JPS6225331Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本願は研掃材の分級回収筐に改良を加えた乾式
サンドブラスト装置に関する。

ブラスト加工を行なう際、被加工物の材質、加
工の目的等に応じて研掃材の材質、粒度を選ばな
ければならず、ブラスト装置内の研掃材を交換す
る必要が生じる。

この研掃材の交換作業は、装置内の研掃材を分
級回収筐に吸引回収し、該筐の放出口を開いて容
器に研掃材を放出して、ブラスト室中に新たな研
掃材を容れる。

ところが、分級回収筐は金属板の曲げ加工及び
熔接継ぎで作られており、又、回収管に突設する
回収用の接続管、研掃材の分級板等が熔接止めさ
れているから、一部の研掃材は熔接線上や分級板
上に溜まつて下方に落下せず、従つて入れ変えた
新しい研掃材に回収筐に残存している研掃材が混
じる問題があつた。

異種の研掃材が混じると、加工面が乱れ、加工
面を傷付ける等の慮れがあり、所望の研掃効果は
得難い。

本考案は分級回収筐の構造に工夫を施すと共に
該回収筐に清掃用の圧力空気噴射ノズルを設ける
ことにより、通常では落下せずに溜まつてしまう
研掃材を吹き飛ばして回収筐から放出出来、以つ
て研掃材の交換時に異種の研掃材が混じり合うこ
とを防止することを目的とする。

以下、図面に基づいて本考案を具体的に説明す
る。

乾式ブラスト装置は公知の如く、内部のブラス
ト室１１に作業テーブル１２を設け前面には透明
板１３を嵌めた覗き窓１４及び作業用ゴム手袋１
５付きの作業孔１６を具えた装置本体１と、該本
体１の上面に配備され回収ホース３によつて本体
１に連通したサイクロン型分級回収筐２と、該回
収筐２にダクトホース４を介して連通した集塵器
５とで構成される。

上記分級回収筐２は上面開口の円筒体２１の下
端に漏斗体２２を熔接接続しており、漏斗体２２
は前記装置本体１の上面を貫通してブラスト室１
１内に臨出している。

円筒体２１の上部側面には接続管２５が突設さ
れ、該接続管は円筒体２１から接線方向に延びた
水平部２３と該水平部の先端から下向きに屈曲し
た垂直部２４とから成り、垂直部２４の先端は回
収ホース３を介して装置本体１下端の放出部１７
に連通している。

漏斗体２２の側面には分級バルブ２７付きの短
管２６が貫通配備されている。

これは公知の様に研掃材中に混じつている不純
粉塵の分級度合をバルブの開閉によつて決めるも
のである。

漏斗体２２の放出口２８は着脱可能な流量調整
器６及びホース６１を介して噴射ガン６２に連通
し、噴射ガン６２には圧力空気ホース６３を繋
ぐ。

回収筐２の上面開口に蓋７をボルト止めする。

蓋７は中央に流通孔７１を開設して孔縁から上
方には繋ぎ管７２、下方には下面が開口した円筒
状の邪魔体７３を突設し、該邪魔体７３の下方に
邪魔体７３との間に流通間隙７４を存して邪魔板
７５を設けている。

邪魔板７５は外周側が下向きに傾斜する逆錐状
であつて、ステー７６及び吊り軸７７によつて邪
魔体７３に吊されている。

蓋７の接続管７２に集塵器５に連通するダクト
ホース４を繋ぐ。

本願の特徴は上記分級回収筐２に清掃用の圧力
空気噴射ノズル８を内向きに配備したことであ
る。

本実施例では、回収筐２の円筒体２１に２基、
円筒体２１の接続管２５に１基、計３基のノズル
８，８ａ，８ｂを設けている。

円筒体２１のノズル８ａ，８ｂは該円筒体の直
経線上に壁面を貫通して配備され、ノズル８ａ，
８ｂの高さは前記邪魔板７５の高さに略等しい。
接続管２５のノズル８は、接続管２５の屈曲部の
外壁に該管の水平部２３と略等しい高さに設けら
れ、円筒体２１側に向いている。

３基のノズル８，８ａ，８ｂは夫々ホース８１
及び開閉コツク８２を介して圧力空気管８３に繋
がれている。

上記研掃装置は従前のものと同様にして集塵器
５の吸引力で装置本体１から回収ホース３を通じ
て分級回収筐２に研掃材を吸引し、回収筐中で生
じる渦流で、研掃材中に混じる破砕微粉、脱スケ
ール粉等の不純粉塵を分離して同筒邪魔体７３と
邪魔板７５との間の流通間隙から集塵器５へ回収
し、研掃材はエゼクター作用でホース６１を通じ
てガン６２からテーブル１２上の被加工物（図示
せず）に噴射され、研掃材はブラスト室１１と回
収筐２との間を循環して繰り返し使用される。

