
よつて、上記目的を達成する電磁式圧力逃し弁の
パイロツト弁を提供するものである。

以下に、図示する実施例に関してこの考案の構
成と効果について説明する。

第１図は電磁式圧力逃し弁の１例を示し、弁箱
体１内の弁座２を閉じている本弁体３を開くため
には、先ず副弁すなわちパイロツト弁を開くこと
によつて、本弁体３にかかつている高圧の背圧を
低下させる。この背圧の低下によつて、本弁体３
は瞬時に開き、弁箱体１内の流路にかかつている
流体圧力を弁座２を介して逃がす。

このパイロツト弁の構成及び作動について述べ
ると、パイロツト弁体５は、ボンネツト７に設け
られている案内６に沿つて、外部より作動される
弁棒９によつて、動き、ボンネツト７に設けられ
ているパイロツト弁座８に圧接又は離される。す
なわち、パイロツト弁座８の外側には高圧流体が
かかつており、内側は弁棒９との間のすきまを介
して低圧側となつている。

第１図の円内のパイロツト弁部分を拡大して
詳細に示している第２図で明かなように、高圧流
体は太い矢印で示すように案内ブツシユ４の通孔
１０、案内６の孔１１を通り、ボンネツト７に形
成されている流路１２に入り、パイロツト弁座８
に圧接されているパイロツト弁体５の接座部１３
によつてしや断され、高圧流体が接座部１３の背
部の空間部１３ａに入ることによつて、接座部１
３は流路１２の高圧側Ｈとボンネツト７と弁棒９
との間の低圧側Ｌとの差圧によつて弁座８に押着
けられている。この状態を第３図に示している
が、この考案ではパイロツト弁体５の接座部１３
をくさび形断面形状を持つ環状の可撓性部分に形
成し、パイロツト弁座部上流からパイロツト弁座
周上に向う流体の流路が局部的に集中して流れが
不均一になるのを緩和している。更に加工性を考
慮して、弁体５のくさび形断面形状の接座部１３
の先端が流体によつて浸蝕されるのを防止するた
めに保護筒部１４を設けているが、これを弁体５
と別体に形成し、弁体５から分離することで、く
さび部の加工を容易にしている。すなわち保護筒
部１４は別体であるので、くさび形断面形状の接
座部１３を加工した後にこれを弁体５に取付ける
ことができるから、接座部１３の加工が容易にな
り、加工能率を向上することができる。

この様に、弁体の接座面の背面に設けられた空
間はパイロツト弁のような小口径弁の弁体を均一
に加熱する流体流路を形成し、不均一な熱歪が生
じない弁体を形成している。またパイロツト弁座
当りに対し弁体接座部をくさび形断面形状にする
ことで、この部分の気密力低下に対し接座部にか
かる背圧力でこの部分を変形させ、気密面圧を向
上させることで漏洩の生じにくい作用を果してい
る。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案によるパイロツト弁を有する
電磁式圧力逃し弁の全体を示す断面図、第２図は
第１図の円内の部分の拡大部分断面図、第３図
はパイロツト弁体の接座部附近のこの考案による
保護筒部を示す拡大部分断面図である。 １……弁箱体、２……弁座、３……本弁体、４
……案内ブツシユ、５……パイロツト弁体、６…
…案内、７……ボンネツト、８……パイロツト弁
座、９……弁棒、１０……通孔、１１……孔、１
２……流路、１３……接座部、１４……保護筒
部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 弁箱体に固定のボンネツトに設置の案内に沿
   つて摺動するパイロツト弁体の端部に設けられ
   ている環状の接座部と、該接座部が接離して外
   周側の高圧部と内周側の低圧部とを連通、遮断
   すると共に上記ボンネツトに取り付けられてい
   る環状のパイロツト弁座とを備えており、上記
   接座部はその断面が外周側に向かつて厚さが薄
   くなるくさび形断面形状に形成されていると共
   に、上記くさび形断面の背部には上記高圧流体
   が流通する空間部を形成しており、かつ、上記
   接座部の外周には、高圧流体が直接接座部に強
   く当たらないように高圧流体の上記空間部への
   流路を介して環状の保護筒部が上記接座部を囲
   繞してパイロツト弁体の外周部に設けられてい
   ることを特徴とする電磁式圧力逃し弁のパイロ
   ツト弁。 (2) 保護筒部が、パイロツト弁体と別体に構成さ
   れ設けられている実用新案登録請求の範囲第１
   項記載の電磁式圧力逃し弁のパイロツト弁。