被加工物の材質が変わる等によつて、研掃材を
別種のものと入れ換えるには、回収筐２の放出口
２８を閉じて、前述した様に集塵器５の吸引力で
ブラスト室１１中の研掃材を回収筐２に回収す
る。

ブラスト室１１内面に付着した研掃材はガン６
２から圧力空気のみを噴射させて下方に吹き落せ
ば、研掃材を残らず回収筐２に回収出来る。

放出口２８の流量調整器６を外し、予め配備し
ておいた容器（図示せず）を受けて回収筐２中の
研掃材を排出する。

次に放出口２８をゴムキヤツプ（図示せず）等
で一時的に塞ぎ、清掃用のノズル８，８ａ，８ｂ
のバルブ８２を開いて回収筐２内に圧力空気を吹
き込む。

圧力空気の噴射により、回収筐２の内面或は筐
の熔接継ぎ目に付着した研掃材が筐壁を辷り落ち
て或は筐中に浮遊して放出口２８に落下する。

邪魔板７５は外周縁が下向きに傾斜した逆錐状
を呈して辷り落ち易い構造になつており、研掃材
９が厚く堆積することはない。しかし如何に辷り
易い構造にしようとも研掃材９の溜りを無くする
ことは出来ない。

又、接続管２５の水平部２３は該管２５から回
収筐内へ常時空気が通過していることによつて研
掃材は溜まり難いと思われ勝ちであるが、比重の
重い研掃材はこの様な箇所にも沈降し溜まる。

本考案では清掃用のノズル８ａ，８ｂが邪魔板
７５を挾んで邪魔板７５と略同一高さに配備さ
れ、又他のノズル８は接続管２５の外壁に水平部
２３に向けて設けられているから、ノズル８から
の圧力空気の噴射によつて、邪魔板７５及び該水
平部２３にはノズル８，８ａ，８ｂからの圧力空
気の噴射に対し死角となる部分がなく、邪魔板７
５及び水平部２３に溜まつている研掃材９も吹き
落すことが出来る。

放出口２８を開いて、放出口に溜つた研掃材を
容器に受ければ可い。

前記３基のノズル８，８ａ，８ｂは一度に開放
せず、手動或は電気的に順々に１基づつ作動させ
ることも可能であり、又、この方が空気の吹き込
みが強過ぎず高い清掃効果が得られる場合が多
い。

又、１度の清掃だけでなく、再び放出口２８を
閉じてノズル８，８ａ，８ｂから圧力空気を噴射
させれば一層効果的に清掃出来るのは勿論であ
る。

上記作業の後、放出口２８に再び流量調整器６
を取付け、ブラスト室１１に新しい研掃材を容れ
る研掃材の交換は完了する。

本考案は上記の如く、分級回収筐２に清掃用の
ノズル８，８ａ，８ｂを配備したから、研掃材の
交換に際し、筐２の内面に付着した研掃材をノズ
ルからの圧力空気で吹き落し、研掃材を残らず放
出出来るから、新しい研掃材に古い研掃材が混じ
ることを防止出来る優れた効果を有す。

【図面の簡単な説明】

第１図は装置の断面図、第２図は平面図、第３
図は第２図−線に沿う断面図、第４図は第２
図−線に沿う断面図である。 ２……分級回収筐、２５……接続管、７５……
邪魔板、８，８ａ，８ｂ……噴射ノズル。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 噴射済みの研掃材をブラスト室１１から回収ホ
   ース３を通じて分級回収筐２に戻し、研掃材に混
   つた粉塵を集塵器５に吸引せしめ、回収筐２に残
   つた研掃材をブラスト作業に再使用する乾式サン
   ドブラスト装置に於て、分級回収筐２の上面中央
   に集塵器５に連通するダクトホース４の繋ぎ管７
   ２を突設し、回収筐内には該繋ぎ管７２に連通し
   且つ下端が開口した筒状の邪魔体７３が垂下し、
   該邪魔体７３の下方に邪魔体との間に流通隙間を
   存して外周縁が低く傾斜した逆錐状の邪魔板７５
   を配備し、回収筐２の周面には回収ホース３を接
   続するための接続管２５を突設し、回収筐２の前
   記逆錐状の邪魔板７５の高さと略同じ高さ位置に
   て回収筐２の周面を貫通し且つ邪魔板７５を挾ん
   で複数の噴射ノズル８ａ，８ｂを設け接続管２５
   の壁面を貫通して該接続管２５の水平部２３に向
   けて噴射ノズル８が設けられている乾式サンドブ
   ラスト装置。